日本人が英語を話せない理由とは?必要性や苦手意識を持つ背景について解説

WeXpats
2024/01/26

英語圏から日本にやってきた外国人の中には、日本人が抱える英語への苦手意識に驚いた方も多いのではないでしょうか。日本人が英語を話せない理由はさまざまで、日常会話で英語を使用する機会が少ないことや、日本語に最適化された“和製英語”の存在、英語教育における課題などが挙げられます。このコラムでは、日本人が英会話を苦手とする背景を解説。また、日本人が英語を話せるようになるためのおすすめの勉強法も紹介します。

目次

  1. 日本人が英語を話せない理由
  2. 日本人が英語を話せるようになるためには?
  3. 英語を習得するためのおすすめの方法
  4. まとめ

日本人が英語を話せない理由 

日本人が英語を話せない理由の画像

日本人は学校で英語を勉強したにもかかわらず、話せない人が多いといわれています。日本人が英語を話せないとされる背景には教育環境や国民性、言語の構造的な違いなど、さまざまな原因が挙げられるでしょう。ここでは、日本人が英語を話せない理由について解説します。

英語の必要性の有無

日本人が英語を話せない理由として、必要性の有無が挙げられます。日本での生活において英語が必要となる機会はほとんどありません。日本では日本語だけで不自由なく暮らせたり高度な教育が受けられたりするため、英語を話す必要性が感じられないことも理由の一つといえるでしょう。

英語と日本語の言語構造の違い

英語と日本語は、言語構造が異なります。日本語は基本的にSOV(主語・目的語・動詞)で文が作られるのに対し、英語はSVO(主語・動詞・目的語)の文法構造です。そのため、日本人にとって英語は習得が難しい言語といえます。英語の文法構造を理解し話せるようになるまでに時間がかかることから、苦手意識を持つ人も少なくないでしょう。

英語と日本語の発音の違い

英語は文面での単語の読みと実際のネイティブの発音が異なるため、日本人はうまく発音できなかったり聞き取れなかったりすることがあります。たとえば、「keep in touch」を発音する場合、日本人の多くは「キープ・イン・タッチ」と言うでしょう。しかし、実際の発音は「キーピンタッチ」のように「p」と「i」が連結します。発音や音声変化を理解していないことで英語のリスニングをさらに難しく感じ、コミュニケーションを取ることに消極的になってしまうのです。英語のリスニングが難しいと感じている人は、音声変化も併せて覚えておくと良いでしょう。

英語を習得するためのインプット・アウトプット不足

日本人は学校教育課程において英語を勉強し、ある程度の知識をインプットしているものの、実生活では英語を読んだり聞いたりする機会があまりありません。また、学んだ知識を活かして実践的に話したり書いたりするなどアウトプットする機会も少ないため、単語や文法を知っていても話せないという日本人は多いでしょう。言語を習得しコミュニケーションを取るためには、インプット・アウトプットを意識して行うことが大切です。

外国人と接する機会が少ない

日本は海に囲まれた島国のため、陸続きの外国がありません。そのため、ヨーロッパなどの国に比べると外国人の往来が少なく、英語やほかの言語に触れる機会が少ないといえます。近年は、観光客や在留者など、街中で外国人を見かける機会が増えてきました。しかし、陸続きの国と比べると外国人と接する機会が少ないため、英語を話す必要がないと考えている人や英語話者との会話はハードルが高いと感じている人が多くいます。

英語とは異なる和製英語やカタカナ語が浸透している

日本語には、「ノートパソコン」「パン」などの和製英語や「チーム」「アイデア」などのカタカナ語も多く、日常生活やビジネスシーンでよく使われています。特にカタカナ語は、英語などの外国語を元に作られた言葉が多いため、英語の発音も同じだと勘違いしている人は少なくありません。和製英語やカタカナ語の浸透により、本来の英語の発音を正しく理解しないまま会話をして、相手に伝わらず話すことに自信を無くす人もいます。

間違いを恐れる完璧主義な国民性

日本人は、真面目で完璧主義な性格の人が多いといわれています。そのため、英語を学んでいても「まだ知識が足りないから会話はできない」と思い込み、積極的にコミュニケーションを取らない傾向に。また、間違えるのが恥ずかしかったり、通じなかったらどうしようと不安になったりすることから、チャンスがあっても会話する勇気のない人も少なくありません。間違いを恐れるあまり、会話に対して消極的になってしまうことも、日本人が英語を話せない理由の一つといえるでしょう。

日本の英語教育による原因

日本人が英語を苦手とする背景には、日本の英語教育も一つの原因です。ここでは、日本の英語教育について解説します。

文法を重視した読み書き中心の英語学習

日本の英語教育では、正しい文法知識や試験によく出る英単語などを覚えることが重視されてきました。その結果、試験で良い点数が取れたり英語の検定に合格できたりするものの、実際には英語が話せない日本人が多くいます。実践的な会話演習が少なかったことが、日本人が英語を話せない理由の一つといえるでしょう。

