外国人労働者の雇用における問題を事例付きで解説!トラブル回避の方法とは

2022年11月08日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人労働者を初めて雇用する企業は、どのような問題が起きる可能性があるか把握しておきたいのではないでしょうか。このコラムでは、外国人労働者を雇用すると起こる可能性がある問題を、事例とともに解説します。また、問題を防ぐための対処法も紹介。内容を参考にして、安心して外国人労働者を受け入れられるようになりましょう。

目次

  1. 外国人労働者が増えさまざまな問題が表面化しつつある
  2. 企業起因の外国人労働者雇用における問題事例
  3. 外国人労働者起因の雇用における問題事例
  4. 外国人労働者の雇用における問題を防ぐには
  5. 外国人労働者の雇用における問題を相談できる機関
  6. まとめ

外国人労働者が増えさまざまな問題が表面化しつつある

日本では、国内の労働者不足や政府のグローバル化の推進などの理由により、多くの外国人労働者が働いています。外国人労働者の能力を上手く活かしている企業がある一方で、さまざまな問題を抱えてしまう企業があるのも事実です。外国人労働者雇用における問題にはさまざまな種類があり、企業が対応に困ってしまうことも多々あります。しかし、外国人労働者の存在は今後の日本にとって必要不可欠です。どのような問題事例があるかを知り、企業としてできる対策を取りましょう。

外国人労働者の受け入れが拡大している背景は?企業に向けて解説」のコラムでは、外国人労働者が増えている理由について詳しく解説しています。

企業起因の外国人労働者雇用における問題事例

ここでは、企業側が原因で起きる問題の事例を紹介します。どのような問題が起きる可能性があるのかを知り、あらかじめ対策を取りましょう。

入管法の理解不足によって起きた問題事例

事例「貿易会社で、アニメーションの専門学校を卒業した外国人を通訳業務で採用した。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請したが、不許可になった」

外国人が母国語を用いて通訳業務を行う場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要です。大学や大学院を卒業している場合は、どのような分野を専攻していても在留資格の申請には影響しません。しかし、外国人が専門学校を卒業して通訳の仕事をするには、通訳業務に関連する専門学校を卒業している必要があるのです。この事例では、外国人がアニメーションの専門学校に通っていたため、在留資格が取得できませんでした。
このように、入管法を正しく理解していないと、せっかく外国人を採用しても自社で働いてもらえない可能性が出てきます。

外国人の労働環境に関する問題事例

事例「外国人労働者には労働基準法は適用されないと思い、長時間労働や休日出勤を命じた。のちに、本人からの通報により労働基準監督署から指導勧告を受けた」

外国人労働者にも、労働基準法をはじめとした法律は適用されます。企業で働く外国人はもちろん、技能実習生も同様です。日本人同様、外国人労働者も法律を守って雇用しましょう。

外国人の給与設定に関する問題事例

事例「同じ仕事をする日本人の給料が22万円のところ、教育コストのかかる外国人労働者は20万円に設定した。その結果、在留資格の申請が不許可になった」

多くの就労にまつわる在留資格の取得条件に、「同じ仕事をする日本人と同等以上の給料を受け取る」という項目があります。これは、不当に低い給料で働かされる外国人労働者を無くすための措置です。そのため、適切な給料を設定しなければ、外国人に自社で働いてもらうことはできません。

また、国籍という本人の能力や職種に関係ない部分でほかの従業員と差を付けることは、労働基準法で禁止されています。「外国人は安く雇用できる」との考えは捨て、日本人と同様の評価基準のもと給料を設定しましょう。

契約時の説明不足によって起きた問題事例

事例「書面で雇用契約を交わし、外国人労働者も納得してサインしていた。しかし、実際には本人が内容を正しく理解しておらず、雇用後にトラブルになった」

雇用契約書は専門用語が多く、日本人でも難しく感じるような表現が使われます。日常会話に問題ない外国人であっても、理解しきれないこともあるでしょう。外国人労働者と雇用契約を交わすときは、理解度を逐一確認しておくとトラブルが起きる可能性を減らせます。また、可能であれば英語や外国人労働者の母国語で契約書を作成するのも効果的です。

外国人を雇用する際に注意することは「企業が外国人を雇用する際に知っておくべき5つの注意点を徹底解説!」のコラムで詳しく説明しています。

外国人労働者起因の雇用における問題事例

ここでは、外国人労働者が原因で起きやすい問題の事例を紹介します。企業があらかじめ外国人労働者に説明やサポートをすることで防げる内容ばかりです。外国人労働者が長期的に働き続けられるよう、対策を取りましょう。

社会通念上のルールを知らないことで起きた問題事例

事例「ある外国人労働者が社用車をプライベートの旅行に使い、その道中に事故を起こした。就業規則では私用利用について特に明記していなかったため、使っても良いと解釈したようだ」

明確に許可されていない限り、業務のために与えられた社用車をプライベートで使ってはいけません。就業規則で禁止していなくても、マナーとして使ってはならないと暗黙の了解で分かります。

