外国人留学生に限らず、アルバイトを始めるときに必要となる履歴書。
そのなかでも、自分をアピールする「自己PR」欄の書き方で悩む方もいるでしょう。
とくに、日本語を勉強中の留学生にとって、簡潔な言葉で自分をアピールするのは難しこと。
当コラムでは、自己PRの概要や書く内容を紹介しています。
志望動機の書き方もまとめたので、履歴書を作るときの参考にしてください。
目次
自己PRの基本
アルバイトを始めるときに必要になる履歴書。
履歴書には自分をアピールする「自己PR」を書く欄があり、書き方や内容によっては合否に影響が出ることもあるようです。
自己PRとは、自分はどんな人間なのか・なにが得意なのかを伝える項目のこと。
では、自己PR欄にはなにを書けば良いのでしょうか。書き方の基本を以下にまとめました。
最初に結論を述べる
「忍耐力がある」「協調性がある」など、自分のアピールポイントを最初に述べることで、そのあとの文章の理解度が深まる効果があります。
また、結論から伝えることで強い印象を与えたり、全体がまとまって主張に一貫性が出たりする可能性も。
さらに、その後に続く話の内容が簡潔になり相手が集中して話を聞いてくれる、自分が伝えたいことが明らかになるという効果も期待できます。
ダラダラと話しをしていて、自分の伝えたいことが分からなくなってしまう…という経験がある方は、結論から述べることを意識してみましょう。
強みを裏付けるエピソードを書く
単に結論を述べるだけではイメージが沸かず、信頼性にも欠けてしまいます。
それを防ぐために、最初に述べた結論を裏付けるエピソードを記載。
忍耐力をアピールポイントにしたいなら、「◯歳のときに独学で日本語を学び始めてコツコツと続け、母国の中でも日本語教育に力を入れている◯◯大学に現役で合格」など、具体的に伝えましょう。
分かりやすいエピソードを書くことで信頼性が増し、自分がどんな人間なのかを伝えることもできます。
強みを仕事に活かす方法を説明する
最後に、自分のアピールポイントをどう仕事に活かすかの説明を書きます。
ここで大切なのは、自分の強みをアルバイト先の仕事内容に結びつけること。
「向上心が高い」のがアピールポイントなら「向上心が高いので新しい仕事をどんどん覚える」など、仕事にどう貢献するかを説明して、自分を採用することのメリットを伝えましょう。
全体を通して注意したいのは、自分のことは「私」、会社のことは「貴社」と書くこと。
日常では「俺」や「僕」を使用していても、仕事などのオフィシャルの場では男女を問わずに一人称は「私」に統一します。
同様に、相手の会社のことは書き言葉では「貴社(きしゃ)」。
話し言葉では「御社(おんしゃ)」に変わるので、面接の際は注意が必要です。
履歴書の基本的な書き方を知りたい方には、「アルバイト希望の外国人留学生向け、履歴書の書き方」や「外国人留学生に向けて履歴書の書き方を解説!注意点やマナーを紹介」のコラムも参考になるでしょう。
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自己PRに盛り込める内容
前項では自己PRの基本的な書き方を紹介しましたが、なにを書いていいかイマイチ分からない…という方もいるでしょう。
自己PRとして活用できる経験やスキルを以下にまとめたので、参考にしてください。
語学スキル
日本で働く以上日本語のスキルは欠かせないので、自分のレベルを明記します。
JLPT(日本語能力試験)を受検したことがあれば、そのレベルを書くのが有効。
また、留学生に日本語以外の語学を期待しているケースもあるため、日本語以外に話せる言葉があればしっかりと記載してアピールにつなげましょう。
持っている資格
日本で取得した資格を中心に、TOEICなど世界基準で活用されている資格もOKです。
応募先の仕事と関連性のある資格だと、実務で活用できるという点から高評価が期待できるでしょう。
留学生活で学んだこと
日常生活や学校の授業だけでなく、アルバイトやインターンで学んだことを自己PRに活かすこともできます。
なにを学んだのか、その学びからなにを得たのか、自分にとってどんな影響があったのかなどを、具体的なエピソードを交えて説明すると伝わりやすくおすすめです。
業務と関係のない資格でも、努力が評価される可能性があるので書きます。
奨学金をもらったこと
奨学金をもらうためには、優秀な成績と勤勉な態度が求められます。
成績が優秀なことや勉強に対する真面目な姿勢は、アピールポイントとして十分に活用できるでしょう。
奨学金には、政府や企業、団体など多くの種類があるため、自分がもらっている奨学金の正式名称と内容を正しく記載します。
母国での勤務経験
留学生のなかには、母国で勤務経験を持つ方もいるでしょう。
働いた経験があればビジネススキルや業務内容などをアピールすることができます。
未経験に比べて即戦力として活躍できるため、高評価が期待できるようです。
志望動機の答え方
志望動機とは、「その仕事をしたい」「その会社で働きたい」という内容を伝える項目です。
アルバイトの面接で聞かれることも多く、雇用側は志望動機の回答から「志望度の高さ」「アルバイト先とのマッチ度」を見ています。
志望動機を答えるときは、以下の3点を盛り込むのが基本です。
・なぜその企業(アルバイト先)でなければいけないのか
・自分のスキルやアピールポイントを仕事でどう活用するか
・入社したらどんな仕事をしたいか
「将来性を感じた」「語学力を活かして…」などは、どのアルバイト先にも当てはまること。
さらに、多くの留学生が志望動機として使うため、ありきたりでインパクトに欠けるでしょう。
ほかの人と差別化を図るためにも、志望先が独自に行っているサービスや商品を例に出すなどして、「その企業でなければならない理由」を伝えます。
続けて、どんなスキルを仕事で活用するのか、入社したらやりたい仕事はあるかを記入。
分析のスキルを活用して時間帯や年齢別の商品売上を把握し、店舗の売上げアップに貢献する、コミュニケーション力と語学力を活かして観光ガイドとして活躍するなど、具体的に述べましょう。
アルバイト先を決める際に、仕事内容よりも勤務条件を重視する…という方もいるようです。
「家から近い」「稼ぎたい」といった内容を志望動機に書いても良いのでしょうか。
結論から述べると、上記のような志望動機でも、嘘をつかずに正直に伝えれば特に問題はありません。
以下に、条件を志望動機にした際の回答例をまとめたたので、参考にしてください。
・家から近い…休日や学校帰りに通いやすい、通勤時間がかからないので勉強と両立しやすい
・稼ぎたい…自分で稼いで親の負担を減らしたい、奨学金では生活費が不十分なので足しにしたい
・就活準備…アルバイトを通して日本の礼儀やマナーを学ぶことが就活に役立つと考えた
どのような動機でも、真面目に働く姿勢を伝えるのがポイント。
働く理由がしっかりしていれば、雇用側も真面目に働くと判断して採用を前向きに検討するでしょう。
志望動機を考えるのに悩んでいる方は、「外国人留学生のアルバイト!好印象な志望動機の伝え方」のコラムもチェックしてみてください。
日本の履歴書には多くのルールやマナーがあるため、慣れるまで大変なことがあるかもしれません。
ですが、履歴書は企業に自分をアピールするための大切な書類。
これを機に自己PRや志望動機の書き方をしっかりと確認して、アルバイトに挑戦してみましょう。