日本のおもてなしとは?サービスやホスピタリティとは違う文化がある!

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2022/12/01

日本文化に興味がある人のなかには、おもてなしについて詳しく知りたい方もいるでしょう。おもてなしとは、相手が何を求めているかを想像して自ら起こす行動を指します。また、目に見えない心遣いも、おもてなしには含まれるのです。

このコラムでは、日本のおもてなし文化の始まりや語源を解説。マナーやサービス、ホスピタリティとの違いについても紹介するので、内容を参考にして日本人との交流に活かしましょう。

目次

  1. 日本の「おもてなし」とは何か?
  2. おもてなしと間違えやすい似ている意味の言葉もある
  3. 日本のおもてなしを感じられる場所4選
  4. 海外にもおもてなしが有名な国はある?
  5. おもてなしをするときのコツ
  6. まとめ

日本の「おもてなし」とは何か?

「おもてなし」とは、相手が望んだり喜んだりする物事を想像して自ら行う行動や心遣いを指します。相手に想像以上の喜びや快適さを提供し、感動を与えられるように試行錯誤する自分の「心」こそが、おもてなしの原点なのです。そのため、おもてなしの対価を求めたり、費やした労力を相手にアピールしたりはしません。

なお、「おもてなし」という言葉は、「もてなし」に「お」を付けた丁寧語です。語源については以下で詳しく解説します。

「おもてなし」の語源

「おもてなし」には以下2つの語源があります。

1.モノを持って成し遂げる

1つ目の「おもてなし」の語源は、「モノを持って成し遂げる」です。「モノ」には、目に見える物体だけでなく、気持ちや心などの目には見えない事象も含まれます。もてなしたい対象に対する想いをさまざまな形で表し、相手に喜んでもらうことが「おもてなし」の語源です。

2.表裏なし

2つ目の語源は、「おもてなし=表裏なし」だといわれています。「表裏がない」は、人の表情と考えている内容に食い違いがないという状態を意味する言葉です。つまり、「おもてなし」とは心から相手に敬意を払い、思いやりを持って接している状態を意味します。

また、「表なし=表がなければ裏もない」という言葉が語源という説もあります。

おもてなしは茶道の文化から始まった

おもてなしの文化は平安時代から室町時代にかけ、茶道の文化が日本人に広まると同時に始まったとされています。日本の茶道は、お茶の提供だけが目的ではありません。相手が喜ぶよう、茶道特有の茶室や道具、作法によって作られた最高の空間と時間も含めておもてなしなのです。茶道における心の持ち方や姿勢、振る舞いをきっかけに始まったおもてなしは、その後さまざまな場面で行われるようになりました。

日本の伝統文化について知りたい方は、「日本の伝統文化を外国人向けに解説!芸道や季節の行事の一例を紹介」や「日本の伝統文化が知りたい方必見!歴史や体験する方法についても紹介」のコラムもご覧ください。

おもてなしと間違えやすい似ている意味の言葉もある

ここでは、おもてなしとマナーやサービス、ホスピタリティとの違いを解説します。

マナーとは

マナーは礼儀や作法を意味する言葉で、ラテン語で手の意味がある「manus」から生まれました。「manus」は、相手に不快感を与えないような、食事の際の手の使い方や作法を指す言葉です。

人間関係において秩序を保つために生まれたマナーは、TPOに応じて取るべき行動や態度が決まっています。一方で、おもてなしには決まった形式はありません。
また、マナーは常に守る必要がありますが、おもてなしをするかどうかはもてなす側の気持ち次第です。

サービスとは

サービスの特徴は、受けるときに対価が発生するという点です。サービスを受けたい場合は相手に金銭を渡し、提供する側は対価を受け取る代わりに行動します。

サービスには「奉仕」または「従事」の意味があり、提供する側と受ける側の間に明確な主従関係があるのも特徴です。また、サービスは求めているすべての人が利用できるという点でも、おもてなしとは異なります。

ホスピタリティとは

ホスピタリティには主従関係はなく、「提供する側と提供される側が対等」という特徴があります。ラテン語が語源で、「客人の保護」を意味する「hospics」、または「客人やもてなす側の主人」という意味の「hospes」から生まれました。一般的に、日本語では「心遣い」や「思いやり」と訳されます。対等な関係を保ちつつ、いたわりの気持ちを持って自発的に行動するのがホスピタリティです。また、おもてなしと同様にホスピタリティに対価は発生しません。

「ホスピタリティ=おもてなし」と考える方も多くいますが、共通する点と異なる点があります。どちらも相手への思いやりを持って、対価を求めず行動を起こすという点は同じです。ただし、おもてなしは提供する側の心や姿勢といった精神面を重んじているという点で、ホスピタリティとは異なります。

日本のおもてなし以外の文化や伝統、習慣については、「日本文化の特徴を外国人向けに解説!独自の伝統や習慣を知ろう」や「日本での生活で外国人が驚くこととは?日本人の特徴や習慣を紹介!」のコラムでも紹介しているので、参考にしてください。

日本のおもてなしを感じられる場所4選

おもてなしを感じられる場所として、日本の旅館やホテル、料亭、デパートなどが挙げられるでしょう。ここでは、おもてなしを受けられる場所と内容を紹介します。

1.旅館やホテル

日本の旅館やホテルなどの宿泊施設は、おもてなしを感じられる場所の代表格です。たとえば、食事の際は料理が最高の状態で提供され、美味しく食べるコツを教えてもらえます。また、綺麗に清掃されている部屋からも、おもてなしの気持ちを感じられるでしょう。テーブルや備品の配置も、「お客さまが心地良く過ごせるように」という、従業員の細かい心遣いがされているのです。

