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深刻な人手不足に悩む電気・電子情報関連産業で会社を営む経営者のなかには、外国人雇用を検討している方もいるでしょう。2019年に創設された外国人の在留資格「特定技能」では、電気・電子情報関連産業への就労も可能です。このコラムでは、電気・電子情報関連産業分野で外国人を雇用できる職種や業務内容を解説します。特定技能「電気・電子情報関連産業」を持つ外国人を雇用して、人手不足を解消しましょう。
目次
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人材確保が難しい産業の人手不足を解消するため、日本では14の業種で一定の専門性や技能を持つ外国人を在留資格「特定技能」で雇用できるようにしています。そのなかには「電気・電子情報関連産業」も含まれており、人手不足解消のために特定技能外国人材の雇用が可能です。自動車の電動化による電子部品需要の増加や、電気・電子情報関連産業の国内におけるニーズ拡大に応えるためにも、積極的に特定技能外国人材を雇用しましょう。
電気・電子情報関連産業で特定技能外国人材を雇用できる職種は、「日本標準産業分類」の28~30に該当する分野が対象です。「電子部品・デバイス・電子回路製造業」「電気機械器具製造業」「情報通信機械器具製造業」に当てはまれば、特定技能外国人材を受け入れられます。ただし、 電気機械器具製造業の場合、内燃機関電装品製造業・その他の産業用電気機械器具製造業(車両用、船舶用を含む)に掲げられた業種は対象外です。なお、特定技能外国人材の雇用は直接雇用のみで、派遣は認められていません。雇用契約を結ぶ際は注意しましょう。
特定技能「電気・電子情報関連産業」を持つ外国人に任せられる業務は、以下の13種類です。
電気・電子情報関連産業において特定技能外国人材の雇用を検討している方は、上記の業務内容を参考に配属を考えましょう。なお、紹介した業務以外まったく認められないわけではなく、「同じ業務を行う日本人が通常従事する関連業務」も任せられます。例えば、業務に関連する雑務や作業場の清掃などです。
参照元 経済産業省「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」
外国人が特定技能「電気・電子情報関連産業」を取得するには、2つの試験に合格しなければなりません。そのため、特定技能外国人材は在留資格を有している時点で一定の能力が保障されています。特定技能外国人材の大まかな能力を把握したい方は、試験内容をチェックすると良いでしょう。なお、技能実習から特定技能への移行も可能で、その場合は試験を受ける必要はありません。
特定技能「電気・電子情報関連産業」の取得には、「製造分野特定技能1号評価試験」の合格が必須です。試験は業務内容ごとに分かれており、それぞれの業務における加工や設備保全といった技術を指導者の指示、もしくは自発的な判断で行えるかをチェックします。試験内容は以下のとおりです。
製造分野特定技能1号評価試験は学科試験と実技試験で構成されており、実施国の現地語で行われます。試験問題の難易度は、技能実習2号修了者が受験する技能検定3級試験と同等です。
特定技能「電気・電子情報関連産業」を取得するには業務に必要な能力だけでなく、日本語能力も一定以上必要です。日本語能力試験(JLPT)のN4、もしくは日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格しなければ、特定技能を取得することはできません。どちらの試験も同じくらいの基準で、合格すれば「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有していること」の証明になります。
電気・電子情報関連産業分野にあたる職種で技能実習2号を終了した外国人は、試験を受けることなく特定技能「電気・電子情報関連産業」へ移行できます。良好に技能実習2号を修了すれば、日常会話程度の日本語能力が身に付き、きちんと業務をこなせると考えられているためです。ただし技能評価試験が免除になるのは、技能実習で行っていた作業と、特定技能で行う予定の作業が一致する場合に限ります。一致しない場合、日本語試験のみ免除となります。技能実習2号についてより詳しく知りたい方は、「技能実習2号への移行対象職種とは?技能実習生を受け入れたい企業へ解説」をご参照ください。
現在外国人技能実習生を受け入れている企業は、技能実習を終えたあと特定技能に移行してもらうことも考えてみましょう。
人手不足を解消するために電気・電子情報関連産業では特定技能外国人材を雇用できますが、受け入れの手続きや雇用年数など注意すべき点がいくつかあります。特定技能外国人材の雇用後、トラブルにならないようにあらかじめ注意点を確認しておきましょう。
特定技能「電気・電子情報関連産業」を持つ外国人の雇用期間は最大5年です。特定技能には特定産業に属する程度の知識・技術を持つ1号と、より熟練した技能を要する2号があります。2022年1月時点で、特定技能「電気・電子情報関連産業」では1号しか認められておらず、2号への移行ができません。特定技能1号の在留期間は5年が上限です。5年後には特定技能外国人材が帰国するので、継続的に労働力を確保したい場合は採用時期を調整したり、複数名を雇用したりするとよいでしょう。なお、技能実習2号から特定技能に移行した場合は、通算8年間働いてもらえます。
特定技能外国人材の受け入れ人数は業界ごとに定められており、電気・電子情報関連産業分野は2019年~2024年までの5年間で合計4,700人が上限です。2021年9月末時点で、電気・電子情報関連産業分野に従事する特定技能外国人材は1,715人います。充足率は約36.4%のため、動き出しが遅いと受け入れ人数が上限に達してしまい、特定技能外国人材を雇用するのが難しくなるでしょう。また、特定技能外国人材は転職が許可されているため、いずれ日本人のように採用が難化する可能性があります。人手不足解消のために特定技能外国人材を雇用するのであれば、早めに採用活動を行うのがおすすめです。なお、外国人が在留資格「特定技能」を申請する際は企業の経営状況や社会保険加入状況、離職数などが審査されます。
特定技能外国人材を雇用する企業は、「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」に加入しなければなりません。特定技能外国人材を公平かつ円滑に受け入れるための機関で、経済産業省や法務省、地方自治体のほかに技能外国人材を受け入れる「製造業3分野」で構成されています。
加入後は構成員として協議・連絡会が行う一般的な指導、報告の徴収、資料の要求などに対して協力するのが義務です。特定技能外国人材を雇用するうえで協議・連絡会への加入は必須のため、忘れずに入会申請を行ってください。
参照元 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」
特定技能「電気・電子情報関連産業」を持つ外国人の雇用は、企業の人手不足解消に効果的です。ただし、雇用年数や任せられる業務は限定されるため、注意して採用しなければなりません。特定技能外国人材を受け入れる際は雇用を工夫して、継続的に労働力を確保できるように心掛けましょう。
監修:小島健太郎 さむらい行政書士法人 代表社員
外国人の在留資格・VISA・帰化、対日投資手続きを専門に扱う「さむらい行政書士法人 」の代表社員。さむらい行政書士法人は東京、名古屋、大阪と全国対応。日本においても外国人を採用する企業が年々増加傾向にある中、外国人を雇用する際の就労ビザの取得を支援し、専門性の高いコンサルティングにより高い信頼を得ている。専門分野:在留資格・VISA・帰化。年間相談実績1,000件以上。 https://samurai-law.com