日本では、さまざまな場所で伝統的な建築物を見ることができます。なかには、約1300年も前に建てられたお寺が現存していたり、古来の技術を使って修復しながら残されていたりするのです。
この記事では、日本の伝統的な建築物の特徴や代表的な建築様式、歴史について解説。そのほか、日本の有名な建築家や建築物についても紹介しています。日本を訪れた際は、建築物にも着目してみてください。
目次
日本の伝統的な建築物の特徴
日本は古来から建築物を木で作ってきました。また、瓦を使用した屋根や和室などは、洋室が一般的になった現代においても取り入れられています。
ここでは、日本の伝統的な建築物の特徴を解説します。
木材を使って建てられている
日本の伝統的な建築物に使われているのは木材です。
建築物に木材が使われてきた理由は、地震に対する耐久性に優れているほか、吸湿性があり高温多湿の日本の気候に適していることが挙げられます。ほかにも、日本は森林資源が豊富にあり、手に入りやすかったことも理由の一つです。
屋根に瓦を使っている
瓦屋根は、日本の伝統的な建造物に欠かせません。
瓦は、粘土や泥を固めて焼いた屋根に使用される素材です。奈良時代に中国から日本に伝わり、寺院や宮殿で使われるようになったとされています。火災に対する耐性が高く、軽量で地震にも強いことから瓦を使用した屋根が普及していきました。
軒(のき)や庇(ひさし)がある
軒(のき)や庇(ひさし)は、日本の伝統的な建築物の特徴です。
外壁や玄関よりも出っ張っている屋根の一部分のことを軒といいます。一方、庇とは窓や玄関などの開口部に設置される小さな屋根のことです。
夏の直射日光が室内に入らないようにするほか、雨で外壁が濡れたり汚れたりするのを防ぐ目的があります。
床が畳で作られている
畳は日本の建築で用いられる伝統的な床材です。
元々は貴族の屋敷で使われていましたが、江戸時代中期から庶民の家屋でも用いられるようになりました。
畳の原料はい草です。い草の爽やかな香りは、日本人にとって懐かしさを感じさせます。
フローリングが普及したことで、全面が畳の家屋はかなり少なくなってきました。しかし、一部屋だけ畳にしたりリビングの一角だけを畳に変えたりしている家屋は今でもあります。
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代表的な日本建築の様式
日本は長い歴史のなかで、さまざまな建築様式が誕生しました。ここでは、代表的な日本の建築様式とその建造物について紹介します。
寝殿造
今年も平等院固有の品種である平等院蓮が開花しました🪷 古代蓮のなかでは珍しい純白の花弁で、まるで絹ように透き通るほど薄いのが特徴です。 蓮は朝早くに開花し午後には花弁を閉じてしまいますので、蓮鑑賞をされる場合は午前中早めの時間帯にお参り下さいますようお願いいたします。 (蓮の見頃は7月下旬頃までとなります)
Posted by 平等院 Byodoin Temple on Monday, July 8, 2024
「寝殿造(しんでんづくり)」は、平安時代に生まれた貴族の豪華な住宅の建築様式です。
中央に屋敷の主人が居住する「寝殿(しんでん)」と呼ばれる部屋があり、両側には家族や家臣が住む「対の屋(たいのや)」を設けています。各部屋は長い廊下で結ばれていて、仕切りは屏風(びょうぶ)や簾(すだれ)を使用し、壁はありません。寝殿の前には大きな庭や池などを設置し、貴族たちは四季の美しさを感じていました。
京都府の「平等院鳳凰堂」や岩手県の「中尊寺金色堂」は、代表的な寝殿造の建築物です。
書院造
引用:世界遺産元離宮二条城
室町時代に生まれた「書院造(しょいんづくり)」は武家屋敷の様式のことを指します。書院とは書斎のことです。
畳を敷き詰めた部屋があり、各部屋を襖や障子で仕切っています。ほかにも、仏具や掛け軸などを飾る「床の間」や、棚板を段違いに取り付けた「違棚」など、現代の和室の原型となる造りが多く生まれました。
寝殿造は主人の居住する部屋が屋敷の中央にありましたが、書院造の中心は書斎です。仕事を主とする生活様式に変化したのが理由といわれています。
代表的な書院造の建築物は京都府の「二条城二の丸御殿」や「西本願寺白書院」、静岡県の「掛川城御殿」などです。
数奇屋造り
引用:修学院離宮
茶室を取り入れた建築様式のことを「数寄屋造り(すきやづくり)」といいます。数寄(すき)とは「好き」の当て字で、和歌や茶の湯、生け花などの風流な物事に心を寄せたことです。
