自粛とはどのような意味の言葉?使い方や強制力の有無も解説

WeXpats
2023/06/27

自粛(じしゅく)とは、「自分から進んで慎重な行動や控え目な態度をとること」という意味の言葉です。新型コロナウイルス感染症が流行したときに、日本政府から「外出を控えるように」と自粛要請が出てから、よく使われるようになりました。
このコラムでは、自粛の類義語や対義語を紹介。また、さまざまな場面における自粛の言葉の使い方や強制力の有無についても解説します。

目次

  1. 自粛とはどのような言葉?
  2. 自粛の類義語と対義語
  3. 自粛の使い方を例文で紹介
  4. 自粛を促す言葉に強制力はある?
  5. まとめ

自粛とはどのような言葉?

自粛とはどのような言葉?の画像

自粛とは、「自分から進んで行動や態度を控え目にすること」を意味する言葉です。ここでは、自粛の詳しい意味や英語での表現、語源を解説します。

自粛の意味と英語での表現

自粛とは「自ら進んで控え目な行動や態度をとること」という意味です。また、「間違いがないようによく考えて物事を進めること」を意味する言葉でもあります。たとえば、度を越えた行動をしないように気をつけたり軽率な言動を避けたりする様子を表すときに使われるでしょう。

自粛を表す英語表現には、「自発的に」を意味する「voluntarily」と「控える」の意味を持つ「refrain from」を合わせた「voluntarily refrain from」があります。また、「制限」を意味する「 restraint 」を用いた「voluntarily restraint」「self-restraint」も自粛を表す言葉です。

自粛の語源

自粛とは、「自分」を意味する「自」と「慎む」を意味する「粛」が合わさって出来た言葉です。
自粛の「自」は、音読みで「ジ」、訓読みで「みずか(ら)」と読みます。自粛以外にも「自身」や「自立」、「自我」などに使われる漢字です。
「粛」は音読みで「シュク」訓読みで「つつし(む)」と読み、「慎む」「身を引き締める」の意味を持ちます。また、「厳しくする」「戒める」などの意味もある言葉です。重々しく心が引き締まる様子を表す「厳粛」やひっそりと静かな様子を表す「粛粛」などの言葉にも使われています。

自粛の類義語と対義語

自粛の類義語と対義語の画像

自粛の類義語としては、自分の気持ちを抑えたり自身をコントロールしたりする意味がある言葉が挙げられます。自粛の類義語と意味は以下のとおりです。

  • 我慢…肉体的・精神的な苦痛に耐えたり楽しみを控えてこらえたりすること
  • 自己制御…自分自身をコントロールすること
  • 自制…自ら自分の感情や欲望を抑えること
  • 自戒…自分自身を戒めて行動を慎むこと
  • 自重…自分のふるまいに気をつけて軽率にならないようにすること

以上の言葉は似たような意味があるものの、使い方に注意が必要です。たとえば、店舗が営業を控える際に「営業を自粛する」と表現しますが、「営業を自制する」や「営業を自戒する」とはいいません。

なお、「自分から慎む」の意味がある自粛と反対の言葉には、「軽率」や「軽はずみ」、「奔放」などがあります。「軽率」と「軽はずみ」は、「深く考えることなく行動すること」という意味のある言葉です。「奔放」は「世間のしきたりにとらわれないで自由にふるまうこと」との意味があります。

自粛の使い方を例文で紹介

自粛の使い方を例文で紹介の画像

自粛は、日常生活やビジネスシーンなどのさまざまな場面で使われる言葉です。新型コロナウイルス感染症の流行にともない、TVやインターネットの外出を控えるように伝えるニュースで自粛がよく使われました。また、大きな事故や災害が起こり、被害者の気持ちを考慮して行動を控える場合も仕様されます。ほかにも、個人的な理由で活動を制限したり楽しみを我慢したりする場合にも用いる言葉です。以下では、自粛の使い方を例文で紹介します。

【例文】

  • 感染症の拡大を避けるために、不必要な外出を自粛するようにと呼びかけられている
  • よく行く飲食店が、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない営業を自粛していた
  • 地震の被害が大きかったため、自粛ムードが広まっている
  • 職場の人に不幸があったため、会食をしばらく自粛した
  • 事故から日にちが経ち、自粛していた人々も普通の生活に戻った
  • 不謹慎な発言をした△△事務所に属する俳優の●●さんが芸能活動を自粛するらしい
  • ダイエットのために、お酒を飲んだりお菓子を食べたりするのを自粛している

自粛は改まった印象を与える言葉であるため、家族や友人などの親しい相手との会話では「〜するのを控える」と言ったほうが良い場合もあります。たとえば、父親にお酒を飲む量を減らしてほしいと伝える際は、「お父さん、少しお酒は控えて」と言ったほうが自然です。ほかにも、「~するのをやめる」とも言い換えられます。たとえば、「一緒に旅行に行くはずだった△△さんの体調が悪いから、今回はやめておこう」といった使い方が可能です。

自粛を促す言葉に強制力はある?

自粛を促す言葉に強制力はある?の画像

自粛とは「自ら進んで慎む」の意味を持つ言葉であり、たとえ、他人に自粛を促されたとしても強制力はありません。何かを禁止する言葉でもないため、自粛せずに行動したとしても罰則もないのです。

しかし、日本では、自粛を要請されると多くの人が従うといって良いでしょう。自粛を促された場合は、周囲の雰囲気を気にかけ、周りの人を見て迷惑を掛けないように行動するのが一般的です。

まとめ

まとめの画像

自粛とは、「自分から進んで行動や態度を慎むこと」を意味する言葉です。似たような意味を持つ言葉に我慢や自制、自戒、自重などがありますが、ニュアンスや使い方が異なります。
自粛には、禁止したり強制したりする意味合いはありません。自粛を促された場合は、状況や場面をよく確認して慎んだほうが良さそうであれば従いましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

Special Features 特集

Top Articles 人気記事

Our Social Media ソーシャルメディア

日本の最新情報を9言語で定期更新しています。

  • English
  • 한국어
  • Tiếng Việt
  • မြန်မာဘာသာစကား
  • Bahasa Indonesia
  • 中文 (繁體)
  • Español
  • Português
  • ภาษาไทย
TOP/ 日本語を学ぶ/ 日常会話/ 自粛とはどのような意味の言葉?使い方や強制力の有無も解説

当社のウェブサイトは、利便性及び品質の維持・向上を目的に、Cookieを使用しております。Cookieの使用に同意頂ける場合は、「同意する」ボタンを押して下さい。
なお、当社のCookie使用について詳しくはこちらをご参照下さい。

Cookie利用ポリシー