日本に住む外国人が増加している理由は?

2020年06月19日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

2019年6月時点で日本の在留外国人数は過去最高を記録しており、今後も増加が続くものと見られます。日本に住む外国人数が増加する要因としては、政府が取る方針のほか、世界的なグローバル化の流れが深く関係しています。

この記事では、最新データをもとに日本に住む外国人数の現状・推移を紹介しながら、日本に住む外国人数が増加した要因や今後の動向について詳しく解説します。

日本に住む外国人数の現状・推移 

はじめに最新データをもとに、日本に住む外国人数の現状・推移を紹介します。法務省は、「令和元年末現在における在留外国人数について」の中で、2019年末時点における在留外国人数は293,3137人であったと報告しています(※)。

前年である2018年末時点のデータと比較すると20,2044人(7.4%)の増加となっており、2009年以降で過去最高の数字を記録しています(※)。在留外国人数は2009年から2011年まで一時的な減少傾向にありましたが、2012年以降は年々増加を続けています。

そもそも在留外国人数は、中長期在留者と特別永住者の人数を合計した値です。中長期在留者とは、在留資格を持って日本に在留する外国人の中でも、以下の要件のいずれにも該当しない人を指します(※)。

  • 3ヶ月以下の在留期間が決定された人

  • 短期滞在の在留資格が決定された人

  • 外交または公用の在留資格が決定された人

  • 上記3要件の外国人に準じるものとして法務省令で定める人 

  • 特別永住者

また特別永住者とは、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」によって定められた在留資格を持つ者を指します。もう少し詳しく説明すると、第二次世界大戦中に、日本の占領下で日本国民とされた在日韓国人・朝鮮人・台湾人の人とその子孫が該当します。現在、日本に住む特別永住者の方のほとんどは、日本生まれ、日本育ちであり、日本語しか話せない方も多くいます。

この記事では、上記の2種類から構成される在留外国人を指して「日本に住む外国人」と定義しています。

ここからは、日本に住む外国人数の実態をより深く把握するために、「国籍別」・「都道府県別」・「在留資格別」という3つのカテゴリーに分けて紹介します。

参照:法務省「令和元年末現在における在留外国人数について」
法務省入国管理局「新しい在留管理制度がスタート!」

・【国籍別】日本に住む外国人数 

日本に住む外国人数(特別永住者を除く)を国籍別に見ると、第1位は中国(813,675人)です。国籍全体の27.7%を占めるほか、前年度のデータと比較すると6.4%増加しています。第2位は、韓国(44,6364人)です。国籍全体の15.2%を占めていますが、前年度のデータと比較するとわずか(0.7%)な減少が見られます。

第3位は、ベトナム(411,968人)です。国籍全体の14.0%を占めており、前年度のデータと比較すると24.5%もの急激な増加が目立ちます。この後は、第4位にフィリピン(282,798人)、第5位にブラジル(211,677人)と続いています。

そのほか、近年急激な増加が見られる国に、インドネシア(66,860人)があります。国籍全体の2.3%と構成比はわずかですが、前年度のデータと比較すると18.7%増加しており、今後の動向に注目が集まっています(※)。

参照:法務省「令和元年末現在における在留外国人数について」

・【都道府県別】日本に住む外国人数 

日本に住む外国人数を都道府県別に見ると、第1位は東京都(593,458人)です。都道府県全体の20.2%を占めるほか、前年度のデータと比較すると4.5%増加しています。東京23区に限ると、全人口の約13%が外国人となっています。第2位は、愛知県(281,153人)です。都道府県全体の9.6%を占めるほか、前年度のデータと比較すると7.7%増加しています。

第3位は、大阪府(255,894人)です。都道府県全体の8.7%を占めるほか、前年度のデータと比較すると7%増加しています。この後は、第4位に神奈川県(235,233人)、第5位に埼玉県(196,043人)と続いています(※)。以上のデータから、日本に住む外国人は都市部に比較的多いといえます。

参照:法務省「令和元年末現在における在留外国人数について」

・【在留資格別】日本に住む外国人数 

日本に住む外国人数を在留資格別に見ると、第1位は永住者(793,164人)です。在留資格全体の27%を占めるほか、前年度のデータと比較すると2.8%増加しています。第2位は、技能実習(410,972人)です。在留資格全体の14%を占めるほか、前年度のデータと比較すると25.2%もの急激な増加が見られます。

