ベトナム人特定技能人材の送り出し・受け入れに関する注意点を詳しく解説

2020年10月13日
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佐藤一清 (監修)
武蔵行政書士事務所
武蔵行政書士事務所 代表行政書士 https://musashi-gyosei.com/

人手不足解消や専門性を持った人材の確保を目的として、特定技能外国人の雇用を検討している企業もあるでしょう。在留資格「特定技能」を持つ外国人の多くはベトナム人です。ベトナム人の特定技能人材を雇用するには、独自の手続きを行う必要があります。そこで、このコラムではベトナム人の特定技能人材の送り出し・受け入れの仕組みを解説。特定技能外国人を雇用する際の注意点もまとめているので、参考にご覧ください。

目次

  1. 在留資格「特定技能」とは
  2. 在留資格「特定技能」を希望するベトナム人は多い
  3. ベトナム人が在留資格「特定技能」を取得する方法
  4. ベトナム政府・日本政府の覚書「特定技能MOC」
  5. 受け入れ機関が送り出し機関に支払う費用
  6. まとめ

在留資格「特定技能」とは

あらゆる手段を講じても人手不足が解消されない産業において、労働力を確保するために2019年に創設されたのが在留資格「特定技能」です。在留資格「特定技能」を持つ外国人は、特定の産業分野において一定の専門的知識や技術を有しており、即戦力として期待できる人材といえます。ただし、特定技能外国人は特定産業分野に指定されている14分野でしか雇用できません。特定技能外国人を雇用したい企業は、自社で受け入れ可能かあらかじめ調べておくと安心です。

14業種に該当する業界と任せられる業務についてさらに詳しく知りたい方は「特定技能14業種を一覧で紹介!行える業務内容も解説」のコラムも参考にしてください。

特定技能制度における受け入れ・送り出しの仕組み

企業が特定技能外国人を受け入れるには、産業分野に応じた特定技能協議会に加入し、特定技能所属機関になるための条件を満たす必要があります。特定技能所属機関として認められる条件は以下のとおりです。

 

・特定技能外国人と適切な雇用計画を結ぶ(日本人と同等以上の報酬を支払う)

・5年以内に入管法違反や労働基準法違反を起こしていない

・特定技能外国人を支援する体制が整っている(特定技能外国人の母国語での支援ができる)

・特定技能外国人を支援するために適切な計画を作成できる

 

企業内で特定技能外国人の支援が難しい場合、登録支援機関に業務委託を行うことで十分な支援体制があると認められます。協議会に加入する前に特定技能外国人を雇用した場合、今後の外国人雇用に悪影響を及ぼすので注意しましょう。

日本はベトナムやフィリピン、ミャンマーといった主要9ヶ国を中心に、特定技能外国人の受け入れ・送り出しに関する二国間協定を締結しています。なお、日本と送り出し国の双方の法令を遵守していれば、二国間協定を締結していない国からも特定技能外国人の受け入れは可能です。特定技能人材の送り出し基準は国によって異なるため、事前に確認しましょう。

在留資格「特定技能」に関係する機関

特定技能外国人を受け入れる際には、送り出し機関と受け入れ機関、登録支援機関が関わります。ここでは、それぞれの関係機関が担う役割について紹介するので、受け入れを検討している企業はチェックしておきましょう。

送り出し機関

日本で働きたい外国人を自国から送り出すのが、「送り出し機関」の役割です。ベトナムやフィリピン、ミャンマーなどには、国際人材協力機構(JITCO)に認定された送り出し機関が存在します。特定技能外国人を受け入れたい企業は、送り出し機関を通じて紹介を受けると良いでしょう。

特定技能外国人の受け入れは送り出し機関を通さなくても可能ですが、その場合は企業で在留資格「特定技能」の要件を満たしているか確認する必要があります。なお、送り出し機関以外のルートでの特定技能外国人の送り出しを認めていない国もあるので、各国の方針チェックが重要です。

送り出し機関については「送り出し機関の役割とは?技能実習を実施する企業に向けて解説」のコラムで詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

