日本の飲み会文化とは?職場の人とお酒を飲む際のマナーを押さえよう

WeXpats
2023/02/16

日本の企業では新年会や歓迎会、プロジェクトの達成などの際に飲み会を開く文化があります。お酒を交えて職場の人と話す機会がない国から来日した人にとっては、興味深い文化だといえるでしょう。このコラムでは、日本で飲み会が頻繁に行われる理由や参加する際のマナーを紹介します。また、ビジネスの場面で利用される「飲みニケーション」とは何かを解説。日本の飲み会文化に対する理解を深め、職場の人と楽しく交流しましょう。

目次

  1. 日本の飲み会文化
  2. 日本のビジネスにおける飲みニケーションのマナー
  3. 日本の飲み会は海外と異なる部分が多い
  4. 飲み会の代わりになる集まりを行う日本の会社もある
  5. まとめ

日本の飲み会文化

日本の飲み会文化の画像

日本では、コミュニケーションを円滑にするためのツールとして、お酒が用いられることが多々あります。職場の同僚や上司との交流を目的に、仕事が終わってから飲み会が開かれることも多いようです。昨今では「飲み会は不要」という声もあり、別の方法で交流を行う企業もありますが、日本社会全体で見ると飲み会文化はまだまだ残っています。

職場の人や上司と飲み会を行う理由

日本で職場の人との飲み会が積極的に行われるのは、本音で話し合いコミュニケーションを円滑にするためです。お酒を飲むと緊張がほぐれたり話しにくいことを言えたりするため、飲み会は重要なコミュニケーションの場だとされています。また、飲み会を通じて普段会う機会が少ない部署の人や上司との親睦を深められるでしょう。日本ではお酒は一つのコミュニケーションツールだと考えられています。「良好な人間関係を築きたい」「まずは周りの人に顔を覚えてもらいたい」という方にとって、飲み会は絶好のチャンスです。

昨今では職場の飲み会を不要と考える人もいる

「お酒が苦手」「家庭を優先したい」などの理由から、職場の飲み会は必要ないと考える人も一定数います。しかし、職場の飲み会は業務の一環とみなされることが多く、参加を強制する企業も少なくありません。参加自由の飲み会であっても誘いを断り続けていると、周囲の人から「愛想がない」「付き合いが悪い」と思われ、職場で孤立する可能性があります。それだけ飲み会文化は日本社会に強く根付いているのです。

職場の人と親睦を深めるための付き合いは大切ですが、無理に飲み会に参加する必要はありません。時代の移り変わりとともに、飲み会を廃止したり必要最低限にとどめたりしている企業も多数存在します。就業時間内に積極的にコミュニケーションを取るようにすれば、飲み会に参加しなくても円滑に業務を進められるでしょう。

日本の飲み会文化は諸外国とは大きく異なります。ほかにも日本には独自の文化があるので、気になる方は「日本文化の特徴をまとめて紹介!外国人向けに西洋文化との違いを解説」もご覧ください。

日本のビジネスにおける飲みニケーションのマナー

日本のビジネスにおける飲みニケーションのマナーの画像

お酒を飲みながら取引先や上司、同僚などと仕事の話をすることを「飲みニケーション」といいます。飲みニケーションは日本社会において重要な文化です。本音で対話することによって、良い関係性を築けたり次の仕事につなげられたりします。飲みニケーションにおけるマナーを把握し、相手に失礼のないよう飲み会に参加しましょう。

集合時間は厳守する

飲み会に参加するときは、集合時間の5~10分前には集合場所に到着するよう心掛けましょう。集合時間に間に合うよう余裕を持って行動するのは、日本では暗黙のルールです。万が一、集合時間に間に合わないときは、分かった時点で飲み会を企画した人(幹事)に連絡します。

