「ikigai(生きがい)の意味を知りたい」「幸せな人生とikigai(生きがい)は関係があるの?」と思っている方もいるでしょう。「ikigai(生きがい)」は、人生の意義や目的となる活動や存在のことです。このコラムでは、「ikigai(生きがい)」の使い方や人生における必要性を解説。どのような「ikigai(生きがい)」があるのかも紹介しているので、言葉の理解を深める際の参考にしてください。
目次
「ikigai(生きがい)」はどのような日本語?
「ikigai(生きがい)」は、生きる価値があると感じられる活動や存在を表す日本語です。ここでは、「ikigai(生きがい)」の意味や使い方を紹介します。「ikigai(生きがい)」を構成する要素も解説するので、参考にして理解を深めてください。
「ikigai(生きがい)」の意味
「ikigai(生きがい)」は、幸せ・楽しさを感じられる活動や生きる原動力になる存在のことです。また、生きる価値を実感できる行為も含まれます。そのため、他人や社会の役に立っていると感じられるボランティアといった活動が「ikigai(生きがい)」になる人もいるのです。
「ikigai(生きがい)」の定義は曖昧で、はっきりとは決まっていません。幸せや喜びは人によってさまざまなため、定義が難しいといえるでしょう。
「ikigai(生きがい)」は、日本特有の文化や価値観に基づく概念です。英語では、「reason for living」「purpose in life」「something to live for」などが当てはまります。しかし、一言で「ikigai(生きがい)」が持つすべての意味を表せる言葉はありません。そのため、海外でもそのまま「ikigai」という日本語で広まっています。
「ikigai(生きがい)」の使い方
「ikigai(生きがい)」は大人が使う言葉で、特に高齢者の場合が用います。「ikigai(生きがい)」を使った例文は以下のとおりです。
【例文】
「私の生きがいは、ドラマを見ることです」
「月に1回の登山を生きがいにしています」
「最近は、ボランティアが生きがいです」
「おじいちゃんは、野球観戦を生きがいにしている」
「おばあちゃんの生きがいは孫だね」
「ikigai(生きがい)」は好きな趣味や活動、大切な人間関係などに対して使われる、幅広い意味を持つ言葉です。
「ikigai(生きがい)」を構成する要素
「ikigai(生きがい)」は、4つの要素を併せ持っているという説があります。4つの要素とは、「好きなこと」「得意なこと」「社会が必要としていること」「報酬を得られること」です。ただし、実際には、社会と関わりがなかったり報酬が発生しなかったりする「ikigai(生きがい)」もあります。実際のところ、「ikigai(生きがい)」を構成する要素は、はっきりと決められていません。さまざまな意見があり、将来に繋がるという要素が重要であるとする説もあります。
「ikigai(生きがい)」は人によって異なるため、構成する要素もさまざまといえるでしょう。しかし、多くの「ikigai(生きがい)」が、前述した要素のうち、1つもしくは複数を持っているといえます。
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「ikigai(生きがい)」はなぜ人生に必要か
「ikigai(生きがい)」は幸福感や達成感をもたらし、人生を豊かにします。特に、高齢者のQOL(Quality of Life)を考える際に、重要な概念です。「ikigai(生きがい)」は、肉体や精神、社会的といったさまざまな側面からなる生活の質を上げると考えられています。
たとえば、運動を「ikigai(生きがい)」にした場合は、体力がついたり脂肪が落ちたりと健康面への良い影響があるでしょう。家族を「ikigai(生きがい)」としている人は、話すことで精神的な安らぎを得られると考えられます。
また、「ikigai(生きがい)」自体が健康に直結しない場合でも、楽しみのために長生きしようと食事や運動に気をつける人もいるでしょう。「ikigai(生きがい)」には健康に良い影響を与え、生きる喜びを作り出す効果があります。
その効果の影響かどうかは定かではありませんが、日本の健康寿命は2016年時点で約73歳と世界的にみても高い水準です。日本の健康寿命に関心のある方は「日本の健康寿命は何歳?外国人向けにランキング形式で紹介!」のコラムでより詳しい解説をご覧ください。
どのような「ikigai(生きがい)」があるの?
