和食とは何か?定義や食事のマナーを簡単に分かりやすく解説!

WeXpats
2023/03/24

日本独特の食文化である「和食」とは何か、知りたい方もいるでしょう。和食とは、日本人が昔から食べている伝統的な料理です。日本食は和食と混同されがちですが、伝統の有無に関わらず日本で食べられている料理全般を指すため、カレーライスやオムライス、ラーメンなども含まれます。このコラムでは、和食とは何かを分かりやすく簡単に紹介。和食や日本食を食べる際の食事のマナーもまとめています。

目次

  1. 和食とは?
  2. 和食はユネスコ無形文化遺産
  3. 外国人におすすめの日本食5選
  4. 日本で食事をするときのマナーは?
  5. まとめ

和食とは?

和食とは?の画像

和食とは、旬の野菜や魚などの材料を使って調理されたおかずと白米、汁物、漬け物を組み合わせた食事のことです。なかには、海外の料理を日本人好みにアレンジし、和食として親しまれているものもあります。なお、和食の基本形や特徴はあるものの、明確な定義はありません。以下で、詳しく解説します。

和食の基本は一汁三菜

和食の基本は一汁三菜の画像

和食の基本は一汁三菜(いちじゅうさんさい)です。日本では、栄養バランスの良い食事ができるよう、一汁三菜を用意する文化があります。一汁は味噌汁や澄まし汁などの汁物を指し、三菜はおかずのことです。また、魚や肉を使った大きなおかずを「主菜」、おひたしや和え物など小さなおかずは「副菜」といいます。なお、漬け物は副菜として数えません。漬け物以外のおかずを3種類以上揃えます。日本人の主食である白米に、一汁三菜を組み合わせれば基本の和食が完成です。また、そばや寿司など、一汁三菜の基本とは見た目が異なるものの和食に分類される料理もあります。

美味しさの秘密は出汁

美味しさの秘密は出汁の画像

和食の美味しさの秘密は出汁(だし)です。出汁とは、和食の味付けのベースとなる汁のことで、海産物やきのこなどを煮出して作ります。出汁によって料理に旨味が加わるので、和食ではあまり多くの調味料を使いません。そのため、海外の料理と比べると比較的薄い味付けの料理が多いのも、和食の特徴です。主な出汁の種類と特徴を以下に紹介します。

  • 煮干し…小魚を煮て乾燥させたもので味噌汁に使う

  • カツオ節…カツオを燻製にして乾燥させたもので、煮物や汁物に使う

  • 昆布…海藻のことで、茶碗蒸しや寄せ鍋に使う。

  • しいたけ…きのこの一種で茶碗蒸しや炒め物に使う。

カツオ節や煮干しの出汁は、「イノシン酸」という動物由来の旨味成分が豊富です。また、昆布の出汁には、「グルタミン酸」という植物由来の旨味成分や食物繊維、ミネラル、カルシウムが多く含まれています。和食は味が比較的薄くても美味しさを感じられる健康志向の料理です。近年ではその魅力が海外にも広まりつつあり、日本以外の国にも和食の料理店があります。

季節ごとに旬の食材が使われている

季節ごとに旬の食材が使われているの画像

季節ごとに旬の食材が使われているのが和食の特徴です。日本には四季があり、春夏秋冬が明確に移り変わります。旬の野菜や魚は味が美味しく栄養も豊富なので、和食では必要不可欠な食材なのです。春はタケノコやキャベツ、夏はキュウリやトマト、秋はサンマや栗、冬は大根やブリなどがあります。

海外の料理を変化させた和食もある

海外の料理を変化させた和食もあるの画像

和食には、海外から伝わった料理を日本人の口に合うように変化させた料理もあります。たとえば、カレーライスやコロッケ、スパゲティはもともと日本に存在しない料理でした。和食の定番である「肉じゃが」や「すき焼き」も日本発祥ではなく、海外の料理を変化させた料理といわれています。

このように、料理の種類の幅が広がっているのも、和食の特徴の一つです。

和食の特徴については、「日本の和食の特徴を外国人に向けて解説!各地方のおすすめ料理も紹介!」でも解説しているので、あわせてご覧ください。

和食はユネスコ無形文化遺産

和食はユネスコ無形文化遺産の画像

和食はユネスコ無形文化遺産に登録されている食文化です。土地の歴史や生活風習などと密接に関わっている芸能や伝統工芸技術などの形のない文化が、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

