日本の夏をいっそう楽しめる代表的な行事を紹介!

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2023/06/14

夏祭りや花火大会、七夕、お盆――。日本には夏の行事がたくさんあり、それらを見に行ったり体感したりすることで日本人の多くは夏らしさを実感します。ただ、なかには行事の意味や歴史があまり知られていないものも少なくありません。
このコラムでは有名な日本の行事について、意味や由来、歴史も踏まえて解説しています。このコラムを参考にして、体感できる行事があるかぜひチェックしてみてください。

目次

  1. 夏の風物詩!定番の行事
  2. 伝統的な夏の行事
  3. 近年定番となった夏の行事
  4. 夏の行事にかかせない食べ物
  5. まとめ

夏の風物詩!定番の行事

夏の風物詩!定番の行事の画像

ここでは夏の定番行事を紹介します。見たり参加したりして気軽に楽しめる行事ばかりなので、夏の思い出づくりにぜひ足を運んでみましょう。

夏祭り

夏祭りの画像

夏祭りは、夏のメインイベントともいえる行事です。7月から8月にかけて全国各地で開催され、子供から大人まで多くの人で賑わいます。

夏祭りの定番といえば屋台が立ち並ぶ縁日(えんにち)。たこ焼きやりんご飴、かき氷といった食べ物系の屋台はもちろん、金魚すくいやヨーヨー釣りなど伝統的な遊びが楽しめる屋台もあります。
また、規模が大きい祭りになると花火大会やパレード、山車(だし)、キャラクターショーなどさまざまなイベントが催されるのも特徴です。
夏祭りはもともと害虫や台風を避ける目的で行われていました。また、夏は伝染病が流行る時期なので、疫病退散を祈願する目的もあったとされています。

花火大会

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花火大会も日本の夏を代表する行事の一つです。夏の夜を彩る大輪の花火を見れば、日本人の多くが夏の風情を感じることでしょう。
花火大会といえば、世界的にはお祝いごとの際に行われることが多い行事です。しかし、日本の花火大会は、亡くなった人の鎮魂を目的としています。飢餓や疫病で多くの人が亡くなっていた江戸時代、死者を弔うために花火を打ち上げたのが始まりでした。そのため、現代でも花火大会はお盆の時期(8月13日~16日)を中心に行われます。

盆踊り

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盆踊りは、お盆の時期に開催される踊りの行事です。もともとは先祖の霊をもてなす神聖な行事でしたが、人々の交流や出会いという要素も含んでいることから、庶民の娯楽として楽しまれてきました。現代では、夏祭りの一部として行われることが多くなっています。
盆踊りは、木で作った「櫓(やぐら)」という台を中央に設置して、その周りを回りながら音頭にあわせて踊るのが一般的です。踊りを見て楽しめるものもあれば、誰でも参加できるものもあります。踊りは難しくないので、参加できる形式の盆踊りなら、真似して踊ってみましょう。

祇園祭

祇園祭は日本を代表する祭りの一つです。京都の八坂神社で行われる祭礼で、7月1日から1ヶ月にわたってさまざまな祭事が行われます。なかでも有名なのは17日・24日に行われる神輿渡御(しんよとぎょ)と山鉾巡行(やまぼこじゅんこう)。3基の御輿と34基の山鉾が通りをゆく様子は、豪華で活気に溢れており、祇園祭の見どころとなっています。なお、美しい装飾品で飾られた山鉾は「動く美術館」と呼ばれており、無形文化遺産にも登録されています。

なお、祇園祭と呼ばれる祭は日本各地で行われているのも特徴。八坂神社の分社や同じ神様を祀る神社で開かれる夏祭りを総称して「祇園祭」と呼ばれています。

京都五山送り火

京都五山送り火は、京都の如意ヶ嶽(にょいがたけ)などで毎年8月16日に行われる伝統的な篝火の行事です。5つの山に炎で文字が描かれ、「大文字」「妙・法」「舟形」「左大文字」「鳥居形」が夜の空に浮かび上がります。送り火はお盆に帰ってきた精霊をあの世に送り届けるのが目的。五山送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財に登録されており、有名な夏の風物詩となっています。

日本の伝統行事については「日本の年中行事や伝統行事を一覧で解説!特別な日の風習や行事食とは?」でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

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伝統的な夏の行事

伝統的な夏の行事の画像

日本には古くから受け継がれてきた伝統的な夏の行事があります。どれも歴史ある習慣なので、それぞれどんな意味が込められているのかチェックしてみましょう。

七夕

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七夕(たなばた)は7月7日に行われる伝統的な夏の行事です。七夕には、願いを書いた色とりどりの短冊を笹の葉に吊るすという風習があります。また、織姫と彦星という男女の星が天の川を渡って年に一度だけ会えるという伝説も有名です。七夕の文化はもともと中国発祥。それが奈良時代に日本に伝わり、さまざまな日本の風習と重なった結果、現在の七夕の風習になりました。

お盆

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日本では、8月13日~15日・16日の3~4日間を「お盆」と呼びます。お盆は、先祖の魂がこの世に帰ってくるとされる期間のことです。この時期、学校や会社の多くは「お盆休み」という連休になります。お盆の過ごし方は地域や家庭によって違いがありますが、お墓参りをしたりお供物をしたりするのが一般的。また、近年はお盆休み中に家族や友人とレジャーに出かけるという人も少なくありません。
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。これはサンスクリット語の「ウランバーナ(逆さ吊りの苦しみ)」が語源で、もとは仏教の言い伝えに由来する言葉です。これが日本にあった祖霊を祀る風習と重なった結果、家族で集まって故人を偲ぶお盆の風習になりました。

