外国人留学生が就労ビザへ変更するには?申請の流れや必要書類を紹介

WeXpats
2021/12/01

日本で就職したい外国人留学生の中には、「ビザを変更したい」「申請に必要な書類を知りたい」と思う人もいるでしょう。卒業後に日本で就職する場合は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で留学ビザから就労ビザへ変更します。このコラムでは、変更申請の流れや必要な書類を詳しく紹介。卒業後に進学や結婚をする場合のビザも解説しているので、参考にして手続きを行いましょう。

目次

  1. 日本で就職する外国人留学生は就労ビザへ変更しよう
  2. 卒業後に就活を続ける外国人留学生もビザの変更が必要
  3. 日本企業へ就職しない外国人留学生が変更するビザ
  4. まとめ

日本で就職する外国人留学生は就労ビザへ変更しよう

日本で就職する外国人留学生は就労ビザへ変更しようの画像

卒業後に日本で就職する外国人留学生は、留学ビザから就労ビザへ変更します。留学ビザのまま日本で働くことはできません。ここでは、就労ビザへの変更申請について詳しく解説します。

変更申請の流れ

ビザの変更申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。学生が4月から入社できるように、卒業年の1月から変更申請を受け付けているため、必要な書類を揃えて早めに申請しましょう。変更申請後、許可が下りるまでには2週間から1ヶ月程度掛かります。許可が下りると、本人の住所宛に通知書が届くため、内容を確認して地方出入国在留管理官署へ在留カードを受け取りに行きましょう。新しい在留カードを受け取ったら、就労ビザの内容で活動できます。就労ビザへの変更手続きついて詳しくは、「外国人留学生は就活後「就労ビザ」への変更が必要!手続き方法を解説」をご覧ください。

用意する書類

就労ビザへの変更に必要な書類には、就職先の企業が用意する書類があります。企業の規模によって提出する書類の量や種類が異なるため、余裕を持って就職先に依頼しましょう。

外国人留学生本人が用意する書類は、以下のとおりです。

・在留資格変更申請書

・写真(縦4cm、横3cm)

・日本での活動に応じた資料

・在留カード

・パスポートまたは在留資格証明書

日本での活動に応じた資料は、申請する就労ビザの種類によって異なります。事前に自分が用意すべき書類を確認しましょう。なお、パスポートまたは在留資格証明書を提示できない場合は、その理由を記載した理由書の提出が必要です。

以上の書類のほかにも、任意で提出する「申請理由書」があります。「申請理由書」とは、ビザを変更する理由や目的、教育機関で学んだ内容を記載するものです。就労ビザの変更許可を受けるには、いくつかの要件を満たさなくてはなりません。必要書類だけで要件を満たしていることが伝わるか不安な場合は、さらに詳しい内容を「申請理由書」に書いて提出しましょう。

在留資格変更手続きに必要な書類は、「外国人留学生必見!在留資格の変更に必要な書類を解説」のコラムでも詳しく説明しています。

申請理由書の書き方

申請理由書には、必要書類だけでは伝わりにくい内容を記載します。

【申請人に関する内容】

学歴や専攻分野・科目/日本語能力/取得している資格など

【従事する業務内容】

具体的な業務内容/教育機関で学んだ内容と業務の関連性など

申請理由書の書き方の例は、以下のとおりです。

「私は以下の理由により、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に変更することを希望します。私は△△年の4月に△△大学国際社会学部に入学し、△△年に卒業予定です。大学では、世界の社会問題や文化、国際関係について学びました。また、さらに深い知識を学ぶために国際交流サークルに所属し、幅広い国の文化や言語を学びました。

△△年の4月からは、大学で身に付けた国際関係に関する知識や異文化理解を活かして、△△株式会社で働きたいと考えています。具体的には、海外の取引先への営業、市場調査やマーケティング、現地企業の開拓を行います。日本語能力や国際知識を活かして、日本と海外を繋ぐ役割を担います。

そのため、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を許可していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。」

申請理由書には、教育機関で学んだ内容と従事する業務をできるだけ詳しく書きましょう。

変更可否の基準

在留資格変更許可申請を行ったあと、出入国在留管理局による変更可否の審査があります。審査される内容は、「学歴」「専攻分野・科目と業務内容の関連性」「申請人本人の能力を活かせるかどうか」「企業の安定性・将来性」などです。また、「企業が支払う報酬が適当であるか」も審査基準に含まれます。外国人留学生本人の能力に加えて、企業の規模や実績も審査の対象です。

参照元

出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」

卒業後に就活を続ける外国人留学生もビザの変更が必要

卒業後に就活を続ける外国人留学生もビザの変更が必要の画像

在学中に就職先が決まらなかった場合は、特定活動ビザへ変更すれば卒業後も就職活動を続けられます。特定活動にも種類があり、就職活動を継続する外国人留学生が変更するのは「特定活動9」です。ここでは、特定活動ビザについて詳しく紹介します。

特定活動ビザへ変更する

卒業後も就職活動を続ける外国人留学生は、特定活動ビザ「特定活動9」へ変更します。「特定活動9」は日本の大学や専門学校を卒業した人が対象です。また、海外の大学もしくは大学院を修了して日本語学校を卒業した人も「特定活動9」へ変更できます。「特定活動9」の在留期間は6ヶ月で、更新をした場合は1年間です。更新できる回数は一度なので、1年の間で就職先を決めましょう。