もともと、安土桃山時代には母屋とは別に建てられた茶室のことを「数寄屋」と呼んでいました。しかし、江戸時代には俗語化し、茶室だけでなく家屋や料亭なども数奇屋造りと呼ぶようになります。
数寄屋造の代表的な建築物には、京都府の「桂離宮新書院」や「修学院離宮」、愛知県の「如庵」などがあります。
日本の建築の歴史
日本の建築は、その時代の社会的背景や文化、生活とともに変化してきました。ここでは、時代ごとの建築の特徴を解説します。
縄文時代~弥生時代
縄文時代の人たちが生活していたのは「竪穴式住居」です。それまで洞穴や岩陰を寝床としていましたが、地面を掘り下げた床に柱を建て、屋根をかけて住居を作りました。
弥生時代に入ると、地面に柱を建て高い場所に床を造る「高床式倉庫」が生まれます。地面より高い位置に床を作ることで、動物や虫に食糧が荒らされることを防いだのです。
飛鳥・奈良時代~平安時代
飛鳥・奈良時代に入ると、朝鮮半島から建築技術が伝わります。また、同時に仏教も伝来したため、寺院建築が発達しました。
貴族が栄えた平安時代には「寝殿造」を取り入れた屋敷が建てられます。人々が住む家屋は身分によって大きく異なり、しっかりとした住居を持つ人がいる一方で、いまだに竪穴住居に住む人もいました。
鎌倉時代~安土桃山時代
政治の中心が貴族から武士に移り変わった鎌倉時代には、見た目よりも実用性が重視される「武家造(ぶけづくり)」ができました。敵からの攻撃に備えて丘の上へ建てたり、敵からの侵入を防ぐために屋敷の周辺に堀を掘ったりしていたのが特徴です。
室町時代には格式を重んじることを重視した「書院造」の建築物が作られます。床の間や畳、雨戸などが誕生し、日本の家屋の原型ができた時代といえるでしょう。
安土桃山時代には「城郭建築」が始まります。軍の拠点だった城は権力の象徴へと変化し、豪華絢爛な天守閣が作られるようになりました。また、数奇屋造りが誕生します。
江戸時代
長く続いた江戸時代にはさまざまな建築様式が生まれました。住宅の多様化が進み、職業や身分によって人々の住む家も大きく変わっていきます。地方の農村では茅葺屋根(かやぶきやね)の住宅が発達。一方、人口が密集する江戸の町では、「長屋」と呼ばれる集合賃貸住宅が一般的でした。
明治時代~昭和時代
明治中期からは住宅の西洋化が進みます。裕福な家庭では西洋風の住居を建てることがステータスでした。これまで木造建築が主流でしたが、石やレンガなど新しい建築材料が使われるようになったのが特徴です。
大正時代に入ると、鉄筋コンクリートや鉄骨で作られた建築物が建てられ始めました。関東大震災の影響を受け、より地震に強い建材を選ぶようになったのが理由です。
その後、日本は太平洋戦争に突入し、本土空襲によって都市部の多くの建物が焼けてしまいました。戦後の復興期からは人口の増加にともない、それまでには見られなかった団地や大規模アパートの建築が始まっていきます。
現代
現代の日本の建築物の特徴は「世界最高レベルの耐震性」を備えていることです。幾度となく大きな地震に見舞われた日本では、建築物に対して非常に厳しい耐震基準を設けています。建造物の倒壊を防ぐ「耐震」や揺れを抑える「制震」、揺れを建物から逃す「免震」など、さまざまな視点から地震の被害を食い止めるための技術革新や研究に力を入れています。
日本の時代の出来事や主要人物については「日本の時代を年表にして紹介!時代区分ごとに起こった出来事も解説」をご覧ください。
日本の伝統的な建築物
日本には古い時代に建てられた伝統的な建築物がたくさん残っています。なかでも、釘やネジなどの金物を使わない「木組(きぐみ)」や神社の本殿に使われる「神明造(しんめいづくり)」は、伝統的な建築物に使われている技術です。ここでは、日本の伝統的な建築物を紹介します。
法隆寺
法隆寺は607年に聖徳太子によって奈良県に建てられた建築物です。世界最古の木造建築であり、1993年には日本初のユネスコ世界遺産に登録されました。
広大な境内には複数の木造建築が建っており、なかでも五重塔は有名です。五重塔の高さは31.5mもあり、重なっている屋根は上にいくに連れて小さくなっていきます。五重塔の木材や組み方は、地震の揺れを逃す構造になっているのが特徴です。
東大寺
皆さま、はじめまして。東大寺ではこの度、公式ツイッターを開設しました。公式サイトに加え、これから様々な情報をお届けします。末永く、どうぞよろしくお願いします。 #奈良 #東大寺 #華厳宗大本山 #奈良の大仏 https://t.co/lw2nEupqzU pic.twitter.com/56RIgYShdk
— 華厳宗大本山 東大寺【公式】 Tōdai-ji Temple (@todaiji) May 10, 2022
