日本で勉学に励んでいる外国人留学生の中には、アルバイトをしたくても日本語での会話に自信がなく、なかなか応募できない…という方が多くいるのではないでしょうか?
当コラムでは、電話でアルバイトに応募するケースに着目。相手が見えない電話だからこそ、気をつけたいポイントを詳しくご説明します。
このコラムが、あなたの苦手意識を払拭することに繋がり充実した留学生活になると幸いです。
目次
アルバイトに電話応募する前に準備しよう
大切な電話をする際、会話の最中に慌てることがないよう、あらかじめ準備しておきたいことや物がいくつかあります。具体的に見ていきましょう。
メモとペンを用意
面接の日時や場所、そのときに持参するものなどを応募先から伝えられた際にしっかりとメモに残せるよう、紙と筆記用具を準備をしておきます。
メモ紙には先方から言われたことを記すだけではなく、前もってアルバイト採用担当者の氏名を書いておきましょう。電話口で担当者への取り次ぎをお願いする際、該当人物の氏名を伝えるほうが受電者にとって助かるうえ好印象だからです。
また、電話をしている最中は、緊張のため言葉が少なくなる懸念があります。電話を切った後に「これも聞けばよかった」「あれを聞き忘れた」ということがないよう、こちらが伝えるべきことや尋ねたいことをメモして手元においておきましょう。
電波が良く静かな場所へ移動する
電話をかける前に、周囲の状況を確かめてください。携帯電話の電波状況が悪い、人が多くいる、車の通りが多いといった場合は場所を移動しましょう。
電話での会話の最中に背後から音が聞こえると、自分も相手も言葉が聞き取りづらくなります。大切なことを聞き取れなかったり、何度も相手に尋ねたりするのを避けるためにも、静かな環境で電話をするのが大切です。
また、日本では公共の場で電話をするのはマナー違反とされています。電車やバスの車内、図書館、飲食店、病院といったところで電話をかけたり受けたりするのは止めましょう。
面接日程を確認できるものを用意
カレンダーや手帳、学校の時間割など、これからの予定が確認できる資料を準備し手元においておきます。
面接日の予定確認がすぐにできるうえ、リスケジュールに関しても会話がスムーズに進むでしょう。いつからアルバイトできるか、シフトに入れるのは週何日か、といった質問にも答えやすいです。
電話を掛ける時間に注意
アルバイト志望先へ電話をする際は、時間帯に気をつけましょう。
先方の忙しい時間に電話をしてしまうと、相手が落ち着いて話せないばかりかあなた自身の常識も疑われます。飲食店であればランチタイム後、土日よりも平日、といった具合に調節してください。
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電話応募の流れ
電話口では、自分や相手の表情、環境が見えないからこそ、不快感を与えないように気をつけなければなりません。前項の準備につづき、実際の会話例を見ていきましょう。
相手 :はい、○○レストランです。
あなた:お忙しいところ失礼します。わたくし△△と申します。□□求人サイトを拝見してお電話いたしました。恐縮ですが、アルバイトの採用担当の◇◇さまへお取り次ぎください。
相手 :お電話変わりました。◇◇です。
あなた:こんにちは。お忙しいところ失礼します。わたくし△△と申します。□□求人サイトを拝見してお電話いたしました。そちらのホールスタッフに応募したいのですが、まだアルバイトは募集されていますか?
相手 :はい、募集しております。
あなた:ありがとうございます。では、ぜひ応募したいので、面接をお願いできますでしょうか?
