人手不足解消に役立つ解決策5選!慢性的な問題にも効果がある対策とは

2023年05月19日
WeXpats Bizは外国人採用に特化した求人サイトWeXpatsJobsの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用・雇用に関する「採用ノウハウ」「市場動向」「在留資格管理」などの情報を発信。外国人採用・雇用にお悩みのある企業様に向けて、"現場で役立つ情報"を提供いたします。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

日本は労働人口が少ないため、採用活動を行っても十分な人材を確保できず、人手不足に悩む企業が少なくありません。人手不足が慢性化すると経営に影響がでるでしょう。多くの企業が抱える人手不足問題を解消するには、原因に応じた適切な解決策の実施が必要です。このコラムでは、人手不足に悩む企業に実践してほしい解決策を5つ紹介します。従業員の定着率や採用でお悩みの企業はチェックしてみましょう。

目次

  1. 日本は労働人口が少なく人手不足に陥りやすい
  2. 企業が人手不足に陥る原因
  3. 人手不足が続くとどうなる?
  4. 人手不足の解決策5選
  5. 人手不足の解決策として外国人を雇用する際の注意点
  6. まとめ

日本は労働人口が少なく人手不足に陥りやすい

日本は労働人口が少なく人手不足に陥りやすいの画像

日本は第2次ベビーブーム以降緩やかに出生率が低下しており、少子高齢化が加速しています。総務省統計局が行った「令和2年国勢調査」によると、2020年時点で生産年齢人口(15〜64歳)は約7,508万人でした。出生率は今後も下がると予想されています。すでに人手不足になっている企業は将来のためにも原因の調査に尽力し、人材流出を防ぎましょう。

慢性的に人手不足な業界もある

農業や漁業、製造業といった業界は、人手不足が慢性化しています。バブル崩壊以降、不景気が続く日本では安定志向が強まっており、大手企業や将来性のあるIT業界が人気です。そのため、「仕事がきつそう」「給料が低そう」とネガティブなイメージや将来性に不安がある業界は、就職先の選択肢から外されることも。介護士や看護師といった医療福祉の仕事も、「業務に見合った待遇を得られない」として人が集まりにくく、慢性的な人手不足に陥っています。業界全体のイメージが悪く、人手不足が解消されないときは、待遇改善や印象アップに力を入れて取り組むのが重要です。

人手不足が深刻な業界では、即戦力となる人材確保のため特定技能外国人の雇用が認められています。どのような制度か詳しく知りたい方は、「近年の入管法改正についてわかりやすく解説!在留資格「特定技能」とは?」をチェックしてみましょう。

参照元
総務省統計局「令和2年国勢調査

企業が人手不足に陥る原因

企業が人手不足に陥る原因の画像採用のミスマッチや過剰な人件費削減は、企業が人手不足に陥る原因といえます。また、転職市場の活性化により、ほかの企業へと人材が流出しやすいのも人手不足の原因の一つです。人手が不足していると焦りから採用のハードルを下げがちですが、ミスマッチによる早期離職を誘発してしまう恐れがあります。面接の際は自社に合う人材かをしっかり見極めて、採用の可否を決めましょう。

経営が厳しいときの人件費削減も、一歩間違えると人材の流出につながるため、要注意です。人員整理や減給、ボーナスカットといった人件費削減は経営状況の改善に有効な手段といえます。しかし、人件費削減が続くと、従業員が不満を抱いてほかの企業へ転職してしまう恐れがあるでしょう。長期的な視点を持った経営を心掛けなければ、人手不足は悪化し、より深刻な事態を招きます。

人手不足が続くとどうなる?

人手不足が続くとどうなる?の画像人手不足が解消されないと、労働環境が悪化したり事業の縮小を余儀なくされたりします。企業にも従業員にも悪影響をおよぼすので、人手不足のときは早めに対策を講じることが大切です。

リソースが足りず業務量を増やせない

人手不足の状態ではこなせる業務量も減るため、企業の利益が上がりにくくなります。十分な人手があれば受けられた注文を、断らなければならない場面もあるでしょう。リソース不足の状態では会社の業績は上がりません。企業の成長のためにも、人手不足は必ず解決すべき課題です。

従業員の労働意欲が低下する

人手不足の企業では、必然的に従業員一人ひとりの業務が増え、負担が重くなります。業務をどれだけこなしても次から次へと仕事が舞い込んでくるため、疲労から労働意欲が低下する従業員が増えるでしょう。やりがいを感じられず、ほかの企業への転職を検討する人も出てくる可能性があります。さらなる人手不足につながりかねないため、早めに解決策を考えましょう。

人材育成や新規事業の開発が難しくなる

人手不足の企業は通常業務で手一杯のため、事業拡大や新規プロジェクトの立ち上げが困難になります。また、人材育成に手が回らず、従業員に能力開発の機会を与えたり新人教育に十分な時間を割いたりするのが難しいでしょう。イレギュラーな業務に対応するためにも、ある程度人員に余裕を持った採用は大切です。最低限の従業員で業務を行うのは人件費の削減になりますが、人手不足に陥りやすいためおすすめできません。

