日本のミレニアル世代はアメリカと違う?外国人向けに特徴を解説!

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2023/02/08

ミレニアル世代はアメリカ発祥の言葉で、日本ではゆとり世代やプレッシャー世代と呼ばれる人々が該当します。生まれたときからインターネットが普及していたため、デジタルネイティブと呼ばれる一方で、バブル経済の崩壊によって困難な時代を生きてきた側面もある世代です。このコラムでは、日本を将来を担うミレニアル世代について、背景や特徴を外国人向けにわかりやすく解説します。

目次

  1. 日本のミレニアル世代とは
  2. 日本のミレニアル世代の6つの特徴
  3. アメリカのミレニアル世代との違い
  4. まとめ

日本のミレニアル世代とは

日本のミレニアル世代とはの画像

日本におけるミレニアル世代とは、1980年ごろから2000年前後までに生まれた人々を指します。ミレニアル世代はアメリカ発祥の言葉なので、日本ではゆとり世代やプレッシャー世代と呼ばれることが多いです。日本のミレニアル世代は世代論では語れないほど価値観が多様化し、デジタルネイティブな側面を持ち合わせています。

困難な時代に生まれた「デジタルネイティブ」

日本のミレニアル世代は、バブル経済が崩壊して景気が悪化した時代を見て育ってきました。日本全体が不景気な様子を見てきたことで未来に期待や希望を持てない一方、就職氷河期が去ってから成人したため大きな挫折経験を経ていません。そのため、努力して物事を成し遂げるというよりは「ほどほどに頑張ればいい」という考えが強く、現状維持を好む世代といえるでしょう。

また、日本でインターネットが普及したころに生まれているため、ミレニアル世代はITリテラシーが高くデジタルネイティブな世代とも評されます。生まれたときにはインターネットが普及しており、上の世代と比べてパソコンやスマートフォンに慣れ親しんでいるといえるでしょう。

それまでは分からないことは人に聞くのが一般的でしたが、ミレニアル世代はインターネットで調べることが多く、知りたい内容ごとに検索エンジンやSNSを使いこなしています。SNSを通じて情報収集を行うことはもちろん、自ら発信する人が多いのもミレニアル世代の特徴です。インターネット越しに友人関係を築いたり、リアルタイムに自分の体験を共有したりとSNSを使いこなすミレニアル世代からは、デジタルネイティブな側面がうかがえます。

価値観の多様化が進んだ世代

日本のミレニアル世代は、それぞれが異なる価値観を持つことに寛容になり、多様化が進んだ世代だといえるでしょう。ミレニアル世代よりも上の世代において、他人と違うことは恥ずかしい、おかしいことだと捉えられてきました。しかし、ミレニアル世代はインターネットを通じてさまざまな人と関わりを持ったことで、一人ひとり異なる個性を持つことを当然のこととして受け入れたのです。また、価値観の多様化が進んだことで「普通・一般的」なものを好まない人も多く、個性を重視する人が増えたのもミレニアル世代の特徴といえます。

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日本のミレニアル世代の6つの特徴

日本のミレニアル世代の6つの特徴の画像

ここでは日本のミレニアル世代が持つ6つの特徴をご紹介します。日本のミレニアル世代は、ひとくくりに語るのが難しい多様性に富んだ世代ですが、世代全体に共通する特徴や傾向も少なくありません。代表的な特徴をまとめているので、日本のミレニアル世代を知るための参考にしてください。

1.同世代でも考え方や行動原理が異なる

日本のミレニアル世代は多様化が進んでいるため、同世代でも無気力で諦めやすいグループや積極的で情報収集のアンテナが高いグループなどに分かれており、価値観や行動原理が異なります。特に生まれた時代が不景気だったせいか、無気力で諦めやすいミレニアル世代は多いと言われています。

一方で、物事に積極的で情報収集が得意なグループは、ボランティア活動や社会貢献への意識が高い傾向にあります。日本のミレニアル世代は幼少期から20代にかけて「地下鉄サリン事件」や「アメリカ同時多発テロ」、「阪神淡路大震災・東日本大震災」といったショッキングな出来事を目にしてきました。そのため、社会問題に敏感でボランティア意欲が高い人々も一定数います。

代表的なグループは無気力と積極的の2つですが、ほかのグループもたくさん存在するため、一概にミレニアム世代の特徴や傾向を決めるのは難しいでしょう。

2.恋愛や結婚への関心が低い

日本のミレニアル世代は恋愛や結婚への関心が低く、1人でいることを好む傾向にあります。また、個人主義で結婚や恋愛に重要性を感じないという人も多いようです。昔と比べると、独身でいることに対して社会的な抵抗は薄くなっていることもあり、自分の給料は自分で使って生活のQOLを高めたいと考えるミレニアル世代は少なくありません。

また、収入に不安があって結婚は難しいと考えるミレニアル世代も。結婚の難しさや個人主義の高まりによって、日本では晩婚化が進んでいます。

3.テクノロジーと生活の結びつきが強い

先述したように日本のミレニアル世代はデジタルネイティブで、ほかの世代と比べてインターネットと日々の生活の結びつきが強い傾向にあります。パソコンやスマートフォンが日々の生活に浸透しているため、インターネットを通じてコミュニケーションをとるだけでなく、ネットショップで買い物を済ませる人も多いです。生活必需品や食品、洋服などさまざまな物が自宅から出なくても買えるため、デジタルネイティブであるミレニアル世代のネットショップ利用率は高くなっています。ネットショップの場合は実際に品物を確かめることはできませんが、店頭に比べてたくさんの商品と比較できるため、効率的に買い物を済ませたいミレニアル世代に人気のようです。

