異文化コミュニケーションに必要なことは?具体例を知り雇用に活かそう

2024年02月07日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

日本の人材不足やグローバル化により、外国人を雇用する企業が増えてきました。しかし、意思疎通がうまくいかず苦労している企業は少なくないようです。外国人とスムーズに仕事を進めるには、異文化コミュニケーションを適切に行う必要があります。
このコラムでは、異文化コミュニケーションにおいて大切なことを紹介。内容を参考にして、雇用管理に活かしましょう。


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目次

  1. 異文化コミュニケーションとは
  2. 異文化コミュニケーションが必要なのはなぜ?
  3. 異文化コミュニケーションがうまくいかない例
  4. うまく異文化コミュニケーションを取るのに必要なこと
  5. まとめ

異文化コミュニケーションとは

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異文化コミュニケーションとは、文化背景の異なる人とするコミュニケーションを指します。外国人はもちろんのこと、職業や社会的地位、年齢などが異なる人々との交流も、異文化コミュニケーションといえるでしょう。このコラムでは外国人との意思疎通に焦点を当てますが、双方が日本人であっても、土台となる価値観や物事への認識が違えば異文化コミュニケーションといえます。

異なる価値観を持つ人同士のコミュニケーションでは、お互いの考え方や行動の違いを理解したうえで、歩み寄ったり耳を傾けたりするのが重要です。外国人を雇用する企業は、この点を理解しておきましょう。

異文化コミュニケーションが必要なのはなぜ?

異文化コミュニケーションが必要なのはなぜ?の画像

異文化コミュニケーションが重要なのは、日本に外国人労働者が増えているからです。外国人を雇用した企業が経営をスムーズに進めるためには、異文化コミュニケーションのポイントを理解し、実践することが必要となります。

外国人労働者が増加しているため

外国人を雇用する企業が増えたことで、異文化コミュニケーションの重要性が増しています。日本には、少子高齢化による労働力不足や国際化による影響で多くの外国人労働者が来日するようになりました。2023年10月末時点では、約182万人の外国人が日本で働いています。今後もさらに日本に働きに来る人は増えていくでしょう。これまで外国人を多く雇用していた企業のみならず、初めて外国人を雇用する企業も出てきたことで、異文化コミュニケーションの大切さが日本で認識されるようになりました。

ビジネスがスムーズに進みやすくなるため

外国人を雇用する企業や海外とビジネスをするには、異文化コミュニケーションを適切に行う必要があります。職場内で外国人と日本人のコミュニケーションがうまく取れれば、業務がスムーズに進んだり人材が定着しやすくなったりするでしょう。また、海外の取引先や顧客とのやり取りでも、異文化コミュニケーションがうまく行っていれば、信頼を得られ良い結果に繋がりやすくなります。

海外と関わる企業にとって、異文化コミュニケーションへの理解は欠かせません。どのように外国人と関わっていけば良いのかを知り、ビジネスに活かしましょう。

コミュニケーションに工夫が必要ではあるものの、外国人雇用は企業に多くのメリットをもたらします。詳しくは「企業で外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットは?採用手順も解説!」や「外国人採用のメリットや課題点とは?求人の出し方や雇用の流れを解説」のコラムをご覧ください。

参照元
厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)

異文化コミュニケーションがうまくいかない例

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異文化コミュニケーションがうまくいっていないと、職場で以下のような問題が起こりやすくなります。

上下関係の崩れ

日本と海外では上下関係の感覚に多少違いがあります。その点を理解していないと、職場の人間関係が悪くなる可能性があるでしょう。欧米では、職位による上下関係はかなりしっかりしているものの、コミュニケーションの取り方は比較的フランクです。一方、日本や韓国などの儒教思想が根付いている国の場合、部下はどのような場面でも上司を立て、接し方にも気を配っています。

上記のような感覚の違いを分かっていないと、上下関係が崩れたり仕事に支障が出たりする恐れも。目上の人を敬う気持ちの表し方が違うことを理解したうえで、日本では上司とどのように接するべきなのか、一緒に働きながら丁寧に指導していく必要があるでしょう。

時間や締め切りに対する意識の違いによるトラブル

時間や締め切りに対する意識の違いがもたらすトラブルもよく聞かれます。日本人の感覚では「締め切り」は必ず守らなければならない期限です。また、余裕を持って完璧な状態に仕上げるのが一般的な感覚といえるでしょう。一方、外国人は締め切りがあったとしても、ほかの優先すべき事柄ができたらそちらを優先しても良いという考えでいる可能性があります。また、間に合いさえすればギリギリになっても良いと思っている場合もあるのです。これらの違いを理解し、指示の仕方を工夫しなくてはなりません。

時間の使い方にも違いが見られます。日本企業では、出勤時間は必ず守らなければならないのに対し、退勤時間を過ぎて働くことはあまり問題視されません。また、企業によっては上司が帰るまで帰りにくい雰囲気がある場合も。このような時間の使い方は、外国人はなかなか理解しにくいようです。かといって、外国人だけ特別扱いをすると、今度は同じ環境で働く日本人がストレスを抱えてしまうでしょう。