第3位は、留学(345,791人)です。 在留資格全体の11.8%を占めるほか、前年度のデータと比較すると2.6%増加しています。この後は、第4位に特別永住者(312,501人)、第5位に技術・人文知識・国際業務(271,999人)と続いています(※)。

参照:法務省「令和元年末現在における在留外国人数について」

日本に住む外国人数が増加した要因

日本に住む外国人数が増加した代表的な要因として、以下の2つが挙げられます。

  1. 政府の方針

  2. 国際結婚件数の増加

それぞれの要因について詳しく解説していきます。

・政府の方針 

日本に住む外国人数の増加に影響を与えた政府の方針は、以下のとおりです。

  • 留学生30万人計画

  • 技能実習制度

留学生30万人計画とは、2012年に14万人だった外国人留学生数について、2020年までに倍増させることを目指す計画です(※)。2017年末時点で、本計画は前倒しの形で達成されています。本計画の影響もあって、留学の在留資格で日本に住む外国人数は、2015年末時点の246,679人から、4年後の2019年末時点で345,791人にまで増加しています(※)。

また技能実習制度とは、国際貢献を目的に掲げて、開発途上国などの外国人を日本企業で一定期間受け入れる制度を指します。1993年に創設された制度ですが、2017年には技能実習の適正な実施や技能実習生の保護を図る「技能実習法」が施行されています(※)。

技能実習制度および技能実習法の影響により、技能実習の在留資格で日本に住む外国人数は、2015年末時点の192,655人から、4年後の2019年末時点で410,972人にまで増加しています(※)。

参照:文部科学省「留学生政策をめぐる現状と施策」
法務省「令和元年末現在における在留外国人数について【令和元年末現在】公表資料
法務省入国管理局 厚生労働省人材開発統括官「新たな外国人技能実習制度について」

・国際結婚件数の増加 

世界的に進行するグローバル化の流れも相まって、日本では国際結婚の件数が徐々に増加しています。この影響により「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に住む外国人数は、2015年末時点の140,349人から、4年後の2019年末時点で145,254人にまで増加しています(※)。

参照:法務省「令和元年末現在における在留外国人数について【令和元年末現在】公表資料」

日本に住む外国人数の今後の動向

現在までの推移を見ると、日本に住む外国人数は今後も増加を続ける見込みです。それ以外にも日本に住む外国人数が今後も増加すると見込まれる要因として、政府が実施する以下のような施策が挙げられます。

  1. 在留資格「特定技能1号・2号」の新設

  2. 外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策

それぞれの施策の内容を詳しく解説していきます。

・在留資格「特定技能1号・2号」の新設 

2018年12月、政府は在留資格「特定技能1号・2号」を新設しました。特定技能による在留資格の付与制度は、2019年4月に施行されています。特定技能とは、特定産業分野に指定された14分野の特定技能を持つ外国人材に対して、在留資格を与える制度です(※)。

制度の歴史は浅いですが、2019年末時点で特定技能の在留資格で日本に住む外国人数は1,621人と報告されており、今後も日本に住む外国人数の増加に貢献するものと見られます(※)。

参照:経済産業省「在留資格「特定技能」について」
法務省「令和元年末現在における在留外国人数について【令和元年末現在】公表資料」

・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 

2018年12月、内閣官房長官および法務大臣を議長とする関係閣僚会議によって、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策が決定されました。この対応策によって、外国人との共生に向けた仕組みづくりが推進されています。施策の概要は、以下のとおりです(※)。

  • 外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発活動等

  • 生活者としての外国人に対する支援

  • 外国人材の適正・円滑な受入れの促進に向けた取組

  • 新たな在留管理体制の構築

上記施策の推進で外国人が住みやすい環境が整備されると、日本に住む外国人数の増加が促されるものと見られます。

参照:法務省「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(概要)」

まとめ

この記事では、日本に住む外国人数の現状・推移を紹介したうえで、日本に住む外国人数が増加した要因・今後の動向などを解説しました。近年はさまざまな要因で日本に住む外国人数が増加していますが、今後も政府の施策によって増加傾向が続いていく見込みです。