製造業とはどんな仕事?主な職種・仕事内容・向いている人を解説

WeXpats
2024/09/30

製造業とは製品の素材の生産や加工、組み立てを行い、販売する産業です。家電や機械、自動車、化粧品、食品など幅広い種類を取り扱っています。製造業は「ものづくり大国」と呼ばれる日本の経済を支える重要な産業です。

製造業は、製造ラインで直接的に物を製造するだけではありません。商品の企画・管理や研究開発、営業・販売をするなど仕事内容は多種多様です。

この記事では、製造業の種類や職種について紹介。また、製造業で働くメリット・デメリットや向いている人についてもまとめています。製造業の仕事に興味のある人は参考にしてください。

目次

  1. 製造業とは
  2. 製造業の主な種類
  3. 製造業における職種と主な仕事内容
  4. 製造業で働くメリット・デメリット
  5. 製造業に向いている人
  6. まとめ
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製造業とは

製造業とはの画像

製造業とは「原材料や素材を加工・組み立てし、製品を生産・販売を行う産業」です。経済産業省では「主として新製品の製造を行う事業所」「製造加工した新製品を主として卸売する事業所」を「製造業」としています。つまり、製造から販売まで行うのが製造業です。

製造業は、産業を大きく3つに分けた分類で第2次産業に該当します。第2次産業とは、工業や建設業などの自然界にある物の加工を行う業種のことです。なお、第1次産業は自然界に働きかけて作物を作ったり採取したりする業種のことで、農業や林業、漁業などが当てはまります。第3次産業は第1次・第2次産業のどちらにも該当しない業種で、該当するのは商業・金融業・サービス業などです。

製造業は重要な産業として日本の経済を支えています。2022年時点で製造業が国内総生産を占める割合は約2割で、サービス業に次いで2番目に多い産業です。また、総務省が2023年に発表した労働力調査によると、日本の就業者数の約6747万人のうち製造業で働く人数は約1055万人で、国内で最も就労者の多い産業となっています。

参照元
経済産業省「工業統計調査 用語について」
経済産業省「令和5年度 ものづくり基盤技術の振興施策」
総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)平均結果

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製造業の主な種類

製造業の主な種類の画像

製造業の種類は多種多様です。車や機械、部品、家電製品などを生産することだけが製造業に該当するわけではありません。ここでは製造業の主な種類を紹介します。

機械関連(自動車産業等)

機械品の設計・生産・組み立てなどを行うのが機械関連です。自動車や家電製品などといった身近な物だけでなく、工場の中で使用する産業機器や研究用の装置など幅広い機械を製造しています。取り扱う製品や種類が多いのが機械関連の特徴です。

近年では、産業用ロボットやAIを利用し、製造業の中で最も効率化が進んでいるといわれています。

金属・鉄鋼

主に取り扱う製品は、機械や建築部品で使用する金属・鉄鋼です。橋やビルなど大規模な建造物の骨組みに使用する鉄鋼やビスのほか、パソコンの部品や自動車のボディといったありとあらゆる物に金属・鉄鋼は使われています。

また、最近では製造するだけではなく、使用済みの金属・鉄鋼をリサイクルする取り組みも積極的に行っている分野です。

化学製品

石油や天然ガスなどの原材料に化学反応を加えて、製品や素材を製造しています。取り扱う種類は、衣料品の化学繊維や接着剤、フィルム、ペットボトル、食品の原材料などさまざまです。製造業の中でも高度な技術力を用いる分野であり、生活に必要な素材や製品を製造しています。

化学関連の特徴は、原材料の調達から製品化まで一貫して行っている企業が多いことです。

食品関連

お菓子やジュース、缶詰、加工食品など食品に関わるさまざまな製品を製造しています。また、新製品の企画や販売など仕事内容も多岐にわたるのが特徴です。

近年では、製造工程は手作業ではなく生産ラインやロボットを用いて製造することが増えています。

建築・住宅関連

建築・住宅関連では、家やビルの建築を行うだけではありません。道や橋などの大型建造物の建築も行います。ほかにも、住宅で使用する内装部品や窓、サッシなどの製造も行い、携わる仕事は多種多様です。

近年ではリフォームや古民家のリノベーションなどの需要が高まっているため、リフォームに使用する資材の製造に力を入れている企業も増えています。

医薬品

医師から処方される薬やドラッグストアで購入できる医薬品を製造しているのが、医薬品の製造業です。ほかにも、新薬の研究・開発や臨床試験など、ほかの製造業では取り扱っていない業務も行っています。近年では健康に関する意識が高まっており、人々の健康や暮らしを守る欠かせない存在といえるでしょう。

木材・木製品

木材の加工・組み立てを行い、さまざまな製品を製造します。建築に必要な建材の加工やベッド・椅子・テーブルなどの組み立て、材木の切断やプレスなど仕事内容はさまざまです。また、製造だけでなく設計やデザインなど幅広い業務を行っている企業もあります。

