外国人留学生が持つ在留資格「留学」では、教育期間での就学しか認められていません。そのため、外国人留学生はアルバイトを含む就労が禁止されています。ただし、地方出入国在留管理官署から「資格外活動許可」を受ければ、アルバイトは可能です。許可なくアルバイトを行うと不法就労になり罰則を受けるので、必ず資格外活動許可を申請しましょう。
目次
- 外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要
- 外国人留学生に認められたアルバイトの時間
- アルバイトの制限を守らないと罰則を受ける
- 外国人留学生におすすめのアルバイト先6選
- 外国人留学生がしてはいけないアルバイト
- 外国人留学生のアルバイトの探し方
- まとめ
外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要
外国人留学生が持つ在留資格「留学」は、あくまで勉強するための資格です。そのため、外国人留学生はアルバイトを含む就労が禁止されています。
ただし、地方出入国在留管理官署が発行する「資格外活動許可」を取得すれば、外国人留学生もアルバイトが可能です。許可なくアルバイトを行うと不法就労になり罰則を受けるので、必ず資格外活動許可を申請しましょう。
資格外活動許可の申請をするには?
資格外活動許可の申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行えます。申請に手数料はかかりません。パスポートや在留カードのほかに、必要な書類は資格外活動許可申請書のみなので、出入国在留管理庁のWebサイトか地方出入国在留管理官署の窓口で入手しましょう。なお、書類を提出したあと、2週間から2ヶ月程度審査が行われるので、アルバイトの時期が決まっている外国人留学生は早めに申請することをおすすめします。
資格外活動許可が下りると、在留カードの裏面の資格外活動許可欄に、「許可・原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されます。資格外活動許可の期限は在留期限と同じです。在留期間満了後もアルバイトを行う場合は、在留資格の更新手続きと資格外活動許可の再申請が必要になります。
外国人留学生がアルバイトをするために必要な手続きなどは、「外国人留学生のアルバイトはビザだけではNG!押さえるべき注意点を解説」でもまとめています。
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外国人留学生に認められたアルバイトの時間
資格外活動許可が下りても、外国人留学生のアルバイトには制限が設けられています。留学の本来の目的である学業の妨げにならないようにするためです。不法就労にならないように、アルバイトの制限について確認しておきましょう。
外国人留学生のアルバイトは週28時間まで
外国人留学生がアルバイトできるのは、週28時間までです。どの曜日から数えても常に週28時間に収まるようにしなければならないので、長時間のシフトを連続で組まないよう注意しましょう。また、労働時間の上限には残業時間も含まれるので、オーバーワークにも注意が必要です。
アルバイトを掛け持ちする場合は、合計の就業時間が週28時間に収まるように調整する必要があります。働く時間帯の制限はないので、18歳以上であれば深夜帯のアルバイトが可能です。
長期休暇中は1日8時間まで
専門学校や大学が長期休暇の間は、例外的に1日8時間、週40時間までアルバイトを行えます。ただし、あくまで夏休みや冬休みなど「学則による長期休業期間」限定で、休講が重なった期間などには適用されないので注意しましょう。
アルバイトの制限については、「外国人留学生のアルバイトには時間制限がある!上限を超えた場合の罰則とは」のコラムでもチェックできます。
アルバイトの制限を守らないと罰則を受ける
ルールを守らずにアルバイトを行うと、外国人留学生と雇用主の両方に罰則が科せられます。
資格外活動許可を受けずにアルバイトしたり、就労制限を破ったりした外国人留学生は、在留資格の更新や変更が認められません。また、不法就労が確認された場合は、出国命令や退去強制といった罰則を科せられるでしょう。出国命令の場合は1年、退去強制では最低5年の間、日本に入国できません。
雇用主には不法就労助長罪が適用され、3年以下の懲役か300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。不法就労になることを知らなくても罰則を受けるので、外国人留学生と雇用主の間でアルバイトに伴うリスクを共有しておきましょう。アルバイトを掛け持ちして行う場合は、両方の雇用主に勤務状況を伝えておくと、オーバーワークのリスクが低くなります。
