給与明細(payslip)を英語にすると?正しく内容を読み取ろう

WeXpats
2024/05/10

日本の給与明細は使われている漢字や表現が難しく、初めて給料を受け取る際に戸惑う方が多くいます。正しい読み方が分からなければ、実際に手にする金額が分かりません。また、企業側の間違いに気付けない可能性もあります。
この記事では給与明細の英語訳を解説します。「支給欄」「控除欄」「勤怠欄」の各項目に何が書かれているかも紹介しているので、参考にして内容を理解しましょう。

目次

  1. 日本の給与明細の見方は難しい
  2. 給与明細を英語にすると?
  3. 給与明細の各項目について解説
  4. 給与明細の内容を理解できないと生じるデメリット
  5. まとめ
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日本の給与明細の見方は難しい

日本の給与明細の見方は難しいの画像

日本で初めて働いて給料を受け取った方が戸惑うのが、給料明細の見方です。使われている言葉が難しいうえ、控除の仕組みがよく分からないという人も少なくありません。日本では、企業が従業員の給料から社会保険料や税金などを天引き(控除)し、本人の代わりに国や地方自治体に納めるのが一般的です。

給料に関することはデリケートな問題なので、上司や同僚に質問しづらいでしょう。しかし、分からないままにしておくと損をしてしまう可能性があるので、見方を正しく理解することが大切です。

給与明細を英語にすると?

給与明細を英語にすると?の画像

ここでは、日本の給料明細の各項目の英語表現を紹介します。各項目の詳しい解説は後述するので、まずは何と書いてあるか理解しましょう。なお、給料明細は各企業によって異なるので、参考としてご覧ください。

【支給欄】

日本語

英語

基本給

Basic salary

時間外手当

Overtime charge

役職手当

Position allowance

休日出勤手当

Holiday allowance

通勤費

Commutation allowance

総支給額

Gross pay


【控除欄】

日本語

英語

健康保険料

Health Insurance

厚生年金保険料

Pension Insurance

介護保険料

Care Insurance

雇用保険料

Labor Insurance

所得税

Income tax

住民税

Inhabitant tax

控除合計

Total deductions


【勤怠欄】

日本語

英語

所定労働日数

Prescribed working days

出勤日数

Working days

欠勤日数

Leave deduction

遅刻回数

Late

早退回数

Early

有給日数

Paid leave

残業時間

Overtime


支給額から控除を引いた金額が、銀行口座に給料として振り込まれます。

給与明細の各項目について解説

給与明細の各項目について解説の画像

ここでは、「勤怠欄」「支給欄」「控除欄」に分けて、各項目の意味を解説します。

勤怠欄

勤怠欄は、働いた日数や休んだ日数などに関する項目です。パートやアルバイトで働く場合、この項目に間違いがあると収入に直接影響が出るため、念入りにチェックしましょう。

所定労働日数

所定労働日数(Prescribed working days)は、会社が定めた働く日数を指します。週休2日制の契約であれば月20~22日前後になるのが一般的です。

出勤日数

出勤日数(Working days)はその月に働いた日数です。1日も休まず働いた場合は、就業日数と出勤日数が等しくなります。

欠勤日数

欠勤日数(Leave deduction)は給料明細の該当の月に仕事を休んだ回数です。1日も休んでいないのに計上されていたら間違いの可能性があります。すぐに担当者に問い合わせましょう。

遅刻回数

遅刻回数(Late)の欄には、時間通りに出勤できず遅れて仕事を始めた回数が記されています。月給制の場合、相応しい金額が引かれるのが一般的です。時給制だと働いた分だけ給料が支払われるため、遅刻および早退の欄がない場合もあります。

早退回数

早退回数(Early)は、体調不良や私用によって本来退勤する時間より早く業務を終了した回数を指します。会社によって対応は異なりますが、半日働いているのなら残りを半休扱いにできる場合も。その際は有給を使用することになるので、早退扱いにはなりません。

有給日数

有給日数は(Paid Leave)の欄には、有給を取得した日数および残りの有給日数に欄が分かれているのが一般的です。6ヶ月以上勤務し、所定日数の80%以上働く労働者は必ず有給を受け取れます。受け取れる日数は勤務年数によって異なり、最大で1年に20日間です。なお、たとえ予定がなかったとしても、1年に5日は有給を使用する必要があります。

残業時間

残業時間(Overtime)には、決められた労働時間を超えて働いた時間が記されています。残業時間数によって手当の金額が変わるので、間違いがないかタイムカードと見比べて確認しましょう。

なお、フレックスタイム制や固定残業制を取っているなど、時間どおりの残業代が出ない企業もあるため、入社時に雇用契約書をよく確認しておくのをおすすめします。

支給欄

支給欄に書かれるのは、働いた分の賃金である基本給および各種手当です。支給欄の合計金額を額面給与といいます。額面給与から控除金額を引いた金額が、実際に労働者が受け取る手取り給与です。

基本給

基本給(Basic salary)は、働いた分の給料です。決められた日数を滞りなく出勤し業務を行えば、必ず受け取れる賃金といえるでしょう。なお、求人票によく記載されている「月給」は基本給とは異なります。月給は、基本給に毎月決まって支払われる固定の手当を足した金額です。

時間外手当

時間外手当(Overtime charge)は、残業や早出出勤をしたことで得られる手当が記載されています。時間外で働いたのにも関わらず手当が入っていない場合は、すぐに担当者に問い合わせましょう。