学校の先生が実用的な英語を話せない

日本の公立小学校では、2020年より小学校3年生から外国語活動が始まり、5年生から教科として英語の授業が行われています。しかし、英語の教員免許状を持つ小学校の教師は少なく、英語教育に自信を持てないまま指導をしている先生が多数いるのが現状です。英語話者のALT(外国語指導助手)と共に指導を行う機会はあるものの、英会話ができずに十分な指導が行えない教師もいます。そのため、日本人は学校で英語を学んでいるにもかかわらず、実践的な会話演習が不十分であるため話せない人が多いといえるでしょう。

カタカナ語について詳しく知りたい方は、「カタカナ英語とはどのような言葉?代表的な例を紹介」のコラムを参考にしてください。

日本人が英語を話せるようになるためには? 

日本人が英語を話せるようになるためには?の画像

日本人は、環境や教育的背景、国民性などさまざまな理由から英語を話すことに対して苦手意識を持っています。ここでは、日本人が英語を話せるようになるためのポイントを紹介します。周囲に英語を勉強中の日本人がいる方は参考にしてみてください。

英語を話すための動機や目標を持つ

英語が話せるようになると、海外旅行に行った際や日本在住の外国人と接する際にスムーズに会話ができます。また、コミュニケーションの幅が広がることで、生活面やビジネスシーンでも役立つでしょう。
英語学習のモチベーションアップには、目標を立てることが大切です。「英語を使う仕事に就きたい」「英語の検定に合格したら海外旅行に行きたい」「カラオケで洋楽を上手に歌えるようになりたい」など、自分で目標を決めて学習を進めましょう。楽しく学習を続けるためにも、自分に合った方法を見つけることが大切です。

英語に触れる機会を増やし積極的に話す

英語を習得するためには、できるだけインプットやアウトプットの時間を増やすことが大切です。言語習得には時間がかかるため、毎日少しでも英語に触れる時間を確保しましょう。
インプットの方法には、動画やスマートフォンのアプリなど隙間時間に勉強できるものもあります。また、外国人が多く集う場所やイベントに出かけたり、アルバイトをしたりして積極的にコミュニケーションを取るのもおすすめです。完璧に話せなくても間違いを恐れずに話してみましょう。

英語のことわざは、外国人との会話やコミュニケーションに役立ちます。詳しく知りたい方は、「英語のことわざを一覧で紹介!かっこいい表現や有名なフレーズを覚えよう」のコラムを参考にしてください。

英語を習得するためのおすすめの方法 

英語を習得するためのおすすめの方法の画像

英語を習得するためにおすすめの勉強法を紹介します。言語の習得には時間がかかるため、英語のニュースを見たり日記を書いたりするなど、継続しやすい学習方法を見つけましょう。

英会話のオンラインレッスンを受ける

アウトプットを強化したい人におすすめの勉強法は、英会話のオンラインレッスンです。インターネット環境があれば、パソコンやスマートフォンを使ってどこででもレッスンを受けられます。また、グループレッスンや個別レッスンなどさまざまなスタイルで英会話の練習ができるのも魅力です。記事内で何度も述べている通り、日本人の英語に対する苦手意識は、英語でコミュニケーションを取る機会の少なさに起因しています。日常的に英語を話す機会がない方は、オンラインレッスンを活用しましょう。

英語のドラマや映画を観る

英語のドラマや映画を観ることで、ネイティブがよく使う会話表現や発音を学べます。「こんなとき英語で何と言えば良いのか分からない」といった英会話の悩みを解決できるでしょう。英語の字幕を見ながらリスニングの練習をしたり、日本語の字幕を見ながら意味を確認したりもできるのでおすすめです。

英語圏の国へ旅行に行く

日常生活で使う英会話を練習したい人は、海外旅行がおすすめです。海外旅行では、買い物をしたり道を尋ねたりなど、必然的に英語を話す機会が増えます。海外でネイティブと英語でコミュニケーションを取ることは、良い経験になり自信に繋がるでしょう。

英語力を測定する検定試験を受ける

英語を習得する過程において、自分のレベルを把握することは大切です。英語の検定試験を定期的に受けることで、自分の実力や得意分野が理解できます。検定試験の結果は、履歴書にも記載できるため就職活動時にアピールできるポイントになるでしょう。英語のスピーキング力を測りたい人は、TOEFLやIELTSといった国際レベルの検定試験に挑戦してみましょう。

まとめ

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日本人が英語を話せない理由は、間違えたら恥ずかしいと思う気持ちや完璧に英語の知識をインプットできていないという自信の無さが挙げられます。日本は島国であるため、外国人とコミュニケーションを取る機会があまりありません。英会話力を身につけるには、自ら英語に触れる機会を増やし、意識して学習を進めていくことが大切です。自分に合った方法を見つけて楽しく勉強を進めましょう。

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