以下に、農林水産省が公表している和食の特徴を紹介します。

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

  • 健康的な食生活を支える栄養バランス

  • 自然の美しさや季節の移ろいの表現

  • 正月などの年中行事との密接な関わり

以上の項目を中心にユネスコへ申請が行われ、2013年12月に「和食:日本人の伝統的な食文化」として無形文化遺産に登録されたのです。日本のほか、フランスやメキシコ、地中海料理なども食に関する無形文化遺産に登録されています。

参照元
農林水産省「「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されています

外国人におすすめの日本食5選

外国人におすすめの日本食5選の画像

和食・日本食といえば、寿司や天ぷらを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、それ以外にも美味しい料理が数多くあります。ここでは、和食・日本食でおすすめの料理を5つ紹介するのでぜひ食べてみてください。

1.ラーメン

1.ラーメンの画像

ラーメンは日本人はもちろん、近年は外国人にも人気の高い日本食の一つです。しょうゆ・味噌・塩・とんこつなど、さまざまな味のラーメンがあります。また、ベースが同じでも、店舗ごとに異なる盛り付けや味付けなどを楽しめるのがラーメンの魅力です。

多くのラーメン店では、「味濃いめ・薄め」「油多め・少なめ」「麺硬め・柔らかめ」のように、自分好みの注文ができます。日本各地に数多くのラーメン店があるので、地域や店舗ごとの味の違いを楽しむのもおすすめです。

2.焼肉

2.焼肉の画像

焼肉は肉料理が好きな人におすすめです。特に、神戸牛や松坂牛などブランド肉の、「さし」と呼ばれる部分には甘さがあり人気があります。薄くスライスされた肉を鉄板や網に乗せて自分で焼き、タレや塩などに付けて食べるのが日本の焼肉のスタイルです。値段が高い高級焼肉店だけでなく、比較的安価な焼肉チェーン店もあります。

3.刺身・魚料理

3.刺身・魚料理の画像

日本には古くから魚を生で食べる文化があるため、多種多様な新鮮な魚を刺身や魚料理で楽しめます。鮮度が良いためか、魚の生食になじみがない文化圏の人も、日本の寿司や刺身は美味しく食べられるという場合があるようです。また、日本には刺身や寿司以外にも魚を使った料理が数多くあります。煮魚や焼き魚、魚の炊き込みご飯といった料理も、和食や日本食が好きな人にはおすすめです。

4.お好み焼き

4.お好み焼きの画像

お好み焼きとは、小麦粉と玉子を混ぜたものにキャベツや肉、エビなどの具材を入れて鉄板で焼く料理です。焼き上がったあとにソースやカツオ節をかけて食べます。見た目はパンケーキのような形ですが、甘くありません。おかずとして白米と一緒にお好み焼きを食べたり主食としてお好み焼きだけを食べたりします。また、お好み焼きに使う食材はスーパーマーケットで購入できるので、ホットプレートを使い自宅で楽しむことも可能です。

5.カレーライス

5.カレーライスの画像

カレーライスは、日本人にとって馴染み深い煮込み料理の一つです。日本の一般的なカレーライスには、ジャガイモ・ニンジン・玉ねぎなどの野菜と、牛肉や豚肉などの肉を使って複数のスパイスを入れて煮込みます。ひき肉を使ったキーマカレー、魚介類を使ったシーフードカレー、肉を使わない野菜カレーも人気です。また、近年はインドやペルーなど本格的なカレーを、ナンと一緒に食べられるお店も増えています。お店でカレーを注文するときは辛さの度合を選べる場合が多いので、辛い食べ物が苦手な方は控え目にすると美味しく食べられるでしょう。

日本の伝統料理を知りたい方は、「日本の伝統料理について外国人向けに詳しく解説!美味しい食べ方も紹介」のコラムで紹介しているので、あわせてご参照ください。

日本で食事をするときのマナーは?

