【2024年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説

濵川恭一
濵川恭一
【2024年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説

外国人雇用を検討している企業にとって気になるのは、採用コストがどれくらい掛かるかでしょう。「外国人雇用を始めたいけれどコストはできるだけ抑えたい」「費用を補填できる方法はないか」と考えて、助成金の利用を検討する企業も多いはずです。

実は外国人雇用そのものを対象とした助成金はありません。しかし、雇用に関する多くの助成金は労働者の国籍に制限がないため、外国人雇用の場合でも申請を行えます。
助成金の受給要件は一見すると項目が多く申請が下りにくいように見えますが、正しく事業を行っていればそれほど厳しい条件ではありません。ぜひ、助成金を活用して、外国人雇用に掛かる費用の負担を軽減させましょう。

目次

  1. そもそも外国人採用に掛かる費用はどれぐらい?
  2. 雇用に関する助成金の多くは外国人も対象
  3. 助成金と補助金の違い
  4. 外国人雇用で申請できる助成金7つ
  5. 企業が助成金を申請する際に気を付けること
  6. 外国人雇用で利用できる3つの支援制度
  7. まとめ

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そもそも外国人採用に掛かる費用はどれぐらい?

外国人採用に掛かる求人費用や人材紹介費用については、おおむね日本人と同等と考えておきましょう。たとえば、人材紹介サービスを通じて採用する場合、企業は日本人と同様に人材紹介会社に手数料を払う必要があります。多くの人材紹介会社が導入しているのは、紹介した人材が入社した場合にのみ手数料が発生する成功報酬型です。

成功報酬型のなかでも、外国人人材紹介会社で一般的に導入されているのが、届出制手数料という料金制度です。採用が決まった外国人の初年度の理論年収に、人材紹介会社が定めた料率を掛けた金額が、紹介手数料として請求されます。理論年収とは、月次給与12ヶ月分と報奨金や一時金、交通費以外の諸手当を合計した金額です。料率の相場は約35%で、人材が集まりにくい業界や職種だとより高い割合になる傾向があります。

外国人を採用する場合は、在留資格によっても費用が変わってきます。たとえば、特定技能人材の場合、登録支援機関への委託費、事前ガイダンスの費用などが必要です。そのため、1人当たりの年収の10%の費用が掛かるといわれています。採用する外国人の在留資格によっては、日本人よりも費用が掛かる場合があると念頭に置いておきましょう

また、在留資格の申請(取得)にかかる費用も想定しておいたほうがよいでしょう。在留資格の種類によりますが、1人の在留資格を取得するためには、20~100枚程度の書類を揃え、出入国在留管理局に申請する必要があります。自社で全ての書類を用意し、申請した場合の費用は実費(交通費や郵送費、印紙代等)のみですが、専門家に依頼した場合、10~20万円程度の費用がかかります。

雇用に関する助成金の多くは外国人も対象

外国人採用に掛かる費用を考えると、雇用に二の足を踏む企業も多いでしょう。そこで、お伝えしたいのが、外国人を雇用した際に活用できる助成金の存在です。

前提として、外国人を雇用するだけで得られる助成金はありません。しかし、外国人が職場に定着できるような対策を行った企業に対して支給される助成金があります。さらに、雇用に関する多くの助成金は外国人を雇った場合でも申請可能です。自社が受け取れそうな助成金の情報をこまめにチェックして、資金調達に活かしましょう。

助成金と補助金の違い

企業が受けられる金銭的な支援には、助成金のほかに補助金があります。ただし、助成金と補助金には、交付を決定する管轄省庁や支給されやすさの違いがあるので、申請する前に押さえておきましょう。

雇用関係の助成金の交付を決定するのは厚生労働省で、主な財源は雇用保険料です。雇用安定や人材育成のために設けられている制度で、要件を満たしていれば支給されます。助成金は支出をあとから補填するかたちで支給されますが、上限があり全額支給されるわけではありません。基本的には、助成対象の経費に助成率(助成金として支給される一定の割合)を掛けた金額が、支給金額となります。

補助金の交付を決定するのは経済産業省や地方自治体で、財源は税金です。補助金は予算が決まっているため、交付には限りがあり審査結果によっては受け取れない可能性があります。また、補助金は事前に申請している目的にしか使えません。補助金の例は以下のとおりです。