用意する書類

「特定活動9」へ変更する際は、以下の書類が必要です。

大学卒業後に就職活動を続ける場合

1.在留資格変更許可申請書

2.写真(縦4cm、横3cm)

3.パスポートまたは在留カード

4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書

5.在籍していた大学の卒業証書の写しまたは卒業証明書

6.在籍していた大学による継続就職活動についての推薦状

7.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料

・専門学校卒業後に就職活動を続ける場合

1.在留資格変更許可申請書

2.写真(縦4cm、横3cm)

3.パスポートまたは在留カード

4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書

5.在籍していた専修学校の発行する専門士の称号を有することの証明書

6.在籍していた専修学校の卒業証書の写しまたは卒業証明書、成績証明書

7.在籍していた専修学校による継続就職活動についての推薦状

8.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料

9.専門課程における修得内容の詳細を明らかにする資料

日本語学校卒業後に就職活動を続ける場合(海外大卒者のみ)

1.在留資格変更許可申請書

2.写真(縦4cm、横3cm)

3.パスポートまたは在留カード

4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書

5.在籍していた日本語教育機関の卒業証書または卒業証明書

6.在籍していた日本語教育機関が発行する出席状況の証明書

7.海外の大学または大学院を修了し、学士以上の学位を取得していることを証する文書

8.在籍していた日本語教育機関による継続就職活動についての推薦状

9.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料

10.在籍していた日本語教育機関と定期的に面談を行うとともに、就職活動をに関する情報提供を受ける旨の確認書

 

申請人以外の人が経費支弁をする場合は、その人の支弁能力を証明する文書および経緯を明らかにする文書を提出します。

大学や専門学校、日本語学校ごとに必要書類が異なるため、事前に確認しましょう。また、審査の過程で上記以外の書類を求められる場合もあります。卒業後、就職活動のために日本に残る場合の在留資格については、「就活中の在留資格はどうなる?外国人留学生が知りたい手続きや注意点を解説」のコラムでも解説しています。

参照元

出入国在留管理庁「特定活動9」

日本企業へ就職しない外国人留学生が変更するビザ

日本企業へ就職しない外国人留学生が変更するビザの画像

大学や専門学校を卒業後、日本企業へ就職しない場合もビザの変更が必要です。ここでは、変更するべきビザを状況別に紹介します。

帰国する場合

卒業後すぐに帰国する場合は、留学ビザから変更しなくても問題ありません。ただし、帰国するまでの間に留学ビザの在留期限が切れる場合は、短期滞在ビザへの変更が必要です。短期滞在ビザへ変更すると、最長で90日間日本に在留できます。卒業後帰国する予定の外国人留学生も、留学ビザの在留期限を確認して必要な手続きを行いましょう。

起業する場合

卒業後に起業する予定の外国人留学生は、留学ビザから特定活動ビザ「特定活動11-2」に変更できる場合があります。「特定活動11-2」は、起業をサポートするためのビザとして2020年に施行されました。従来の「特定活動11-1」では、6ヶ月間の起業活動が認められていましたが、新たに施行された「特定活動11‐2」では、最長で2年間の起業活動が可能です。また、「資格外活動許可」を得て起業準備をしながら週28時間以内のアルバイトを行うこともできます。「特定活動11-2」へ変更するための条件は、以下のとおりです。

1.「留学生就職促進プログラム」または「スーパーグローバル大学創成支援事業」を導入している教育機関(大学、大学院、短期大学、高等専門学校)を卒業・修了していること

2.1の大学等に在学しているときから起業活動を行っていたこと

3.1の大学等が申請人が起業活動を行うことについて推薦すること

4.1の大学等が申請人の起業活動を支援すること

5.申請人が起業活動の内容を1の大学等に報告すること

6.1の大学等が申請人の起業活動の継続が困難になった場合に帰国指導・支援を行うこと

「留学生就職促進プログラム」または「スーパーグローバル大学創成支援事業」を導入している教育機関は、出入国在留管理庁のWebサイトから確認できます。なお、「特定活動11-2」のビザへ変更できない外国人留学生は、「特定活動11-1」もしくは「短期滞在」のビザにて起業準備が可能な場合もあるので、要件を確認してみましょう。

日本人と結婚する場合

卒業後に日本人と結婚する場合は、必要な手続きを行い「日本人の配偶者等」のビザへ変更します。結婚するための手続きに時間を要する場合は、一度帰国して再度日本でビザの取得手続きを行いましょう。もし、学校を中退したり出席状況が良くなかったりする場合は、「日本人の配偶者等」のビザへの変更申請が許可されないケースもあるので注意が必要です。

進学する場合

卒業後すぐに進学する場合は、留学ビザを変更せずに在留期間の更新を行います。在留期限の3ヶ月前から申請できるので、早めに手続きを行いましょう。手続きをする際は、卒業した大学等からの書類と入学予定先の機関からの書類を提出します。必要な書類は進学先の機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

参照元

法務省

出入国在留管理庁「本邦の大学等を卒業した留学生による起業活動に係る措置について」

まとめ

まとめの画像

卒業後に日本で就職する外国人留学生は、留学ビザから就労ビザへ変更する必要があります。取得するビザの種類によって提出する書類が異なるため、事前に確認しましょう。卒業後に就職活動を続けたり起業したりする場合も、留学ビザのままでは日本に在留できません。変更すべきビザを知り、必要な手続きを行いましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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