普段英語に触れる機会のない日本人は、カタカナ英語を話す傾向にあります。カタカナ英語は英単語を日本語の発音に当てはめた、日本だけで話されている言葉です。全く違う言葉に聞こえるので、英語圏出身の方は戸惑うでしょう。
ここでは、会話でよく出てくるカタカナ英語について紹介します。内容を参考にして、日本人と円滑にコミュニケーションを取れるようにしましょう。
目次
カタカナ英語とは?
カタカナ英語とはカタカナの発音で話される英語のことで、日本では日常的に話されています。正確な発音とは大きく異なるので、英語話者の人は聞き取りにくいのが特徴です。
カタカナの発音に当てはめられた英語のこと
カタカナ英語とは、カタカナの発音で話される英語のことです。日本独特の訛りがあり、英語話者の人からすると別の言葉に聞こえます。たとえば、「bath」「birthday」の「th」の発音は日本語にありません。そのため、英語を話さない日本人は最も音感の近い「ス」を当てはめて「バス」「バースデイ」と発音します。このように、日本語の発音に当てはめられたカタカナ英語が、日本では日常的に使われているのです。
日本人がカタカナ英語を話す理由
日本人がカタカナ英語を話すのは、「学校の英語教育の影響」「英語を話す機会が少ない」「カタカナ英語のほうが通じやすい」といった3つの理由が大きいでしょう。
日本では小学校から英語の授業があります。しかし、英文の読み書きを覚えることに教育の重点が置かれていた期間が長く、正しい発音を学ぶ機会が多くありませんでした。スペルを覚えるために、カタカナで読み仮名を振るように教えられた人もいます。現在は教育内容も変わってきているものの、数十年前に教育を受けた世代は正しい発音を学ぶ機会が少なかったといえるでしょう。
日本に住んでいると英語を話す機会が少ないのも、カタカナ英語が浸透している理由の一つです。日本では、日本語が話せれば問題なく生活できます。仕事で外国人と接する人以外は、英語でコミュニケーションを取る機会がほとんどありません。また、日本人同士で話すときはカタカナ英語のほうが圧倒的に通じやすいこともあり、正しい英語の発音を身につけている人が少ないのです。
カタカナ英語を理解するには、まずカタカナを理解しなくてはなりません。「日本語学習の基本中の基本!ひらがな・カタカナの覚え方を紹介」で勉強方法を紹介しているので、参考にご覧ください。
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日常生活でよく使われるカタカナ英語
ここでは、日本でよく使われるカタカナ英語を紹介します。実際に日本人との会話で出てきたときに混乱しないように、意味を知っておきましょう。
サンキュー
サンキューは「thank you」のカタカナ英語です。「th」が日本語では発音できないため、「サ」を当てはめています。なお、日本でサンキューはかなり親しい間柄でしか使われません。英語の「thank you」のように幅広い場面で使うと、失礼になるケースもあるので注意しましょう。
スケジュール
スケジュールは「schedule」のことで、英語と同じく計画や予定の意味で使います。なお、スケジュールを記録する「planner」は日本では「スケジュール帳」と呼ぶのが一般的です。「プランナー」と言っても意味が通じない可能性があります。
コーヒー
「coffee」はカタカナ英語では「コーヒー」という発音になります。「fee」と「ヒ―」の発音が全く違ううえ、イントネーションも異なるので混乱する英語圏の方も多いようです。なお、カフェやレストランでcoffeeと発音して注文しても、基本的には通じます。
ケーキ
ケーキは「cake」のカタカナ英語です。本来の発音に近い「ケイク」より、日本人が発音しやすい「ケーキ」が定着しました。
エネルギー
「energy」をカタカナで表現するとエネルギーです。本来の英語の発音をカタカナに当てはめると「エナジー」のほうが近いですが、日本ではドイツ語読みが定着しました。「エネルギーに溢れている」「エネルギーをためる」のように使います。
ハンバーガー
「hamburger」を日本人はハンバーガーと発音します。「m」の唇を閉じる発音は、日本語にはあまり出てきません。そのため、発音しやすい「ン(n)」に変えて発音しています。イントネーションも、頭にアクセントを置く本来のものとは違い平坦です。そのため、英語圏出身の人からすると、全く違う言葉に聞こえるでしょう。
ビタミン
ビタミンは「vitamin」のカタカナ英語です。「vi」の下唇を噛んで出す音は日本人には難しい発音なので、発音しやすく最も音が近い「ビ」が当てられました。なお、言葉の意味は日本でも変わりません。
アップル
「apple」のカタカナ英語にすると、アップルです。「アポー」や「エアーポウ」としたほうが、本来の発音に近いといえます。しかし、日本ではローマ字をそのまま音にして読む傾向があるため、「アップル」が浸透しました。
カタカナ英語より難しい?日本で作られた言葉
日本で作られ、日常会話で使われている英語風の言葉を「和製英語」といいます。英語圏には存在しない言葉なので、カタカナ英語よりもさらに理解するのが難しいといえるでしょう。
ここでは、日常会話でよく出てくる和製英語を紹介します。
サラリーマン
サラリーマンは「company employee」もしくは「office worker」と同じ意味の和製英語です。企業や特定の組織に雇用され、給料を受け取る労働者のことを指します。給料を意味するサラリー(salary)と男性の(man)を組み合わせて作られました。
エアコン
日本では「air conditioner」を省略してエアコンといいます。英語圏では「A/C」と略すのが一般的ですが、日本では通じないでしょう。なお、部屋を冷やす場合は「クーラー」、温める場合は「ヒーター」と呼ぶ場合もあります。
レンジ
「microwave oven」を和製英語で電子レンジといいます。調理用のコンロを意味する「range」から来ており、「電子で調理するコンロ」というイメージから作られた言葉です。
日本に来たばかりの方が戸惑う日本語に「チンする」があります。食品をレンジで温める行為を指す言葉です。温めおわったときにレンジから出る「チン!」という音から作られました。和製英語とは少し異なりますが、覚えておくと良いでしょう。
ノートパソコン
ノートパソコンは「laptop computer」の和製英語です。ノートブックのように開いて使うことが由来といわれています。なお、「desktop computer」の意味は日本語でも一緒です。
ワンピース
トップスとスカートが繋がっている洋服を、和製英語で「ワンピース」といいます。英語表現の「dress」は、日本ではフォーマルなシーンで着る洋服のことです。なお、ツーピースはジャケットとパンツ、セーターとカーディガンなど2つセットになった洋服を指します。
マンション
和製英語のマンションは、英語の「apartment」や「condominium」と同じ意味です。英語の「mansion」はいわゆる豪邸を意味しますが、日本では集合住宅を指します。
なお、日本のマンションとアパートに明確な違いはありません。一般的には木造や軽量鉄骨でできた2階建ての集合住宅がアパート、鉄筋コンクリートで3階建て以上の集合住宅をマンションとする場合が多いようです。
和製英語はビジネス用語でよく出てきます。日本のビジネスシーンで使われる言葉は「日本語のビジネス用語を紹介!今さら聞けない言葉の意味も解説」のコラムで紹介しているのでぜひご覧ください。
まとめ
カタカナ英語は日本語の発音に当てはめられた英単語なので、英語圏の人は聞き取れません。しかし、日本人と会話していくうちに徐々に慣れてくるでしょう。このコラムを、日本人と円滑にコミュニケーションをとる際の参考にしてください。