4.物より体験にお金を使う

上の世代が車や家を購入する「物」への消費が多い一方で、日本のミレニアル世代は「体験」にお金を使う傾向にあります。日本の経済状況が悪化したことで収入が減り、物への出費が難しくなったともいわれていますが、体験への消費が高まっているのはSNSが普及したことも原因でしょう。

昨今は「インスタ映え」という言葉ができるほど、SNSで注目を集めてフォロワー数を獲得することが重視されています。ミレニアル世代にとってフォロワーはお金より価値が高く、信用の数値として重視されているのです。そのため、フォロワー獲得に繋がりやすい体験への消費が多くなっています。

5.コミュニティ意識が強い

日本のミレニアル世代は同じ趣味や価値観を持つ仲間を大切にする、コミュニティ意識が高いといえます。ミレニアル世代の指す仲間とは身の回りの知人や友人だけでなく、SNS上で知り合った人々も含まれており、直接会ったことがなくても仲間意識を持つようです。

SNSを活用してコミュニティを築くのは、デジタルネイティブであるミレニアル世代の特徴といえるでしょう。

6.ミニマリズムの傾向がある

日本のミレニアル世代は、物に関しては最低限のものしか持たないミニマリズムの傾向が強く、自家用車やマイホームに対するこだわりは強くありません。その理由として、ミレニアル世代にとって車や家の重要度が低く、物や場所を共有するシェアリングエコノミーが普及していることが考えられます。日本のミレニアル世代にとって利用頻度が低いものは、借りたりシェアしたりするのが一般的なようです。

物よりも体験を重要視するミレニアル世代は、買い物をするときはコストパフォーマンスや品質の良さを基準にします。また、個性を大切にする世代でもあるため、有名なブランド品よりも個性的なアイテムを欲しがることが多いようです。

アメリカのミレニアル世代との違い

アメリカのミレニアル世代との違いの画像

同じ世代でも、過ごしてきた国が違えば価値観や物事の捉え方は変わるものです。ここではミレニアル世代という言葉の発祥であるアメリカと日本を比較して、どのような違いがあるのかを見ていきます。主に仕事に対しての相違点をまとめているので、日本のミレニアル世代について深く知るために、チェックしてみてください。

日本のミレニアル世代は消極的

仕事の将来性において、アメリカのミレニアル世代は前向きな一方で、日本は消極的な傾向にあります。アメリカでは「もしクビになっても、すぐに同レベル以上の仕事を見つけられる」と考えるミレニアル世代が多い反面、日本では「クビになったら仕事を見つけるのは難しい」という人が多いようです。その背景としては、日本の経済情勢の不安定さが考えられます。バブル経済が崩壊してから不景気が続いているため、日本のミレニアル世代は経済回復は難しいと考えており、クビを恐れて公務員を志望する人が多いようです。また、就労自体に悲観的で働きたくないと考えるミレニアル世代もいます。

一方で、アメリカのミレニアル世代は起業して多額の資産を得るケースも多く、学生のうちから準備を進める人も少なくありません。アメリカと日本のミレニアル世代で、仕事の将来性に対する考え方の違いが見えてくるでしょう。

日本は個人主義でアメリカは全体主義

仕事面で日本のミレニアル世代は個人主義が強いですが、アメリカではチームワークを意識した全体主義を意識する人が多いです。日本では転職やフリーランスへの転身が増えてきたため、個人のスキルを高めることが重視されており、チームワークの大切さは理解しているものの二の次にされています。

アメリカのミレニアル世代も個人のスキルは重要としながらも、日本と比べてチームワークは欠かせないと考える人が多いようです。効率的に良い成果を出すためにチームワークを大切にしており、日本が職場に安定性や収入の高さを求めるように、アメリカでは職場に優秀な人材がいることが条件として挙げられています。

日本は企業への帰属意識が低い

日本のミレニアル世代は、1つの企業にとどまらず転職を重ねたりフリーランスになったりするケースが多いようです。日本のミレニアル世代は、昇進や出世に対する関心が低く、仕事は自分のキャリアアップやスキル磨きのために行っているという人も少なくありません。1つの企業にこだわらず、成長のために転職する人が日本のミレニアル世代には多いほか、生活を安定させるために副業を行って収入源を増やす人もいます。

対してアメリカのミレニアル世代は、個人で働くよりもメリットが多いため、企業に長くとどまって働くことが主流です。福利厚生が充実しているうえ、柔軟なワークスタイルが選べる会社が多いため、起業する気がない限りは同じ会社に勤め続けるのでしょう。

まとめ

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日本のミレニアル世代は困難な時代に生まれ育ったデジタルネイティブな世代です。インターネットやSNSを活用し、多様化が進んでいるこの世代は、新たな社会の担い手として注目されています。これまでと異なる価値観や、働き方を取り入れた日本のミレニアル世代について更に知りたい方は、インターネットを利用して調べてみてください。

また、これからの日本の将来を担う層としてZ世代という言葉も注目を集めています。「日本の将来を担うZ世代!特徴・傾向を外国人向けに解説」では、生まれたときからインターネットが発達した社会に生きるZ世代の特徴や、ミレニアル世代との違いを解説。日本の若年層であるZ世代に興味がある外国人は、ぜひチェックしてください。

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