日本で活動する外国人は、何らかの在留資格を持っています。活動内容に変更があったら、「在留資格変更許可申請」を行い、ふさわしい在留資格に変更しなくてはなりません。
このコラムでは、申請時に必要な在留資格変更許可申請書の書き方を解説します。内容を参考にして、在留資格の変更をスムーズに進めましょう。
目次
- 日本での活動内容が変わったら在留資格の変更が必要!
- 在留資格変更許可申請書の用紙ごとの書き方
- 在留資格を変更する際のフロー
- 在留資格変更許可申請書に貼る証明写真の撮り方
- 在留資格変更申請理由書の書き方
- まとめ
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日本での活動内容が変わったら在留資格の変更が必要!
日本で活動する外国人は、必ず何らかの在留資格を持っています。活動内容に変化があった場合は、在留資格変更許可申請を行わなければなりません。
在留資格の変更が必要となる代表的な例
在留資格変更許可申請は、一般的に以下のタイミングで行います。
- 留学生が教育機関を卒業し、新卒で就職するとき
- 日本で就労している外国人が異業種に転職するとき
- 外国人が結婚や離婚をしたとき
なお、身分に基づく在留資格の場合は、職種が変わっても変更申請は必要ありません。身分に基づく在留資格には「永住者」や「日本人の配偶者等」などが該当します。
地方出入国在留管理官署で手続きを行う
在留資格変更許可申請は、外国人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。地方出入国在留管理官署は、法務省の外局である出入国在留管理庁の関連組織です。日本各地にあり、出入国管理や在留管理、外国人に関する行政事務を行う役割を担っています。
在留資格変更許可申請は、オンラインでも可能です。外国人から依頼を受けた所属企業の職員のほか、マイナンバーカードを持っている外国人本人も申請できます。
在留資格のオンライン申請については「在留資格のオンライン申請が利用可能に!外国人向けに詳しい手続きを紹介」のコラムで詳しく解説しています。
参照元 出入国在留資格管理庁「在留申請のオンライン手続」
在留資格変更許可申請書の用紙ごとの書き方
在留資格を変更する際は「在留資格変更許可申請書」の提出が必要です。在留資格変更許可申請書の書き方は、希望する在留資格によって異なります。
ここでは、取得者の多い「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に変更する場合を例に紹介。4枚の用紙があるので、それぞれ誤りのないように記入しましょう。
申請用作成等1
申請用作成等1には氏名や生年月日、在留資格などの個人情報を記入します。
国籍・地域
外国人の国籍、地域を書きます。
生年月日
生年月日を西暦(1998年△月△日)で記入します。
氏名
Family name(姓)、Given name(名)の順に記入します。中国や韓国、台湾など漢字文化圏の人は、漢字名とローマ字名両方の記入が必要です。
性別
男女どちらかの性別に丸を付けます。
出生地
生まれた国と都市名を記入します。
配偶者の有無
「有」「無」どちらかに丸を付けます。
職業
現在の職業を記入します。留学生の場合は「学生」で問題ありません。
本国における居住地
外国人の母国での住所を記入します。
住居地
日本での住所および電話番号、携帯電話番号を記入します。固定電話がない場合は、「なし」もしくは空欄で問題ありません。
旅券
パスポートの番号および有効期限を記入します。
現に有する在留資格
外国人が有している在留資格名と在留期間、在留期間の満了日を書きます。
在留カード番号
外国人が持っている在留カードの右上にある番号を記入します。
希望する在留資格
希望する在留資格の種類(技術・人文知識・国際業務、介護など)と在留期間を記入します。
変更の理由
在留資格の変更を希望する理由を記載します。書く欄が1行しかないため、「日本企業へ就職するため」などと分かりやすくまとめるか、「別紙の通り」と書いて在留資格変更申請理由書を別に提出するのが一般的です。
更新理由の書き方については、「外国人留学生に向けて在留期間更新許可申請書にある更新理由の書き方を解説!」も参考にしてください。
犯罪を理由とする処分を受けたことの有無
犯罪を理由に罰金や懲役の罰を受けた経歴がある人は、有に丸を付けます。具体的な内容を書く欄があるため、どのような罰を受けたのかを詳しく書かなくてはなりません。なお、日本国外で罰金や懲役を受けた場合も、記入が必要です。
在日親族および同居者
本人の親族が日本に在住している場合、下記の情報を記入します。
申請人との続柄/氏名/生年月日/国籍・地域/同居の有無/勤務先・通学先名称/在留カード番号
すでに親族と住んでいるもしくは住む予定がある場合は、同居の有無の有に丸を付けます。
申請用作成等2
申請用作成等2には、外国人の学歴や職歴を記入します。
勤務先
勤務予定先の名称、支店・事業所名、所在地、電話番号を書きます。
最終学歴
大学院、大学、短期大学、専門学校、高等学校、中学校、その他のなかから最終学歴に該当する項目にチェックを入れます。学校名や卒業年月日の記入も必要です。
専攻・専門分野
専攻や専門分野で、当てはまる項目にチェックを入れます。当てはまる項目がない場合は、その他にチェックを入れましょう。そのうえで詳細を記入します。
