集団面接は複数の就活生が一緒に面接を受けるものです。そのため、いかに自分の強みをアピールできるかをチェックされています。
このコラムでは、外国人留学生向けに集団面接で聞かれることの多い質問とその回答例をご紹介。また、集団面接でアピールするべきポイントも解説しているので、日本で働きたいと考えている外国人留学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
集団面接とは
集団面接とは、何人かの就活生が一緒に面接を受ける形式です。複数の就活生の前で、いかに自分の表現ができるか、自主性や積極性があるかを見られています。自分1人への質問時間は個人面接に比べて短いので、短い時間でどれだけ的確な回答ができるかが重要です。また、ほかの就活生が話をしているときの「聞く態度」も見られています。
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集団面接でアピールする4つのポイント
集団面接では「ビジネスマナーを理解しているか」「質問に対する回答が正しくできているか」「企業が求める人材とマッチしているか」「ほかの就活生の話をきちんと聞けているか」をといった4つのポイントを見られています。以下で詳しく説明しているので、チェックしてみましょう。
1.ビジネスマナーを理解しているか
採用面接では、ビジネスマナーがあるかどうかを見られています。面接当日は遅刻することがないよう、余裕を持って家を出ましょう。面接開始の10分前には会場に着いておくのをおすすめします。電車の遅延で遅刻してしまう場合は、必ず電話連絡を入れましょう。
会場に着いた瞬間から選考は始まっています。コートやマフラーを着けている場合は、会場の外で脱ぎましょう。受付では「おはようございます」と挨拶をしてから、学校名と名前を伝え「面接に伺いました」と一言添えます。会場内で会社の方と会った場合には挨拶するのを忘れないようにしましょう。
面接の時間が来るまでは控室で姿勢を正し、静かに待ちます。時間になり名前を呼ばれたら返事をしましょう。
入室する際はドアを3回ノックし「どうぞ」と言われてから部屋に入ります。いきなり椅子に座るのではなく、まずは椅子の隣に立ち大学名と学部学科、氏名を名乗り「よろしくお願いいたします」と言いましょう。「座ってください」または「おかけください」と言われたら「失礼いたします」と言ってから、椅子に座ります。
面接が終わったら必ず「ありがとうございました」と言ってから席を立ちましょう。そのまま部屋を出るのではなく、ドアの前でもう一度挨拶し、退室します。ドアを閉めるときは大きな音をたてないように注意しましょう。面接が終了しても、会場を出るまで選考は終わっていません。会場が見えなくなるまでは気を引き締めていましょう。
2.質問に対する回答が正しくできるか
集団面接は個人面接と比べ1人ひとりに掛ける時間が短いので、決められた時間内でいかに質問に対する回答が正しくできているかを見られています。短い時間で面接官が出した質問の意味を理解し、求められている答えを簡潔に話しましょう。質問される内容はだいたい決まっているので、事前に繰り返し練習しておくことをおすすめします。
3.企業が求める人材とマッチしている
企業が求める人材とマッチしているかどうかをアピールすることは難しいですが、とても重要なことです。事前に企業研究をして「自分が応募した企業はどのような人材を求めているのだろう」ということを確認しておくのがおすすめです。そうすれば、企業が求める人物像が分かり、自分が何をアピールしたら良いのかがはっきりします。
4.ほかの就活生の話をきちんと聞けるか
これは集団面接ならではのチェックポイントです。ほかの就活生が質問に答えているときにあくびをしたり、足を組んだりするなど、傾聴態度が悪くならないように気をつけましょう。質問に答えている就活生のほうに体を向け、適度にうなずくなど、話をしっかりと聞く姿勢を見せましょう。
面接については「日本の就職面接の対策を外国人に向けて解説!質問例も紹介」のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
留学生向け!集団面接でされる質問と回答の例
外国人留学生が面接でされると思われる質問と回答例をご紹介します。ご自身の思いと照らし合わせてアレンジしてみてください。
Q.なぜ日本に留学したのですか?
