日本企業のインターンシップに参加して実習や研修を通して就業体験をしたい…と望んでいる留学生も多いことでしょう。
外国人留学生としてインターンシップに参加する際のポイントや日本語スキルの必要度、志望動機の作り方など、さまざまな視点から情報をお届けいたします。
日本で就職したいという願いを叶えるために、まずはインターンシップへの参加を考えてみませんか?
目次
外国人留学生でもインターンシップに参加できる?
日本企業で実施されているインターンシップでは、外国人留学生の参加を受け入れている企業もあります。
国際化や活性化を目的に、留学生インターンシップを実施する日本企業は珍しくありません。そのため、企業によって外国人留学生でも日本のインターンに参加することが可能です。
まずは、日本と海外とのインターンシップ事情の違いについて見ていきましょう。
日本のインターンシップ事情
日本で実施されているインターンシップには、大きく分けて、1日~数週間ほどの短期インターンと、3カ月以上体験できる長期インターンがあります。
アメリカやカナダなどは、短期間はあまり例がなく、3カ月~6カ月ほどの期間で実施しているケースがほとんど。理由は、海外では「会社員の一員として働く」ことが根底にあり、日本で行われている会社説明会やセミナーを兼ねた1Dayインターンシップのような短期間での実施があまりないためです。
日本での開催時期は、学校の夏休みや冬休みなどの長期休暇に合わせて行われることが多く、この場合は短期インターンに当てはまります。
長期インターンの特徴は、年間を通して募集が行われていること。そのため、学校と平行して体験できることから、大学2~3年生の早い段階で参加するケースも多く見られます。
日本のインターンシップでは、報酬が出る場合と出ない場合があるのも特徴です。
長期インターンの場合は、社員と同じように仕事をするため、給与が支払われることが多いです。しかし、短期インターンは企業説明会やセミナーなど、労働以外の実施内容であるため、ほとんどのケースにおいて給与が発生しません。
海外でのインターン事情も国により報酬の有無はさまざまです。
インターンシップと合わせて、日本の就職事情については「日本の就活の流れや必要な準備とは何か?外国人留学生に向けて解説」のコラムでチェックしておきましょう。
インターンシップにも留学の在留資格が必要
まず、留学生インターンシップに参加するためには、留学の在留資格が必須です。
もし、給与が発生するインターンシップに参加する場合には、在留カードの裏面の「許可」の欄に、資格外活動を認める記載が必要になります。
また、働ける時間は原則週28時間以内と定められているため、規約の時間内で参加できるかどうかの確認も行いましょう。
1つ注意することは、アルバイトをしながら参加する場合です。アルバイトの就労時間とインターンシップに参加している時間を合わせて、最高週に28時間までしか働けないことになっています。
そのため、インターンシップのほうが勤務時間が長くなるようであれば、アルバイトのシフトを調整する必要があるでしょう。
外国人留学生に関係する在留資格に関しては、「外国人留学生に必要な在留資格「留学」とは?就労に必要な手続きも解説」もご一読ください。
インターンシップに参加するメリットとは?
メリットとして以下のようなことが挙げられます。
・日本企業で働く体験ができる
・価値観や育った環境の違いを学べる
・海外でも通用するスキルが身につく
・日本ビジネスの仕組みを知ることができる
・就労する前にある程度のスキルを身につけられる
・日本の環境に慣れることができる
・語学力を鍛えられる
・日本での就活でアピール材料になる
多くのメリットがありますが、逆にデメリットとして、時間を費やしてしまうことや環境に順応できずストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
しかし、「日本企業に就職したい」と考えている外国人留学生も多く、インターンシップに参加して就労経験を積み、そのまま就活する人もいます。
グローバル化により、日本の中にも海外進出を目指している企業が増えてきている今日。外国人の採用を積極的に行う企業も多い傾向にあります。それに伴い、留学生インターンの募集が増加の一途をたどっています。
日本語スキルはどのくらい必要?
