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外国人雇用管理士と外国人雇用管理主任者は、どちらも外国人雇用に関する幅広い知識を有していることを証明できる資格です。試験に出題される内容はほとんど一緒ですが、実施する機関が異なるため、細かな違いがあります。
このコラムでは、外国人雇用管理士と外国人雇用管理主任者の違いを解説。内容を参考にして、外国人雇用をスムーズに進めましょう。
目次
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外国人雇用管理士と外国人雇用管理主任者は、試験の実施団体や試験方式が異なります。最も大きな違いは試験の回数で、外国人雇用管理士は年に1回開催されるのに対し、外国人雇用管理主任者は随時受験が可能です。
試験内容そのものには大きな違いはなく、両方とも外国人雇用の流れを一通り理解していることが証明できます。
ここでは、外国人雇用管理士試験の概要や試験日、テスト方式について解説します。
外国人雇用管理士試験は、一般社団法人東京都外国人就労認定機構が認定する民間資格です。在留資格に関する知識や外国人雇用のノウハウを身に付けたと認められる人に、「外国人雇用管理士」が付与されます。人事や総務担当者、外国人が配属される職場の責任者などが取得するケースが多いようです。受験資格はなく、誰でも受験できます。
なお、試験に合格しただけでは外国人雇用管理士を名乗ることはできません。試験の合格発表後にWebで開催される登録講習を受験することで、外国人雇用管理士証が発行されます。外国人雇用管理士証の有効期限は2年間で、有効期限切れ前に登録講習の受講が必要です。受験料は税込み9,900円で、登録料は税込み39,800円掛かります。
外国人雇用管理士試験は年に1回、9月上旬に開催されます。2023年9月3日の第5回試験は、東京および大阪で開催されました。
テストはマークシート方式で、4つの選択肢から正解を選ぶ問題が50問出題されます。試験時間は2時間です。
参照元 一般社団法人東京都外国人就労認定機構「外国人雇用管理士®試験(ELFW)」
ここでは、外国人雇用管理主任者試験の概要や試験日、テスト方式について解説します。
外国人雇用管理主任者は、外国人雇用支援センター(株式会社東京リーガルマインド)が運営する民間資格です。外国人雇用をトータルサポートできる人材の育成を目的に作られました。
試験では以下の項目について出題されます。
あらゆる範囲からの出題があり、外国人雇用に関する知識を網羅できる資格といえるでしょう。
試験に合格したあとに登録を行うと認定証が発行されます。資格の有効期限は3年間で、切れる前に更新手続きが必要です。受験料は税込み8,500円、登録料は税込み10,000円かかります。
外国人雇用管理主任者は特定の試験日は決められておらず、随時されています。試験を受けられるのは、全国260ヶ所にあるテストセンターです。
テストはパソコンを使ったCBT方式で行われます。4つの選択肢から正解を選ぶ問題が50問出題され、試験時間は1時間です。
外国人雇用管理士と外国人雇用管理主任者の合格率は公表されていません。しかし、両方ともある程度知識のある人事担当者や社会保険労務士であれば合格は難しくないといわれています。全く知識がない場合は、しっかり勉強して望むようにしましょう。
外国人雇用管理士試験は、運営元である一般社団法人東京都外国人就労認定機構から公式テキストが発売されています。また、さらに知識を深めたい場合は、Webで配信される試験直前対策講座を受講するのも良いでしょう。参加費は税込み12,980円で、自分のパソコンやスマートフォンで何度でも受講可能です。なお、講習受講者は試験問題のうち5問の回答が免除されます。
外国人雇用管理主任者試験の勉強をする際は、運営元の外国人雇用支援センターが学習用教材として本を紹介しているのでぜひ活用してみましょう。なるべく費用を抑えて勉強したい場合は、外国人雇用支援センターのWebサイトで無料公開されている学習用レジュメやセミナー動画の利用がおすすめです。
ここでは、企業の人事・労務担当者や管理者が外国人雇用に関する資格を得るメリットを解説します。
外国人雇用管理士や外国人雇用管理主任者の資格を持った人がいると、外国人雇用がスムーズに進むでしょう。外国人の在留資格や出入国の手続きは複雑なルールが多く、知識のない状態で進めるのは大変です。しかし、資格を取得した人は外国人雇用に関する知識を網羅しているので、適切に申請を進められます。
社内に外国人雇用に関する知識を持った人がいないと、業務に支障がでるばかりか最悪の場合罪に問われる可能性も。外国人の不法就労を手助けしたとみなされた企業は「不法就労助長罪」で罰せられます。刑罰の内容は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこの両方です。外国人雇用に精通した人物が社内にいると、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまうリスクを減らせるでしょう。
外国人雇用に関連したトラブルに対応しやすくなるのも、資格を取得するメリットです。異なる価値観を持つ外国人を雇用すると、日本人だけの職場では起きなかったトラブルが起きる可能性もあるでしょう。これらにうまく対応するには、外国人雇用の豊富な知識が必要です。
資格試験の範囲には、労務管理のほか外国人社員への指導方法なども含まれます。試験勉強の過程で、トラブルを未然に防ぐ方法やトラブルが起きたときの適切な対応も学べるでしょう。
外国人雇用管理士や外国人雇用管理主任者の資格を持った社員がいることで、異文化理解・異文化交流が進みやすくなります。社内に外国人との接し方が分からない人しかいない場合、コミュニケーションを取るのに苦労するでしょう。資格を取得して適切な関わり方を知っている人が一人いると、交流や相互理解を深めるためのきっかけが作りやすくなります。
外国人雇用管理士と外国人雇用管理主任者は、どちらも外国人雇用に関する知識を深められる資格です。社内に資格保有者がいると、外国人雇用がスムーズに進みやすくなるでしょう。準備をしっかりすれば合格できる資格なので、人事や総務を担当する人、外国人を管理する役割の人は受験を検討してみてください。
監修:濵川恭一
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net