日本で食事をするときのマナーは?の画像

日本で食事をする際は、食前・食後のあいさつや箸の使い方など、マナーに注意する必要があります。あいさつや箸の使い方を守れていないからといって、怒り出す人はあまりいませんが、気持ちよく食事をとるためにマナーを知ることは大切です。以下で詳しく解説するので、参考にしながら食事をしてみましょう。

食前と食後にあいさつをする

食前と食後にあいさつをするの画像

日本では、食事をする前に「いただきます」、食べ終わったときは「ごちそうさまでした」と言います。これらは、食事を作ってくれた人や農家の人に感謝の気持ちを表す言葉です。また、野菜や肉、魚などの命に対して、感謝の気持ちを伝えるといった意味もあります。海外でも食事の前後にあいさつをする国は数多くありますが、「いただきます」「ごちそうさま」の考え方は日本独自の感性といえるでしょう。

お皿を手で持つ

お皿を手で持つの画像

日本ではテーブルにお茶碗やお皿を置いたまま食べることが、マナーの悪い行為とされています。白米の入った茶碗や味噌汁が入ったお椀を、箸を持っていないほうの手で持って食べるのがマナーです。また、小さな丼やお重、小鉢、小皿なども片手で持って食べます。なお、海外では「お皿を手で持って食事をしてはいけない」とする国や地域もあるようです。

うどんやラーメンなどが入った大きな丼や大皿などは、重いので無理に持ち上げる必要はありません。お皿を持てないときは、片手を器に添えて食べるのがマナーです。

箸を正しく使う

箸を正しく使うの画像

日本の食事のマナーのなかで、正しく箸を使うことはとても重要です。箸のマナーは、基本的なものから細かなものまで数多くあります。日本で食事をする際に、特に覚えておくべきものは以下のマナーです。

  • 合わせ箸…相手の箸と自分の箸で1つの食べ物を掴むこと。1つの食べ物は1人しか掴んではいけない

  • 寄せ箸…箸で食器を引き寄せること。引き寄せるときは手を使わなくてはいけない

  • 指し箸…箸で食べ物を刺すこと。刺さずに箸で挟まなくてはいけない

なお、箸の好ましくない使い方を「嫌い箸」や「禁じ箸」といいます。箸のマナーは見た目の悪さ、または縁起が悪いなどの理由で古くから日本人に言い伝えられているのです。

完食する

完食するの画像

外国には、わざと食事を残すことがマナーという国もあります。しかし、日本では、食材や料理を作ってくれた人に感謝の気持ちを表すために、完食するのがマナーです。

もし、食べられない食材やアレルギーがあれば、料理を作ってくれる人に先に伝えておきましょう。その食材を抜いた料理を提供してくれる場合もあります。また、量や好き嫌いの問題で、どうしても完食できなかった場合は、作ってくれた人に謝罪と感謝の気持ちを伝えましょう。

日本の食事マナーについてさらに詳しく知りたい方は、「日本料理の配膳マナーを外国人に解説!食器の並べ方やお箸の作法もご紹介」のコラムも参考にしてください。

まとめ

まとめの画像

和食とは、栄養バランスや味、見栄えのすべてに優れた日本の誇る食文化です。日本の食事にはいくつかのマナーがあります。しかし、マナーを覚えきれていなくても、和食を楽しく味わう気持ちがあれば十分です。気になる料理があったときは、食事のマナーを気にし過ぎず、味わうことを重視しましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

Special Features 特集

Top Articles 人気記事

Our Social Media ソーシャルメディア

日本の最新情報を9言語で定期更新しています。

  • English
  • 한국어
  • Tiếng Việt
  • မြန်မာဘာသာစကား
  • Bahasa Indonesia
  • 中文 (繁體)
  • Español
  • Português
  • ภาษาไทย
TOP/ 日本文化を知る/ 伝統文化/ 和食とは何か?定義や食事のマナーを簡単に分かりやすく解説!

当社のウェブサイトは、利便性及び品質の維持・向上を目的に、Cookieを使用しております。Cookieの使用に同意頂ける場合は、「同意する」ボタンを押して下さい。
なお、当社のCookie使用について詳しくはこちらをご参照下さい。

Cookie利用ポリシー