履歴書を作成しているときに、文字や書く内容を間違えてしまうこともあるでしょう。
当コラムでは、履歴書を書き間違えたときの修正方法をまとめています。
適切な修正方法の紹介だけでなく、書き間違えを防ぐコツや基本的な書き方も記載しているので、履歴書を書く前の確認に活用してください。
目次
履歴書の修正はしてはいけない
アルバイトの面接に欠かせない履歴書。
結論から述べると、履歴書は基本的に修正してはいけません。
外国人留学生のなかには、漢字などの日本語だけでなく、日本式の履歴書の書き方で戸惑ったり、間違えたりする方も多いでしょう。
しかし、履歴書は正式な書類のひとつなので、漢字や書き方を間違えたまま提出するのはマナー違反。
修正テープや修正液を使用することも禁止というのが、一般的な認識です。
もし修正した状態で提出すると、「改ざんしている」と疑われますし、誰が修正したか分からない、信憑性の低い履歴書になってしまうでしょう。
さらに、「マナーや常識を知らない・守れない人」といった印象を持たれたり、「間違えたら修正すればいい」という考えを持っている、働く意欲が低い人と捉えられたりする可能性もあります。
修正液や修正テープが使えないことから、消せるボールペンを使おうと考える方もいるかもしれません。
ですが、この「消せるボールペン」を使用することもマナー違反となります。
消せるボールペンに使用されているインクは、熱を加えると消える仕組み。
そのため、郵送中や履歴書のコピーを取るときに加熱されて記載内容がすべて消えてしまった…という事態になりかねません。
以上のことから、履歴書を作成するときは黒のボールペンで間違えのないように書くのがベスト。
書き間違えてしまったら、最初から書き直すのが基本です。
ただし、どうしても書き直しの時間がない…いうときは「訂正印」を使用することができます。
訂正印とは、正式書類の訂正方法として活用されているもの。
間違えた箇所に定規でまっすぐの二重線を引き、その二重線の上に自分の印鑑を押印します。
そして、正しい内容を訂正印の上に書けばOKです。
ただし、訂正印は目立つので、一つの書類に対して一箇所まで。書き間違えたら最初から書き直すのが基本、と覚えておきましょう。
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間違えないためにできること
せっかく作成した履歴書に書き間違いを見つけると、最初から書き直す必要があります。
ですが、書き直しには時間がかかりますし、新しく履歴書を用意するなど手間がかかること。
間違いなく履歴書を作成するには、どうしたら良いのでしょうか。
下書き
手書きで有効なのが、下書きを用意すること。
別の用紙に履歴書の項目を「見本」として用意し、それを見ながら書き写したり、履歴書自体に鉛筆で薄く下書きをしたりします。
鉛筆で下書きをする場合は、以下の2点に注意しましょう。
・ボールペンのインク擦れを防ぐために、インクが完全に乾いてから下書きを消す
・下書きの跡が目立たないように、芯のやわらかい鉛筆を使用する
消す力が強くて履歴書を破いてしまうことのないよう、軽い力で消せる消しゴムを用意するのもポイントです。
予備の履歴書を用意する
書き間違えたときに備えて、常に予備の履歴書を用意しておくことも大切。
履歴書は書店や文具店のほか、100円ショップやコンビニでも購入できますが、必要なときに必ず手に入るとは限りません。
時間のあるときに購入しておき、余裕を持って履歴書を作成しましょう。
パソコンで作成する
企業から「履歴書は手書きで」という指定がなければ、パソコンで作成するのもおすすめです。
パソコンであれば、間違えてもすぐに修正することができますし、漢字を間違えることもありません。
自宅にプリンターがなくても、ネットプリントや記録メディアを使用すればコンビニの複合機でプリントアウトすることができます。