  • 事業再構築補助金:新分野展開や業態転換、業種転換など事業の再構築に挑戦する中小企業が対象
  • 中小企業省力化投資補助事業:売上拡大や生産性向上を後押しするために、IoTやロボットなど人手不足解消に効果がある汎用製品を導入する中小企業が対象
  • IT導入補助金:日々の業務の効率化や自動化のためのITツールを導入する企業が対象
  • ものづくり補助金:ものづくりやサービスに関わる新事業を創出するために、試作品やサービスの開発、革新的な設備投資などを行う企業が対象

また、技能実習生や特定技能外国人の受け入れ企業に補助金を支援する自治体も増えてきました。

自社の実情や計画に合った補助金がある場合は、ぜひ申請してみましょう。

参照元
経済産業省「補助金とは」
経済産業省「人気の補助金

外国人雇用で申請できる助成金7つ

それでは、実際に外国人雇用を行う企業が申請できる助成金を紹介します。申請窓口は、各都道府県の労働局もしくはハローワークです。なお、各助成金に共通している要件はのちほど解説します。

1.人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金」は、魅力ある職場づくりのために就労環境の向上を図る企業や事業協同組合などに支払われます。複数あるコースのなかで、外国人雇用を行う企業が活用しやすいのが「外国人労働者就労環境整備助成コース」です。以下では、外国人労働者就労環境整備助成コースについて解説します。

【目的】

  • 言葉や文化の違いといった外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、人材の確保や定着を目指す

受給要件の一部

  • 外国人労働者を雇用している事業主であること
  • 雇用労務責任者を選任すること
  • 就業規則等の社内規程を多言語化すること
  • 社内マニュアル・標識類の多言語化など外国人労働者に対する就労環境整備措置を実施すること
  • 就労環境整備計画期間終了後の一定期間、外国人労働者の離職率が10%以下であること

【助成率や上限額】

  • 賃金要件を満たしている場合の助成率は、助成対象経費の2/3(上限72万円)
  • 賃金要件を満たしていない場合の助成率は、助成対象経費の1/2(上限57万円)

【助成対象経費】

  • 翻訳費や弁護士・社会保険労務士への委託料、翻訳機器の導入費など

【電子申請できるWebサイト】

賃金要件とは、毎月決まって支払われる賃金(基本給および諸手当)を訓練終了日の翌日から起算して1年以内に、5%以上増加させていることです。すべての対象労働者において、賃金改定前の3ヶ月間と改定後3ヶ月間の賃金総額を比較して、5%以上増加していることが求められます。

2.雇用調整助成金

雇用調整助成金」は、景気の悪化や業績不振などで業務を縮小せざるを得なくなった事業主に支給されます

【目的】

  • 事業主が従業員を休業させたり出向させたりするのに掛かる費用の一部を支給し、解雇を防止する

受給要件の一部

  • 売上高または生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること
  • 雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと
  • 従業員の休業や出向を行う前に「休業等実施計画(変更)届」もしくは「出向等実施計画(変更)届」の提出すること

【助成率や上限額】

  • 教育訓練実施率1/10未満の助成率:中小企業の場合は1/2、大企業の場合は1/4
  • 教育訓練実施率1/10以上1/5未満の助成率:中小企業の場合は2/3、大企業の場合は1/2
  • 教育訓練実施率1/5:中小企業の場合は2/3の助成率、大企業の場合は1/2
  • いずれも1人1日当たり8490円が上限

【助成対象経費】

  • 休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額

【電子申請できるWebサイト】

なお、教育訓練実施率(休業等の延べ日数のうち、教育訓練を実施した日数の割合)によって、1200〜1800円の教育訓練加算が追加されます。雇用調整助成金は景気の状況により特例措置が取られ内容が変更になる場合があるので、実際に利用する際はあらためて制度の詳細を確認しましょう。

3.業務改善助成金

業務改善助成金」は、生産性向上を目的として投資を行うとともに、事業場内最低賃金を30円以上引き上げた企業を支援するために創設されました。なお、事業場内最低賃金とは、事業場で最も低い時間給を指します

