職務経歴書は日本の転職活動において重要な書類です。このコラムでは、外国人に向けて職務経歴書の基本的な書き方や履歴書との違いを解説します。また、職務経歴書のテンプレートの種類もご紹介。自身のキャリアに合ったテンプレートを選びましょう。さらに、転職回数が多い場合の書き方もご紹介していますので参考にしてみてください。
目次
職務経歴書とは?
職務経歴書とは、これまでの仕事内容や経験を記載する書類のことです。職務経歴書は採用か不採用かを判断する1つの材料となるので、転職活動にはかなり重要な書類といえます。
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職務経歴書と履歴書は何が違うの?
職務経歴書と履歴書は一見似ているようですが、それぞれ役割や使い道が違います。日本の転職活動では、職務経歴書と履歴書を応募先企業に提出するのが一般的です。この項目では、職務経歴書と履歴書において採用担当者が確認するポイントについてご紹介します。
履歴書
履歴書は名前や住所、学歴、資格といった基本情報を記入する書類です。採用担当者は履歴書を通じて、学歴や職務経歴、通勤時間などを確認します。
職務経歴書
職務経歴書を通じて採用担当者がチェックするポイントは、自社が求める人材か、仕事に対する意欲があるかなどです。応募者の基本情報を確認する履歴書に対し、職務経歴書は応募者の業務実績や業務内容を確認します。
職務経歴書の書き方に悩んでいる方は、「日本の職務経歴書の書き方とは?外国人に向けて解説」を参考にしてみましょう。
職務経歴書の基本的な書き方を項目別に解説
ここでは、外国人に向けて職務経歴書の書き方をご紹介します。氏名や職務経歴、自己アピールなど、項目別に書き方を解説していますので、参考にしてみてください。
氏名・日付
氏名と日付は、書類の最上部に右に寄せて記入します。日付の真下に氏名を記入しましょう。氏名は、日本語表記ではなく英語表記で構いません。また、日付は書類を提出する日を記入しましょう。
職務要約
職務要約とは、これまでのキャリアを簡潔にまとめた文章のことです。項目が書類の上部にあることから、採用担当者が最初に目を通す箇所といえます。そのため、職務要約は重要な項目といえるでしょう。職務要約の項目では、これまでに経験した業務内容を3~4行で簡潔にまとめることがポイントです。
職務経歴
職務経歴の項目では、これまでのキャリアを会社ごとに詳しく記入します。職務経歴書の書式に決まりはありません。ですので、古い職務経歴から書いたり、アピールしたい項目から書くなど工夫してみましょう。下記のように詳しく記入します。
在籍期間
会社に在籍していた期間を記入します。下記のように西暦と月単位で記入しましょう。
例:20××年×月~20××年×月
会社名
会社の名称を記入します。英語表記でも構いません。
従業員数
企業の規模を示すために従業員数を記入します。
雇用形態
正社員・アルバイト・パートなどの雇用形態を記入します。
事業内容
企業が行っているサービスや商品名を簡潔に記入します。
例:化粧品の輸入・販売
役職・所属部署
企業で配属されていた部署や役職を記入します。
例:第一営業部 1課所属
昇進歴がある場合は役職の後ろに「昇進」と記入します。
例:第一営業部 1課部長昇進
業務内容
どのような業務をしていたか簡潔に記入します。
例:医療メーカーの商品開発
実績
実績を記入するときは、人数や達成率などの具体的な数字を添えると良いでしょう。
例:飲食店の店長として10人のマネジメントをし、売上では目標を上回る150%の達成率を記録
資格・スキル・免許
この項目では、取得している資格や、スキルを記入します。ポイントは、応募する会社で自分のスキルをどのように活かしたいかを具体的に記入することです。書けるような資格やスキルがない方は、前職の仕事仲間や第三者に自身の評価を尋ねてみることをおすすめします。
自己PR
自己PRの項目は、入社意欲や会社に貢献したい気持ちを記入します。応募する企業がどのような人材を求めているか、自身と照らし合わせながら書くのがポイントです。また、どのようなことが書いてあるのか一目見て分かるように、タイトルを「協調性」「PCスキル」などと箇条書きにすることをおすすめします。
例:協調性
私は、どの職場においてもチームワークを大切にしながら業務に取り組んでまいりました。スタッフ同士でコミュニケーションを取り、困っているスタッフがいたらサポートするようにしています。このように、貴社でも協調性を活かして貢献してまいります。
自己PRの書き方については、「転職活動における自己PRの書き方とは?外国人に向けて例文を紹介」でも詳しくまとめています。転職を考えている外国人の方は、書き方のポイントや例文などを参考にしてみてください。
志望動機
志望動機の項目では、なぜこの会社を志望したかを記入します。ほかの人と被らないように、独自の志望理由を伝えましょう。書き方のポイントは、会社の魅力と転職理由を組み合わせることです。また、応募する会社で活かせるスキルや経験を記入するとなお良いでしょう。
転職した回数が多い場合の書き方とは?
転職回数が多くても書き方のポイントを抑えていれば、魅力的な職務経歴書を作成可能です。この項目では、転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方を解説します。
業務内容別にまとめて書く
転職回数が多い場合は、販売業や営業職など職種別にまとめて記入します。そうすることにより、転職の多さを感じにくくさせ、読みやすい職務経歴書となるでしょう。職務経歴書は、年次順に記入する必要はありません。
過去の職場での実績を明確に書く
過去の職場での売上実績や頑張ったことを、数字や工夫を添えて明確に記入します。転職回数よりも過去の職場での実績や経験などを重視する企業もあるようです。
転職によって身についたスキルや経験を書く
転職で身についたスキルや経験を書くことで、転職回数が多いというマイナスイメージは感じさせにくくなるでしょう。たとえば、「さまざまな職場での接客経験を通して、どんな顧客にも臨機応変に対応ができるようになった」と書くと、マイナスイメージを感じさせないどころか、「経験豊富」というプラスの印象を与えることができます。
会社に貢献したい意欲をアピールする
会社にどのように貢献したいか明確に記入します。応募する企業で活かせるスキルや経験があれば、「貢献したい」という気持ちと結び付けてアピールしましょう。
「転職に必要な職務経歴書の書き方とは?外国人に向けて分かりやすく解説!」でも、転職回数が多い場合の書き方をご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
自分のキャリアに合ったテンプレートを参考にしよう
職務経歴書には編年体式や逆編年体式、キャリア形式があります。テンプレートは、転職サイトからダウンロードするのが一般的です。自身のキャリアに合ったテンプレートを選びましょう。
編年体式
編年体式は、古い職務経歴から記入していく形式です。一般的な形式なので、転職が初めての方や同一業務の熟練度をアピールしたい方には、おすすめの書き方といえます。
逆編年体式
逆編年体式は、新しい職務経歴から記入していく形式です。日本の外資系企業に応募する際は、逆編年体式で書きましょう。また、前職に重点を置いてアピールしたい方は、逆編年体式がおすすめです。
キャリア式
キャリア式は、職務経歴を業界や職種別にまとめて記入していく形式です。転職回数が多い方や専門的なスキルをアピールしたい方には、キャリア式をおすすめします。
まとめ
転職活動において、職務経歴書は自分をアピールするための大切な書類です。応募する企業が何を求めているか考え、自身のスキルや経験と照らし合わせながら記入しましょう。また、転職回数が多い場合でも、書き方を工夫することで見やすい職務経歴書ができます。自分のキャリアに合ったテンプレートを参考にして職務経歴書を作成しましょう。