外国人留学生の在留資格とは?アルバイトや就職の可否について解説!

WeXpats
2021/11/30

日本の大学や専門学校に通う外国人留学生は、在留資格「留学」を取得しています。しかし、外国人留学生のなかには在留資格とは何か詳しく知らない方もいるでしょう。そこで、このコラムでは在留資格とビザの違いや外国人留学生の活動範囲、アルバイトの始め方などを解説します。また、教育機関を卒業したあと日本で働く際に必要な手続きもまとめているので、就職を考えている外国人留学生はチェックしてみましょう。

目次

  1. 在留資格とは?
  2. 外国人留学生がアルバイトを行う方法
  3. 日本で就職する外国人留学生は在留資格の変更が必要
  4. 卒業も就職活動を行える在留資格
  5. まとめ

在留資格とは?

在留資格とは?の画像

在留資格とは、外国人が日本に滞在するために必要な許可です。在留資格を持たずに日本に滞在すると不法滞在に該当し、退去強制や出国命令の対象になります。在留資格の種類は大きく分けて以下の3つです。

・就労可能な在留資格
・就労できない在留資格
・身分または地位に基づく在留資格

外国人留学生が持つ在留資格「留学」は、「就労できない在留資格」に該当します。日本で許可されている活動は専門学校や大学での勉強であるため、就労は認められていません。

在留資格とビザの違い

在留資格という意味で使われることが多い「ビザ」ですが、正確には査証を表す言葉です。査証(ビザ)とは入国審査に必要な証書で、日本への入国を認められた有効なパスポートを持つ外国人に発行されます。一方で、在留資格とは入国審査を通過したあと、日本で滞在・活動するために必要な許可です。日本へ入国する際に必要な証書がビザ、入国後の活動に必要なのが在留資格なので、間違えないように覚えておきましょう。

外国人留学生がアルバイトを行う方法

外国人留学生がアルバイトを行う方法の画像

在留資格「留学」は本来就労が認められませんが、資格外活動許可を受けた場合に限り、学業に支障をきたさない範囲でアルバイトを行えます。学費や生活費のためにアルバイトを行いたい外国人留学生は、資格外活動許可を申請しましょう。資格外活動が本来の在留目的の妨げにならず、適当な内容だと認められれば許可を得られます。ただし、資格外活動許可の審査には2週間から2ヶ月ほどかかるので、アルバイトを始める予定の外国人留学生は、早めに申請しておくと安心です。

資格外活動許可の申請書類

資格外活動許可の申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行えます。外国人留学生本人が申請する場合、必要な書類は申請書のみです。申請書は出入国在留管理庁のWebサイトからダウンロードできるので、印刷して必須項目を記入し、提出しましょう。

外国人留学生のアルバイトには制限がある

資格外活動許可を受けても、外国人留学生のアルバイトには制限があります。外国人留学生がアルバイトできる時間は原則週28時間以内、夏季休暇や冬期休暇などの「学則による長期休業期間」は週40時間以内です。また、働ける場所にも制限があり、パチンコ店やゲームセンターの店員、ホスト・ホステスなど風営法に関わるアルバイトはできません。これらの職場で風俗営業に直接関わらず、清掃やキッチンのアルバイトで働くことも禁止されているので、アルバイト先は慎重に選びましょう。詳しくは、「外国人留学生のアルバイトに禁止事項はある?注意点や罰則を解説」のコラムで紹介しています。

日本で就職する外国人留学生は在留資格の変更が必要

日本で就職する外国人留学生は在留資格の変更が必要の画像

外国人留学生が日本で就職するには、在留資格変更許可申請を行い、就労可能な在留資格に変更する必要があります。住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で手続きできるので、事前に在留資格の種類や必要な書類を把握して、申請を行いましょう。

就労可能な在留資格

ここでは就労可能な在留資格を紹介します。就職先の企業や仕事内容に合わせて、在留資格を変更しましょう。2021年時点で就労が認められている在留資格は以下のとおりです。

・「外交」
・「公用」
・「教授」
・「芸術」
・「宗教」
・「報道」
・「高度専門職」
・「経営・管理」
・「法律・会計業務」
・「医療」
・「研究」
・「教育」
・「技術・人文知識・国際業務」
・「企業内転勤」
・「介護」
・「興行」
・「技能」
・「特定技能」
・「技能実習」
・「特定活動」※就労ができない種類もある

就労可能な在留資格は多岐にわたりますが、外国人留学生の多くは「技術・人文知識・国際業務」への変更手続きを行うようです。在留資格「技術・人文知識・国際業務」は営業や広報、通訳など幅広い職種に就けるため、申請する人が多いと考えられます。

在留資格変更許可申請に必要な書類

就職先が決まった外国人留学生は、必ず在留資格変更許可申請を行いましょう。必要な書類は以下のとおりです。

・在留資格変更許可申請書
・パスポート、在留カード
・証明写真(縦40mm×横30mm)
・履歴書(任意提出)
・申請理由書(任意提出)
・卒業証明書または卒業見込み証明書
・日本での活動に応じた資料(会社の規模や仕事内容によって異なる)
・雇用契約書の写し
・商業、法人登記事項証明書
・会社案内資料(パンフレットのような会社の概要が分かるもの)
・雇用理由書(任意提出)

履歴書や申請理由書、雇用理由書の提出は任意ですが、用意しておくと審査に通りやすくなります。在留カードや履歴書、申請書などは自分で準備できますが、就職先の企業や教育機関に用意してもらう書類もあるので、早めに準備を依頼しましょう。また、在留資格の変更許可が下りた場合は、手数料として収入印紙で4,000円を納付するため、郵便局や役所での購入が必要となります。手続きの詳しい方法は、「外国人留学生が就労できる在留資格に変更するには?手続き方法を解説」のコラムで紹介しているので、あわせて参考にしてください。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格一覧表(令和2年9月現在)

卒業も就職活動を行える在留資格

卒業も就職活動を行える在留資格の画像

大学や専門学校を卒業後、就職活動を行う場合も在留資格を変更する必要があります。この場合は在留資格「特定活動」への変更を行いましょう。特定活動とは、法務大臣が個々の外国人に対して付与する在留資格で、就職活動は「特定活動9」に該当します。在留期間は6ヶ月で、1度だけ更新が認められているため、最長1年就職活動を継続することが可能です。

外国人留学生が在留資格「特定活動」を申請するには、先述した在留資格変更許可申請に必要な書類に加えて、就職活動を継続している証明が必要になります。教育機関に推薦状を書いてもらったり、最近のエントリー履歴を印刷したりして、ほかの書類とあわせて提出しましょう。また、入社が次年度になる場合も、在留資格「特定活動」へ変更手続きを行えば日本に滞在できます。その場合は、在留資格変更許可申請に必要な資料に加え、企業からの内定通知書や誓約書が必要です。

まとめ

まとめの画像

在留資格とは、外国人が日本に滞在するのに必要な許可で、種類によって活動内容や制限が異なります。外国人留学生が持つ在留資格「留学」は、就労が認められていませんが、資格外活動許可を受ければ一定の条件のもと、アルバイトが可能です。また、日本で就職したり教育機関を卒業後に就職活動を行ったりする際は、在留資格変更許可申請が必要なので在留期間が満了する前に申請しましょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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