役職手当

役職手当(Position allowance)は、係長や課長、部長などの役職者に支払われる手当です。役職に就くと仕事の範囲が広がり、責任も重くなるため、対価として手当が支払われます。なお、役職手当の金額は企業によって大きく違いがあり、法律上の決まりはありません。

休日出勤手当

休日出勤手当(Holiday allowance)は、本来休みである日に出勤した場合の手当です。なお、休日出勤手当には2つの種類があります。1つ目は「法定休日」に出勤した場合です。法定休日は法律で定められた休日で、週に1回必ずあります。企業は、法定休日に出勤した従業員へは休日割増賃金を支払わなくてはなりません。割増賃金は通常の賃金の1.35倍と定められています。

2つ目は「法定外休日」という企業が独自に設定した休日に仕事をする場合です。法定外休日に仕事をした際は、法定労働時間である週に40時間以上働いている場合のみ、通常の賃金の1.25倍の割増賃金が支払われます。法定労働時間を超えていない場合は通常の残業代のみです。

通勤費

通勤手当とは、自宅から会社まで通勤するのに掛かる交通費のことです。交通費は各企業の規定に沿って支払われます。全額支払われる企業もあれば、金額に上限がある場合も。電車やバスの運賃のほか、車通勤の従業員には運転距離に応じたガソリン代が支払われます。

控除欄

控除欄に書かれているのは、支給額から引かれる健康保険料や税金などの金額です。

健康保険料

健康保険料(Health Insurance)は、医療費の負担が一部免除になる社会保障制度の一種です。労働者は会社を通して健康保険料を納めると、医療費の自己負担が原則3割になります。なお、「労働時間が正社員の4分の3未満」「年収が106万円以下」など、社会保険の加入条件を満たしていない人は給料からの控除はありません。代わりに家族の扶養、もしくは国民健康保険への加入が必要です。パートやアルバイトで少ない時間だけ働く労働者が当てはまります。

国民健康保険は、自分で各自治体や国民健康保険組合に納める必要があります。

厚生年金保険料

厚生年金保険料(Pension Insurance)は老後に支給される公的資金で、企業で働いている会社員や公務員が給料から天引きで支払います。

年金制度は国籍を限定しておらず、日本に住む人全員に支払い義務があるので注意が必要です。年金制度は自分が払った年金が受け取れる制度ではありません。働ける人が払った年金を、今の高齢者に給付する制度です。

介護保険料

介護保険料(Care Insurance)は、将来介護サービスを受ける際の自己負担を減らすために納めます。なお、加入義務があるのは40歳なので、39歳以下の労働者の給料明細では空欄もしくは枠自体がありません。

雇用保険料

雇用保険(Labor Insurance)は、失業したときに給付や教育訓練を受けるために納めます。「1週間の労働時間が20時間以下」「昼間部の学生」などに当てはまる場合は、納付義務がありません。

所得税

所得税(Income tax)はその年の1~12月までの所得から計算します。所得税は累進課税といって、収入が高い人ほど多く納める仕組みです。社会資本や公共サービスの維持のためだけでなく、貧富の差を少なくする効果もあります。

住民税

住民税(Inhabitant tax)は、都道府県税と市町村税の総称です。所得税は国に納める税金で、当年の1~12月の所得にかかります。一方、市町村税は地方自治体に納める税金です。前年の1~12月の所得に対してかかるため、転職で収入が下がると、住民税の納付が負担になる場合があります。

住民税は、自分が住居を構えている地方自治体の行政サービスや福祉を維持するために納めます。日本に住まいを持ち、暮らしている人は住民税を支払わなくてはなりません。

控除される社会保険については「社会保険の加入は外国人も対象!脱退一時金や社会保障協定の仕組みを解説」や「外国人労働者も社会保険に加入する!日本の社会保障を徹底解説」の記事を参考にしてください。

給与明細の内容を理解できないと生じるデメリット

給与明細の内容を理解できないと生じるデメリットの画像

給料明細の見方が分からないと、本来得られるはずの給料を得られず損をする可能性があります。また、正確な収入が分からないことにより生活に支障が出やすくなるでしょう。

間違いに気付かず損をする可能性がある

給料明細の見方が分からないと、間違っている部分に気付けず損をする可能性があります。給料明細を管理するのは、経理部や総務部です。給料計算システムを導入している企業であっても人間が関わっている以上、ミスが絶対にないとは言い切れません。交通費の金額に間違いがないか、残業代が計上されているかなどをしっかり確認しましょう。

正しい給料明細の見方が分からないと、間違いがあったときに気付けません。自分が損をしないためにも給料明細の見方を理解し、受け取ったらすぐに正しく給料が支給されているかを確認しましょう。間違いに気付き指摘できれば、来月分の給料で不足分を支給したり追加で振り込んだりといった対応をしてもらえます。

正確な収入が分からず生活に支障がでる

給料明細の見方が分からないと、正しい収入が分からず、日々の生活に支障がでるでしょう。たとえば、控除欄に書かれている金額が支給額から引かれるのが理解できていないと、収入に見合わない生活をしてしまう恐れがあります。

正しい収入が分からないと、貯金やローン契約の見通しも立ちません。給料明細の見方を理解するのは、安定した暮らしを送るうえで重要です。

給与明細のほか、日本特有の労働事情を知りたい方は「外国人の雇用契約書はどこを確認する?サンプル付きでポイントを解説」をチェックしてみてください。

まとめ

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給与明細の各項目の表現は企業によって異なります。実際には英語で書かれていないことがほとんどなので、このコラムを参考にしつつ、給料明細に書かれている日本語を覚えていきましょう。

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