日本は「ものづくり大国」と呼ばれていて、国内で製造された製品は海外にも流通しています。そのため、製造に欠かせない工場は輸送や輸出がしやすい海沿いに作られるのが一般的です。全国の工場地帯の場所や特徴については、「日本の工業地帯の場所と特徴を解説!工業地域との違いとは」にまとめています。

製造業における職種と主な仕事内容

製造業における職種と主な仕事内容の画像

製造業の職種は開発や企画、営業など多岐にわたります。製造業における職種と主な仕事内容は以下のとおりです。

商品企画

商品企画は市場のトレンドや顧客のニーズを踏まえて、需要のある製品を考案する仕事です。消費者がどのような製品を求めているのか情報収集を行い、自社の技術や強みを活かして、他社の製品とは異なる特色のある製品の企画を目指します。

商品企画では市場調査や競合分析などを行うため、マーケティングスキルが欠かせません。ほかにも、資材調達や価格の設定、販売の戦略などでは他部門と連携が必須であり、コミュニケーション能力や発想力も求められます。

研究開発

研究開発は新製品を開発するための技術研究を行い、研究結果をもとに製品化を進めるのが仕事です。顧客の要望や市場のトレンドを満たす製品を製造できるかを技術面から検証します。ほかにも、既存の製品を改良するための研究・開発を行うのも業務の一つです。より良い製品を生産・販売する製造業において欠かせない職種といえます。

設計

設計は企画されたアイデアを図面化し構造や仕様を決め、実際に製造できるように考える仕事です。製品の生産に使える技術やコストには限りがあります。指定された予算や条件のもとで製品が生産できるような設計書を作成するのが設計の役割です。製品に対する要望は日々進化していくため、設計職に就く場合は最新の技術や幅広い知識を取り入れていく必要があります。

資材調達

資材調達は製品の製造に必要な原材料を調達し、確保する仕事です。製造を始めるにあたって、条件に合う資材を探したり、仕入れ先の業者を選んだりします。資材が予算に合っているか、必要数を確保できるかなどの検討も欠かせません。予算を超える場合は、値段交渉をしたりほかの業者の材料を使う検討をしたりします。製品の価格・品質・生産は使用する資材で決まるため重要な役割を担う職種です。

生産管理

生産管理とは、販売計画に基づいて製造工程を管理する業務全般のことを指します。製造業には必ず納期があり、期日までに納品できるよう製品の生産をしなければなりません。納期に間に合うように製造ラインの設備の確保や人員の配置、工程の管理などを行います。

また、生産が計画どおりに進めない状況が発生した場合、適切な判断を行うことも必要です。生産の開始から完了まで製造の一貫に関わる職種のため、大きなやりがいを感じられる職種といえます。

生産・製造技術

出来上がった図面や手順に沿って、工場で製品を製造するのが生産です。規格通りの製品ができない場合は、問題を洗い出して改善します。

一方、製造技術とは製造工程において品質の良い製品を効率的に生産する方法を考え、現場の改善・提案を行う仕事です。たとえば、作業者や製品の導線を改良したり、生産設備にトラブルが起きたときに対応したりします。製造現場の各工程に着目し、技術面から改善点を見つけるのが製造技術の役割です。

品質管理・検査

品質管理・検査とは、製品を製造する際に、一定の品質を備えているか、不良品が混ざっていないかを検査・検証します。品質を守って事故やメーカーの信頼の喪失を防ぐことは、製造業の企業において欠かせません。機械や自動車、医薬品など、品質に問題があった場合に人の命に関わるような製品は、特に細かく確認が行われます。製造工程で行われる品質検査は以下の通りです。

  • 受入検査(原材料や部品の品質が適合しているか確認する)

  • 工程検査(製造途中の製品を検査し、不良品が次の工程に進まないようにする)

  • 最終検査(完成品の品質・安全を検査し、不良品が出荷されないようにする)

品質管理・検査をすることでミスやトラブルを早期発見し、改善することで顧客の信頼獲得に繋げています。

営業・販売

製造したものや製造の依頼を受けて顧客の要望に沿ったものを販売します。営業・販売は企業の利益を生む重要な役割を担っている職種です。

製造業の企業は、法人を対象としたBtoBといわれる営業をメインとしています。たとえば、素材を製造するメーカーの場合、営業を行うのは部品の生産や組み立て・加工をする企業が中心です。組み立て・加工を行う企業の場合でも、商品の流通を担う卸売業に販売する場合が多いため、個人に直接営業するケースはあまりありません。

顧客のニーズを満たすために企画や設計・生産管理など、ほかの部署とも連携を行う必要があります。社外だけでなく社内とも良好な関係性が必要不可欠な職種です。

製造業で働くメリット・デメリット

製造業で働くメリット・デメリットの画像

製造業は未経験でも採用されやすく、職種や扱う製品によっては高収入を目指すことができます。一方、製造業で働くことにネガティブなイメージを抱く人も少なくありません。ここでは製造業で働く際のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

