新型コロナウイルス感染拡大に伴う外国人技能実習生の現状と支援体制を解説

2020年10月09日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
三浦哲郎 (監修)
行政書士三浦国際事務所
これまで、オーストラリア・フィリピンへの留学、海外語学学校勤務、世界5大陸30ヶ国100都市以上への渡航を経験し、豊富な海外経験と法知識で外国人の方をサポートさせて頂いております。また、外国人法務の専門家として、様々な媒体において執筆活動も行っております。 https://miura.allworldtraveler.net/

技能実習生を受け入れている企業のなかには、新型コロナウイルス感染拡大に伴う技能実習の現状や支援体制を知りたい方もいるでしょう。政府は特例措置として、技能実習生の在留期間延長、あるいは受け入れ企業へ助成金を支給するなどの支援を行っています。このコラムでは、技能実習継続が困難になった場合の手続きや技能実習を行う際のポイントについて詳しく解説。内容を参考にして適切な申請および技能実習を行いましょう。

目次

  1. 新型コロナウイルス感染拡大に伴う技能実習の現状
  2. 技能実習生に対する政府の支援
  3. 自社で技能実習が継続不可能になったときは?
  4. コロナ禍で技能実習生を受け入れる際のポイント
  5. まとめ

新型コロナウイルス感染拡大に伴う技能実習の現状

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、日本では外国人の入国制限が行われ、新規で入国する技能実習生の人数が減少しました。また、既に日本で技能実習生として活動中、または活動予定だった外国人が母国へ帰国するケースも多いようです。

技能実習生を受け入れる際の費用は企業が支払わなければなりません。ところが、コロナ禍による経営悪化や隔離期間に係る費用負担を懸念し、技能実習生の受け入れを中止・一時中断する企業も増加しているのが現状です。

出入国在留管理庁の調査によると、2021年6月末の時点で在留資格「技能実習」を持つ外国人は354,104人でした。2020年末時点では378,200人、2019年末には410,972人の技能実習生が在留していたことから、新型コロナウイルス感染拡大は技能実習に大きな影響を与えたといえるでしょう。

参照元
出入国在留管理庁「令和3年6月末現在における在留外国人数について

新型コロナウイルスによる外国人労働者への影響は?課題と支援を紹介!」のコラムも参考にして、外国人労働者の現状の把握にお役立てください。

技能実習生に対する政府の支援

ここでは、政府が技能実習生に対して行っている支援について詳しく解説します。

技能実習生が母国へ帰国できない場合

政府は、技能実習生が新型コロナウイルス感染拡大の影響で母国へ帰国できない場合、在留資格を「特定活動(6ヶ月・就労可)」または「特定活動(6ヶ月・就労不可)」へ変更できる措置を取っています。通常、「特定活動(6ヶ月・就労可)」はこれまでと同一の業務を行う場合に限り、変更が許可される在留資格です。ただし、帰国が困難な技能実習生に対しては、同一業務で受け入れ先が見つからない場合、関連業務でも「特定活動(6ヶ月・就労可)」へ変更可能とされています。一方、「特定活動(6ヶ月・就労不可)」の外国人は、日本で賃金を得て働く活動が認められていません。ただし、日本での生活を継続するために就労が必要だと判断されれば、「資格外活動許可(週28時間以内)」を得てアルバイトとして働けます。

なお、在留資格変更後も技能実習生が帰国できない状況が続く場合は、在留期間の更新が可能です。

技能検定等を受検できず技能実習へ移行できない場合

技能検定等を受験できず技能実習へ移行できない外国人は、受験や移行の環境が整うまで「特定活動(4ヶ月・就労可)」へ在留資格変更が可能です。ただし、外国人を受け入れる企業に変更がない場合に限ります。

企業の経営悪化等で技能実習継続が困難となった場合

企業の経営悪化等の理由で、技能実習継続が困難になった場合の支援もあります。新たな受け入れ企業を探したが見つからず、外国人が在留資格「特定技能1号」で就労を目指している場合は、「特定活動(最大1年・就労可)」へ変更可能です。ただし、特定技能外国人として技能を身につけたいと考えている方でなければ、「特定活動(最大1年・就労可)」へ変更できません。

技能実習2号修了者の場合

技能実習2号修了者に対する措置は以下の2種類です。

 

1.「特定技能1号」への移行準備が整っていない:準備が整うまで「特定活動(4ヶ月・就労可)」へ変更可能

2.「技能実習3号」へ移行希望:優良な監理団体および実習実施者のもとであれば、「技能実習3号」へ変更可能

 

なお、技能実習3号修了者で「特定技能1号」への移行準備が整っていない外国人も、「特定活動(4ヶ月・就労可)」へ在留資格を変更できます。

参照元
出入国在留管理庁「新型コロナウイルス感染症の感染拡大等を受けた技能実習生の在留諸申請の取扱いについて

自社で技能実習が継続不可能になったときは?