パソコンで履歴書を作成するときは、自作ではなくWeb上に無料で公開されているテンプレートを使用するのがおすすめ。
必要事項を記入するだけで履歴書が完成するので、日本式の履歴書に慣れていない方は活用してみましょう。
基本情報の書き方
ここからは、日本式の履歴書の書き方を紹介していきます。
はじめて履歴書を作成する方はもちろん、履歴書を書いたことのある人も参考にしてください。
氏名
名字と名前の間にスペースを空けます。
母国語の記載方法で書き、「ふりがな」なら平仮名で、「フリガナ」ならカタカナで振り仮名を書きましょう。
日付
履歴書を書いた日ではなく、郵送なら「履歴書を投函する日」、手渡しなら「履歴書を提出する日」を書きます。
年号は西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、履歴書全体を通して統一するのがマナーです。
住所
郵便番号、都道府県の書き忘れに注意。
番地などは「◯-◯-◯」とハイフンを使わずに「◯丁目◯番地◯号」と正式表示で書き、マンション名も正しく記載します。
電話番号・メールアドレス
どちらも日中に連絡のつくものを書きます。
固定電話がない場合は携帯電話の番号でもOK。メールアドレスはパソコンのものが望ましいので注意しましょう。
履歴書の書き方については、「アルバイト希望の外国人留学生向け、履歴書の書き方」や「日本の履歴書の正しい書き方とは?外国人に向けて解説」でも紹介しています。ぜひチェックして、正しい履歴書の書き方をマスターしましょう。
学歴・職歴の書き方
学歴・職歴は同じ欄に書きますが、学歴から書き始めます。
学歴の書き方
最終学歴(自分が卒業した最も高い水準の教育機関)のひとつ前から書くのが基本。
入学・卒業の年月は基本情報で書いた日付の年号に合わせ、正しい年月を記載しましょう。
学校名は省略せずに正式名称を書き、学部や学科、専攻コースなども省略せず記入します。
職歴の書き方
職歴では時系列順に入社と退社を記載し、企業名のほかに所属していた部署も記入。
職歴は「正社員としての勤務経験」が当てはまるため、正社員経験がなければ「なし」と書くだけで問題ありません。
ただし、アルバイト経験がアピールにつながる場合は記載してみましょう。
資格・免許の書き方
免許や資格は、日本で取得したものだけでなく母国などで取得したものを書いてもOKです。
取得した順に時系列で、取得年月と正式名称を記載していきましょう。
資格や免許を持っていない場合は、空欄にせず「特になし」と記載するか、取得を目指して勉強中のものを書きます。
その他の欄の書き方
日本式の履歴書には、通勤時間や本人希望を書く欄もあります。
それぞれの書き方は、以下を参考にしてください。
通勤時間
基本的には90分以内で、電車やバスに乗っている時間ではなく自宅から勤務先までの「ドア to ドア」の時間を記載します。
通勤時間が1時間かからない場合は、「0時間40分」のように記入し、最寄り駅を書く必要があるときは自宅から一番近い駅を書きましょう。
詳しい通勤時間の書き方は「外国人留学生向けアルバイト履歴書の通勤時間の書き方」でも解説しているので、参考にしてみてください。
配偶者
配偶者とは、結婚している相手のこと。
結婚しているなら「有」に、していないなら「無」に丸をつけます。
さらに、「配偶者の扶養義務」とは「結婚相手の税金や社会保険料を払う必要があるかどうか」ということ。
結婚相手の税金などを自分が支払う場合は「有」、結婚相手が自分で税金などを払っていて、自分が支払う必要がない場合は「無」に丸をしましょう。
本人希望欄
ここは、募集職種や勤務地が複数ある場合に活用します。
職種や勤務地の選択肢がない場合は、「貴社規定でお願いいたします」「貴社の規定に従います」といった文章を記載しましょう。
日本の履歴書には独自のルールがあり、戸惑う方も多いと思われます。
しかし、履歴書の書き方やマナーから人柄を見ていることもあるため、しっかりと作成して自分のアピールにつなげましょう。