2020/03/23

外国人留学生のための業界や職種の選び方ガイド

日本で就職したいと考える外国人留学生の中には、日本独自の就活に馴染めないまま志望企業への就職が叶わなかったという人もいるようです。
大切なのは、日本の就活事情について知識を深めておくこと。業界や職種、外国人留学生が多い就職先など、知っておくと有利な情報をまとめてみました。
日本での就活が成功するよう、ぜひ参考にしてみてください。

日本の業界や職種を知ろう

日本には、「業界」「職種」という言葉があります。まずは自分が働きたいと考える仕事が、どの業界・職種に当てはまるのか知ることから始めましょう。
それぞれの特徴についてご紹介いたします。

【業界】

業界とは、企業が行う事業を産業別に分類したものです。総務省の日本標準産業分類によると、業界の種類は以下のとおりに分けられています。

(1)農業、林業
(2)漁業
(3)鉱業、採石業、砂利採取業
(4)建設業
(5)製造業
(6)電気・ガス・熱供給・水道業
(7)情報通信業
(8)運輸業、郵便業
(9)卸売業、小売業
(10)金融業、保険業
(11)不動産業,物品賃貸業
(12)学術研究、専門・技術サービス業
(13)宿泊業、飲食サービス業
(14)生活関連サービス業、娯楽業
(15)教育、学習支援業
(16)医療、福祉
(17)複合サービス事業
(18)サービス業(他に分類されないもの)
(19)公務(他に分類されるものを除く)
(20)分類不能の産業

上記のとおり、どのようなサービスを提供しているか、どのような商品を作っているかという軸で区分けされるのが業界です。似たような言葉に「業種」というものがありますが、これは業界をさらに細かく分けたものを指します。
違いを頭に入れつつ、自分が志望する仕事はどの業界に属するのか確認してみましょう。

【職種】

職種とは、仕事の内容ごとに分類されたものです。総務省の日本標準職業分類によると、職種は以下のとおりに分けられています。

(1)管理的職業従事者
国家公務員や会社役員、独立行政法人等管理職員などが該当します。

(2)専門的・技術的職業従事者
自然科学系研究者や自動車技術者、建築技術者、システム設計者、医師、カウンセラー、俳優などが該当します。

(3)事務従事者
秘書や経理事務員、郵便事務員、などが該当します。

(4)販売従事者
販売店員や不動産仲介・売買人、医薬品営業職業従事者などが該当します。

(5)サービス職業従事者
家政婦や介護職員、看護職員、美容師、調理人などが該当します。

(6)保安職業従事者
海上自衛官や警察官、消防員などが該当します。

(7)農林漁業従事者
農耕従事者や造園師、船長・航海士・機関長・機関士などが該当します。

(8)生産工程従事者
鉄工・製缶設備制御・監視員や科学製品生産設備制御・監視員、食料品検査従事者などが該当します。

(9)輸送・機械運転従事者
電車運転士やバス運転者、車掌などが該当します。

(10)建設・採掘従事者
とび職や大工、土木従事者、採鉱員などが該当します。

(11)運搬・清掃・包装等従事者
配達員やビル・建物清掃員などが該当します。

(12)分類不能の職業
分類できない職業が該当します。

例えばコンビニでアルバイトをしている場合の業界は「小売業」、職種は「販売店員」です。自分がどの仕事に興味を持っているのか、業界と職種とセットで把握しておきましょう。

参照元:総務省 - 日本標準産業分類 http://www.soumu.go.jp/main_content/000286962.pdf
参照元:総務省 - 日本標準職業分類 http://www.soumu.go.jp/main_content/000394337.pdf

外国人留学生に多い就職先は?

法務省が2017年に調査した結果によると、外国人留学生が選ぶ業界は非製造業がほとんどです。非製造業とは、運輸業や金融業、飲食サービス業など、最初の項目でご紹介した製造業以外のものを指します。
81.0%の人が非製造業を、19.0%の人が製造業を選択しているという結果です。非製造業の場合は、商業(貿易)ならびにコンピューター関連サービスが上位を占めています。
業務内容で言うと、通訳・翻訳が最多。次に、販売・営業、海外業務、技術開発という順に外国人留学生に人気です。これら4種の業務内容に従事する人は、全体の半数以上を占めています。
ちなみにこれらの業務内容を在留資格で言うと、「技術・人文知識・国際業務」に該当。就職先が決まった際は、自身の業務内容に応じて在留資格を留学から就労可能なものに変更しておきましょう。

参照元:法務省 - 平成29年における留学生の日本企業等への就職状況について http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00177.html

企業が外国人を採用する理由

日本企業で働く外国人は年々増加しています。理由は大きく分けて3つ。1つ目は企業のグローバル化です。海外進出に伴い、語学力や文化知識が必要であることから、外国人への採用を積極的に行っているという背景があります。
2つ目はダイバーシティの推進です。国籍や性別、職歴、障がいの有無に関係なく多様性を認め、差別のない企業経営を目的としています。もともとはアメリカで生まれたものですが、近年では日本企業でも活発化している取り組みです。
3つ目は人手不足です。少子高齢化に伴い、日本国内での生産年齢人口(労働できる人口)が低下。国内での人手不足を補填すべく外国人を採用していることも理由に挙げられます。

上記のような理由から、外国人留学生というだけでアドバンテージがあり、比較的就職しやすいと言えるでしょう。しかし、英語や中国語が話せるだけでなく、日本企業で活躍するためにはやはり高い日本語力が必要です。
社内での公用語を英語と定める企業も中にはありますが、基本的にコミュニケーションを取る相手は日本人社員。実際の業務でスムーズに連携を取るためにも、日常会話レベルよりもさらに上のビジネスレベルで日本語を話せるよう準備しておくことが大切です。
そのほかにも、日本企業独自の文化にどれだけ理解を示せるかも重要です。年功序列や休みの少なさ、残業の横行、意思決定の遅さ、会議時間の長さ、家庭やプライベートより仕事が優先など、良くも悪くも日本企業に根付く独自の組織風土や慣習があります。
母国との違いにカルチャーショックを受けるかもしれませんが、「郷に入れば郷に従え」ということわざがあるように、日本企業で働く場合にはある程度、そこでのやり方に合わせられるような異文化対応力の高い学生のほうが就活に有利であると言えるでしょう。

外国人留学生が就活を成功させるために

大切なのは、情報収集です。日本での就職活動の仕組みや方法に対しての知識が不十分だったことで、悩んだり困ったり就活に取り残されたと感じる外国人留学生が多く存在します。
日本人と同等に戦うためにも、日本での就職活動はどのように進むのか、事前にしっかりリサーチすることが大切です。
また、自分と相性の良い企業を選択することも大切なポイントの1つ。志望企業が本当に自分とマッチするのかしっかり調べずに入社して、早期に離職してしまうというケースも中にはあるようです。
リアリティショックやミスマッチを防ぐためにも、希望する業界や企業の研究を徹底します。企業が求める人材に自分が当てはまるのかを確認してみましょう。

いかがでしたか?日本企業では、大企業に限らず中小企業でも外国人の採用が活発化しています。ニーズがある今、あなたが活躍できる場はどこかにあるはず。
当コラムが、日本での就職を成功させるお手伝いになれば幸いです。

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