翻訳の仕事内容について解説!翻訳者に求められるスキルや働き方を知ろう

WeXpats
2024/01/16

翻訳者は、出版物やマニュアル、契約書、Webサイトなどをほかの言語に訳す仕事を行います。翻訳者になるためには、2ヶ国語以上の言語に精通した高い語学力が必要です。また、正確に翻訳を行うために必要なリサーチ能力やコミュニケーション能力、専門知識も求められます。このコラムでは、翻訳の仕事内容や就職に有利となる検定試験について解説するので、翻訳者を目指す人は参考にしてください。

目次

  1. 翻訳者とは
  2. 翻訳の仕事の種類
  3. 翻訳者になるには
  4. 翻訳者の働き方
  5. 翻訳の仕事に必要な能力
  6. 翻訳者を目指す人におすすめの検定試験
  7. まとめ
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翻訳者とは

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翻訳者(ほんやくしゃ)の仕事は、外国語を日本語に訳したり日本語を外国語に訳したりすることです。通訳者が会話などをその場で聞き取って訳すのに対し、翻訳者は主に書籍などの文章を訳します。翻訳する言語の種類はさまざまで、どの分野においても高い語学力が求められる仕事です。

通訳者の仕事について詳しく知りたい方は「通訳の仕事内容や種類について解説!通訳者に必要なスキルは?」のコラムを参考にしてください。

翻訳の仕事の種類

翻訳の仕事の種類の画像

翻訳の仕事は、主に以下の3種類です。ここでは、翻訳の仕事のジャンルについて解説します。

文芸翻訳

文芸翻訳(ぶんげいほんやく)とは出版物を翻訳する仕事で、出版翻訳とも呼ばれます。文芸翻訳は主に小説や雑誌などの翻訳を行うため、テーマや作品に沿った表現力や語彙力が必要です。物語の世界観を理解し、作品に合う言葉を選んだり表現したりする高い翻訳スキルが求められます。

実務翻訳

実務翻訳(じつむほんやく)とはビジネスシーンで使われるマニュアルや契約書などの翻訳を行う仕事で、産業翻訳とも呼ばれます。医療や金融、ITなど専門用語の多い文献を翻訳する際には、専門的な知識も必要です。そのため、翻訳者は特定のジャンルを専門に担当し、実務翻訳を行います。

映像翻訳

映像翻訳(えいぞうほんやく)とは映画やドラマなどの音声を翻訳する仕事です。映像作品の音声を翻訳し、字幕や吹き替えのセリフを作ります。映像翻訳を行う翻訳者には、登場人物のキャラクターや場面に合った言葉遣いに訳したり、読みやすく意味が通じやすい字幕を作成したりするスキルが必要です。

Webサイト翻訳

Webサイト翻訳とはWebページの文言を翻訳する仕事のことです。海外メディアによって報道されたインターネット上のニュース記事や外国語のホームページを翻訳します。Webサイト翻訳を行うことで、海外の人も記事が読めるようになりニュースや情報を共有しやすくなるため、現代では需要の高い仕事です。

翻訳者のほかにも日本での仕事について詳しく知りたい方は「外国人留学生に人気の職種とは?仕事の種類や内容を解説」のコラムを参考にしてください。

翻訳者になるには

翻訳者になるにはの画像

翻訳者になるために必須の資格はないものの、一般的には高い語学力を持つ人や語学系の学部や学校で学んだ人が就く職業とされています。また、翻訳者になるために、大学や短大、専門学校などを卒業後、翻訳学校に通う人も少なくありません。翻訳会社に勤めるほか、フリーランスとして働く人もいます。求人情報をチェックして、翻訳の仕事に直接応募するのも可能です。翻訳者には、2ヶ国語以上に精通した高い語学力が求められます。そのため、就職活動前までに語学力を証明できる資格を取得しておくと良いでしょう。