【目的】

  • 生産率を上げるために機械設備やコンサルティング導入、人材育成・教育訓練設備などを行うとともに、事業所内最低賃金を引き上げた企業の設備投資に掛かった費用を一部負担する

受給要件の一部

  • 中小企業や小規模事業者であること
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
  • 解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

【助成率や上限額】

  • 助成率は、引き上げ前の事業場内最低賃金が900円未満の場合は9/10、900以上950円未満の場合は4/5、950円以上の場合は3/4
  • 生産性を向上させる生産性要件に該当したら、900以上950円未満の場合は9/10、950円以上の場合は4/5に助成率が引き上げられる
  • 上限額は事業所内最低賃金の引き上げ額や引き上げる労働者数、事業場の人数によって60~600万円までの幅がある

【助成対象経費】

  • 人材育成や機械設備の設置、専門家によるコンサルティングなどに掛かった費用

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4.トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用とは、常用雇用への移行を前提に原則3ヶ月間雇用することです。トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」はニートやフリーター、短期間で転職を繰り返す人などをトライアル雇用した事業主が助成金の対象とされます。また、母子・父子家庭の親や生活保護受給者なども対象です。

【目的】

  • 職歴や技能面で安定した仕事に就くのが難しい求職者に対して、雇用機会の創出や早期就職の実現を図ること

受給要件の一部

  • ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介により雇い入れること
  • 原則3ヶ月間のトライアル雇用をすること
  • 1週間の所定労働時間が30時間以上であること(対象労働者が日雇労働者やホームレス、住居喪失不安定就労者の場合は20時間以上)

【助成率や上限額】

  • 対象労働者1人につき、原則として月額4万円
  • 対象労働者が母子・父子家庭の場合は、月額5万円

【電子申請できるWebサイト】

5.キャリアップ助成金(正社員化コース)

キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者や派遣労働者などの企業内でのキャリアアップを促進する目的で創設されました。6つのコースのうち、以下では「正社員化コース」について解説します

【目的】

  • 有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の労働者の正社員化

受給要件の一部

  • 正社員化後6ヶ月間の賃金が、正社員化前6ヶ月間の賃金と比較して3%以上増加していること

【助成率や上限額】

  • 中小企業で、正社員化前雇用形態が有期雇用労働者の場合は80万円、無期雇用労働者の場合は40万円
  • 大企業で、正社員化前雇用形態が有期雇用労働者の場合は60万円、無期雇用労働者の場合は30万円

【電子申請できるWebサイト】

キャリアアップ助成金には、さまざまな加算措置も設けられています。たとえば、人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員化した場合の加算は、有期雇用から正規雇用に転換した場合は9.5万円、無期雇用から正規雇用に転換した場合は4.75万円です。助成率や上限額、加算措置の詳細は公式サイトから最新のパンフレットをご確認ください。

なお、外国人のうち技能実習生と特定技能1号人材、各国家試験に合格前のEPA介護福祉士候補者および看護師候補者は、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象外であるため注意しましょう。理由は、合格前の外国人は在留期限が設けられており、制度上は帰国が前提になっているためです。

6.人材開発支援助成金

人材開発支援助成金」は、キャリア形成を効果的に促進するために、職務に関連した職業訓練を労働者に受けさせた事業主に支給されます。人材開発支援助成金に用意されているのは、「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」など4つのコースです。以下では、外国人雇用で申請しやすい「人材育成支援コース」について解説します

【目的】

  • 職務に関連した知識・技能を習得するための訓練や非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した企業の支援

受給要件の一部

  • 実施する内容が、事業内または事業外に行われる訓練であること
  • 実訓練時間数が10時間以上であること

助成率や上限額

  • 中小企業の経費助成率は、対象労働者が雇用保険被保険者(有期契約労働者等を除く)の場合は45%、有期契約労働者等の場合は60%、有期契約労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合は70%
  • 中小企業の賃金助成額は、1人1時間当たり760円
  • 中小企業以外の場合、対象労働者が雇用保険被保険者(有期契約労働者等を除く)の経費助成率は30%、賃金助成額は1人1時間当たり380円
  • 上限額は企業規模と訓練時間により、10~50万円まで幅がある