労働環境が悪くなる

慢性的な人手不足に陥っている企業では、残業時間の増加や有休消化率の低下、休日出勤の常態化など労働環境の悪化がみられます。人手が足りず業務が終わらない分を残業や休日出勤で補填しているため、業績低下は避けられるでしょう。しかし、休みが取れなかったり長時間労働を強いられたりする環境は、実際に働く従業員にとって過酷です。人手不足による労働環境の悪化が続くと、やりがいや待遇の良さを求めて離職する従業員が増えるでしょう。

人手不足の解決策5選

人手不足の解決策5選の画像最も効果的な人手不足の解決策は、組織体制の見直しや業務量の調整など根本的な原因に直接アプローチを掛けることです。ここでは人手不足解消に役立つ解決策を5つ紹介するので、参考にご覧ください。

1.組織体制の見直し

現行の人事制度や就業規則、経営計画、業務システムなどは適正かを見直し、必要に応じて改革を行うのは人手不足の解消につながります。古い就業規則や人事制度は現代の働き方にそぐわないことも。時短勤務やリモートワーク、限定正社員といった働き方の導入は、フルタイム勤務ができない人材の雇用機会創出にもなります。また、ライフステージが変化しても働けるよう、託児所を設けたり産休・育休制度を整備したりするのも重要です。可能な範囲で復帰後のサポート体制も充実させましょう。

組織改革を行う際は、実際に働く従業員の声に耳を傾けることが大切です。ライフステージが移り変わっても働きやすい従業員を第一に考えた職場づくりは、人手不足解消につながる有効な解決策といえます。

2.従業員の待遇改善・給与アップ

有給休暇を取りやすい環境を整えたり給与のベースアップを行ったりするのも、人材流出に歯止めを掛け、人手不足を解決する方法の一つです。能力に給料や待遇に不満を持つ人材は他社に流出しやすく、人手不足の原因になります。同業他社や業界全体の平均給与や年間休日日数を参考に、自社の給料や休日数が適切か考えてみましょう。従業員にとって待遇や給与は働くうえで重要なポイントです。

3.教育制度の強化

どれだけ採用を行っても、その後の教育が不十分だと人材が定着しません。業務への理解を深めて自信を持って独り立ちしてもらえるよう、教育制度の整備には力を入れましょう。社員への教育は時間が掛かるうえ、従業員が教育係としてリソースを割かなければならないため、人手不足の企業にとっては困難な課題ともいえます。しかし、教育が行き届いた人材はその後も長く働いてくれる可能性が高くなります。安定した経営のために必要な投資と考え、人材教育にリソースを割けるように業務を調整しましょう。

4.アウトソーシングの活用

人手不足に悩む企業は外部への業務委託を行い、従業員の負担を軽減することも視野に入れましょう。人手不足解消のために新たな人材の採用・教育に力を入れるのも大切ですが、結果が出るには時間が掛かります。まずはリソースに見合った業務量になるよう調整し、外部に任せてもいい仕事は積極的にアウトソーシングしましょう。
従業員に余裕が生まれれば、新人の教育にもしっかり時間を取れます。業務内容によってはAIやロボットに任せることも可能です。新たに人材を採用しなくても、生産性が向上すれば人手不足は改善されます。

5.多様な人材の受け入れ

外国人労働者やシルバー人材、障がい者など幅広い人材に対して求人募集を掛ければ、人手不足が解消される可能性があります。「競争が激しく、自国での就職が難しい」「日本で学びたいことがある」といった理由で、日本に働きに来る人は少なくありません。日本人相手に求人を出しても人が集まらないときは、外国人労働者へのアプローチも視野に入れましょう。また、シルバー人材や障がい者は業務範囲が限られる場合もありますが、人手不足の企業にとっては貴重な労働力です。合理的な配慮をしつつ、可能な範囲で求人の間口を広げてみましょう。
 

人手不足の解決策として外国人を雇用する際の注意点

人手不足の解決策として外国人を雇用する際の注意点の画像外国人が日本で働くには就労が認められる在留資格が必要です。在留資格ごとに日本で行える活動が決まっており、原則資格外の活動は行えません。また、在留資格は条件を満たした人にのみ与えられます。審査の結果在留資格が認められず雇用できない可能性もあるので注意しましょう。

外国人労働者の雇用管理を適切に行うには、入管法や在留資格に関する知識が必要です。日本人と同じように勤務させていると、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまい、不法就労助長罪に問われることも。ほかにも、外国人労働者が働きやすいように環境を整備する必要があるため、スムーズな受け入れを行うには時間を要します。

まとめ

まとめの画像人手不足を改善するには、組織体制の見直しや従業員の待遇向上、採用範囲の拡大といった解決策が有効です。AI技術やアウトソーシングを活用し、リソースに合わせて業務量を調整するのも問題解決に役立ちます。原因に応じた解決策を実施して、人材流出を防ぎましょう。