ミドルネームとは、氏名の間にある名前のことです。海外では一般的な名前として、ミドルネームを付ける国もあります。日本は苗字と個人名で名前が構成されているため、書類にもミドルネームの欄がなく、書き方が分からないと感じる人も少なくありません。
このコラムでは、ミドルネームの書き方について詳しく解説します。日本で各種手続きをする際に、どのようにミドルネームを記載するのか紹介するので、参考にしてください。
目次
ミドルネームの意味
ミドルネームとは、苗字(姓または氏)と個人名(名)の間にある名前のことを指します。ミドルネームを付ける習慣は、18世紀に欧米で広がりました。アジアにおいても、ベトナムではミドルネームを持っている人も多くいます。ミドルネームを付ける理由は、国や家庭によりさまざまです。洗礼名や祖父母の名前、偉人名などが由来となり付けられることもあります。
ピックアップ記事
ミドルネームの書き方
日本人の名前は、苗字(姓または氏)と個人名(名)で構成されるのが一般的であるため、ミドルネームがありません。また、名前を表記する順番も英語表記とは異なり、最初に苗字で次に名前の順で書きます。ここでは、ミドルネームを持っている人が日本で名前を書く際の書き方を紹介するので、参考にしてください。
英語名
英語圏の方の名前は、個人名・ミドルネーム・苗字で構成されます。日本と母国とでは、氏名の書き方が大きく異なるので注意しましょう。たとえば、名前が「John David Smith」の場合、日本では以下のように表記します。
英語圏で名前を書く場合 |
日本で名前を書く場合 |
John David Smith |
Smith John David |
日本で名前を記入する際は、苗字と名前の位置の違いに気を付けましょう。なお、日本の書類の多くは苗字と個人名の2つの欄しかないため、ミドルネームを書くスペースがありません。そのため、日本の書式では、個人名の欄にミドルネームを書くのが一般的です。書類によっては苗字の欄に書いたり、ミドルネームを書くスペースが設けられていたりすることがあります。そのほか、外国籍の人専用の書式が準備されている場合や英語名の構成順でそのまま記入を求められる場合もあるので、書式を確認のうえ指示通り記入しましょう。
ベトナム名
ベトナム人の名前は、苗字・ミドルネーム・個人名で構成されます。日本とベトナムとでは、氏名の書き方が少々異なるため注意しましょう。たとえば、名前が「Nguyen Le Tien」の場合、日本では以下のように表記します。
ベトナムで名前を書く順 |
日本で名前を書く場合 |
Nguyen Le Tien |
Nguyen Tien Le |
ベトナム名も英語名と同様に、日本の書式では個人名のあとにミドルネームを追記します。苗字やミドルネームを複数持っている人は書き方が異なる場合もあるため、記入前に必ず確認しておきましょう。
日本の名前の歴史について詳しく知りたい方は、「日本人の名前の歴史を解説!名字が誕生した背景や制定された法令を紹介」のコラムを参考にしてください。
婚姻届におけるミドルネームの書き方
国際結婚の婚姻届けには、海外ですでに成立した婚姻を日本の役所に報告する人用と、これから日本国内で結婚する人用の2種類の書式があります。2種類は用紙や書式が異なるため注意しましょう。
また、婚姻届では外国人の氏名はカタカナでの記入が求められます。外国人名のカタカナ表記について正式なルールはありません。実際の発音とできるだけ近いカタカナで記入しましょう。届出前に発音に近いカタカナを予め調べておくのもおすすめです。また、不安な場合は記入前に提出先の人に発音や表記が適切かどうか確認しましょう。
ミドルネームを持っている人は、個人名の欄に記入します。英語名「John(個人名) David(ミドルネーム) Smith(苗字)」と、ベトナム名「Nguyen(苗字) Le(ミドルネーム) Tien(名前)」の記入例は以下のとおりです。
【英語名の例】
夫になる人 |
妻になる人 |
||
(氏) |
(名) |
(氏) |
(名) |
【ベトナム名の例】
夫になる人 |
妻になる人 |
||
(氏) |
(名) |
(氏) |
(名) |
戸籍に記載された後にカタカナの読みを変更したい場合は、日本の家庭裁判所で許可を得て訂正しなければならないため時間や手間がかかります。記入する内容に間違いがないよう、気を付けましょう。また、ミドルネームと個人名のスペースの有無についても提出先に確認してください。
日本の苗字について詳しく知りたい方は、「日本の苗字は何種類ある?珍しい読み方20選も紹介」のコラムを参考にしてください。
出生届におけるミドルネームの書き方
海外で生まれた子どもの出生届は、生まれた日を含み3ヶ月以内に、日本で生まれた場合は14日以内に、子どもの本籍地や届出人の所在地の市区町村の役所や在外公館に提出する必要があります。
外国で生まれミドルネームを登録していた場合でも、日本では戸籍の書式上、海外と同様に取り扱うことはできません。個人名の一部として続けてミドルネームを記載することは可能であるものの、「太郎」が個人名で「デイビッド」がミドルネームの場合は「太郎デイビッド」と一つの名として登録されます。出生届のミドルネームの書き方の例は、以下のとおりです。
【出生届のミドルネームの記載例】
(氏)スミス |
(名)太郎デイビッド |
また、外国で登録していた場合でも、日本ではミドルネームを出生届に記載せずに、苗字と個人名のみ記載して登録することも可能です。詳細は、市区町村の役所や在外公館に問い合わせて確認しましょう。
日本の子どもの名前について知りたい方は、「日本の子どもに多い名前とは?由来や人気の傾向について解説!」「日本で人気がある名前とは?漢字の意味や赤ちゃんの名づけ方を知ろう!」のコラムを参考にしてください。
ミドルネームを省略した書き方
外国籍の方のなかには、ミドルネームをアルファベット1文字の「ミドルイニシャル」で記入する方もいるでしょう。たとえば、「John David Smith」の場合、「John D. Smith」と表記します。
日本では、外国人の名前をカタカナで表記することがたびたびあります。「John D. Smith」の場合は、「ジョン・D・スミス」と記載されるので知っておきましょう。
まとめ
ミドルネームは日本では馴染みのない名前表記であり、書く順番も本来の名前の構成順とは異なります。ミドルネームを持っている外国籍の方は、日本の書式で記載する際に分かりにくく感じる場合があるでしょう。ミドルネームの記載方法は、提出先により書き方や順番が異なる場合があります。ミドルネームの書き方がよく分からずに不安な人は、事前に提出先に問い合わせをして確認するのがおすすめです。