「ikigai(生きがい)」には、バラエティーに富んだ活動が含まれます。人と過ごしたり社会のなかで活動したりする「ikigai(生きがい)」もあれば、1人でえられる場合もあるのです。以下では、さまざまな「ikigai(生きがい)」を紹介します。
人と過ごす「ikigai(生きがい)」
人と過ごすことを「ikigai(生きがい)」としている人は多くいます。たとえば、友人と会ってお茶や飲み会をするのが、生きがいという人もいるでしょう。離れて住んでいる子どもや親、兄弟と電話で話すという「ikigai(生きがい)」も考えられます。なお、高齢者の「ikigai(生きがい)」とよくいわれるのが、孫です。孫が「ikigai(生きがい)」で成長する姿を見るため、長生きしようと健康に気をつける人もいます。
人と過ごす時間は、安らぎや喜びを感じられる「ikigai(生きがい)」といえるでしょう。
仕事に打ち込む「ikigai(生きがい)」
人によっては、仕事も「ikigai(生きがい)」になります。仕事に励んだ結果としての、スキルの向上や収入の増加を喜びとする人もいるでしょう。
仕事で多くの人とやりとりし、社会との繋がりを実感できたときに「ikigai(生きがい)」を感じる場合もあります。仕事で成し遂げた成果により、社会に貢献したり自分の価値が認められたりすることが、「ikigai(生きがい)」になる場合もあるのです。仕事一つとっても、人によってさまざまな「ikigai(生きがい)」があるといえるでしょう。
学業に力を入れる「ikigai(生きがい)」
新しい情報や興味がある分野の学びが、「ikigai(生きがい)」という人もいます。社会人になってから大学や英会話スクールに通う人もいるでしょう。なかには、定年退職後にカルチャーセンターや教室で興味のある分野の講座を受ける人も多くいます。
近年は学び方も多様化し、オンライン講座の種類も豊富です。社会人向けに多くの講座が開かれているのを見ると、学びたい人がどれくらい多いかが分かります。自分の知らなかったり気になったりする内容を学ぶことで、新鮮な気持ちで毎日を過ごせるでしょう。
趣味に熱中する「ikigai(生きがい)」
「ikigai(生きがい)」として、スポーツや楽器演奏、手芸、絵を描くといった趣味もよく挙げられます。ランニングや水泳などのスポーツは、体力作りにも役立つでしょう。テニスや吹奏楽などの人と一緒に行う趣味は、コミュニケーションも楽しみの一つ。そのほか、「bonsai(盆栽)の魅力とは?おすすめの観光スポットも紹介!」「茶道・華道・書道って何?日本の伝統芸能について知ろう」のコラムで取り上げている盆栽や茶道・華道・書道は、日本の伝統文化を味わいながら楽しめる趣味といえます。
また、手芸や絵を描くといった趣味は、作品が出来た際に達成感を感じられるでしょう。昨今は、SNSに作った作品を掲載して、同じ趣味を持つ人とやりとりするといった楽しみ方もあります。何かに熱中する時間が楽しかったりスキルの上達が嬉しかったりと、趣味も立派な「ikigai(生きがい)」になるといえるでしょう。
地域活動に励む「ikigai(生きがい)」
自分が住む周辺をより良くするための、地域活動を「ikigai(生きがい)」とする人も多くいます。地域活動の具体例は、道路や公園の清掃、祭りといったイベントの手伝いなどです。清掃により地域がきれいになったりイベントが成功したりすると、達成感を感じられるでしょう。
周辺に住む人との交流が生まれるのも、地域活動が「ikigai(生きがい)」となる理由の一つです。人の役に立っている、社会と繋がっていると実感し、自分が生きる意味を確認できるでしょう。地域活動に参加し、充実感を感じることは大きな「ikigai(生きがい)」となります。
参照元 内閣府「平成25年度 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果(全体版)」
「ikigai(生きがい)」の見つけ方
「ikigai(生きがい)」が見つからない人は、まず自分が好きだったりやってみたかったりすることを思い浮かべてみましょう。紙に書いてリストにするのも良い方法です。思い浮かんだなかから、時間や経済的に実行可能な活動から取り掛かって見るのをおすすめします。
以前は「ikigai(生きがい)」があったのに、なくなるという場合も考えられます。人の幸せや楽しさ、価値観は、年齢や環境とともに変化するのが一般的です。ずっと同じ活動や存在が、「ikigai(生きがい)」になるとは限りません。生活の変化に合わせて、自分の「ikigai(生きがい)」は何かと考えると良いでしょう。
まとめ
「ikigai(生きがい)」は、生きる幸せや喜びを感じられる活動です。また、生きる原動力になる存在を「ikigai(生きがい)」という場合もあります。「ikigai(生きがい)」は日本特有の概念で、ほかの言語で直訳できる言葉はありません。
人によって仕事や趣味、地域活動など、「ikigai(生きがい)」はさまざまです。彩り豊かな人生を送るため、自分にとっての「ikigai(生きがい)」を見つけてみましょう。