日本での就職活動について詳しく知りたい方は「日本で就職するために必要なこととは?外国人留学生に向けて紹介」のコラムを参考にしてください。

翻訳者の働き方

翻訳者の働き方の画像

翻訳者の働き方はさまざまです。通訳者のように現場に出向く必要がないため、在宅ワークなどの働き方も選べるでしょう。勤務先によりアルバイトや正社員、フリーランスなど雇用形態が異なります。会社に雇用されている社内翻訳者は収入が安定する一方で、苦手な分野の案件も引き受けなければならない場合も。フリーランスの翻訳者は、エージェントから仕事を受注したり、企業に営業活動を行ったりして仕事を得るため、働き方の選択肢や自由度は高いといえます。

日本企業での働き方について詳しく知りたい方は「日本の企業文化の特徴を解説!組織内での働き方や仕事の慣習を理解しよう」のコラムを参考にしてください。

翻訳の仕事に必要な能力

翻訳の仕事に必要な能力の画像

翻訳者には、高い語学力のほかにもさまざまなスキルが求められます。ここでは、翻訳者に必要な能力について解説するので参考にしてください。

語学力

語学力は、翻訳者には欠かせない能力です。正確な翻訳を行うためには外国語の知識はもちろんのこと、母国語の語彙力も重要です。単純に同じパターンで訳すだけでなく、言い回しや表現方法、専門用語なども理解しておきましょう。

専門知識

翻訳を正確に行うためには、分野に精通した専門知識も必要です。とくに実務翻訳を行ううえでは、専門用語を理解しておくことで、翻訳をスムーズに行えるでしょう。翻訳はその場で行う通訳とは異なり自分で調べることも可能です。しかし、ある程度の知識がなければ翻訳に時間がかかり、業務に支障が出る恐れもあるため、担当分野に関連する専門知識を理解しておく必要があります。

リサーチ能力

翻訳者には、翻訳を行ううえで必要な情報を自ら調査するリサーチ能力が必要です。文芸翻訳であれば、作品の時代背景や文化的知識、映像翻訳であれば言葉のニュアンスや伝え方などをリサーチし、適切な表現を選択することが求められるでしょう。

管理能力

翻訳者の働き方はさまざまで、フリーランスとして働いている人も少なくありません。なかには、複数の翻訳業務を抱えている人もいます。そのため、スケジュール管理や締め切りまでに依頼された業務を終えられるよう調整する時間管理能力が求められます。

意思疎通能力

翻訳を行う際は、編集者やクライアントと打ち合わせをするなどコミュニケーションを取る機会もあります。クライアントの意向を確認し、連携して業務を行うことで双方の勘違いやミスを防ぎ翻訳業務がスムーズに行えるでしょう。

翻訳者を目指す人におすすめの検定試験

翻訳者を目指す人におすすめの検定試験の画像

翻訳者に必須の資格はないものの、翻訳に関連する検定試験の合格は就職活動や面接の際にアピールできるポイントになるでしょう。ここでは、翻訳者を目指す人におすすめの検定試験を紹介します。

JTA公認資格認定試験・能力検定試験

一般社団法人「日本翻訳協会」が実施する「JTA公認資格認定試験・能力検定試験」では、さまざまな分野に応じた翻訳試験を受験することができます。また、受験はインターネットによる在宅でのオンライン受験が可能です。英語以外の言語の翻訳試験もあるため、翻訳者を目指している人は挑戦してみましょう。

翻訳専門職資格試験(英語部門・中国語部門)

翻訳専門職資格試験は、日本語では「JTA公認翻訳専門職資格 試験」、英語では「Certified Professional Translator Test 」で、通称CPT試験と呼ばれています。CPT試験の対象言語は、英語と中国語です。「言語変換能力」「異文化理解能力」「専門実務翻訳能力」「IT運用能力」「マネジメント能力」のそれぞれの科目ごとに合否判定とグレードが示されます。

翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験

翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験は、翻訳プロジェクト管理・運営責任者としての能力を「時間管理」「人材管理」「資源管理」「コスト管理」「クライアント管理」「コンプライアンス管理」の6つの分野に分けて審査します。翻訳プロジェクト・マネージャーは需要の高い職種であるため、就職活動時にスキルや専門性をアピールしたい人におすすめの試験です。また、合格後は翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験の上級試験を受験できます。

翻訳専門職資格基礎試験

翻訳専門職資格基礎試験は、「JTA公認 翻訳専門職資格」の認定者を目指している人や大学生、専門学生で翻訳者を目指す人に推奨されている試験です。試験問題は、「英日翻訳」と「英文リライト」の2つのセクションで構成されています。

出版翻訳能力検定試験

出版翻訳能力検定試験は、出版翻訳の各分野を目指す人や現在の能力を測りたい人におすすめの試験です。それぞれの出版翻訳分野の翻訳能力が1から5級制で判定されるため、各ジャンルの翻訳レベルが分かりやすく、自分の得意・不得意の分野を見つけやすい試験といえるでしょう。

ビジネス翻訳能力検定試験

ビジネス翻訳能力検定試験は、それぞれのビジネス翻訳分野の翻訳能力を1から5級制で判定します。金融や医学、リーガルなどの各ジャンルに精通した翻訳者を目指す人や専門知識を確認したい人は、ぜひ挑戦してみてください。

中国語翻訳能力検定試験

中国語翻訳能力検定試験は、中国語翻訳能力を1から5級制で判定する試験です。中国語翻訳者としてプロレベルを目指す人は、2級以上の取得が推奨されています。試験分野は、「中日ビジネス一般翻訳能力検定試験」「日中ビジネス一般翻訳能力検定試験」「中国語リーガル翻訳能力検定試験」です。

フランス語翻訳能力検定試験

フランス語翻訳能力検定試験は、フランス語翻訳能力を1から5級制で判定する試験です。試験分野は、「フィクション分野」「ノンフィクション分野」があり、フランス語翻訳者を目指す人は、2級以上の取得が求められます。

ドイツ語翻訳能力検定試験

ドイツ語翻訳能力検定試験は、ドイツ語翻訳能力を1から5級制で判定する試験です。試験分野は、「フィクション分野」「ノンフィクション分野」があり、ドイツ語翻訳者を目指す人は、フランス語と同様に2級以上の取得が求められます。

Plain Written English能力検定試験

Plain Written English能力検定試験は、英語を正確に記述する能力を測る試験です。試験内容は、「 Description課題(客観的記述能力)」「Process課題(プロセス記述能力)」「Synthesis/Rewrite(総合的表現能力)」の3つに分けられ、結果は1から5級制で判定されます。

JTFほんやく検定

JTFほんやく検定は、一般社団法人「日本翻訳連盟」が実施する検定試験です。申し込みから受験までオンラインで行えます。JTFほんやく検定には「基礎レベル」と「実用レベル」があり、日本語と英語の翻訳能力を測ることが可能です。初心者や翻訳を勉強中の人は、基礎レベルから挑戦してみましょう。

英語力検定試験(TOEFL・IELTS)

翻訳者としての高い英語力を証明するためには、TOEFLやIELTSなど国際レベルで評価される検定試験を積極的に受験しましょう。TOEFLのライティングは、パソコンのタイピングで回答するため、実用性も高く評価されます。日本だけでなく海外でも翻訳者として働きたい人は、国際基準の英語の検定試験を受けると良いでしょう。

まとめ

まとめの画像

翻訳者の仕事は、ジャンルによって専門性が異なります。また、働き方はさまざまで在宅ワークの選択肢もあり、比較的自由度の高い仕事です。翻訳者には、高い語学力のほかにも管理能力やコミュニケーション能力なども求められます。また、仕事のジャンルによっては専門知識も必要です。翻訳者を目指す人は、就職活動前に自己分析を行って得意分野を明確にしたり、翻訳に関する検定を受験したりすると良いでしょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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