ホテルにはどのような仕事や職種がある?一日のスケジュールや給料も紹介

WeXpats
2023/08/31

ホテルには多様な仕事があり、働いているスタッフの職種もさまざまです。ゲストに直接接するスタッフのほかにも、シェフや客室のリネンを整えるハウスキーパーなどがバックオフィスで働いています。
このコラムでは、ホテルスタッフの一日のスケジュールや仕事の魅力を解説。ホテルで働くために必要なスキルや資質のほか、平均的な給料も紹介しているので、宿泊施設に就職したい方はぜひご一読ください。

目次

  1. 主なホテルの仕事と職種
  2. ホテルスタッフの一日のスケジュール
  3. ホテルの仕事の魅力
  4. ホテルで仕事をする際に必要なスキルと資質
  5. ホテル業界の平均的な給料
  6. まとめ
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主なホテルの仕事と職種

主なホテルの仕事と職種の画像

ホテルの仕事は、主に5部門に分けられます。各部門の仕事はそれぞれ異なり、職種もさまざまです。以下では、ホテルで働いている職種とその仕事内容を紹介します。

宿泊部門

宿泊部門の画像

宿泊部門は、客室の予約受付やゲストの対応を担当します。宿泊部門に属する職種と仕事内容は以下のとおりです。

  • フロントスタッフ…受付に立ち、ゲストのチェックインやチェックアウトなどの手続きを担当する
  • コンシェルジュ…レストランの予約やタクシーの手配、観光情報の提供など、ゲストのさまざまな要望に応じる
  • ハウスキーパー…客室の掃除やベッドメイク、リネンの交換、備品の確認など、客室の清掃・管理を担当する
  • ドアアテンダント…ホテルや車のドアを開けたり、ゲストの車を預かって駐車を代行したりする
  • ベルアテンダント…ゲストの荷物を持ち、フロントや客室に案内する

ドアアテンダントとベルアテンダントが兼任のホテルもあります。

飲食部門

飲食部門の画像

ホテルにレストランやバーなどがある場合は、料理の提供や調理に関わるスタッフが在籍しています。飲食部門に関連する職種と仕事内容は以下のとおりです。

【接客に関わるスタッフ】

  • レセプショニスト…レストランの予約の受付や席までの案内、会計を行う
  • ウェイター/ウェイトレス…メニューの説明や注文の聞き取りをし、飲食物をゲストの席まで運ぶ
  • ソムリエ…ワインの専門家で、料理の味やゲストの好みに合う種類を選んで提供する
  • ルームサービス係…ゲストが注文した料理やドリンクを客室まで運び、テーブルセッティングをする

【調理に関わるスタッフ】

  • シェフ…調理スタッフ全体の指揮のほか、メニュー決めや食材の仕入れ、仕上がりのチェックを行う
  • ベーカー…ホテル内のレストランやショップで提供するさまざまなパンを作る
  • ペストリー…デザート類を担当し、提供する品の決定から調理、盛り付けまでを行う
  • ガテマンジャー…冷製パスタやサラダ、カルパッチョなどの冷製料理を調理する
  • ブッチャー…調理担当者のオーダーに合わせて、食肉の下処理やカットをする
  • バーテンダー…ホテルのバーでドリンクを作り提供する

バーテンダーはドリンクを作るだけではなく、接客も行います。

イベント部門

イベント部門の画像

イベント部門は結婚式・パーティ・宴会などのスケジュール調整や準備、当日の進行などを行います。イベント部門に関連する職種と仕事内容は以下のとおりです。

  • ウェディングプランナー…新郎新婦と話し合い、結婚式・披露宴の内容や進行を決める
  • イベントプランナー…パーティや宴会、ディナーショーなどのイベントの打ち合わせをし、準備を進める
  • バンケットスタッフ…会場準備や料理・ドリンクの提供など、イベント全体の運営やサービスを担当する
  • クロークスタッフ…イベント会場の近くにある荷物預り所で、ゲストの携帯品やコートを預かる

大規模なイベントでは、ウェイターやウェイトレス、ルームサービス係などが協力して料理の提供を行う場合もあります。

企画・営業部門

企画・営業部門の画像

ホテルには、宿泊プランやディナーショーなどを企画して売り込む、企画・営業部門があります。企画と営業の仕事内容は以下のとおりです。

  • 企画…季節ごとの宿泊プランやディナーショーなど、ホテルの集客増加のためにイベントを企画する
  • 営業…宿泊プランやイベントなどのホテルのサービスを個人・企業に販売する

