技能実習制度における監理団体とは?監理団体選びのポイントを解説

2020年03月24日
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人技能実習生を活用する企業や会社が増え、外国人労働者がますます日本へ参入してきています。その際に窓口となるのが監理団体です。外国人技能実習の利用を検討した際に、はじめて監理団体という存在を知ったという人も多いはず。しかもこの監理団体は1つではなく複数存在しているところが、ややこしい印象を与えています。

外国人技能実習制度の「監理団体」は何をする団体なの?

監理団体というのは外国人労働者の派遣・紹介をする会社とイメージするとわかりやすいかもしれません。ただ派遣・紹介業をするわけではありません。監理団体は「非営利団体」であり、技能実習生を海外から預かり、雇用企業で働く技能実習生がきちんと技能実習を行えているかどうか、雇用企業や実習生に対して、監理や指導を行います。

役割としては大きく3つあります。

1.監理

2.技能実習制度への理解・周知

3.監査・報告

・外国人技能実習制度とは

2016年11月28日、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)が公布され、2017年11月1日に施行されました。この法律の施行以前、技能実習制度は、「出入国管理及び難民認定法」とその省令を根拠法令として実施されてきましたが、技能実習制度の見直しに伴い、新たに技能実習法とその関連法令が制定されました。

技能実習法に基づく新たな外国人技能実習制度では、技能実習の適正な実施や技能実習生の保護、監理団体の許可制、技能実習計画の認定制などが新たに導入されました。優良な監理団体・実習実施者に対して実習期間の延長や受入れ人数枠の拡大などの制度の改善も図られています。

技能実習制度とは、外国人の技能実習生が、日本において企業や個人事業主等の実習実施者と雇用関係を結び、出身国において修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図るものです。期間は最長5年とされ、技能等の修得は、技能実習計画に基づいて行われます。

技能実習生は監理団体より派遣される

受け入れ方式には、企業単独型と団体監理型の2つのタイプがあります。

・企業単独型

日本の企業等(実習実施者)が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式。主に日本の上場企業などが、海外現地工場の職員を受け入れる際に活用されています。監理団体を置く必要はありません。

・団体監理型

事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方式です。

技能実習生は入国後に、日本語教育や技能実習生の法的保護に必要な知識等についての講習を受けた後、日本の企業などの実習実施者との雇用関係の下で、実践的な技能等の修得を図ります。(企業単独型の場合、講習の実施時期については入国直後でなくても可能です。)

・監理団体とは何か?

技能実習生が企業で適切な業務(技能実習)につけているかどうかを監理、指導する機関のことです。

・技能実習制度への理解・周知

正しい技能実習制度を世の企業、送り出し機関に周知させること

・監査・報告

技能実習生を雇用した企業を3ヶ月に1度監査し、それを出入国管理庁に報告すること

成果に違いが出る監理団体選びの4つのポイント

外国人労働者を雇用する時に限らず、雇用する人がどのような人材なのかということは大きなポイントとなります。技能実習生の場合、監理団体がその受け皿として人材の確保、教育、監理を行うこととなっているので、監理団体選びが外国人人材を雇用した場合の成果に影響を与えます。

・良い人材を集められるかどうか?

監理団体は海外の送り先機関と連携を図りながら人材集めをしています。ただ集まる人材のすべてが優秀ということではありません。海外の送り出し機関の中には、とにかく人数を集めるために、実際の実習内容や給料、待遇などを正確に伝えずに人材を集めることもあるようです。そのようなことがないように、監理団体がどのように人材の確保をおこなっているのかしっかりと見極めることが必要となります。

・教育体制が整っているか

監理団体が連携している現地の送出し機関で来日までにどのような教育体制が取られているかも大切なポイントとなります。日本語能力はもちろん、仕事への姿勢や日本でのマナーなど人材に対して日本に適応させる体制がしっかりととられているか、現地に行って体制の確認をすることで把握可能です。現地に行きたい場合、監理団体に相談すれば、たいてい視察の日程を現地と調整してくれます。現地に行き、現場を視察することで、送り出し機関がどのように教育しているのか、どんな人材が学んでいるのか、その日本語レベルはどの程度なのか、同業種での現地の職場環境や住環境など、生の情報をたくさん得られます。監理団体によっては、視察ツアーを廉価で提供していることもあります。百聞は一見にしかずです。特にはじめて技能実習生を受け入れられる際には、一度視察に行くことをお勧めします。

