「tadaima」はどのような場面で使う日本語?意味や返し方を解説

WeXpats
2023/02/16

日本で帰宅時に言う「tadaima」の正しい使い方が気になる方もいるでしょう。家に帰ってきたときに決まったフレーズであいさつするのは、日本以外ではあまり見られない文化です。tadaimaは、帰宅時のほかにも、仕事上のやり取りや電話のメッセージにも使われます。このコラムでは、tadaimaへの返し方も含めた例文や丁寧なtadaimaの言い方も紹介。内容を参考にして、日本語の学習に役立ててください。

目次

  1. 日本語のtadaima(ただいま)の意味と由来
  2. tadaima(ただいま)が使われる場面と例文
  3. 他言語でのtadaima(ただいま)に当たる言葉
  4. まとめ

日本語のtadaima(ただいま)の意味と由来

日本語のtadaima(ただいま)の意味と由来の画像

tadaima(ただいま)は家や職場に帰ってきた人が言うあいさつで、「ただいま帰りました」を省略した言葉です。tadaima(ただいま)は漢字で「只今」や「唯今」と書きます。もともと、tadaima(ただいま)は「ただ」をつけて「今」の意味を強調した言葉です。そのため、あいさつ以外にも、現在や今に極めて近い未来や過去の意味を示す語としても使われます。

日本語の挨拶は難しい?基本的なフレーズや言葉の意味を解説」では、「ただいま」以外の日本語のあいさつも紹介しています。ぜひ、日本語の勉強の参考にしてください。

tadaima(ただいま)が使われる場面と例文

tadaima(ただいま)が使われる場面と例文の画像

tadaima(ただいま)は日常的に帰宅時のあいさつとして使われます。ほかにも、「今ちょうど」や「これからすぐに」などの意味で使われる言葉です。ここでは、tadaima(ただいま)が使われる場面と例文を紹介します。

どこかから帰ってきたとき

tadaima(ただいま)は、外出先から家に帰ってきたときに使われます。

【例文】

太郎さん「お母さん、ただいま」(おかあさん、ただいま)

花子さん「おかえり。学校は楽しかった?」(おかえり。がっこうはたのしかった?)

tadaima(ただいま)と言われたら、「おかえり」やより丁寧な「おかえりなさい」と返します。

「今ちょうど」を意味するとき

tadaima(ただいま)は、「今ちょうど」の意味でビジネスシーンでのやり取りや電話の留守番メッセージによく使われます。

【例文.1】

田中さん「お忙しいところ恐れ入ります。鈴木さんはいらっしゃいますか?」

(おいそがしいところおそれいります。すずきさんはいらっしゃいますか?)

山本さん「鈴木はただいま外出中です。すぐに戻りますので、少しお待ちいただけますか?」

(すずきはただいまがいしゅつちゅうです。すぐにもどりますので、すこしおまちいただけますか?)

【例文.2・電話の留守電メッセージ】

「ただいま電話に出ることができません。ピーッという発信音の後に、お名前とご用件をお願いいたします」

(ただいまでんわにでることができません、ぴーっというはっしんおんのあとに、おなまえとごようけんをおねがいいたします)

以上のような場面で、何もつけない「今」よりtadaima(ただいま)の方が一般的に使われています。

「これからすぐに」を意味するとき

tadaima(ただいま)は「これからすぐに」の意味で、客とのやり取りや劇場・映画館などのナレーションにも使われます。

【例文.1・飲食店の入口にて】

田中さん「予約していないのですが、入れますか?」

(よやくをしていないのですが、はいれますか?)

店員「1名様ですね」

(いちめいさまですね)

田中さん「はい」

店員「ただいまお席をご用意します」

(ただいまおせきをごよういします)

【例文.2劇場での講演開始の合図】

「ただいまより開演いたします」

(ただいまよりかいえんいたします)

なお、前述の「今ちょうど」と「これからすぐに」のtadaima(ただいま)は、「今」よりも丁寧さを感じさせる表現です。ビジネスシーンや客人相手ではよく耳にしますが、親しい間柄ではあまり使われません。

丁寧なtadaima(ただいま)の言い方

あいさつのtadaima(ただいま)の丁寧な言い方は、「ただいま帰りました」や「ただいま戻りました」です。外出先から職場に戻ってきたときに、「ただいま」だけだとビジネスシーンでは相応しくないので注意しましょう。

【例文.1】

田中さん「ただいま帰りました」

(ただいまかえりました)

山本さん「おかえりなさい」

【例文.2】

鈴木さん「ただいま戻りました」

(ただいまもどりました)

佐藤さん「お疲れ様でした」

(おつかれさまでした)

「ただいま帰りました」や「ただいま戻りました」への返し方は「おかえりなさい」です。外出先から帰ってきた相手を労う意味で「お疲れ様でした」と返しても良いでしょう。

「おつかれさま(otsukaresama)」は「otsukaresama(お疲れ様)の意味や使い方を外国人に向け紹介!」のコラムでも詳しく解説しているので、ぜひ見てください。

また、tadaima(ただいま)以外のあいさつについては「「okaerinasai」は誰に・いつ使う日本語?意味や由来を解説」や「「hajimemashite」とはどういう意味の日本語?使い方を解説」でも紹介しています。日本語学習の参考にしてください。

他言語でのtadaima(ただいま)に当たる言葉

他言語でのtadaima(ただいま)に当たる言葉の画像

日本語のあいさつのtadaima(ただいま)を直訳できる他言語の言葉はありません。しかし、tadaima(ただいま)と同じような意味の言葉があります。ここでは、他言語のtadaima(ただいま)に当たる表現を紹介しているので、参考にしてください。

英語のtadaima

家に帰ったときの英語のあいさつは「Hi!」や「Hey!」などです。英語にはtadaima(ただいま)のように、日常的に使われる帰宅時の決まったあいさつはありません。「I’m home」が使われることもありますが、日本語の「ただいま」とニュアンスが異なります。この言葉は、帰宅したのに誰も気付いておらず、注意を引きたいといったときに使われる言葉です。また、長期間家を空けていた人が帰ってきたときにも用いられます。

中国語のtadaima

中国では日本のようにtadaima(ただいま)と言う文化はありません。帰宅時に何も言わなかったりあいさつなしで家族にその日の出来事を話したりするようです。ただし、tadaima(ただいま)に近い意味の表現はあります。「我回来了」は「私は、戻ってきました」というフレーズで、「ただいま」の意味を含む言葉です。また、「現在回来了」は「ただいま戻りました」という意味から、tadaima(ただいま)に近い言葉といえます。

韓国語のtadaima

韓国語でtadaima(ただいま)の意味で使われる言葉には、「通って来ました」の意味がある「다녀왔습니다」があります。「다녀왔습니다」はあらたまった表現で、目上の人や親に使われる言葉です。なお、少し柔らかい表現には「다녀왔어요」があります。また、友達や小さな子どもに使われるのは、カジュアルな「왔어요」です。年上の人を重んじる韓国では、tadaima(ただいま)も相手により言い方を使い分ける必要があります。

まとめ

まとめの画像

日本では家に帰ってきたときにtadaima(ただいま)と言います。職場ではより丁寧なフレーズである、「ただいま帰りました」や「ただいま戻りました」を使いましょう。tadaima(ただいま)は、現在や極めて近い未来を示す言葉として、仕事でのやりとりや客人に対しても使われます。日本語でコミュニケーションをとる際は、tadaima(ただいま)を使ってみましょう。

ライター

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