自社で技能実習が継続不可能になったときは、「技能実習実施困難時届出書」を提出し雇用調整助成金を活用しましょう。

「技能実習実施困難時届出書」を提出する

経営上・事業上の理由で技能実習の継続が困難になったときは、「技能実習実施困難時届出書」を最寄りの外国人技能実習機構へ提出しなければなりません。団体監理型で技能実習生を受け入れている場合は、監理団体が届出を行います。速やかに手続きを行えるよう、監理団体へ技能実習継続が困難な旨を連絡しましょう。雇用調整助成金は企業が要件を満たしていれば、休業手当または技能実習を実施した場合の賃金相当額の助成金を受け取れます。「技能実習実施困難時届出書」の様式は、外国人技能実習機構のWebサイトよりダウンロード可能です。

雇用調整助成金を活用する

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置として、「技能実習実施困難時届出書」を提出した企業は雇用調整助成金を受け取れます。2020年4月1日~2022年3月31日が特例措置期間です。助成金の金額は企業の規模や業況、または技能実習生の雇用を継続するかどうかによって異なります。

なお、特例措置が適用される期間および助成金の金額は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によって変更する可能性があるため、最新の情報は厚生労働省のWebサイトで確認してください。

参照元
OTIT外国人技能実習機構「技能実習実施困難時の届出」
厚生労働省「特例措置の詳細や、手続きの詳しいご案内

コロナ禍で技能実習生を受け入れる際のポイント

ここでは、コロナ禍で技能実習生を受け入れる際のポイントを詳しく解説します。

技能実習生を帰国させるかどうかは慎重に判断する

技能実習生が、新型コロナウイルス感染拡大による不安から帰国を希望したときは、「感染リスクの高さ」「医療体制」「保険の内容」をもとに慎重に判断しましょう。技能実習生が母国へ帰国する場合、不特定多数の人が集まる空港や飛行機を利用するため、到着するまでの間に感染するリスクがあります。そのため、日本の限られた交友関係のなかで感染対策を継続するほうが、感染リスクが低い場合もあるのです。

また、新型コロナウイルスに感染したときのことを考えて、医療体制の充実度も比較しましょう。技能実習生の母国と日本では、どちらがより適切な医療を受けられるのかを調べることが大切です。日本で技能実習生が保険を利用すれば、新型コロナウイルスに感染しても治療費は無料、または一部を支払うことで治療を受けられます。逆に、技能実習生が母国で治療を受ける場合は、どのような保険に加入しどの程度の医療費が掛かるのかを確認し比較することも重要です。

自社で技能実習生の対応や帰国させるかどうかの判断が困難な場合は、監理団体へ相談するのも一つの方法でしょう。

一時帰国しても手続きを行えば技能実習を再開できる

新型コロナウイルス感染拡大を理由に技能実習生が一時帰国しても、その後適切な手続きを行えば技能実習を再開できます。まずは、自社の技能実習生が母国へ一時帰国する際は、先述した「技能実習実施困難時届出書」の提出が必要です。そして、再入国するときに「技能実習計画軽微変更届出書」を提出すれば、技能実習を再開できます。

なお、技能実習を一時中断・再開するうえで、在留期間を延長する必要がある場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署で「在留期間更新許可申請」の手続きを行わなければなりません。

帰国費用を技能実習生に支払わせてはいけない

どのような事情があっても、帰国費用を技能実習生に支払わせてはいけません。これは、技能実習法によって定められています。団体監理型で技能実習生を受け入れている場合は監理団体が、企業単独型であれば企業が技能実習生の帰国費用を全額負担しなければなりません。

参照元
出入国在留管理庁「(Q&A)技能実習生に係る新型コロナウイルス感染症への対応について

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新規で日本に入国する技能実習生は減少しています。また、経営悪化により、技能実習継続が困難になる企業が増加しているのが現状です。しかし、政府は技能実習生の在留期間更新や変更、または受け入れ企業に対し特例の助成金を支給するなど多様な支援を行っています。企業は、コロナ禍でどのように技能実習を行うかを十分検討することが大切です。

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