受け入れ機関

特定技能外国人を受け入れる企業や個人事業主を、「受け入れ機関」といいます。先述したように、特定技能外国人を受け入れるには特定産業分野に該当していなければなりません。また、法令違反を起こしていない、特定技能外国人に対する支援体制が整っているなどの要件も満たす必要があります。優秀な労働力となる特定技能外国人を受け入れるためにも、受け入れ機関の要件を満たせるよう尽力しましょう。

登録支援機関

受け入れ機関で特定技能外国人に対する支援体制を築くのが難しい場合、業務委託を受けて代わりに支援を行うのが「登録支援機関」の役割です。登録支援機関によって対応している言語や提供している支援の質が異なるので、業務委託する際は慎重に選びましょう。なお、受け入れ機関が登録支援機関を利用すれば、特定技能外国人に対する支援体制が整っているとみなされます。

登録支援機関の役割についてさらに理解を深めたい方は「登録支援機関の役割は?要件や申請方法を企業に向けて解説」のコラムもオススメです。

在留資格「特定技能」を希望するベトナム人は多い

高賃金や安定した生活環境を理由に、在留資格「特定技能」を取得して日本で働くことを希望するベトナム人は多いようです。実際に、2021年9月末時点で在留資格「特定技能」を取得している外国人38,337人のうち、ベトナム人は23,973人と過半数を占めています。穏やかで勉強熱心な国民性が特徴のベトナム人の特定技能人材は、企業にとって優秀な労働力となるでしょう。

ベトナム全体の平均年齢は31歳と若く、労働力となる人材が豊富です。また、宗教による制約もほかの国に比べて少ないため、受け入れのハードルは下がるでしょう。初めて在留資格「特定技能」を持つ外国人を雇用する企業は、ベトナム人のなかから採用候補を探してみることをおすすめします。

参照元
出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」
独立行政法人日本貿易振興機構 「ベトナム 教育(Edtech)産業調査(2021年1月)

ベトナム人が在留資格「特定技能」を取得する方法

ベトナム人が在留資格「特定技能」を取得するには、他国とは異なる手続きが必要です。ここでは、現地採用の場合と日本国内での採用の場合に分けて、ベトナム人が在留資格「特定技能」を取得する方法を解説します。

ベトナムから来日する際の手続き

ベトナムから在留資格「特定技能」を持つ外国人を呼び寄せる場合、DOLAB(労働・傷病兵・社会問題省海外労働局)認定の送り出し機関を通す必要があります。

受け入れ機関はベトナムの送り出し機関と「労働者提供契約」を締結しなければなりません。また、ベトナム人の在留資格を認可してもらうため、送り出し機関を通じてDOLABに「推薦者交付申請」を行い承認を受ける必要があります。これらの手続きはベトナムから特定技能外国人を招へいする際にのみ行うため、受け入れ機関はきちんと把握しておきましょう。なお、雇用する特定技能外国人との雇用契約や在留資格認定証明書交付申請といった、通常の手続きも受け入れ機関が行います。

日本に在留するベトナム人を雇用する際の手続き

日本国内に在留するベトナム人を在留資格「特定技能」で雇用する場合、雇用契約の締結や在留資格変更許可申請といった手続きを行います。また、駐日ベトナム大使館への推薦者表交付申請も必要です。どちらの手続きも雇用するベトナム人が行いますが、受け入れ機関が用意する書類もあるので忘れずに準備しましょう。なお、推薦者表交付申請は受け入れ機関が代理で手続きを行うこともできます。

参照元
出入国在留管理庁「ベトナムに関する情報

ベトナム政府・日本政府の覚書「特定技能MOC」

ベトナム政府と日本政府は、特定技能外国人の受け入れ・送り出しに関する二国間協定を締結しており、覚書「特定技能MOC」を交換しています。特定技能MOCは、在留資格「特定技能」を持って日本で働くベトナム人に関する協力覚書です。ベトナム人労働者の日本での就労をサポートすると共に、悪質な労働仲介業者(ブローカー)排除を目的としています。ここでは、特定技能MOCの内容を詳しく紹介するので、ベトナム人の特定技能人材を雇用したい企業はチェックしてみましょう。

