「技術・人文知識・国際業務」とはどのような在留資格?企業に向け解説

2020年04月07日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

自社の業務がどの在留資格に該当するのか、分からない方もいるでしょう。オフィスワークや技術・語学関係の業務は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で行えます。

このコラムでは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要や取得の要件を解説。オフィスワークや技術関係、翻訳などの業務で外国人を雇用したい企業は、内容を参考にして労務管理に活かしましょう。

目次

  1. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要
  2. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」を得る要件
  3. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請の流れ
  4. まとめ

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要

ここでは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要を紹介します。「技術・人文知識・国際業務」は多くのオフィスワーカーの外国人が取得し、通称「技人国(ぎじんこく)」とも呼ばれる在留資格です。

「技術・人文知識・国際業務」に該当する職種

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する職種を、3つの分野に分けて紹介します。

技術

「技術」は、理学や工学、自然科学の分野で技術や知識を要する業務が該当します。具体的な職種は以下のとおりです。

  • システムエンジニア
  • CADオペレーター
  • プログラマー
  • 建築士
  • 航空整備
  • 機械の設計や開発業務

以上のように理系職種の多くが対象です。日本には、世界中から優秀なIT人材が流入しているため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て就労する外国人が多くいます。

人文知識

「人文知識」の分野に該当するのは、法律学や経済学、社会学その他の人文科学の分野で技術・知識を要する業務です。

  • マーケティング
  • コンサルタント
  • 企画
  • 営業
  • 経理
  • 会計
  • 法務

一般企業で行われる多くの業務が該当します。いわゆる文系の職種といえるでしょう。

国際業務

「国際業務」に該当するのは、海外の文化を基盤とする思考や感受性を活かす仕事です。

  • 通訳
  • 翻訳
  • デザイナー
  • 語学教師(民間企業)

以上のように、外国出身であることを存分に活かした業務に就く人に許可されます。

在留期間

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は5年、3年、1年、3ヶ月のいずれかです。更新に制限がないため、在留資格更新許可申請が許可されれば継続して日本で就労できます。初回の取得では1年の在留期間が許可され、更新する度に期間が延長されていくのが一般的です。ただし、外国人の在留状況が悪いと、何度更新しても1年の在留期間しか許可されない可能性があります。

アルバイトの可否

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人は「資格外活動許可」を得れば、アルバイトが可能です。しかし、活動を指定する「個別許可」になるため、外国人留学生のようにコンビニエンスストアや飲食店などでの単純労働に従事することはできません。また、本業に影響を出さないのが条件です。そのため、アルバイトで副業を超える収入を得ると、次回の在留資格更新時の審査に悪影響が出る恐れがあります。

家族帯同の有無

在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持つ外国人に扶養される配偶者および子どもは、日本への在留が可能です。就労にまつわる在留資格、もしくは「留学」の在留資格を持つ外国人の配偶者および子どもには、「家族滞在」の在留資格が付与されます。

在留資格「技術・人文知識・国際業務 」に当てはまる職種を企業向けに解説」では、「技術・人文知識・国際業務」に該当する職種のほかに、在留資格を申請する際の条件や注意点も紹介しています。スムーズに外国人雇用が進むよう、参考にしてみてください。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」を得る要件

ここでは、外国人が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得る条件を紹介します。条件に当てはまらない外国人を雇用しても在留資格の取得が許可されず、業務が行えない可能性があるので注意しましょう。

専攻や経験が在留資格に適合している

外国人は「大学や専門学校で従事する分野を専攻していた」もしくは「10年以上の実務経験(国際業務は3年以上)」といった条件を満たさないと、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得できません。たとえば、介護福祉の専門学校を卒業した外国人が、システムエンジニアになるべく「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請しても、不許可になります。外国人を採用する際は、専攻や実務経験が、「技術・人文知識・国際業務」に適合しているかを確認しましょう。