企画や営業は、直接ゲストに接する機会はあまりありません。しかし、魅力ある宿泊プランを作って売り込む仕事は、利用客を獲得し利益を生むために重要です。

人事・広報・施設管理などの部門

人事・広報・施設管理などの部門の画像

人事・広報・施設管理は、ホテルの運営を支える仕事です。これらの仕事も、企画や営業と同じくゲストと接する機会は少ないといえます。

  • 人事…ホテルで働くスタッフの採用や研修、評価、部署配置などを行う
  • 広報…TVや雑誌、SNSなどを利用し、ホテルの魅力や商品を宣伝する
  • 施設管理…ホテル本館や駐車場、プール、ジムなどの清掃や維持を行う

上記のほかに、総務や経理なども縁の下の力持ちとしてホテルを支えています。

日本には、数多くのホテルや旅館があります。「日本のホテルの種類まとめ!ビジネスホテルとシティホテルの違いとは」や「ただ泊まるだけじゃない!「体験できる」日本の旅館の魅力」もご一読ください。

ホテルスタッフの一日のスケジュール

ホテルスタッフの一日のスケジュールの画像

ホテルは基本的に24時間・365日営業しており、スタッフは2交代制もしくは3交代制のシフトで勤務しています。2交代制および3交代制の勤務時間例は、以下のとおりです。

【2交代制】

  • 早番…午前7時~午後4時
  • 遅番…午後12時~午後9時

【3交代制】

  • 早番…午前7時~午後4時
  • 遅番…午後3時~午後11時
  • 夜勤…午後10時~翌日の午前7時

以下では、「フロントスタッフ」「ハウスキーパー」「ベルアテンダント」の一日のスケジュールを紹介します。

フロントスタッフ

フロントスタッフの画像

フロントスタッフは、基本的に早番・遅番・夜勤の3交代制で働いています。早番の一日のスケジュールは以下のとおりです。

  • 午前7時…出勤
  • 午前7時15分…ミーティング
  • 午前7時30分…カウンター業務
  • 正午…休憩
  • 午後1時…ゲストを迎える準備
  • 午後2時30分…チェックイン業務の開始
  • 午後4時…業務終了

なお、早番・遅番・夜勤は、いつも同じ人が担当するわけではありません。遅番が終わったらホテル内の仮眠室で休憩し、翌日に早番で出勤するといったシフトもあります。

ハウスキーパー

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ハウスキーパーは、主に早番・遅番の2交代制で働いています。早番の一日のスケジュールは以下のとおりです。

  • 午前7時…出勤
  • 午前7時15分…ミーティング
  • 午前7時30分…客室の清掃・リネンの交換・アメニティグッズや備品の確認
  • 正午…休憩
  • 午後1時…大浴場の掃除・アメニティグッズの在庫確認
  • 午後3時30分…業務報告
  • 午後4時…業務終了

ハウスキーパーはゲストが部屋にいない時間に働くため、基本的に夜勤はありません。

ベルアテンダント

ベルアテンダントの画像

ベルアテンダントは、基本的に早番・遅番・夜勤の3交代制です。以下では、早番のベルアテンダントの一日のスケジュールを紹介します。

  • 午前7時…出勤
  • 午前7時15分…ミーティング
  • 午前7時30分…チェックアウトするゲストの荷物の運搬
  • 正午…休憩
  • 午後1時…チェックイン前に預かったゲストの荷物の運搬
  • 午後2時30分…ゲストの客室への案内
  • 午後4時…業務終了

ホテルによっては、ベルアテンダントがレストランの予約やタクシーの手配などの業務も行います。

ホテルの仕事の魅力

ホテルの仕事の魅力の画像

ホテルの仕事の魅力には、「語学スキルや知識を活かせる」「ゲストの思い出作りに協力できる」といった点が挙げられます。また、「高いおもてなしスキルを身に付けられる」のも魅力の一つです。