ベトナム政府が承認した場合のみ受け入れが認められる

在留資格「特定技能」を持つ外国人の受け入れには、ベトナム政府の承認が必要です。ベトナム政府の承認を受けている場合、該当するベトナム人の氏名が記載された推薦者表が交付されます。ベトナム人の特定技能人材を雇用する際は、二国間取り決めに則って推薦者表交付申請をきちんと行いましょう。

ベトナムで禁止されている職業・地域では就労できない

ベトナムの憲法に反する仕事や放射能汚染の可能性がある区域、伝染病の危険が著しい地域などで、特定技能外国人を働かせることはできません。なお、具体的な地域や職業が指定されているわけではないため、最終的な判断はベトナム政府に委ねられています。当然ながら、受け入れ国である日本が外国人労働者の就労を禁止している職業や地域で働かせることもできません。

ベトナム人留学生は2年以上の学歴が求められる

ベトナム人留学生が在留資格を「留学」から「特定技能」に変更するには、日本国内で最低でも2年間の課程を修了し、証書を取得していることが求められます。企業がベトナム人の外国人留学生を採用し、特定技能外国人として雇用する場合、2年制の専門学校や短期大学を修了しているか、もしくはそれ以上の学歴を有しているかを確認するのが大切です。

求人は認定を受けた送り出し機関で探す

在留資格「特定技能」を持つベトナム人は、認定を受けた送り出し機関で求人を探すよう、特定技能MOCによって定められています。ベトナム人の特定技能人材を受け入れる際は、必ず認定された送り出し機関を通さなければなりません。ベトナムの法律では、労働者提供契約書を労働・傷病兵・社会問題省に登録するよう定められています。そのため、ベトナム人や受け入れ機関に法律を遵守させようと、送り出し機関を通して求人を探すように決められているようです。

参照元
出入国在留管理庁「二国間取決め・認定送出機関

受け入れ機関が送り出し機関に支払う費用

受け入れ機関は、ベトナムから日本へ渡航する交通費や教育訓練費だけでなく、送り出し機関に仲介料を支払わなければなりません。ベトナム人が在留資格「特定技能」を取得し日本で就労する際に発生する費用は、日本人を雇用するときよりも高くなる可能性があります。受け入れ機関が送り出し機関に支払う費用は特定技能外国人の状況によって異なるので、トラブルにならないように把握しておきましょう。

特定技能1号評価試験の合格者の場合

特定技能1号評価試験に合格したベトナム人を雇用する場合、送り出し機関は特定技能人材と受け入れ機関から、あわせて最大3ヶ月分の給与額まで仲介手数料として徴収できます。徴収額はベトナム人の特定技能人材は最大1ヶ月分、受け入れ機関は最低1ヶ月分の給与額です。人材の給与額によって送り出し機関に支払う費用が変わるため、それを踏まえて特定技能人材を雇用するか検討してみましょう。なお、受け入れ機関が支払う費用は送り出し機関によって異なるので、労働者提供契約を締結する前に確認しておくことをおすすめします。

技能実習2号・3号から移行したベトナム人の場合

日本国内にいるベトナム人技能実習生を在留資格「特定技能」に移行して雇用する際、送り出し機関を通さないため仲介手数料は発生しません。ただし、技能実習2号・3号修了後、ベトナムに帰国した人材を在留資格「特定技能」で雇用する場合は、送り出し機関を挟むため費用が発生します。たとえば、ベトナム人の特定技能人材が立て替えた教育訓練費や日本行きの航空券は、受け入れ機関が負担する費用です。送り出し機関の口座に送金するよう定められているので、忘れずに手続きを行いましょう。

参照元
在ベトナム日本国大使館「特定技能労働者派遣の費用等に関するガイドラインについて

まとめ

在留資格「特定技能」を筆頭に、日本で働くために在留資格を取得するベトナム人は、近年増加傾向にあります。ベトナム政府と日本政府は特定技能に関する二国間協定を結んでおり、制度整備に尽力している状況です。ベトナム人の特定技能人材を雇用する際は、悪質な仲介業者による被害を防ぐために定められた独自の手続きを行わなければなりません。覚書「特定技能MOC」に目を通し内容を把握したうえで、正当な手順を踏んで受け入れるよう心掛けましょう。

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