宿泊施設によっては、従業員が宿泊客をおもてなしするために、何度も部屋に訪れる場合もあります。過度なおもてなしは不要だと考える方は、事前に調べたり過剰と感じたときに従業員へ申し出たりすると、快適に過ごせるでしょう。

なお、日本はチップの習慣がないので、おもてなしに対して金銭を渡すと従業員を困らせてしまう可能性があります。良いおもてなしへの感謝の気持ちは、口頭もしくは手紙などの金銭以外で相手へ伝えましょう。

2.料亭やレストランなどの飲食店

料亭やレストランなどの飲食店も、日本のおもてなしを体感できる場所です。料亭では、季節ごとの旬の食材を活かした美味しい料理が食べられます。美しい食器や和を感じさせる部屋、飾られた四季折々の花などからも、おもてなしの気持ちを感じられるでしょう。

日本では、高級店でないレストランでもおもてなしを受けられるのが一般的です。入店するとすぐに店員が席まで案内してくれ、手を拭くためのおしぼりが渡されます。飲食店によっては、メニューに写真が載っており、英語や中国語など他言語が記載されている場合もあります。そのため、外国人の方でも注文しやすいでしょう。

3.デパート

日本のデパートでも、おもてなしを感じられます。代表的なのは従業員による出迎えや見送りです。入店の際は「いらっしゃいませ」という言葉で出迎えられ、商品を購入すれば「ありがとうございました」と言って店外まで見送ってくれます。また、エレベーターに従業員が1人乗っていて、ドアの開閉操作を行ってくれるのも、日本独自のおもてなしでしょう。

4.電車

電車の中やホームが綺麗な点も、日本のおもてなしの一つといえるでしょう。電車がホームに停車しているわずかな時間に、隅から隅まで清掃する従業員の技術と心遣いに感心する人が多くいます。また、電車が時刻表通りに運行している点も、日本ならではの文化のようです。

日本には、おもてなしを目的とした観光列車もあります。旅や食事を楽しむと同時に、日本のおもてなしを電車の中で体験したい方におすすめです。

海外にもおもてなしが有名な国はある?

海外にも、さまざまなおもてなしをする国があります。ここでは、韓国とブラジルのおもてなしの特徴を紹介するので、他国の文化について知識を深めてください。

韓国の場合

韓国では、自宅に客人を招いて手料理を振る舞います。韓国では「客人が来る=福が来る」と考えられているため、部屋を綺麗に片付けて手料理を準備をし、おもてなしをするのです。また、食べきれないほど大量の手料理を提供するのが、もてなす側の礼儀とされています。韓国で自宅へ招かれたときは、「食べ切れないほど満足した」という意思を示すために、料理を残して帰るのが礼儀です。

逆に日本で料理を残すと、「食べ物がもったいない」「行儀が悪い」とネガティブな印象を持たれる可能性があります。

ブラジルの場合

ブラジルでは自宅を訪れた客人に、すべての部屋を見せるのがおもてなしです。「あなたを信じています」という意思を示すために、部屋を見せるようになったといわれています。

また、「ブラジルの文化や食習慣を知って欲しい」という想いから、海外の客人に対して肉料理を多く振る舞うのが特徴です。さまざまな料理を調理した鍋のままで出し、客人は自分の好きな物を食べたい量だけ取ります。

おもてなし以外の日本文化と西洋文化の違いについては、「日本文化の特徴をまとめて紹介!外国人向けに西洋文化との違いを解説」のコラムで詳しく解説しています。

おもてなしをするときのコツ

おもてなしをするときのコツを以下で解説します。

何をすれば喜んでもらえるかを想像する

おもてなしをするときは、相手が何を求めているかを想像しましょう。そして、喜んでもらえそうなおもてなしを、時間を掛けて考えることが大切です。「自分は●●をしてあげたい」という想いをただ相手にぶつける行為は、おもてなしとはいえません。相手がどのように感じるかを考え、自分ができる行動や配慮をするのがおもてなしなのです。

おもてなしで対価を得ようとしない

おもてなしで対価を得ようとしてはいけません。対価を目的としたサービスではなく、相手を思いやる自分の心や精神こそが日本のおもてなしの原点なのです。金銭を得られなくても、相手の笑顔や感謝の言葉によって喜びを得られます。丁寧で心のこもったおもてなしを心掛けましょう。

なお、おもてなしする際は、費やした時間や行った努力を相手に見せてもいけません。なぜなら、相手が恐縮する可能性があるからです。快適に過ごしてもらうために、相手に余計な気遣いをさせないようにしましょう。

相手や季節などを総合的に判断してもてなす

おもてなしは、相手や季節、その日の天気などを総合的に判断して行うことが重要です。
たとえば、小さな子ども連れでレストランに行くと、ベビーチェアやキッズメニューが用意される場合があります。また、寒い季節には、冷たい水ではなく温かいお茶が提供される飲食店もあるのです。ほかにも、雨の日に百貨店で買い物をすると、荷物に防水カバーをかけてくれるといったおもてなしも受けられます。

このように、相手の年齢やその日の気温、天気などを考慮し、臨機応変に対応するのがおもてなしのコツです。

まとめ

おもてなしは、日本の茶道の文化から始まったといわれています。相手の喜びや望みを想像して行動を起こしたり、思いやりの気持ちから配慮したりするのが、日本のおもてなしです。おもてなしの目的は、対価を得ることではありません。常に相手を想う自分の心を意識したうえで、おもてなしをしてみましょう。

ライター

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