語学スキルや知識を活かして仕事ができる

ホテルで仕事をする魅力として、自身の語学スキルや今まで培った知識を活かせることが挙げられます。たとえば、英語や中国語が得意な方は、これらの言語を話すゲストに詳細な観光情報を伝えられるでしょう。ゲストの言葉を通訳しほかのスタッフに伝えることで、より充実したサービスの提供も可能です。
また、丁寧な日本語や正しい敬語が身に付くのも魅力の一つです。きれいな日本語が話せると、さまざまな職場で重宝されるでしょう。

ゲストの大切な思い出作りに協力できる

結婚式や披露宴など、ゲストの大切なイベントに関われるのもホテルの仕事の魅力です。ゲストの要望を聞いて一緒に計画を立てるのは、イベントプランナーの醍醐味といえるでしょう。イベントを成功させてゲストを笑顔にできると、大きなやりがいを感じられます。
なお、イベントは多くのスタッフが協力して運営するので、チームワークが必要です。チームワークを発揮してイベントをやり遂げる達成感も、ホテルの仕事の魅力といえます。

高いおもてなしスキルを身に付けられる

高いおもてなしスキルを身に付けられるのも、ホテルで働く魅力の一つです。おもてなしとは相手へ心のこもった対応やサービスをすることで、ホスピタリティに近い言葉といえます。
ホテルに採用されたスタッフは、入社後の研修でおもてなしの仕方を学ぶのが一般的です。担当部署への配属後も、ゲストがホテルで快適に過ごせるように、細やかな配慮の仕方を学びます。相手を思いやり喜ばせるスキルは、さまざまなキャリアに活かせるでしょう。

日本の「おもてなし」文化について解説!」や「海外で人気の日本文化を紹介!評価される理由や体験方法を解説」のコラムでも、おもてなしについて解説しています。

ホテルで仕事をする際に必要なスキルと資質

ホテルで仕事をする際に必要なスキルと資質の画像

以下では、ホテルで仕事をする際に必要な「高い語学力」「ホスピタリティ」「夜勤に対応できる体力と柔軟性」について解説します。

高い語学力

日本国外からゲストが来るホテルでは、高い英語スキルが必要です。一般的にTOEICで600点以上の取得が求められます。英語を母語としない方は、英語スキルを示せる試験で高得点を取っておくと、採用に有利に働くでしょう。さらに、中国語や韓国語なども話せると役に立ちます。
ホテルで仕事をするには、正しい敬語が話せる日本語スキルも必要です。日本語を母語としない方がフロントスタッフになるには、日本語能力試験(JLPT)のN2レベル以上が求められます。

ホスピタリティ

ホテルの仕事には、相手を喜ばせたいというホスピタリティが必要といえます。ホスピタリティがないと、たとえ接客のスキルを学んでもゲストに寄り添った対応はできません。ゲストに満足してほしいという気持ちがあるからこそ、細やかな気遣いや相手に応じた対応ができるのです。
ホテルの仕事に就きたいと考える方は、日ごろからホスピタリティを持つように心掛けましょう。

夜勤に対応できる体力と柔軟性

ホテルのスタッフには、夜勤に対応できる体力と柔軟性が求められます。また、週末・祝日も勤務になる場合が多く、基本的にシフト制なので働く曜日や時間が固定されていません。そのため、変則的な勤務への対応力も必要です。

夜勤のない職種でも、荷物や道具を運んだり立ち仕事が多かったりするので、体力は必要といえます。

ホテル業界の平均的な給料

ホテル業界の平均的な給料の画像

ホテルで働く正社員の年収は、一般的に300万~350万円程度です。勤務年数が長くなり経験やスキルを積むと、給料アップが見込めます。

一方、アルバイトとして働く場合の時給は、900~1500円程度です。業務時間によって異なる場合が多く、早番や夜勤の時給は高い傾向にあります。

ただし、ホテルの種類や立地、応募する職種によって給料は異なるので、よく調べましょう。

まとめ

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ホテルの仕事は宿泊部門や飲食部門、イベント部門、企画・営業部門、人事・広報・施設管理など、主に5つの部門に分かれています。それぞれの部門にいる多様な職種のスタッフが連携することで、ホテルは円滑に運営されているのです。
ホテルの仕事に必要なスキルや資質として、「高い語学力」「ホスピタリティ」「夜勤に対応できる体力と柔軟性」が挙げられます。ホテルの仕事に就きたいと考えている方は、これらのスキルや資質を磨くように心掛けましょう。

ライター

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