【助成対象経費】

  • 訓練経費や講師への謝礼、施設・設備の借上費、教科書の購入費、訓練期間中の賃金の一部など

【電子申請できるWebサイト】

なお、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)にも、賃金要件や資格等手当要件を満たした場合、加算措置が存在します。対象労働者の区分や企業の規模によって異なり、加算されるのは助成率で+15~30%、助成金で+100~200円です。助成率や上限額、加算措置の詳細は、公式サイトから最新のパンフレットをご確認ください。

7.働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金」には、「業種別課題対応コース」「勤務間インターバル導入コース」など4つのコースが用意されてます。外国人雇用を行う事業主が申請しやすいのは、「労働時間短縮・年休促進支援コース」です。以下では、労働時間短縮・年休促進支援コースについて解説します。

【目的】

  • 時間外労働の削減や年次有給休暇、特別休暇の促進に取り組む中小企業事業主の支援

受給要件の一部

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • すべての対象事業場において、交付申請時点で年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
  • 以下で紹介する3つの成果目標のうち1つ以上の達成を目指すこと

【成果目標】

  • 成果目標1:すべての対象事業場において、2023度または2024年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を削減し、月60時間以下または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと
  • 成果目標2:すべての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
  • 成果目標3:すべての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ特別休暇(病気休暇・教育訓練休暇・ボランティア休暇・新型コロナウイルス感染症対応のための休暇・不妊治療のための休暇・時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること

【助成率や上限額】

  • 成果目標1達成時の上限額:事業実施前後の時間外労働の設定時間数によって、100~150万円が設定されている
  • 成果目標2達成時の上限額:25万円
  • 成果目標3達成時の上限額:25万円

【電子申請できるWebサイト】

なお、外国人労働者も日本人と同様に、労働基準法に則った雇用が求められます。そのため、一日の労働時間や有給休暇などの待遇は、日本人と同じように設定することが必要です。

参照元
厚生労働省「助成金のお問い合わせ先・申請先」
厚生労働省「人材確保等支援助成金のご案内」
厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」
厚生労働省雇用関係助成金ポータル「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」
厚生労働省「雇用調整助成金」
厚生労働省「雇用調整助成金(休業等)」
厚生労働省「雇用調整助成金(出向)」
厚生労働省「業務改善助成金」
デジタル庁「【厚生労働省】中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)」
厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」
厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」
厚生労働省「キャリアアップ助成金」
厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」
厚生労働省「人材開発支援助成金」
厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」
厚生労働省「労働時間等の設定の改善」
厚生労働省「【厚生労働省】令和6年度働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」
デジタル庁「【厚生労働省】令和6年度働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

企業が助成金を申請する際に気を付けること

助成金の申請を検討する事業主は、支給を受けるための条件を満たしているか確認したうえで、綿密な活用計画を立てるようにしましょう。

自社が助成金申請の要件を満たしているか確認する

助成金の支給を受けるには、助成金ごとの要件のほかに以下の共通要件も満たす必要があります

【共通要件】

  • 雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること
  • 雇用関係助成金支給のための審査に協力すること
  • 申請期間内に申請を行うこと
  • 不正受給による不支給決定または支給決定の取り消しを受けている場合、5年以上が経過していること
  • 過去の雇用関係助成金の不正受給に関与した人物が役員等にいないこと
  • 支給申請日の属する年度の前年度より前のすべての年度において、労働保険料を納入していること
  • 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を⾏っていないこと
  • 性風俗関連営業や接待をともなう飲食などの営業をしていないこと
  • 事業主や役員に暴力団との関わりがないこと
  • 事業主や役員が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行っていないこと、または暴力主義的破壊活動を行う恐れのある団体に所属していないこと
  • 支給申請日または支給決定日の時点で倒産していないこと
  • 労働局⻑が審査に必要な事項についての確認を⾏う際に協⼒すること
  • 不正受給が発覚した際に、労働局が事業主名等を公表すること、および労働局から請求される⾦額を返還することについて承諾すること
  • 「役員等一覧」を提出すること
  • 厚⽣労働省が定める助成⾦の⽀給要領に従うこと
  • 支給申請書等に事実と異なる記載または証明を行なわないこと