お中元

お中元の画像

お中元は、お世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈り物をする夏の風習です。お中元で贈る品は、ビールやジュース、そうめん、フルーツなどが定番。贈る時期は地域によってさまざまで、7月1日~8月15日の間で数週間から1ヶ月程度のずれがあります。
お中元はもともと中国の民族宗教である「道教」にある祭日の一つでした。道教では、中元の日(旧暦7月15日)に神様にお供えをする風習があり、のちに日本に伝来します。お盆(旧暦7月15日)の「盆礼」と結びつき、お盆の時期に贈り物をする風習として定着したのです。お中元の風習ははじめ上流階級で広まり、江戸時代に一般市民の間にも定着しました。

近年定番となった夏の行事

近年定番となった夏の行事の画像

ここでは近年定番となった日本の夏の行事について解説します。どれも夏の時期になったら話題に上がる有名なイベントなので、興味のある方は見たり参加したりして楽しんでみましょう。

甲子園

甲子園の画像

甲子園(こうしえん)は、夏に行われる高校生の野球大会のことです。大会の正式名称は「全国高等学校野球選手権大会」といい、甲子園という呼び方は試合会場となる「阪神甲子園球場」に由来しています。甲子園は春と夏に開催されますが、盛り上がるのは夏の甲子園。負けたら終わりのトーナメント形式なので、球児たちはひたむきに全力で試合に挑みます。観客の多くが手に汗握る熱い試合に心を奪われ、予想外のドラマチックな展開に胸を躍らせていることでしょう。漫画やアニメにも、甲子園を題材とした作品が数多く存在します。

コミックマーケット

コミックマーケットの画像

コミックマーケットは世界最大規模の同人誌即売会です。東京国際展示場で8月と12月に開催され、夏に開催されるものは「夏コミケ」と呼ばれます。同人誌とは、漫画・アニメ・ゲームなどを題材にした二次創作の雑誌のこと。ファンが想像する世界を雑誌にして販売しています。また、鉄道やミリタリー、グルメ、旅行など幅広いジャンルのグッズを販売でき、趣味を持つ人たちが自由に自己表現できる場となっているのです。コミケの参加者は3日間で50万~60万人と非常に多く混み合います。会場は熱気がこもっているので、夏コミケに参加する際は熱中症対策を徹底しましょう。

音楽フェス

 「フジロックフェスティバル」「サマーソニック」のような音楽フェスも夏の定番となりました。国内外の有名アーティストが参加するため、海外の音楽ファンにも注目されることがあります。大自然の中で開催されるイベントも多く、夏空の下で飲食を楽しむ屋外レジャーとしても高い人気を誇ります。

夏の行事にかかせない食べ物

夏の行事にかかせない食べ物の画像

夏らしい食べ物はいくつかありますが、そのなかでも夏の行事と結びついた旬の食材があります。ここでは夏の行事に欠かせない食べ物を紹介するので、ぜひご覧ください。

うなぎ(土用の丑の日)

うなぎ(土用の丑の日)の画像

日本には、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる風習があります。「土用」は、立春・立夏・立秋・立冬前の18日間のこと。「丑の日」は十二支に基づき12日周期でやってくる「丑(うし)」の日を指しています。そのため、「土用の期間かつ丑の日」になる日は年に何日か存在しますが、土用の丑の日というと、夏のものを指すのが一般的です。

土用の丑の日は暑さで夏バテしやすいことから、昔から「う」のつくものを食べて健康を維持しようとする考えがありました。梅干しやうどん、瓜などがよく食べられていたのです。うなぎが食べられるようになった理由は諸説ありますが、平賀源内(ひらがげんない)の宣伝文句に由来する説が有名です。
うなぎは旬が秋〜冬で、夏には売れない食材でした。夏にもうなぎを売りたいと困ったうなぎ屋が平賀源内に相談すると「丑の日」の看板を出すことを提案され、実際に出したところ店が大繁盛。周りの店も真似た結果、土用の丑の日にはうなぎを食べるという風習が広まったと考えられています。

たこ(半夏生)

たこ(半夏生)の画像

半夏生(はんげしょう)に、たこやうどんを食べる習慣がある地域もあります。半夏生は日本の暦日「雑節」の一つです。夏至(げし)から11日目、毎年7月2日ごろが半夏生となります。半夏生は農家にとって畑仕事や田植えを終える目安とされてきました。梅雨の後半に差し掛かり、雨が多くなるからです。また、7月2日~7月7日(七夕)の5日間は農作業を休みにすると決めている地域もあります。
半夏生にたこを食べるのは、「稲穂がタコの足のようにたくさん根付くように」という願いが込められているからです。これは基本的に関西の習慣で、香川県は「うどん」、福井県は「さば」と、半夏生に食べる食材は地域によって変化があります。

そうめん(七夕)

そうめん(七夕)の画像

そうめんは日本の夏の風物詩ともいえる食べ物です。夏はそうめんが多くの家庭で日常的に食べられています。特に七夕(7月7日)には、そうめんを食べるのが伝統的な風習です。由来は「そうめんを天の川に見立てた」「糸に見立てて裁縫が上達するよう祈った」「中国の索餅(さくべい)というお菓子が変化した」などさまざまな説が考えられています。

春夏秋冬の旬の食べ物が知りたい方は「日本の季節の食べ物には何がある?春夏秋冬の旬の食材を一覧で紹介」で紹介しているので、チェックしてみましょう。

まとめ

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このコラムで紹介してきた行事や習慣は、どれも夏の風物詩といえます。夜空に上がる花火を見たり、甲子園に熱中したり、お盆にお墓参りをしたりすると、多くの日本人が「夏らしさ」を実感するでしょう。日本の行事を実際に見たり体感したりして、日本の夏の雰囲気を感じてみましょう。

ライター

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