もし、日本での就職を考えているのであれば、日本語のスキルは必要と言えるでしょう。とはいえ、完璧でなければいけないか…というとそういうわけではありません。
グローバル事業を展開している企業で活躍する場合には、逆に現地の言語力が求められることもあるでしょう。そのため、日本語もある程度のスキルが必要となります。
日本に留学している間に、語学力を磨きたいという場合には、インターンに参加して日本人とコミュニケーションをとる機会を設けるのも方法の一つです。
まずは、インターンシップへ応募する際に必要な日本語スキルを身につけるところからはじめてみましょう。
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インターンシップの志望動機のポイント
外国人留学生のインターンを受け入れている企業でも、応募すれば必ず参加できるとは限りません。
参加できるかどうかのカギを握るのが志望動機です。
インターンシップ選考では、「なぜ参加したいのか」について理由を述べることで、企業側は求めている人物像とのマッチ度を知ることができます。
志望動機を作る際には、以下のようなポイントを押さえて応募に臨むとよいでしょう。
志望動機の作り方
まず大切なことは、志望動機を自分で考えることと、企業の求める人物像を把握しておくことです。
その2つにさらに「インターンに参加したい理由」をプラスします。
これらのポイントを押さえて志望動機を作成することで、企業にとって魅力的な留学生として捉えられるでしょう。
また、作成する際のポイントとして、まとめる前に書きたいことをしっかりと整理しておくことが大切です。
志望理由の探し方
探すポイントは、将来やりたい仕事は何か、興味のある業界はどこかなど、自身の未来像を把握することです。
なぜその職種に就きたいのか、どんな点に興味・関心を持ったのかなど、志望の理由を探ります。さらに、他との差別化を図るならば、興味・関心を持つきっかけとなった経験や体験談などから探り当てるのもよいでしょう。
もし、明確にわからない場合には、インターンシップに参加する目的から探ります。「なぜ、参加したいのか」という動機を深掘ることで、具体的な理由を見つけられるでしょう。
企業研究のコツとは?
企業研究を行う上で重要なのは、企業が求めている人物像をしっかりと捉えることです。
自分が思っていた企業のイメージは仮の姿かもしれません。多くの場合、口コミやテレビなどからの影響を受けていることがあるため、実際の企業の姿と食い違いがないかどうか調べる必要があります。
企業ごとに実施されているインターンシップですが、その内容はさまざま。そのため、インターンで体験するプログラムなどについて、具体的な内容を把握しておくことが大切です。
インターンの体験内容から、自分が何を学びたいのかを知ることができ、その目的を志望の理由につなげられます。
その他に、企業研究を行う方法として、OB・OG訪問もおすすめです。
志望度の高い企業へのインターン応募を考えている場合には、企業に勤めている現社員から情報を集めるのも有益とされています。
効果的な志望動機の作り方
志望動機を作成するときは、以下のことを盛り込むとよいでしょう。
・インターンシップへの応募理由
・インターンシップで実現したいこと
・参加する意気込み
構成する際には、次のポイントを押さえて進めます。
作り方のポイント
まず重要なのは、「結論から述べる」こと。
「◯◯だから、参加したい」という理由を簡潔に答えます。その後に、参加するきっかけとなった経験や体験談をプラスして、差別化を図りましょう。
また、インターンシップへの参加で実現させたいことを盛り込むのも押さえておきたいポイントです。参加する目的や学びたいと思うこと、積みたい経験など、自分の思いを伝えましょう。
最後は、参加する意気込みを伝えることで、より他の人と違う要素を加えることができます。
「日本で就職したい」と考えている人は、インターンシップ選考で志望動機を伝える際に将来のビジョンをプラスするとよいでしょう。
「世界で活躍できるビジネスパーソンになりたい」「◯◯業界を通じて日本社会に貢献したい」など、具体的かつ説得力のある動機を伝えます。それにより、さらにオリジナリティの高い志望理由を作ることが可能です。
インターンシップや就職活動時の志望動機の作り方をより詳しく知りたい方は、「インターンのES、留学生が知りたい志望動機の書き方」のコラムも一読ください。
卒業後に、日本での就職を希望している場合には、留学の資格から就労可能な在留資格への変更手続きが必要になります。
必要書類や申請時期などをしっかりと把握して、就活に臨みましょう。