・管理費は適切かどうか

技能実習生を雇用している間に監理団体に対して毎月支払うのが管理費です。送出し機関と監理団体の運営コストによってこの管理費は異なりますが、この費用が高いから良く、低いから質が悪いということではなく、その管理費が適切かどうかを見極めることで監理団体選びのひとつの目安とすることも可能です。毎月の管理費の相場は、実習生一人あたり1~5万円です。毎月かかるコストですから、監理団体が具体的にどんな支援をしてくれるのか、事前に詳しく確認しておきましょう。

・技能実習への精通度、担当者自身に資質

技能実習制度は、相手国によって送出し機関などの事情によっても大きく影響を受けます。ですからこの制度に詳しく、さまざまな事情にも精通した監理団体を選ぶことでリスクを減らし、満足度も高いものが得られるはずです。ですから監理団体の担当者がしっかり対応できるかどうかもポイントとなります。

監理団体を決定知る前にまずは複数の比較検討が定石!

・良い監理団体とはどういうものか

監理団体は外国人労働者を雇用する企業にとって便利な団体のことではなく、外国人技能実習生制度を正しく理解して、正しい制度運用を促す立場にあります。企業に都合のいいように法律を解釈したり、抜け道を探す行為や企業に対して積極的な営業行為を行うことはありません。逆に言うと、実習生の受入を検討している企業に対し、抜け道を提案してくるような監理団体は避けたほうがよいでしょう。

もし監理団体が、そのようなコンサルティングなどの行為を行った場合は、即座に不成行為認定、または受け入れ停止になります。大手企業も外国人技能実習制度を活用しているので、こうした行為は社会的に大きな問題となります。

すなわち良い監理団体とは、企業にとって都合のよい団体ではなく、企業が制度を正しく運用するためにしっかりと指導や指摘をしてくれるような団体であるといえます。

・監理団体の選び方

監理団体は主に地域と業種から探すことになり、雇用したい職種が得意な団体を探すこととなります。例えば、建設業に強い監理団体は多く存在します。また、地元の団体の場合、面接や技能実習生の呼び寄せ等の交通手段に通じており、地元産業の職種に特化した高い実績をもつ協同組合や団体もあります。

ただ、地元には地元産業に特化した監理団体しかない場合もあり、その場合は他の監理団体を選択する必要も出てきます。また業種によっては、充実した設備で技能実習生を事前にトレーニングしてから配属させてくれる監理団体と送出し機関もあります。監理団体と打合せする際、トレーニングセンターの有無と機材の詳細、その教育カリキュラムについても確認しておくとよいでしょう。

まとめ

技能実習生を雇用するには、監理団体との提携は避けられません。業績のためにより良い人材を確保したいと思うのは、どの企業でも同じことです。そのためには監理団体のことを良く知り、満足のいく監理団体と提携を行い、外国人人材の確保をしていくことが必要となります。

技能実習法について詳しく知りたい場合はこちら:外国人技能実習生を受け入れるための制度・技能実習法とは?

技能実習制度を利用したい場合はこちら:外国人を研修生として受け入れよう!技能実習制度の利用方法を解説

特定技能と技能実習の違いを知りたい場合はこちら:外国人受け入れ制度とは? 技能実習と特定技能の違いを解説

技能実習制度の現状を知りたい場合はこちら:技能実習制度とは?メリットと問題点を詳しく解説

新型コロナウイルス感染症の技能実習制度における影響・対応策についてはこちら:新型コロナウイルスにより、技能実習が継続不可能となった企業必見!政府対応方法のまとめ

技能実習制度を活用する前に知っておきたいことはこちら:外国人技能実習制度とは?技能実習生を受け入れる前に知っておきたいこと