言葉の違いによる齟齬

言葉の違いは、異文化コミュニケーションを行ううえで最も障壁になる点です。一見日本語能力に問題ないように思える外国人とでも、会話ややり取りがうまく嚙み合わないケースは珍しくありません。これは、日本語にあいまいな表現が多いことが関係しています。

日本には察する文化があるため、日本人同士であればあいまいな表現でも意思の疎通が可能です。また、相手を不快にさせないために、ハッキリ言わないほうが良いという文化もあります。これらの文化は、外国人が混乱する要因です。察するという感覚が分からないため、言われた言葉をそのまま受け取ったり自分なりの解釈をしたりします。その結果齟齬が生まれ、業務上のミスに繋がるのです。

文化や宗教への無理解による衝突

外国人の文化や信仰する宗教を理解していないと、衝突が起きる可能性があります。日本人の場合、信仰に基づいて宗教的行動を行う人はそう多くはありません。しかし、外国人には、信仰している宗教によって日々の行動が決められている人がかなりの割合でいます。たとえば、「肌を見せられないので制服が着られない」「決められた時間に礼拝をする」などです。これらを理解していないと、衝突やトラブルに繋がりやすくなるでしょう。

信仰する宗教は本人にとってはアイデンティティーといえます。むやみに否定したり宗教的行動を禁じたりするのは得策ではありません。相手の文化や信仰する宗教を理解したうえで関わっていくことが、異文化コミュニケーションを成功させる秘訣の一つです。

外国人雇用で起こりうるトラブルは「外国人労働者の雇用における問題を事例付きで解説!トラブル回避の方法とは」や「外国人労働者の雇用におけるトラブルとは?未然に防ぐ方法や解決方法を紹介」のコラムでも詳しくまとめています。

うまく異文化コミュニケーションを取るのに必要なこと

うまく異文化コミュニケーションを取るのに必要なことの画像

異文化コミュニケーションを成功させるために、以下の点に注意してみましょう。

日本の価値観による決めつけを辞める

日本の価値観からくる決めつけを辞めると、異文化コミュニケーションがうまくいきます。「普通こうするだろう」「常識的にこうだろう」といった考えは、日本人の間でしか通用しません。日本の常識と外国の常識は同じではないからです。外国人が日本の価値観で正しいとされる行動を取ってくれるとは思わないようにしましょう。

非言語コミュニケーションを取り入れる

非言語コミュニケーションを取り入れると、言葉の違いによる齟齬を減らせます。非言語コミュニケーションとは、表情やジェスチャー、声のトーンなどの言葉以外のコミュニケーションのことです。非言語コミュニケーションを多く意識すると、日本語のあいまいで分かりにくいといった特徴をカバーできます。一番簡単なのは身振り手振りを大きくすることです。視覚で情報が入ってくるため、日本語が不慣れな外国人にも伝わりやすくなります。

ミスを受け入れられる職場の雰囲気を作る

コミュニケーションを取りやすい環境を作るのも大切です。特に、言い間違いや発音間違いが暖かく受け入れられる雰囲気があると、コミュニケーションが活発になるでしょう。「何と言っていいかわからない」「間違えたら恥ずかしい」と外国人が思い、発言を控えてしまったら意思疎通がより取りにくくなります。はじめは間違えても良いことを伝え、積極的に言葉にしてもらうようにしましょう。

そのうえで、人を不快にさせたり業務に影響が出たりするようなミスだけ直していくようにすると効果的です。

相手の価値観を知る機会を設ける

相手がどのような性格で、どのような価値観を持っているかを知らなければ、異文化コミュニケーションを適切に行うのは難しいでしょう。定期的にミーティングやワークショップに参加する機会を設けて意見交換をすると、相手が何を考えているか分かります。

近年、チームで仕事をする企業で取り入れられはじめている「価値観ワーク」を行うのも良いでしょう。価値観ワークとは、従業員同士の相互理解を深めるために考えられたものです。方法は簡単で、ワークシートを用いて自分の価値観を整理したあとにペアやグループになって価値観を共有します。

上記のような機会を設けるのが難しければ、休憩時間や移動時間などで積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。相手の価値観は何気ない日常会話から読み取れます。

分かろうとする気持ちを持つ

異文化コミュニケーションで最も必要なのは、分かろうとする気持ちを持つことです。相手が何を伝えようとしているのかを、読み取る工夫をしましょう。また、何か思い違いやトラブルがあったとしても、頭ごなしに注意するのではなく、その背景にはどのような考えがあったのかを考えることが重要です。

まとめ

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異文化コミュニケーションとは、出身地や言語、社会的地位といった文化的背景の違う人同士が行う意識疎通を指します。外国人を雇用する企業にとっては、業務をスムーズに進めるうえで欠かせない要素です。異文化コミュニケーションに必要なことを知って、外国人と適切に関われる職場を作りましょう。