しかし、外国人労働者の場合は、このような日本の暗黙の了解や社会通念上のルールが分からないことがあります。「普通は分かる」と思うルールであっても明確な基準を設定し、外国人労働者が理解できるようにしましょう。

地域住民との関係に関する問題事例

事例「社員寮として借りているアパートに住む外国人労働者が、ゴミ出しのルールを守れない。また、夜中大勢で集まって騒ぐので近隣住民から苦情を受け、退去せざるを得なくなった」

「細かく分別して捨てる」「曜日を決めて捨てる」といった日本のゴミ捨てルールは、外国人にとって理解が難しく、いい加減なゴミ出しをしてトラブルになるケースはよくあります。また、夜中の騒音問題も同様で、「夜は騒いではいけない」というマナーが浸透していない国も珍しくありません。雇用する企業の責任として、外国人が日本での生活に馴染めるようサポートしましょう。

法律への理解不足によって起きた問題事例

事例「外国人が提案してきたキャラクターのアイディアを採用し、商品開発を進めた。その後、外国人が自分で考えたわけではなく、一般人が考えたキャラクターをSNSで見かけて、それを真似したのだと分かった」

日本と海外では法律の内容が違います。特に著作権や肖像権に対しての感覚は、日本と比べてルーズな場合が多いようです。企業の信用にも関わる問題なので、入社した外国人労働者には「やってはいけないこと」「法律違反になること」に関するレクチャーや勉強会を行うことをおすすめします。

文化や慣習の違いに関する問題事例

事例「中国人社員と同僚の日本人社員が雑談をしていた。外国人労働者が面白いことを言ったので、日本人が冗談で頭をこづいた。すると外国人労働者が怒り出し、掴みかかった」

日本では、いわゆる「ツッコミ」の感覚で人の頭に触れることがあります。しかし、中国では頭を叩く行為は最大限の侮辱とされており、冗談だったとしても気分を損ねてしまうでしょう。また、タイやインドネシアなどの仏教が信仰されている国でも、頭に軽々しく触れるのはタブーです。

このように、各国の文化や慣習についての理解が不十分だと、問題が起きやすくなります。

外国人労働者の雇用における問題を防ぐには

ここでは、外国人労働者を雇用することで起きる問題を防ぐのに効果的な方法を紹介します。全員が気持ち良く働くには、外国人労働者だけでなく、企業や日本人社員の工夫や努力も必要です。

外国人労働者が分かる言語で資料やマニュアルを作る

雇用契約書をはじめ資料やマニュアルは、分かりやすい日本語、あるいは外国人の母国語で作成しましょう。イラストや動画を用いて説明するのも効果的です。特に業務内容や勤務時間、賃金に関する事項は、外国人労働者に内容を正確に理解してもらうことで、認識の相違やトラブル回避に繋がります。

外国人労働者と積極的にコミュニケーションを取る

外国人労働者とこまめにコミュニケーションを取ると、困りごとや悩みをキャッチアップできます。業務についてだけでなくプライベートの話題にも触れ、手助けできることはないか探ってみましょう。週に1回、少し話す機会を作るだけでも効果はあります。

外国人労働者に対する日本人従業員の意識を改善する

外国人労働者が入社する前に、日本人従業員の意識を改善する機会を作るのも良いでしょう。日本人同士では問題なくても、外国人からすると不快に感じる行動はいくつもあります。外国人の出身国の文化や慣習をまとめて、注意点を事前に共有するだけでも、トラブルが起きる可能性は大分減らせるでしょう。

外国人労働者の受け入れに必要な手続きや法律を学ぶ

外国人労働者の雇用における問題を防ぐには、受け入れに必要な手続きや法律を学ぶことも大切です。特に、在留資格や在留期間などの入管法に関わる知識は、正しく理解していないと企業も法的に罰せられる可能性があります。行政書士や外国人雇用に関する専門家の力も借り、適切に外国人を外国人を雇用しましょう。

外国人労働者の雇用における問題を相談できる機関

外国人労働者の雇用における問題は、公的機関にも相談できます。
雇用に関する悩みは、厚生労働省が運営する「外国人雇用管理アドバイザー」に相談すると良いでしょう。無料で自社の外国人雇用における問題点の分析や対処法の指示を受けられます。外国人雇用管理アドバイザーの派遣申し込みは、企業の所在地を管轄するハローワークで手続きが可能です。

外国人の在留資格や入国手続きに関する疑問は、「外国人在留総合インフォメーションセンター」に相談してみましょう。電話やメールのほか、企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局や支局に相談窓口が設置されている場合があります。

参照元
厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」
出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター

まとめ

外国人労働者の数が増えるとともに、さまざまな問題が表面化してきました。しかし、どの問題も事前に外国人雇用について学び、対策を取っておくことである程度防げる内容ばかりです。内容を参考にして、外国人と日本人の双方が気持ち良く働ける職場を作りましょう。