A.私は日本のアニメや漫画が好きなことから日本語を学びたいと思い、日本に留学しました。
大学では映像の勉強をし、いずれ日本語の勉強が出来るアニメ作品を作りたいと考えています。
Q.日本の会社で働きたい理由は何ですか?
A.日本のアニメ技術は、私の母国では学べないものがたくさんあります。そのため、日本の会社でアニメ技術を学びたいと考えております。
Q.自分の将来像はどのようなものですか?
A.今後、3年のうちにアニメ監督を務めたいと考えております。それまでは助監督として、日本のアニメーションづくりの修行をつみ、日本人の方でも違和感なく見ることができるアニメを作り出したいと考えています。
Q.日本語をどのくらい話せますか?
A.日本語能力検定はN1に合格しています。また、来日してからは実際に使われている話し言葉や日本ならではの表現を理解するために、日本語を教えるボランティアを通じて、日々努力しました。また、学生時代に日本語で書かれた絵本を母国語に翻訳するアルバイトをしておりました。その結果、日本語ならではの表現を、母国語を使う読者にわかりやすく伝える能力が身に付いたと思います。
面接でどのような質問をされるか気になる方は、「日本で就職活動を行う外国人が面接で聞かれる質問とは?回答のコツを解説」も参考にしてみましょう。
ほかにもある!集団面接でされる質問と回答の例
外国人留学生だから質問されるもののほかに、面接で質問されることの多い例を挙げています。こちらも回答例を参考にして、自分なりにアレンジしてみてください。
Q.自己紹介をしてください。
A.○○大学○○学部○○学科の○○(氏名)と申します。大学では○○を学び、○○についての研究で卒業論文を書いています。お笑いサークルに所属し、日本人特有の「笑い」を習得しつつ、母国のコメディと融合させた新しい面白さを作れるよう日々サークル活動に励んでいました。
「外国人留学生が就活の面接で自己紹介を求められたら?例文とポイントを紹介」では、面接の自己紹介で話す項目や例文を紹介しています。面接を控えた外国人留学生は、ぜひチェックしてみましょう。
Q.志望動機を教えてください。
A私は、将来、ジブリのように、自分のアニメ制作会社を作りたいとと思っています。御社では、他社にはない○○の技術をアニメ制作で使っていると伺いました。私もその技術を学びながら、御社特有のストーリー制作方法を一ブランドにしていきたく志望させて頂きました。
Q.自己PRをしてください。
A.私の強みは傾聴力があるところです。学生時代は英語の家庭教師をしておりましたが、生徒の中には登校拒否をしている子がいました。その子は集団の中で皆と同じように振る舞えないことに悩んでいるようでした。私は生徒の話をじっくり聞いたあと「他人は他人」「自分の個性を大切にしよう」といった、母国で大切とされている考えを伝えてアドバイスをしました。その結果、登校拒否をしていた生徒は悩みがなくなり、今では楽しく学校に通えているようです。生まれ育った国が違うので、考え方や感じ方も違いましたが、傾聴力を活かして生徒の話を根気強く聞いたことにより、的確なアドバイスができたと思っています。
Q.学生時代に力を入れたことを教えてください。
A.学生時代は、日本のお笑いの要素を盛り込んだアニメーション制作に没頭し、○○などの動画サイトにアップロードしていました。1年間で○○作品ほど制作し、一番人気のある作品では○○回再生となっています。
Q.ほかにどのような業界を受けていますか?
A.映像制作会社のみを志望しています。私が熱意を持って人生をかけてやりたいと考えているのは、アニメ制作だからです。
Q.何か質問はありますか?
A.御社では新人が企画を出す機会があると伺ったのですが、その機会はどのくらいの頻度であるのでしょうか。また、実際にどのくらいの新人の企画が通っているのでしょうか。
まとめ
集団面接は1次選考や2次選考など、はじめの段階で行われることが多い面接です。面接対策は何度も繰り返し行うことで、当日の緊張や焦りが少しは軽減されると予想できます。集団面接で自分の個性や強みをアピールできれば、最終面接に繋がる可能性も高くなるでしょう。