項目が多く感じますが、不正をせずにルールを守って事業を行っていれば容易に満たせる条件です。助成金をスムーズに受け取るためには、日頃から正しく事業管理を行い、積極的に申請の審査に協力しましょう。

助成金の使い方を明確にする

助成金の申請をする際は、活用計画をしっかり立ててから行いましょう。多くの助成金の審査では、実際に計画書の提出が求められます。雇用関係の助成金は、従業員を確保したり労働環境を整えたりするために使うものです。企業の経営を安定させるために場当たり的に使うことは避け、認められた範囲内で計画的に使用しましょう。

参照元
厚生労働省「雇用関係助成金に共通の要件等」
厚生労働省「雇用関係助成金全体のパンフレット(簡略版)

受給までに時間がかかる場合や審査に落ちる場合もある

助成金は申請すればすぐに貰えるものではありません。たとえば、人材確保等支援助成金は助成金の申請から受給までに1年半ほどかかります。

また、申請が通らない可能性も十分に考えられるうえ、人事や総務の担当者の作業も相応に必要となるため、費用対効果をしっかり検討しましょう。

外国人雇用で利用できる3つの支援制度

外国人雇用を始めたい企業は、支援制度の活用も検討してみましょう。

1.製造業外国従業員受入事業

経済産業省が実施している「製造業外国従業員受入事業」は、製造業の国際競争力を強化すると同時に、国内製造業の空洞化を防ぐことを目的としています。

まず、事業者は特定の専門技術を海外の事業所で働く従業員に移転するための計画(製造特定活動計画)を作成し、経済産業大臣の認定を受けます。その後、外国人従業員が在留資格「特定活動」をあ請し付与されることで、日本の事業所で最長1年間の従事が可能になるのです。当制度は外国人従業員が海外の事業所に戻り、日本で身に付けた技術を活かして働くことを企図しています。

優秀な外国人従業員を転勤させ生産活動に従事させることで、新技術の導入や新製品の製造に必要なノウハウなど幅広い知識の移転が可能です。

2.国際化促進インターンシップ事業

国際化促進インターンシップ事業」は、中小企業の外国人学生のインターン受け入れを推進する事業です。海外から来日し毎日出社して業務を行う「来日対面コース」と、出社せずに任意の場所で就業体験を行う「オンラインコース」があります。コースは年度によって異なるので、応募時に内容を確認しましょう。

事業主には、人材育成支援費として1人1日当たり2,000円が支給されます。滞在に必要な在留資格の取得や往復航空券の手配は、事務局が対応してくれるのもメリットです。「面倒な手続きは一旦置いておいて、一度外国人を受け入れてみたい」と考えている企業にとって、良い足がかりになるでしょう。

3.外国人雇用アドバイザー制度

外国人雇用における悩みがある場合は、厚生労働省の運営する「外国人雇用アドバイザー制度」を利用してみましょう。事業所を管轄するハローワークで申し込みをするとアドバイザーが派遣され、外国人雇用の注意点や教育方法、改善点などのアドバイスを無料で受けられます。

上記の他、自治体によっては、「外国人雇用支援センター」といった名前の支援機関があります。こうした支援センターでは、定期的な雇用セミナー、マッチングイベントなどを行っていますので、最寄りの自治体に確認してみるのもよいでしょう。

さらに深く自社の状況を理解し条件に合った外国人を紹介してほしいと考えている事業主には、外国人人材紹介サービスをおすすめします。「WeXpats Agent」は、外国人雇用におけるさまざまな悩みを抱える企業のニーズに合わせたご提案やご相談が可能です。ぜひお問い合わせください。

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参照元
経済産業省「製造業外国従業員受入事業」
経済産業省「国際化促進インターンシップ事業」
経済産業省「国際化促進インターンシップ事業とは」
経済産業省「企業募集概要」
厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー

まとめ

雇用関係の助成金は労働対象者の国籍に制限がないため、外国人を雇用する企業も受給できます。助成金を活用すれば、金銭的な負担や心配の軽減が可能です。さまざまな助成金が用意されているので、受給要件をよく確認し自社に適しているものを選びましょう。

濵川恭一

監修:濵川恭一

外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net