ホテルの仕事はきついとよくいわれます。24時間稼働しているホテルはシフト制が採用されており、早朝や深夜の勤務も珍しくありません。フロント係やドアアテンダントなどの長時間立つ仕事が多い点も、きついといわれる理由でしょう。しかし、ホテルの仕事は大きなやりがいやメリットがあるのも事実です。
このコラムでは、ホテルの仕事に向いている人の特徴も紹介するので、就職希望の方はぜひご覧ください。
目次
ホテルの仕事がきつい理由
ホテルの仕事は華やかな印象がありますが、きつい面があるのも事実です。以下では、ホテルの仕事がきつい4つの理由を紹介します。
体力面できつい
ホテルには、体力面できつい仕事がたくさんあります。たとえば、ホテルのフロント係は革靴やハイヒールを履いて長時間立っているのが当たり前です。ハウスキーパーの仕事は、リネン交換や重い荷物を積んだカートの移動があり重労働といえます。ドアアテンダントやベルアテンダントも基本的に立ちっぱなしなうえ、宿泊客の荷物を運ぶので体力的に大変です。華やかに見えるホテルの仕事ですが、どの業務も体力が欠かせません。
シフトが不規則できつい
シフトが不規則なのも、ホテルの仕事がきつい理由の一つです。多くのホテルでは交代制のシフトが採用されており、早朝や深夜にも働いている人がいます。以下は、3交代制のシフトの一例です。
- 早番…午前9時~午後6時
- 遅番…午後6時~午前0時
- 夜勤…午前0時~翌日の午前9時
シフトは固定されておらず、夜勤のあとに遅番が入ったり、遅番のあとに早番で勤務したりする場合があります。
なお、たとえ退勤時間になったとしても、接客中であればすぐに退勤することはできません。そのため、残業が発生して勤務時間が長引きがちなのも、きつい点の一つといえます。
臨機応変な対応を求められるのがきつい
ホテルのスタッフは、トラブルや宿泊客の要望が生じた際に臨機応変な対応が求められます。特に臨機応変な対応が求められる職種に、フロント係が挙げられるでしょう。たとえば、客室の予約が入っていない、ダブルブッキングしているなどの場合は、速やかに部屋を手配するといった対応が必要です。ほかにも、観光に関する質問に答えたり客室の不備に対処したりと、突発的にさまざまな対応が必要になる場合が多いといえます。
急に入った仕事に追われてルーティンワークが終わらないことも、ホテルの仕事のきつい点といえるでしょう。
クレーム対応がきつい
ホテルのきつい仕事として、宿泊客からの苦情や要求を処理するクレーム対応があります。クレームを入れてくる宿泊客は怒りを伴っているケースもあるため、相手に納得してもらうように対応するのは大変です。以下では、ホテルに入るクレームの例を紹介します。
- ホテルのフロント係の対応が丁寧でなかった
- 客室のリネンが汚れていた
- 予約日や宿泊プランが間違っていた
なかには、ホテルに落ち度のない理不尽なクレームを入れる宿泊客もいます。さまざまな苦情や要求に対処するクレーム対応は、精神的にきつい仕事です。
「ホテル勤務あるある!仕事の種類や必要なスキルとは」のコラムでも、ホテルの仕事のきつい面を紹介しています。
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ホテルの仕事はやりがいやメリットもある
ホテルの仕事はきつい面もありますが、多くのやりがいやメリットがあるのも事実です。以下では、「宿泊客から感謝される」「福利厚生が充実している」「ハイレベルな接客スキルが身に付く」といったホテルの仕事の良い点を解説します。
利用客から感謝される
宿泊客から「ありがとう」と言われるのは、ホテルの仕事をしていてやりがいを感じられる瞬間です。体力面・精神面できついときもありますが、宿泊客の笑顔や感謝の言葉は大変さを上回る喜びといえます。インターネットの口コミサイトに書かれる感謝の言葉や「このホテルに泊まってよかった」という声も仕事のやりがいに繋がるでしょう。
また、ホテルでは、結婚式やパーティなどの大きなイベントが開催されます。イベントを成功させて利用客から感謝されるのも、ホテルの仕事をしていて良かったと感じられる場面です。
福利厚生が充実している
ホテル業界には、福利厚生が充実している多くの企業があります。たとえば、同じ企業が運営する施設を利用する際は割引があったり、勤務先のホテルで結婚式を挙げる場合は内容をグレードアップできたりします。