席次に沿った場所に座る

日本の飲み会では、座る場所も立場によって決められています。座る場所のことを「席次」といい、高い役職についている人は奥の席に座り、新入社員や平社員は入り口側に座るのがマナーです。席次は飲み会だけでなく、日本のビジネス全般において重視されます。エレベーターに乗る際にも席次があり、役職が高い人は後方に、平社員や新入社員は操作盤の前に立つのがマナーです。飲み会で使う店に入る際にエレベーターを利用することもあるので、覚えておくと良いでしょう。

乾杯のルールを守る

日本の飲み会で乾杯する際は、先輩や上司より先にグラスを持ってはいけません。また、目上の人と乾杯するときは相手よりもグラスの位置を下げるのがマナーです。乾杯の際は必ずグラスに口をつけましょう。日本の飲み会では、基本的に最初の一杯目はビールとされています。飲み会に参加している人数が多い場合、ばらばらのドリンクを頼むと時間が掛かるため、ビールで統一されているようです。なお、昨今では好きなお酒やノンアルコールドリンクでの乾杯も増えています。ビール以外での乾杯ができるか知りたい方は、飲み会が始まる前に幹事や上司に聞くのが確実です。

仕事の延長と考えてはめを外しすぎない

飲みニケーションはあくまで仕事の一環です。職場の人との飲み会に参加する際は、お酒を飲みすぎたり礼儀を欠いたりしないように注意しましょう。自力で歩けないほどお酒を飲んでしまうと、周りの人に迷惑をかけてしまいます。飲み会が盛り上がるとついつい飲みすぎてしまう人もいますが、飲みニケーションでは自分の限界に達する前にセーブするのが大切です。節度をもってお酒を楽しみ、同僚や上司、取引先と良好な関係を築けるよう心掛けましょう。

周囲の人の状況を見て気を配る

飲みニケーションで親睦を深めるためには、周囲への気配りが欠かせません。たとえば、相手のグラスが空になっていたら「何か飲まれますか?」と聞くのがマナーです。また、瓶のお酒を注文している場合は「お酌」をしたほうが良いとされています。お酌とは相手のグラスにお酒をそそぐ行為です。職場の飲み会では、基本的に平社員が先輩や上司に対してお酌を行います。自分のペースで飲み会を楽しみたいという人もいるので、お酌を断られたら無理強いしてはいけません。なお、昨今ではハラスメントになる可能性があるため、それぞれ自分でお酒をそそぐ「手酌」を推奨する企業もあるようです。企業によって飲み会のマナーや文化が多少異なるので、その場の雰囲気にあわせて行動することをおすすめします。

飲み会が終わった後にお礼を伝える

職場の人や取引先との飲み会が終わったら、お礼を伝えるのが飲みニケーションのマナーです。特に上司や先輩が会計を済ませてくれた場合は、その場できちんとお礼をしましょう。また、翌日以降職場で会った際に直接お礼を伝えたりメールであいさつしておいたりすると、印象が良くなると言われています。取引先との飲み会の場合も、同様にお礼を伝えましょう。

コミュニケーションにおける日本人の価値観について、より理解を深めたい方は「社交辞令とお世辞の違いとは?外国人に向けて例文や注意点を解説!」のコラムもおすすめです。

日本の飲み会は海外と異なる部分が多い

日本の飲み会は海外と異なる部分が多いの画像

海外でも飲み会が開かれることがありますが、日本とは文化が大きく異なります。そのため、海外から来日した方は日本の独特な飲み会文化に驚くこともあるようです。ここでは、日本の飲み会文化の特徴を紹介します。

日本の飲み会はビジネスに関係する話題が中心

日本では、職場の人とビジネスの話をするために飲み会を開くのが一般的です。日本はお酒を飲むことを目的とした居酒屋が多く、平日・休日問わず飲み会を行う会社員を中心ににぎわっています。日中は仕事に励む人たちが、お酒を交えてにぎやかに話す光景が見られるでしょう。

