クレーム対応の流れやポイントとは?解決に導くための言葉も紹介

WeXpats
2023/10/31

クレーム対応とは、企業の社員や商品、サービスなどに対する顧客からの苦情・要求を聞いて処理することです。クレームを入れる人は不満や怒りなどの感情を伴っている場合があり、スムーズに対応するにはスキルが求められます。
このコラムでは、クレーム対応の流れとポイント、解決に導くために使える言葉を解説。企業への信頼回復に欠かせないクレーム対応の仕方を身に付けてください。

目次

  1. クレーム対応とは?
  2. クレーム対応の流れ
  3. クレーム対応が上手い人の特徴
  4. クレーム対応に使える言葉
  5. クレーム対応の悪い例
  6. まとめ
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クレーム対応とは?

クレーム対応とは?の画像

クレーム対応とは、企業の社員や商品、サービスなどに対する顧客からの苦情・要求・意見などを聞いて対処することをいいます。
クレームは、「強く主張する」「賠償や保証を要求する」という意味の英語である「claim」から生まれた和製英語です。なお、英語の「claim」には「苦情を言う」という意味はありません。

クレームの発生原因には、商品の欠陥やサービスの質の低下、店舗の不衛生さ、店員の対応の悪さなどがあります。クレームにしっかりと対応することは、企業への信頼回復のために欠かせません。業務改善や商品開発のヒントが含まれている場合もあり、クレーム対応を行って改善策を検討することは企業の成長に繋がることもあります。

日本語には、クレーム以外にも多くの和製英語があります。詳しく知りたい方には、「カタカナ英語とはどのような言葉?代表的な例を紹介」や「日本語のなかでも特に難しい言葉は?外国人が知っていたら驚かれるフレーズ」のコラムもおすすめです。

クレーム対応の流れ

クレーム対応の流れの画像

クレームの電話やメール、手紙などが来たら、迅速に対応をするようにしましょう。相手が企業や店舗に直接クレームを言いに来た場合は、落ち着いて話せる場所に誘導します。相手が過度に興奮している場合は、人がいない別室に案内してから話を聞くと良いでしょう。

1.相手の心情を察しながら話しをよく聞く

1.相手の心情を察しながら話しをよく聞くの画像

クレーム対応では、相手を不快な気分にさせた事実を謝罪したのちに、少なくても最初の3分間は話をよく聞くことが重要です。相手が何を主張・要求したいのか、どのような感情なのかを考えながら、話を聞くようにします。説明したい内容があっても、相手の怒りや不快な気分が落ち着いて、一区切りつくまで待ちましょう。
多くの人は話をしっかり聞いてもらえると、「自分の言いたい内容が伝わっている」と安心し、徐々にクレーム対応者に心を開くようになります。クレーム対応者と相手の信頼関係を築くことで、問題を解決しやすくなるのです。

2.メモを取りながら事実確認を行う

2.メモを取りながら事実確認を行うの画像

相手の心情を察しながら話をよく聞いたあとは、メモを取りながら相手に事実確認を行います。確認すべき事項は、以下のとおりです。

  • クレームの原因が発生した日時・場所は?
  • どのようなことが起きたのか?問題点は何か?
  • どのように思っているのか?
  • 要求や望んでいる解決策はあるか?

相手の話を聞き取って、分かりやすくまとめましょう。正確な記録があるとクレーム対応に当たるほかの社員に情報を共有しやすくなり、迅速な解決に導けます。

3.解決策を示す

事実確認したら、マニュアルや研修で事前に学んでいた解決策を提案します。過去に類似のクレームがなくてすぐに提案ができない場合は、「上司と相談します」「担当者に確認します」と相手に伝えてから、対応を検討しましょう。解決策が見つかったら、なるべく早く相手に伝えるようにします。

解決策を提案する場合は、相手に寄り添って「△△はいかがでしょうか?」といったように話しましょう。相手の要求に答えられるように何個か解決策を考えておくと、スムーズな対応が可能です。

4.謝罪とお礼の言葉を言う

解決案が受け入れられたら、「この度は大変申し訳ありませんでした」ともう一度丁寧に謝罪をします。「ご不便をおかけしました」「ご心配をおかけしました」などの相手の状況や心情に寄り添った言葉も一緒に言うと良いでしょう。

「貴重なご意見をありがとうございます」とお礼の言葉を言うのも忘れてはいけません。相手の意見を受け入れて改善していこうとする姿勢を見せましょう。

5.再発防止策を伝える

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社内で検討したクレームの再発防止策を相手に伝えられると、なお良いといえます。問題を未然に防ぐための環境やシステムの作成、マニュアルの整備などを伝えましょう。
クレームを入れてきた相手に再発防止策を提示すると、今後同じミスをしないという意思が伝わって相手の安心と企業への信頼回復に繋がるでしょう。