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製造業は生活に欠かせない製品や部品などを製造しているため、安定した雇用と収入が見込まれる業界です。製造業で働くメリットを紹介します。

労働環境が整っている

製造業で働くメリットは「労働時間・休憩時間が安定していること」です。24時間稼働している製造業では、業務・休憩の時間が明確に決められています。ほかにも、近年では社宅や寮などを完備していたり、福利厚生に力を入れていたりする企業も増えていて、労働環境が整っているといえるでしょう。

未経験でも採用されやすい

未経験でも採用されやすいのが製造業の特徴です。知識や経験よりも、性格や勤務に対する姿勢を重視する企業が多い傾向にあります。また、人材を一から教育する職場が多く、マニュアルを完備していたり勉強会などの研修制度が整っていたりと、人材の育成に力を入れている企業がほとんどです。

学歴に関係なくキャリアアップできる

製造業の企業の多くは学歴を問いません。専門的な知識や技術を求められることもありますが、資格取得を支援する制度を取り入れている企業も多く、熱意を持って仕事に取り組むことで技術面の向上やキャリアアップを図ることができます。

高収入を目指しやすい

製造業は給与や待遇面が良い業種です。職種や地域、スキルなどによって異なりますが、研究開発や生産管理など一部の部門では高い収入を得られる可能性があります。ほかにも、資格手当や深夜手当、特殊勤務手当など各手当の質も高いため、高収入を目指しやすいといえるでしょう。

残業が少ない

勤務体制によっては残業が少なく、仕事とプライベートの両立がしやすい業界です。繁忙期や作業が終わらない場合は残業が発生することもありますが、基本的には定時退社が多いといえます。プライベートの時間を確保したい人や私生活と仕事の両立を希望している人には働きやすい環境です。

接客に苦手意識があっても働きやすい

製造ラインでの作業など一部の職種では、接客や営業のように顧客と対応することはほとんどありません。なかには、人と話さず自分の持ち場で作業に集中して取り組める業務もあります。ただし、挨拶や返事など基本的なマナーは必要不可欠です。

デメリット

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職種や取り扱う製品によって、働き方はさまざまです。とはいえ、製造業は体力が必要だったり単純作業が多かったりと大変なイメージを持つ人もいます。ここでは製造業で働く際のデメリットを紹介します。

ハードなイメージがある

製造業に、ハードなイメージを持つ人も少なくありません。デスクワークやその他の業界と比べると、危険な作業が伴う機会が多く、怪我や事故のリスクが大きくなります。しかし、製造業は労働環境の改善や見直しに積極的に取り組んでいて、近年では安全面や労働時間などの衛生面など環境整備を整えている企業がほとんどです。

立ち仕事が基本で体力が欠かせない

製造業で働く際に体力は欠かせません。特に製造ラインなど製造業の現場では立ったまま作業を行ったり、重い荷物を運んだりすることもあります。体力に自信がない人は、慣れるまで身体の負担を感じやすいでしょう。

単純作業が多く集中力が必要

職種によっては単純な作業が多く、同じ動作を繰り返す仕事もあります。単純作業だと集中力が切れやすく、ミスにつながる可能性も少なくありません。単調な作業の中にも楽しさを見出せたり、集中して取り組めたりする力が必要です。

製造業に向いている人

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製造業にはさまざまな職種がありますが、基本的には図面やマニュアルを理解して、その内容通りに仕事を行う必要があります。以下は製造業に向いている人の特徴です。製造業の仕事に興味がある人は参考にしてください。

体力に自信がある

製造業では立ち仕事が多かったり、重たい物を運搬したりすることがあるので体力が必要です。また、交代制勤務を取り入れているところも多く、夜勤で勤務する可能性もあります。昼夜逆転の生活になることもあるので生活リズムの変化についていける体力が必要です。

集中してコツコツ取り組める

高い集中力で物事をコツコツ取り組める人は製造業に向いています。製造ラインでは同じ作業を繰り返すことが多いのが一般的です。単純な動作を繰り返したとしても集中して仕事を行える人は製造業に適しているといえます。また、確認作業や報告業務も多いため、注意深い人や物事に慎重な人も向いてるでしょう。

効率化するのが得意

効率化が得意な人は製造業に適しています。製造業の職種では、限られた時間の中で任された業務を終わらせる必要があるため、効率化や生産性を上げる工夫が必要です。自分で積極的に目標を設定したり、効率化を考えたりする人はやりがいを感じやすいといえます。

まとめ

製造業とはどんな仕事?主な職種・仕事内容・向いている人を解説のまとめの画像

製造業とは、材料を加工して製品を生産・販売する仕事のことです。機械や自動車、食品、化学素材など、さまざまな物を取り扱っています。また、製品の生産から販売に至るまで、幅広い職種が携わっているのが特徴です。未経験や学歴不問としている企業も多いので、製造業に興味のある方は自分にあった業種・職種を探してみて応募してみましょう。

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