外国人留学生におすすめのアルバイト先6選
ここでは、外国人留学生におすすめのアルバイトを紹介します。アルバイト先に迷っている外国人留学生は参考にしてください。
飲食店
日本語スキルやコミュニケーション能力に自信がある外国人留学生には、飲食店のアルバイトがおすすめです。飲食店では主に接客やレジ打ち、料理の提供などを行います。日本の働き方のコツを学んだり、生きた日本語を学べたりするのが魅力です。日本語に自信がない外国人留学生は、人と接する機会が少ないキッチンスタッフを検討してみましょう。
コンビニエンスストア
日本語スキルに自信があり、さらなる上達を目指している外国人留学生には、コンビニアルバイトがおすすめです。顧客のニーズに合わせて多様な業務を行うコンビニエンスストアでは、正しい言葉遣いと臨機応変さが求められます。コンビニエンスストアは店舗数が多く24時間営業のため、ライフスタイルに合わせた働き方を選べるのが魅力です。
ホテル
ホテルスタッフは、日本語スキルに自信がある外国人留学生におすすめのアルバイトです。丁寧な敬語や高いレベルの接客マナーが求められます。ホテルでの接客ができれば、日本で仕事を探す際、多くの職場で接客スキルのアピールをすることができるでしょう。また、ホテルは外国人利用者も多いため、母国語を活かした接客をすることもできます。
翻訳・通訳
語学力に自信がある外国人留学生は、通訳や翻訳を行うアルバイトがおすすめです。家庭教師や塾講師、ビジネスメールの翻訳などは一定の能力を求められる分、ほかのアルバイトに比べて高収入を目指せます。職種によっては在宅勤務も可能なので、自宅でアルバイトできるのも魅力です。
引っ越し
引っ越しは体力に自信のある外国人留学生におすすめのアルバイトです。単発でまとまったお金を稼ぐことができるので、忙しくて長期アルバイトが難しい人も働きやすいでしょう。基本的に顧客とのコミュニケーションはないため、リーダーの指示が分かる程度の語学力があれば働けます。引っ越しは3月・4月・9月が繁忙期なので、引っ越しアルバイトをしたい人は、繁忙期の前にスタッフ登録をしておきましょう。
清掃
ホテルやビルなどの清掃員は、体力に自信がない人にもおすすめのアルバイトです。汚れている場所を拭いたり、ゴミを捨てたりする軽作業がメインなので無理なく働けます。また、顧客とコミュニケーションを取る仕事ではないため、日本語ができなくても働けるでしょう。単発やシフト制の働き方が基本で、自分のスケジュールに合わせた働き方が出来る点も魅力です。
外国人留学生におすすめのアルバイトについては、「外国人留学生のアルバイトで人気の職種を紹介!就労の制限についても解説」のコラムでも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
外国人留学生がしてはいけないアルバイト
外国人留学生は、風営法で定められた風俗営業に関するアルバイトが禁止されています。たとえば、スナックやバー、ゲームセンター、パチンコ店ではアルバイトができません。風俗営業に直接関わらない調理や清掃といった仕事でも、風営法で定められた場所でのアルバイトは禁止です。
外国人留学生のアルバイトの探し方
ここでは外国人留学生におすすめのアルバイトの探し方を紹介します。
アルバイト情報サイト
アルバイト情報サイトは、アルバイト探しのメジャーな方法です。検索機能が充実しているので、職種やエリア、休日、時給など、希望に合う仕事を簡単に探せます。また、更新が早く、最新のアルバイト情報が入手できるのも魅力です。人気のアルバイトはすぐに募集終了になってしまうので、こまめにサイトをチェックしておきましょう。
フリーペーパー
フリーペーパーは、無料で配布されている雑誌です。駅やコンビニ、宿泊施設、カフェなどに置かれています。フリーペーパーには、地域限定の求人が載っているので、自宅に近い職場を探すこともできるでしょう。
大学・専門学校の掲示板
大学や専門学校に通っている人は、掲示板の求人情報をチェックしてみましょう。学校に直接持ち込まれた求人サイトに載っていない求人が掲載されていることもあります。求人情報は一度学校の職員が目を通しているため、安全性も高めです。
まとめ
資格外活動許可を受ければ、外国人留学生もアルバイトができます。ただし、資格外活動許可を受けてもアルバイト先や就労時間には制限があるので注意が必要です。飲食店やコンビニエンスストア、ホテルなど、留学生が働きやすい職場は複数あるので、自分の語学スキルと照らし合わせて、向いている職場を探してみましょう。