海外でも職場の人と飲み会を行うことがありますが、日本のようにお酒を飲みながらビジネスの話をすることはありません。ビジネスの話をするのはお酒を飲む前までとされており、アルコールが入ってからは仕事を忘れて楽しい話をするのがマナーとされています。仕事に対する愚痴や機密情報の漏えいを防ぐためにも、お酒を飲んだあとは仕事の話をしません。海外の飲み会文化に慣れている方は、日本との習慣の違いに驚くでしょう。

お酒の飲みすぎで酔いつぶれる人がいる

海外では公共の場で酔っぱらっていると迷惑行為とみなされ警察署に連行されますが、日本ではよほど泥酔していない限り声を掛けられることはありません。そのため、居酒屋が多い通りや駅前などで酔っぱらいを見ることもあるでしょう。日本では飲み会が終わったあと、お酒を飲みすぎて電車で寝てしまったり足取りがおぼつかなかったりする人が一定数います。日本は治安が良く犯罪被害に巻き込まれにくいこともあり、飲み会ではめを外しすぎてしまう人が多いようです。海外では外でお酒を飲む際はきちんと帰宅できる程度にセーブするのがマナーなので、カルチャーショックを感じるでしょう。

飲み会に参加しないと職場になじみにくいことがある

先述したように、日本社会は飲み会文化が根強く、参加しないと職場になじめないことが少なくありません。日本では、職場の人との飲み会は仕事を円滑にするコミュニケーションの一環とされています。お酒を飲んで日中働いているときとは異なる姿を見せることで、信頼関係が生まれ、仕事がはかどると考えられているのです。海外の飲み会では、普段と違う姿を見せるほどお酒を飲むことは基本的にありません。代わりに食事会やバーベキュー、季節のイベントを同僚たちと一緒に楽しんで親睦を深めるのが一般的なので、日本との文化の違いに驚く人もいます。

目上の人にお酒を注ぐ文化がある

海外では自分の飲み物は自分で注文したり作ったりするのが一般的ですが、日本の飲み会では上司や先輩などの目上の人にお酒をそそぐのがマナーです。お酌は日本特有の飲み会文化なので、海外から来日した人にはなじみがないでしょう。お酌は普段接する機会がない目上の人とコミュニケーションを取るきっかけになります。上司や先輩と積極的に関わりたい方は、お酌を利用して話しかけてみると良いでしょう。

シェアできない料理を頼んでもマナー違反にならない

海外では大皿料理を注文して取り分けて食べるのがマナーですが、日本の飲み会ではお茶漬けやうどんなど一人で食べる料理を頼んでも問題ありません。海外では大皿料理をシェアすることで、交流を行いお互いの距離を縮めています。日本の飲み会でも人数が多い場合は大皿料理を頼んで取り分けるのが一般的ですが、食べたいものがあれば個別注文も可能です。日本の飲み会に参加する際、締めの一杯としてお茶漬けやラーメンを注文してみるのも良いでしょう。

飲み会の代わりになる集まりを行う日本の会社もある

飲み会の代わりになる集まりを行う日本の会社もあるの画像

昨今の日本では、「プライベートを大切にしたい」「お酒が飲めない」といった社員のために、飲み会の代わりになるイベントを行っている企業もあります。就業時間内に行われるランチミーティングや共通の趣味を持った人同士で集まる社内部活動など、どの活動も仕事におけるコミュニケーションを円滑にすることが目的です。日本では「飲み会は不要」と考える人が増えつつあります。これからの日本では、飲み会に参加できない人も楽しめるような交流イベントが普及していくでしょう。

まとめ

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日本ではコミュニケーションの一環として、仕事終わりに職場の人と飲み会を行う文化があります。

お酒を通じて親睦を深める「飲みニケーション」は、日本社会のビジネスにおいて重要です。飲み会でもビジネスマナーを求められるので、座る場所やお酌の仕方を覚えておくことをおすすめします。なお、昨今の日本では飲み会以外の交流方法も広まりつつあるので、参加が難しい方はランチミーティングや社内部活動を通して、職場の人と親睦を深めましょう。

ライター

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