ホテルの仕事の楽しさは、お客さまから感謝の言葉をもらえるところ、そして自分なりのサービスを提供できるところにあるといえます。ホテルスタッフは業務量が多く、体力が求められる仕事。しかし、やりがいをもって働ける人にとっては楽しく働ける職場でしょう。このコラムではホテルスタッフの楽しさや仕事内容について紹介しています。コラムを読んで、ホテルでの働き方をチェックしてみましょう。
目次
ホテルの仕事でやりがい・楽しさを感じるところ
将来ホテルで働きたいと考えている人の中には、やりがいを持って働けるのかどうか気になる方もいるでしょう。
ここでは、ホテルの仕事のやりがいや楽しいところについて紹介します。ご自身にとってやりがいに感じる内容があるか、ぜひチェックしてみてください。
お客さまの感謝の言葉
ホテルの仕事のやりがいとして、多くの人が挙げるのが「お客様から感謝の言葉や笑顔をいただける」というところです。ホテルは宿泊をする場所なので、お客さまと長い時間関わることができます。自分のおもてなしでお客さまに満足してもらえたり、お客さまと打ち解けられたりすると、やりがいを感じるでしょう。「ありがとう」という感謝の言葉が仕事の活力だというホテルスタッフも少なくありません。
知識や経験が活かせる
ホテルの仕事では、お客さまとの会話の中でさまざまな知識を活かすことができます。スポーツの知識やファッションの知識、お酒の知識など、活かせる知識の分野はさまざま。事前に勉強しておけば、お客さまの話題にもスムーズに対応できるようになります。学んだことや経験してきたことが仕事に活かせるとやりがいを感じるでしょう。
チームで協力して働ける
ホテルの仕事は、チームワークが重要な仕事です。スタッフがそれぞれ自分の業務を遂行し、ときには担当の枠を超えて協力しあうことで業務にあたります。チームで協力して働くのが好きな人にとっては楽しく働けるでしょう。
語学力を活かせる
ホテルは、語学力を活かして働ける職場です。近年は訪日外国人の数が増えており、シティホテルはもちろん、ビジネスホテルやカプセルホテルにも外国人利用客が増えています。外国語が話せる人なら、スキルを活かして働けるでしょう。特に外国人利用者の多いホテルを選べば、毎日のように外国語を使って働けるので、語学力のさらなる向上も見込めます。
「自分らしいサービス」を追求できる
「自分らしいサービス」を追及できるところも、ホテルの仕事のやりがいといえます。接客の方法にマニュアルはありますが、より良いサービスを提供するには、スタッフが自分で考えて行動していかなければなりません。サービスの方法は人によって異なるので、自分の持ち味を活かしたサービスを追求していくことが重要です。
非日常的な空間で働ける
ホテルは、非日常感のある特別な場所として認識されています。こうした非日常的な空間で働けることを楽しいと感じる人は多いでしょう。会社の事務所で働くのとはまるで異なる働き方ができます。
日本のホテルについては「日本のホテルの種類まとめ!ビジネスホテルとシティホテルの違いとは」で紹介しているので、興味のある方はご覧ください。
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ホテル業界に向いている人
ホテル業界は、24時間稼働だったり業務量が多かったりと、ほかの業界に比べて特殊なところがあります。ここでは、ホテルの仕事に向いている人の特徴について解説します。以下のような特徴がある人なら、ホテルで働きやすいでしょう。
体力がある人
ホテルで働くには体力が必要です。ホテルスタッフは立ち仕事が基本で、そのうえ重い荷物を運んだり歩き回ったりすることもよくあります。体力がないと働き続けるのは難しいでしょう。
また、ホテルスタッフは、基本的にほとんどが土日祝日関係なしのシフト制です。シフト勤務によって生活が不規則になるので、体力のない人は体調を崩してしまうリスクがあります。
メンタル面がタフな人
ホテルスタッフは精神的なストレスがかかりやすいとされる仕事です。ストレスの原因で多いのが、お客さまのクレーム対応。ときには理不尽な言いがかりをつけられたり怒りがおさまらなかったりすることもあります。メンタルが弱い人は、クレーム対応一つを行うのも大変でしょう。どんなにつらいことがあっても引きずらず、気持ちを切り替えて笑顔で接客できる人がホテルスタッフに適しています。
臨機応変な対応ができる人
ホテルではさまざまなトラブルが起こります。部屋の設備の不具合や予約のトラブル、忘れ物など、ホテルで起こるトラブルはさまざま。ホテルで働くには、こうしたトラブルに対応できる臨機応変さがあると良いでしょう。
素早く行動できる人
ホテルで働くには、スピード感をもって動ける行動力が必要です。やるべきことを後回しにしていては、業務が滞ってしまいます。常に時間を意識して素早く行動できる人がホテルスタッフには適しているでしょう。
旅行の経験が多い人
旅行の経験が多い人もホテルの仕事に適しています。ホテルに客として滞在した経験があれば、お客さまの立場に立ったサービスが提供できるでしょう。ホテルのサービスを受けた経験や旅先で起こったトラブルの経験があれば、ホテルの仕事にも活かせるはずです。
ホテル業界に向いていない人