ホテルによっては、格安で利用できる社員寮や食堂がある場合も。資格を取得する際の金銭的な補助や住宅手当、勤務地手当などが設定されているホテルもあるのです。生活費やキャリアアップのための勉強に掛かるお金を補助してもらえるのは、ありがたい制度といえます。
ハイレベルな接客スキルが身に付く
ホテルに就職すると、研修や実務によってハイレベルな接客スキルを身に付けられます。宿泊客に合わせた接客や要望への迅速な対応ができるようになるでしょう。また、丁寧な言葉遣いや正しい敬語、きれいな立ち振る舞いも身に付きます。
接客スキルを学んでいる最中は、「難しい」「きつい」と感じる場面もあるでしょう。しかし、経験を積むことで、徐々に接客スキルは上がります。
「ホテルにはどのような仕事や職種がある?一日のスケジュールや給料も紹介」のコラムでは、ホテルの仕事の魅力を解説しているので、ぜひご覧ください。
ホテルの仕事に向いている人
きつい業務が多いホテルの仕事には、向き不向きがあります。以下では、ホテルの仕事に向いている人の特徴を解説するので、自分が当てはまるかをチェックしてみてください。
旅行や観光が好きな人
観光が好きで旅行した経験が多い人は、ホテルの仕事に向いています。旅行中の嬉しかったサービスや楽しかった経験は、ホテルで働く側になった際に宿泊客を喜ばせるために活かせるのです。宿泊客が良い思い出を作れるように気遣いができたり、おすすめの観光地を聞かれた際にニーズに合った提案ができたりします。
また、旅行をしているとトラブルに遭う場面も少なくないでしょう。自身が旅行に慣れていれば、トラブルの回避や対処の方法にも詳しくなります。その結果、就職しているホテルの宿泊客にトラブルが起こった際に迅速に対応できるスキルが身に付くのです。
人と関わるのが好きな人
人とコミュニケーションを取るのが好きだったり相手の役に立つことに喜びを感じたりする人もホテルの仕事に向いています。接客が楽しいと感じた、手伝った相手に喜んでもらえて嬉しかったという経験がある人は、ホテルの仕事にぴったりです。
なお、ホテルの仕事を行うには、スタッフ同士のチームワークが欠かせません。きつい仕事でも、人と連携を取り合って乗り越えられる協調性が必要です。
自分を高めようとする意欲が高い人
ホテルの仕事に向いているのは、きついことがあっても自分を高めて乗り越えようとする人です。たとえば、前述したようにホテルには身体的にきつい仕事があるので、体力をつけて体調管理をしっかりと行うことが重要といえます。
また、業務に必要な知識を身に付けるのも忘れてはいけません。たとえば、ホテルによっては世界各国から宿泊客が来ます。さまざまな国から来た宿泊客にホテルで快適に過ごしてもらうためには、多言語の勉強をしたりさまざまな文化を知っておいたりすることが必要です。
ホテルに就職する際は、さまざまな質問を通して仕事への適性があるかをチェックされます。「ホテル業界の面接で聞かれる質問とは?回答の例文も紹介」や「日本の面接で聞かれる質問とは?採用につながる回答を考えよう」のコラムでは、面接で聞かれる質問を紹介しているので、ぜひご一読ください。
ホテルの仕事がきついと感じたら環境を変えるのも手
ホテルの仕事がきついと感じたら、転職するのも一つの手です。転職する際は、ホテルの仕事できついと感じている点を整理しましょう。たとえば、雇用条件が合わない、残業が多くてきついなどの理由があるはずです。きついと感じる理由をはっきりとさせず他社のホテルに就職した場合、転職後に同じ理由で後悔する可能性があります。
きついと感じる理由をはっきりさせたうえで、ホテルの仕事自体は好きならば、自分に合った条件の同業他社に転職しましょう。ホテルの仕事自体が合わずにきついと感じるならば、他業種に転職するのがおすすめです。ホテルの仕事によって身に付いた接客スキルはどのような仕事を行う際にも役に立つので、転職する際も有利に運ぶでしょう。
まとめ
ホテルの仕事は立ち仕事や重労働が多いため、きついといわれています。シフトが不規則だったり臨機応変な対応を求められたりするのも大変です。
しかし、その分宿泊客に感謝されると大きなやりがいを感じられるでしょう。ホテルへの就職は、福利厚生が充実していたり、ハイレベルな接客が身に付いたりなどのメリットもあります。ホテルは語学が堪能な方や人とコミュニケーションを取るのが好きな方が、自分の長所を活かして働ける職場です。