情報処理技術者資格または試験合格の有無
情報処理業務技術に従事している人が記入する欄です。情報処理技術資格を持っている、もしくは試験に合格している場合は有に丸を付けて、資格名や試験名を書きます。
職歴
職歴のある人は、勤務先名称や入社・退社年月日を記載します。職歴が多い場合は「別紙の通り」と書いて、職務経歴書を作成するのが一般的です。職歴がない人は「なし」と記入します。
代理人
法定代理人が申請する場合は、氏名、本人との関係、住所、電話番号、携帯電話番号を記入します。未成年者が申請人の場合、法定代理人は基本的に両親です。
所属機関等作成用1
所属機関等作成用1は、外国人を雇用する企業が記入する書類です。
契約または招へいしている外国人の氏名
契約または招へいしている外国人本人の氏名を書きます。
契約の形態
「雇用」「委任」「請負」のうち該当する雇用形態にチェックを入れます。その他の場合はチェックを入れ、詳細の記入が必要です。
所属機関等勤務先
所属機関に関する以下の情報を記入します。
所属機関名/法人番号/支店・事業所名/雇用保険適用事業所番号/業種/所在地/電話番号/資本金/年間売上高/従業員数
法人番号は「法人番号指定通知書」、雇用保険適用事業所番号は「雇用保険適用事業所設置届事業主控」で確認可能です。
就労予定機関
就労予定期間に記入するのは、雇用契約書に記載の契約期間です。定めありと定めなしのどちらかにチェックを入れ、定めありの場合は正確な期間を記入します。
雇用開始(入社)年月日
外国人の入社日を記載する項目です。正式な入社年月日が未定の場合は、「申請の許可を受け次第」「教育機関を卒業後、申請の許可を受け次第」のどちらかを記入します。
給与・報酬(税引き前の支払額)
年額か月額のどちらかにチェックを入れ、税引き前の金額を記入します。
実務経験日数
外国人のアルバイトを除いた実務経験年数を記入する欄です。経験がない場合は0年と書きます。
職務上の地位(役職名)
外国人の就いている役職を記入します。
職種
別紙「職種一覧」のなかから、外国人が就く職種を選択して記入します。
活動内容詳細
外国人の具体的な活動内容を記載します。書ききれない場合は「別紙参照」と記入し、別で活動内容の詳細を書いた用紙を提出するのが一般的です。
所属機関等作成用2
所属機関等作成用2は、外国人が派遣社員として働く場合のみ、派遣元の企業が記入する用紙です。
以下の項目に、外国人が実際に勤務する派遣先の情報を記入します。
名称/法人番号/支店・事業所名/雇用保険適用事業所番号/業種/所在地・電話番号/資本金/年間売上高/派遣予定期間
以上を記載したあとに、所属機関の名称と代表者氏名、申請書作成年月日を書きます。
参照元
出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」
在留資格を変更する際のフロー
外国人の在留資格の変更は、以下の流れで進みます。
1.必要な書類や資料を集める
2.住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で、在留資格変更許可申請を行う
3.審査結果が出るのを待つ(標準処理期間:約1ヶ月~1ヶ月半程度)
4.審査後、通知書が届いたら手続きした地方出入国在留管理官署に出頭する
5.手数料(収入印紙で4,000円)を納付し、新たな在留カードを受け取る
時期によっては審査に時間が掛かる場合もあるので、早めの申請がおすすめです。
留学生の在留資格変更許可申請書の書き方は、「日本で就職する外国人留学生必見!在留資格変更許可申請書の書き方を解説」のコラムで詳しくまとめています。
在留資格変更許可申請書に貼る証明写真の撮り方
在留資格変更許可申請書には縦4cm、横3cmの証明写真を貼ります。なお、写真の裏面には申請人の氏名の記入が必要です。証明写真を撮影するときのポイントは、以下のとおりです。
- 申請人本人のみが撮影されたもの
- 3ヶ月以内に撮影されたもの
- 指定の寸法を満たしたもの(頭頂部から顎先の寸法は2.2cm~2.8cm、頭頂部から上の余白は0.2cm~0.8cm)
- 正面を向いたもの
- マスクや帽子を身に付けていないもの
- 背景がないもの(影を含む)
証明写真を撮影する際は、清潔感のある髪型や服装を意識します。なお、以前の在留カードやパスポートと同じ写真ではなく、3ヶ月以内の写真を用意しなくてはなりません。
参照元 出入国在留管理庁「提出写真の規格」
在留資格変更申請理由書の書き方
在留資格変更申請理由書とは、在留資格変更の希望理由をを書く書類です。在留資格変更許可申請書には、「変更の理由」を書くスペースが1行しかありません。そのため、別途理由書を用意すると良いでしょう。
理由書に書く内容は、在留資格の該当性・従事する業務内容・教育機関で学んだ分野の関連性などです。また、就職予定先の企業で専門知識やスキルを活かせることや、安定した報酬を得られる点も記載します。
理由書を書く際は、在留資格変更許可申請書では伝わらない内容を書くのが大切です。取得予定の在留資格の該当性を理解して、変更するための条件を満たしていることをアピールしましょう。
まとめ
在留資格変更許可申請書は、変更する在留資格によって申請書の様式が異なります。各項目の正しい書き方を知り、在留資格変更許可申請書を作成しましょう。