ここではホテル業界に向いていない人の特徴について解説します。就職してから「向いていないかもしれない」とギャップを感じないように、ここでチェックしておきましょう。
体力に自信がない人
ホテルで働くには体力が必要です。ホテルの仕事は立ち仕事が多く生活リズムも不規則になりがちなので、体力がない人は体調を崩してしまう可能性があります。
ホテル勤務はシフトごとに人数が決まっており、欠勤者がいればその穴を埋めるために代わりの人が出勤して対応しなければなりません。欠勤が多いと、ホテルの仕事は勤まらないのです。ホテルで働きたい人は、健康状態を整えて体力をつけましょう。
ストレスに弱い人
ホテルスタッフは、お客さまを中心に行動しなければなりません。そのため、仕事が思い通りに進まなかったり残業になったりすることも多々あります。プライベートの予定を変更しなければならないこともしばしば。ストレスをため込みやすい人は、ホテル業界は向いていない可能性があります。
マニュアル通りに働きたい人
接客の仕方にはマニュアルがありますが、実際の業務ではその通りに対応できない場面が多々存在します。それどころか、マニュアル通りに対応すると事態が悪化してしまう場面も少なくありません。柔軟に対応することが肝心です。そのため、マニュアルに沿って働きたいと考えている人にはホテルの仕事は適していない可能性があります。
ホテル業界で働くのに必要なスキル
ホテル業界で働くには、以下のようなスキルがあると役立つでしょう。
ホスピタリティ
ホスピタリティは、おもてなしや思いやりの心、気遣い、気配りとも言い換えることができます。お客さまに満足してもらうには、マニュアル通りの対応だけでは不十分です。お客さま一人ひとりの特性を把握したうえで、期待を上回るようなサービスを提供しなければなりません。単にサービスをするというだけでなく、相手を思いやる精神が重要なのです。
日本のおもてなし文化については「日本の「おもてなし」文化について解説!」で解説しているので、ぜひご覧ください。
語学力
外国人利用者も多いホテル業界では語学力が重視されています。特に観光地の近くだったり空港の近くだったりといった理由で外国人利用者の多いホテルは、外国語のスキルがほぼ必須。外資系ホテルや外国人と接する機会の多いポジションでは、概ねTOEICで600点以上のスコアが必要とされることが多いようです。
ホテル業界の仕事内容
ホテルの仕事は大きく5つの部門に分けられます。ここでは各部門の仕事内容について解説するので、ホテルで働きたい人はぜひご覧ください。
宿泊部門
宿泊部門は、予約の受付やお客さまの接遇を担当する部門です。受付を担当するフロント、お客さまを部屋まで案内するベルアテンダント、客室を清掃をするハウスキーピングなどの仕事があります。
料飲部門
料飲部門は、ホテル内レストランでの接客や、ルームサービスを担当する部門です。レストランで受付を担当するレセプショニスト、食事やドリンクを提供するウェイティングスタッフ、注文された料理や飲み物を部屋に運ぶルームサービススタッフなどの仕事があります。
宴会部門
宴会部門は、パーティーや結婚式のサービスを担当する部門です。ゲストと一緒に宴会の内容を決めていく宴会予約スタッフ、手荷物やコートを預かるクローク、会場設営や料理提供を行う宴会サービススタッフなどの仕事があります。
管理・営業部門
管理部門は、広報・経理・人事などのバックオフィス業務を行う部門です。お客さまと直接接することはありませんが、ホテルを快適に利用してもらうために設備の管理を行います。営業部門は、宴会や宿泊の販売を行ったり広報活動を行ったりします。
調理部門
調理部門は、ホテル内のレストランや宴会で調理を担当する部門です。規模が大きいホテルでは100人以上のスタッフが働いていることもあります。料理長であるシェフ、自家製パンを作るベーカリー、肉類の下ごしらえを行うブッチャーなどの仕事があります。
ホテルの仕事については「ホテル勤務あるある!仕事の種類や必要なスキルとは」でも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
ホテル業界の勤務時間
ホテルは24時間稼働なので、勤務体制は2交代または3交代のシフト制です。勤務時間は1日7~8時間。夜勤のシフトは、夕方~早朝までの勤務となります。
休日は基本的に週休2日。観光地近辺のホテルは週末忙しくなるため、休みは平日になることが多い一方、ビジネスでの利用が主なホテルは、土日休みが多くなります。また、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始はホテルの繁忙期なので、休みをとるのが困難です。
夜勤の働き方は「夜勤とはどんな働き方?勤務時間や仕事内容について解説!」でも紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
ホテルの仕事のやりがいは、お客さまから感謝の言葉をいただけたり自分らしいサービスを追求できたりするところにあります。24時間稼働で夜勤があるうえ、立ち仕事が多く体力的にも大変なホテルの仕事。ただ、お客さまに満足してもらいたいという思いで行動できる人にとっては、楽しく働ける職場といえそうです。