「個人面接」は集団面接やグループディスカッションとは異なり、自分一人に面接官からの注目が集まります。そのため、細かいマナーにも気を付けたいところです。
このコラムでは個人面接の流れを徹底解説。日本ならではのビジネスマナーを押さえて、個人面接を乗り切りましょう。
目次
個人面接とは
個人面接とは、就活生1人に対し1人の面接官、または複数人の面接官が行う面接のことです。個人面接は採用選考の中盤あたりに行われることが多く、企業側が就活生一人ひとりの人間性をじっくり確かめる機会とされています。
日本の就活における面接は主に2種類
日本の就活における面接は、主に個人面接と集団面接の2種類です。
集団面接とは、複数の就活生が同時に受ける面接のことで、採用選考の序盤に行われる傾向にあります。個人面接に進む就活生を絞り込む「ネガティブチェックのための面接」ともいえるでしょう。
一方、個人面接は就活生が1人で臨む面接です。先述のとおり、面接官はより深く就活生の適性や人となりを探ろうとします。集団面接よりも個人面接の方が、圧倒的に面接官に注目されるため、細かいしぐさやマナーにも気を配りましょう。
集団面接について気になる方には、「「集団面接」とは?質問内容や回答例を外国人留学生向けにご紹介」のコラムもおすすめです。
ピックアップ記事
個人面接の流れ~入室編~
日本の就活における面接では、入室から厳しくしぐさがチェックされていることもあります。常に背筋を伸ばし、明るい声で挨拶しましょう。
1.ドアをノックする
まずはドアを軽くノックします。日本のビジネスシーンでは3回ノックするのが一般的です。室内から「どうぞ」「お入りください」などと声をかけられたら、「失礼いたします」と言って、からドアを開けましょう。
2.入室してドアを閉める
入室したら、ドアの方を向いて静かにドアを閉めます。後ろ手で閉めるのは、面接官の印象を悪化させる恐れがあるので避けましょう。
3.面接官にお辞儀する
ドアを閉めたら面接官の方を向き、「よろしくお願いいたします」と挨拶してお辞儀をします。30度ほどの角度のお辞儀が良いでしょう。
4.椅子の横に立つ
椅子にすぐに座らないのが、日本の面接のマナーです。椅子の横に立ち、面接官の方を向いて「〇〇大学〇〇学部の〇〇(自分の名前)と申します。よろしくお願いいたします。」と挨拶しましょう。挨拶が終わったら、45度ほどの深めのお辞儀をします。話しながらお辞儀をするのは、声がくぐもってしまうので望ましくありません。
5.椅子に座る
面接官に「どうぞ(お座りください)」と促されたら、「失礼いたします」と言い、軽く一礼してから着席します。
椅子に座るときは深く腰掛けすぎず、背もたれに寄りかからないようにしましょう。カバンなどの荷物は指定がない限り、椅子のそばに立てて置きます。
個人面接の流れ~面接編~
椅子に座ったら、いよいよ面接開始です。面接中も姿勢を正し、明るい表情や話し方を意識しましょう。
1.質問に回答する
面接官からの質問には、明るい声でハキハキ答えるようにしましょう。緊張するかもしれませんが、不安げな表情や小さな声は面接官にマイナスイメージを与えてしまいます。
また、背筋はキレイに伸ばし、面接官の方を真っすぐ見るようにしましょう。ただし、終始面接官の目を見つめ続ける必要はありません。適度に視線を外したり、鼻や口元などに視線を合わせたりすると、ストレスを感じず自然に会話しやすいでしょう。
2.「逆質問」をされる場合もある
面接の最後に、面接官から「何か質問はありますか?」と問いかけられる場合があります。これは、日本の就活生の間では「逆質問」と呼ばれ、求職者が企業側に質問することを指します。
実は、逆質問は自己PRのチャンス。「特にありません」と答えてしまうと、面接官に「当社に興味がないのか」と思われてしまう恐れがあります。また、調べればわかることや、給料や待遇などについて聞くのも望ましくありません。
以下の例を参考に、入社意欲や熱意を伝えられる質問をしましょう。
・御社で活躍している方の共通点を教えてください。
・入社後はさまざまな方とコミュニケーションを取りたいのですが、社内はどのような雰囲気でしょうか?
・いずれは〇〇の仕事に挑戦したいのですが、若手にもチャンスはあるでしょうか?
・入社後は少しでも早く活躍したいのですが、あらかじめ勉強しておくべきことはありますか?
・リーダーになるには、どのような能力が求められるでしょうか?
面接官が回答した後はお礼を述べましょう。また、「より御社の魅力を知ることができました」「入社意欲が一層高まりました」といったポジティブな感想を一言添えるとベターです。
面接でよく聞かれる質問に関しては「留学生が面接で聞かれやすい質問を紹介!日本での就職を成功させよう」や「外国人が就活でよく聞かれる質問と回答例を紹介!面接時のマナーも解説!」でもまとめています。就活時に覚えておきたいマナーについても解説しているので、面接をする際に役立ててください。
個人面接の流れ~退室編~
個人面接は、退室するまで気を抜かないようにしましょう。最後の最後まで気を配ることで、面接官により好印象を残すことができます。
1.立ち上がってお礼を言う
面接が終わったら立ち上がり、「本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました」と、面接官にお礼を言いましょう。挨拶が終わったら45度ほどの深めのお辞儀をし、ドアに向かいます。
2.お辞儀をしてからドアを開ける
ドアを開ける前に、面接官の方を向き「失礼いたします」と言って、30~45度の角度でお辞儀をしましょう。面接官と軽くアイコンタクトを取ったら、ドアを静かに開閉し、退室します。
退室後も、建物の外に出るまでは気を抜かないのが賢明です。スマートフォンを操作しながら歩いたり、飲食したりしている姿を、面接官やほかの社員に見られた場合、印象の悪化につながる恐れがあります。最後まで気を引き締めましょう。
個人面接の流れ~番外編~
一般的な個人面接は上記の流れで行われますが、面接官が自分より後に入室したり、面接後に出口まで見送ってくれたりするケースもあります。さまざまな状況に備えて、マナーを把握しておきましょう。
面接官が自分より後に入室する場合
就活生が先に面接会場に入り、面接官が後から入室するケースもあります。面接官を待つ間は座っていても構いませんが、面接官が来たらすぐに椅子の横に立ち、「〇〇大学〇〇学部の〇〇(自分の名前)と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶しましょう。面接官から着席を促されたら、「失礼します」と言って座ります。
待ち時間が長くても、スマートフォンを見たり、だらしない姿勢をしたりするのは避けましょう。
面接官が出口まで見送ってくれる場合
面接後、面接官がエレベーターの前や会社の出口まで就活生を見送ってくれることもあります。出口に着くまでは、面接官の後ろを歩くようにしましょう。
エレベーターの前まで見送ってくれた場合は、お礼を述べエレベーターに乗り込み、ドアが閉まるまでお辞儀するのが良いでしょう。また、会社の出口まで見送ってくれた場合も、きちんと面接官の方を向いて挨拶とお辞儀をします。
「本日はありがとうございました。失礼いたします」などと述べると、好印象でしょう。
まとめ
日本で就職活動をしている留学生の方は、上記の個人面接の流れを押さえて面接に臨みましょう。お辞儀のタイミングや細かなルールを一気に覚えるのは大変なため、何度も練習することをおすすめします。
自然に丁寧な所作ができれば、面接官からの評価もぐっとアップするはずです。個人面接を成功させ、内定を勝ち取りましょう。