基本的には、上記のような会話が取り交わされるでしょう。
もし担当者が席を外している場合は、自席に戻る予定時間を尋ねて、後ほど電話をかけ直す旨を伝えて切りましょう。相手から「戻り次第、折り返し電話させましょうか?」と言われても、丁寧に断ってください。志望先に手間を取らせないことが、好印象に繋がります。
アルバイトを検討している外国人留学生は、「マナーに気をつけよう!外国人留学生のアルバイト」もチェックしてみてください。
電話マナー
日本語にまだ自信が持てない外国人留学生の方は、電話マナーを守ることに気をつけると良いでしょう。たとえ言葉が足らずとも、マナーに沿うことであなたに対する印象は良いものになります。
自分から名乗る
先方へ電話をかける際、まずは「お忙しいところ失礼します。わたくし△△と申します。」と、自分の名前を名乗りましょう。
面接は電話をかける時点から始まっている、と言っても過言ではありません。自分の姿が見えないからこそ、電話のやり取りで誠実さをアピールするのが大切です。
ゆっくり丁寧に聞き取りやすい声で話す
電話をするときは、ゆっくり丁寧に話す、ということを心がけましょう。
いざ電話をするとなると、外国人留学生の方に限らず多くの人は緊張するものです。先方もそれは分かっているでしょうから、少々言葉につまっても慌てたり落胆したりする必要はありません。
また、男性は声のトーンをほんの少し高め、女性は心持ち低めを意識すると聞き取りやすくなるでしょう。
多くの人は電話をかけるとき、よそ行きの高めの声を出しがちです。高めの声は、若々しさや明るさを感じさせるというメリットがある反面、高すぎると騒がしさや軽薄さを感じさせるデメリットもあります。
一方、声のトーンが低いと誠実さや真面目さをアピールできるでしょう。しかし、声がくぐもって聞こえづらくなる心配もありますので、やはり注意が必要です。
相手が切ってから電話を切る
電話を終える際は、相手が切ったのを確認してから自分も切りましょう。
もし、あなたが先に電話を切ると、相手は「自分との話を早く終わらせようとしているな」と誤解をする可能性があります。
電話を切るという数秒の行為が、あなたの印象を悪くすることがないように注意が必要です。
互いに切り終えるのを待つ状況になった場合は、「お先に電話を切らせていただきます」と一言断りを入れてから電話を切れば失礼にはなりません。どのような状況になっても、焦らずきちんと挨拶し、ゆっくりと進めるよう心がければ大丈夫です。
面接の都合が悪くなったら
何らかの事情で面接の都合がつかなくなった場合は、すぐに担当者へ連絡を入れましょう。
基本的には面接が最優先ということを念頭において、謙虚に事情を説明してください。
面接をドタキャンするのはマナー違反
面接の直前になって「都合が悪くなった」とキャンセルを申し出るのは、ビジネスマナーに違反しています。ましてや、連絡も入れずに面接へ出向かないのは、もってのほかです。
相手は自分の時間を割いて、あなたの面接予定を組み込んでいます。自分の都合で相手のスケジュールを台無しにすることがないようにしましょう。
当日遅刻しそうな場合はすぐに電話を入れ事情を説明する
交通渋滞や不測の出来事により、やむなく遅刻しそうな場合も早急に電話連絡をしてください。
その際、「大変申し訳ありませんが、〇〇といった理由で、面接時刻に間に合いそうにありません。勝手を申してすみませんが、面接時刻を遅らせていただけないでしょうか?」と、低姿勢でお願いしましょう。
場合によっては、到着次第や後日に面接を行ってくれるケースもあります。最後まで諦めないことが大切です。
面接後の辞退は電話で伝える
面接後に応募そのものを取り消したいときや、内定連絡をもらった後に辞退したい場合も、すぐに電話連絡をしてください。
理由はなんであれ、自分の意思で辞退するためきちんと電話口で謝りましょう。
やむを得ず辞退しなければならない場合は、「外国人留学生がアルバイトの面接を辞退する際のマナー」のコラムも参考にしてみてください。
日本は約束や時間を重んじる国です。面接に限らず、実際にアルバイトをするようになってからも、そのことを忘れずに過ごすと、周囲とのコミュニケーションも上手くいき、生き生きとした留学生活がおくれるでしょう。