技術・人文知識・国際業務の在留資格(就労ビザ)を持つ外国人を雇用するには?

2020年04月07日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

平成29年に、日本の企業などに就職するために「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得した外国人は、30,065人になりました。在留資格「技術・人文知識・国際業務」取得者は年々増加傾向にあります。

参照:平成29年における日本企業等への就職を目的とした在留資格「技術・人文知識・国際業務」

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要

技術・人文知識・国際業務の定義

在留資格には36種類の在留資格があります。在留資格の種類によって、就労可能かどうか違いますし、就労する職種の制限があります。

 在留資格「技術・人文知識・国際業務」という在留資格は、就労を目的とした在留資格です。本来「技術」と「人文知識・国際業務」とに分かれていましたが、平成26年の入管法改正によって、「技術・人文知識・国際業務」と一本化されました。この在留資格については、出入国管理及び難民認定法に規定されています。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」で認められた活動は次のとおりです。

日本の公私の機関との契約に基づいて行う、以下の①〜③のどれか
①理学,工学その他の自然科学の分野に属する、技術もしくは知識を要する業務
②法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する、技術もしくは知識を要する業務
③外国の文化に基盤 を有する思考若しくは感受性を必要とする業務

この時、医療,研究,教育,教授,経営・管理,芸術,報道,法律・会計業務,,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動については、別の在留資格がありますので「技術・人文知識・国際業務」に含まれません。

在留資格「企業内転勤」と「技術・人文知識・国際業務」の違いについて判断が難しい場合がありますので、その際には必ず専門機関に相談することをお勧めします。

参照:Q&A(質問) | 出入国在留管理庁
入管法が変わります
4 在留資格一覧表及び在留期間一覧表

可能な職務内容・具体的職種

具体的職種の事例としては次のような職種や業務があげられます。

IT関連業務ですと、システムの設計,総合試験及び検査などの業務、コンピュータ関連サービス業務、プロジェクトマネージャーとしての業務、システム解析,テクニカルサポート、データベースなどの構築業務、情報セキュリティプロジェクトに関する業務、コンサルタント業務などです。文系関連業務としては、通訳・翻訳・語学教師、マーケティング、営業、貿易などの業務があります。理系関係業務としては、機械設計、電気技術者、土木建築関連の業務などがあります。

参照:法務省「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(平成27年3月改定)

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留期間

在留期間とは、在留資格を持つ外国人が、日本に在留することができる期間のことです。「技術・人文知識・国際業務」の在留期間については、令和2年4月現在、5年,3年,1年 又は6月 、3月です。

アルバイトなど資格外活動許可

もしも、副業や資格外活動が規定などに反する場合は、不法就労に該当します。外国人本人だけでなく、外国人を雇用した事業主なども処罰の対象になります。

本業の他にアルバイトなどの副業か可能かどうかについては、取得した在留資格「技術・人文知識・国際業務」の業務範囲内であるかどうかなどの事前確認が必要です。在留資格外の活動を行う場合は、事前に「資格外活動の許可」が必要です。

参照:資格外活動の許可(入管法第19条) | 出入国在留管理庁
資格外活動許可申請

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得要件

学歴要件

在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得するには学歴の要件が必要です。

申請する業務に関係する学歴には、大学卒業もしくは大学教育と同等以上の教育を受けた証明が必要です。

参照:外国人IT人材の在留資格と高度人材ポイント制について 平成27年12月25日策定 令和2

実務経験

上記の学歴がない場合で、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得するには、実務経験が必要です。

実務経験は、従事する業務内容や学歴によっても違いがあります。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請のポイント

在留資格の審査ポイント

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の審査では次のような点に注意が必要です。

審査ポイント 内容
学歴が業務に関連しているか 従事する業務に必要な、専門的な知識や技術を取得していることを証明する必要があります。そのためには、大学や専修学校での専攻や、修了した科目と、従事する予定の業務の関連性があるかどうかがポイントになります。
企業などは雇用する必要性があるか 「技術・人文知識・国際業務」 の在留資格であるのに、実際の業務は、単純作業や学歴・実務経験に見合わない業務ではいけません。「技術・人文知識・国際業務」 の在留資格に関連する業務に従事する予定であるのかについて審査されます。

雇用する企業などの経営状態

雇用先の企業などの規模により、審査の仕方や提出書類が違います。

4つのカテゴリーに分けられます。

日本人と同等の報酬があるか 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること必要です。報酬だけでなく、研修や業務内容なども、日本人従業員と同等であるかどうかを審査されます。
参照:-1- 留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン 出入国在留管

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請の流れ

在留資格取得の流れは、申請する外国人がどのような状況であるかによって違いがあります。

外国人の状況 申請手続名 内容
国外にいる外国人を雇う場合 在留資格認定証明書交付申請 日本に入国を希望する外国人が、入国前に交付を受けることが必要ですので、余裕を持った申請が必要です。
日本に滞在する外国人を雇う場合 在留資格変更許可申請

すでに日本に滞在している外国人の場合は、別の在留資格を得ている場合があります。

そのため、在留資格の「変更」の手続きが必要です。すでに取得している在留資格の期間に注意する必要があります。

外国人留学生を雇う場合 在留資格変更許可申請 在留資格の「変更」の手続きが必要です。すでに取得している在留資格の期間に注意する必要があります。
参照:在留資格認定証明書交付申請
在留資格変更許可申請

おわりに

在留資格「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人労働者は増加傾向にあります。この在留資格は、学歴要件または実務経験要件がある在留資格であり、細かな決まり事がありますので、申請に当たっては、余裕を持った事前の準備が必要になります。