就業予定の企業の経営が安定している

就業予定の企業の経営状況も、在留資格の審査に関係します。外国人が日本に在留するには、「在留の継続性・安定性」が証明できなくてはなりません。外国人はせっかく在留資格を取得しても、働いていた企業がすぐに倒産してしまっては日本で生活できなくなります。外国人の生活を守るために、雇用する企業の経営状況が安定していないと在留資格の許可が降りない仕組みになっているのです。経営状況は、外国人の在留資格取得許可申請時に企業が用意する書類から判断されます。具体的には、決算書類や法定調書などです。

行う業務に専門性がある

行う予定の業務に一定の専門性がないと在留資格が許可されません。一部の在留資格を持つ場合を除き、外国人の単純労働は禁止されているためです。外国人が持つ知識や技術を活かした仕事に就くのでなければ、在留資格の申請が不許可になる可能性が高いでしょう。

日本の公私の機関と契約する

外国人が在留資格「技術・人文知識・国際業務」を得るには、日本の公私の機関と契約締結が必要です。日本の公私の機関は一般企業のほかに、国や地方公共団体、独立行政法人などが該当します。企業の場合は、通常の労働契約を締結すれば問題ないでしょう。なお、外国人の在留資格の審査には雇用契約書の写しの提出が必要です。つまり、在留資格が取得できるか分かる前に雇用契約を締結することになります。

日本人と同等もしくはそれ以上の報酬を受け取る

外国人が在留資格「技術・人文知識・国際業務」を得る条件には「同じ業務を行う日本人と同等もしくはそれ以上の報酬を受け取る」との内容があります。この条件が設けられた理由は、外国人が報酬面で不当な扱いを受けるのを防ぐためです。外国人だからとの理由だけで報酬を不当に低く設定することは、人種差別に該当する行為なので絶対に避けましょう。もし、同じ業務を行う日本人が社内に居ない場合は、地域内で同じ業務を行う日本人の報酬を参考にします。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請の流れ

ここでは外国人が在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請する流れを解説します。外国人の状況によって手続きが異なるので注意しましょう。

海外にいる外国人を呼び寄せる場合

海外にいる外国人を呼び寄せて雇用する場合は「在留資格認定証明書交付申請」が必要です。申請は、外国人を雇用する企業の担当者もしくは取次代理人が行います。在留資格認定証明書が交付されたら外国人に原本を送付し、ビザ(査証)の発給が完了すれば来日が可能です。日本へ入国後は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」のもと就労ができます。

留学生を雇用する場合

日本の大学や専門学校で学んでいた外国人留学生を雇用する場合は、「在留資格変更許可申請

」を行います。外国人留学生の持つ在留資格を、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に変更するためです。在留資格変更許可申請は、原則外国人本人が行います。

「留学」から就労可能な在留資格への変更は、企業が用意する書類が非常に重要です。間違いや不足のないように書類を用意しましょう。なお、在留資格変更許可申請は時間が掛かる場合もあるため、入社に間に合うよう余裕を持った手続きが必要です。

日本に在留している外国人を雇用する場合

すでに日本に在留している外国人を雇用する場合、在留資格によって申請の流れが異なります。

同業種からの転職で、すでに「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を所有している外国人の場合、在留資格の申請は不要です。出入国在留管理局に所属機関の変更届(いわゆる転職届)だけ提出しておきましょう。また、身分系に基づく在留資格を持つ外国人は就労の制限がないため、手続きは必要ありません。ただし、在留期限が切れていないかの確認はしておきましょう。

ほかの就労可能な在留資格を持つ外国人は、「在留資格変更許可申請」をします。ただし、すべての外国人が在留資格を変更できるわけではありません。学歴や経験が在留資格に適合しなければ、在留資格変更許可申請は不許可になるでしょう。採用選考時に、当該外国人は在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得が可能で、自社で業務を行える人物であるかをよく確認する必要があります。

まとめ

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、システムエンジニアや企画、翻訳業務などで働く外国人が取得する在留資格です。ただし、「技術・人文知識・国際業務」は、学歴要件または実務経験要件があります。企業は、雇用する外国人が在留資格を得られる要件を満たしているのか確認してから採用を決定しましょう。

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