クレーム対応が上手い人の特徴

クレーム対応が上手い人の特徴の画像

クレーム対応が上手い人には特徴があります。ここでは、「誠実な態度で接する」「間の取り方がちょうど良い」といった特徴を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

誠実な態度で接する

クレーム対応が上手い人は、誠実な態度を示しているのが特徴です。背筋を伸ばし真面目な表情で相手の話を聞きます。そして、適度に視線を合わせて、相手の話を聞こうとするやる気や熱意を伝えるのです。クレームを入れてきた相手は話しているうちに対応者の誠実さを感じ、怒りが収まっていきます。
反対に、対応者が猫背や笑顔だとやる気・真剣さが感じられず、クレームを入れてきた相手の気持ちを逆なでする可能性も。視線が泳ぎ挙動不審だったり常に目を見つめて威圧的だったりするのも、クレーム対応の良くない例です。

間の取り方がちょうど良い

クレーム対応が上手い人は、間を取るのが得意です。相手の話が途切れた際に、少し時間を置いてから返事や質問をします。間があることで、クレーム対応者がじっくりと話を聞いていると相手に感じさせられるのです。また、相手は自分の話した内容を振り返って冷静になれます。

クレーム対応者がしっかりと話を聞いていると相手に感じさせるために、タイミングの良い相槌(あいづち)やうなずきも重要です。特に、電話では対応者の姿が見えないため、「はい」「ごもっともです」「承知いたしました」などと声に出して言いましょう。

相槌については、「日本特有のマナーとは?食事や日常生活、ビジネスシーンの礼儀・作法を紹介」や「日本のマナーを外国人にも分かりやすく解説!観光で役立つ場面別に紹介」のコラムで解説しています。

クレーム対応に使える言葉

クレーム対応に使える言葉の画像

クレーム対応をする際は、相手の気持ちに寄り添った丁寧な言葉を使うように気をつけましょう。ここでは、クレーム対応の際に効果的なクッション言葉を紹介します。また、質問する際の言葉と断りの言葉の例文もまとめているので、覚えておきましょう。

クッション言葉

クッション言葉は、自分の言いたい内容を相手に受け入れやすくするために使われます。クレーム対応の際は、相手の心情に寄り添った言葉を用いることで早期解決に繋がるでしょう。クッション言葉には、以下のような例文が挙げられます。

  • 「誠に恐縮ですが」
  • 「恐れ入りますが」
  • 「失礼とは存じますが」
  • 「大変申し訳ありませんが」
  • 「お手数をおかけいたしますが」
  • 「ご不便をおかけいたしますが」
  • 「かしこまりました」
  • 「なにとぞよろしくお願い申し上げます」

クッション言葉を使って共感の気持ちを伝えることで、クレーム対応がスムーズに進みやすくなります。

質問する際の言葉

クレーム対応の際の質問は、短く分かりやすい言葉を用いましょう。質問の趣旨が明確に伝わるように心掛けるのが重要です。

  • 「どのようなご不便をおかけいたしましたか?」
  • 「●●についてはどのようにお考えでしょうか?」
  • 「△△という理解で間違いありませんでしょうか?」
  • 「この点についてはご理解いただけたでしょうか?」

次々と質問せずに、相手の会話のペースに合わせるように気をつけます。

断りの言葉

要求を断る際は専門用語や業界用語を避けたうえで、相手が受け入れやすい言葉を選びましょう。「会社のルールでこのように決まっています」「今まで問題が起きたことはありません」といった突き放す言葉を使うのはNGです。断る際に以下の言葉を使うと、相手も納得しやすくなるでしょう。

  • 「お役に立てず心苦しいのですが」
  • 「ご期待に添えず誠に申し訳ありませんが」

相手の気持ちに共感を示したうえで、納得するまで根気よく対応を続けましょう。

クレーム対応の悪い例

クレーム対応の悪い例の画像

クレームが入った際に、相手の話を遮って反論・否定するのは厳禁です。また、言い訳やごまかしをするのも良くありません。

相手の話をしっかりと聞かず、すぐに解決策を示すのも悪い例です。前述したように、クレームが入ったら発生した内容や相手の心情を聞き、寄り添った対応をする必要があります。早くクレーム対応を終わらせたいと考えて、すぐに解決策を提示すると相手は適当にあしらわれたと感じる可能性も。相手の怒りを買って問題の解決が遠のく場合があります。

まとめ

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クレーム対応は、企業の社員や商品、サービスなどに対する顧客からの不満や苦情を聞き、処理することをいいます。
クレーム対応をする際は、まず相手の心情に寄り添いながら話を聞くことが重要です。次に、事実確認・解決策の提示を行いましょう。最後に、謝罪とお礼の言葉、再発防止策を伝えます。誠実な態度で慎重に言葉を選びながら対応しましょう。

ライター

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