東大寺は743年に聖武天皇が廬舎那大仏(るしゃなだいぶつ)を作る命を下してから、長い年月をかけて造られました。大仏が安置されている大仏殿は、世界最大級の木造建築物です。大仏様(だいぶつよう)と呼ばれる建築様式で建てられています。
境内には仁王像で有名な南大門や二月堂、法華堂があり、国内外問わず多くの観光客が訪れています。
厳島神社
引用:厳島神社
厳島神社は広島県廿日市市の厳島にある建築物で、1996年に世界遺産に登録されました。593年に推古天皇が前身となる社殿を建て、1168年に平清盛(たいらのきよもり)の命により現在の寝殿造の神社が完成したといわれています。
厳島神社で最も印象的なのは海から突き出た朱色の大鳥居です。海に浮かんでいるように建っていて、干潮時には歩いて訪れることができます。
姫路城
姫路城は、白い城壁と形状から「白鷺(シラサギ)城」の愛称で親しまれている城です。1346年に建てられ、1951年には国宝に、1993年には世界遺産に登録されました。
一際目を引くのは、屋根が重なっている天守閣(てんしゅかく)です。姫路城の天守閣は7階建ての大天守に3つの小天守が連なっています。美しさと迫力を兼ね備えた姫路城は、国内でも一二を争う人気の城です。
熊本城
引用:【公式】熊本県公式観光サイト もっと、もーっと!くまもっと。
熊本県にある熊本城は、1607年に建てられた建築物で日本3名城の一つといわれています。1877年の火災や2016年の熊本大地震により天守閣が被害を受けましたが、現在は復旧され見学可能です。
熊本城は天守閣のみならず、隙間なく積まれた美しい石垣でも知られています。約3割が2016年の熊本地震により崩壊や変形などの被害を受け、2024年時点ではまだ復旧中です。城全体が完全に普及するのは、2052年といわれています。
伊勢神宮
伊勢神宮は三重県伊勢市にある神社です。伊勢志摩の地域に大小から成る125の宮社の総称で「お伊勢さん」の愛称で親しまれています。
伊勢神宮の建築様式は「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」です。日本古来の神社の建築様式で、本を伏せたような屋根の形の「切妻造(きりづまづくり)」や「千木(ちぎ)」と呼ばれる屋根の先端に飛び出た板などが特徴です。
神社とお寺の違いや参拝方法については「神社とお寺の違いは何?参拝方法も解説【外国人向け】」に解説しています。
日本の有名な建築家
ここでは、世界的に有名な日本の建築家を紹介します。国内外を問わず賞の受賞歴があり、日本が世界に誇る建築家です。
安藤忠雄
安藤忠雄は、世界的にも有名な日本の建築家です。プロボクサーから独学で一級建築士の資格を取得し、建築家に転職しました。1995年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞するなど、国内のみならず世界中の数ある賞を受賞しています。
安藤忠雄の作品の特徴は打ちっ放しのコンクリートです。斬新で特徴のあるデザインは若い建築家にも人気があります。
黒川紀章
黒川紀章は、日本を代表する建築家の一人です。フランス建築アカデミーのゴールドメダルをはじめ、数多くの賞を受賞しました。1992年には日本人の建築家として初めてニューヨーク近代美術館の永久コレクションに作品が寄贈されています。
黒川紀章は、社会の変化や人口の増加に応じて建築や都市を設計すべきである「メタボリズム」と呼ばれる建築運動を行いました。有名な作品は「中銀カプセルタワー」や「広島市現代美術館」「東京国立新美術館」などです。大規模な公共施設を多く手がけました。
隈研吾
隈研吾は、デザイナーとしても活躍する建築家です。幼少期に国立競技場を見て、建築家になることを志しました。国内外を問わず多くの賞を受賞しています。
代表作品は「国立競技場」や「高輪ゲートウェイ駅」などです。木材を活かした建築や縦格子を多用したデザインなど、特徴的な作品を生み出しています。
丹下健三
「世界のタンゲ」と呼ばれた丹下健三は、日本だけでなく世界中で活躍した建築家です。1987年に日本人として初めてプリツカー賞を受賞しています。都市計画を多く手がけたことでも有名です。
丹下健三の作品は、柱や梁を組み上げる日本の伝統的な木造建築の様式を取り入れています。「香川県庁舎」や「東京カテドラル聖マリア大聖堂」などが代表作品です。現在活躍している建築家に大きな影響を与えた人物とされています。
浜口ミホ
日本で最初の女性建築家である浜口ミホは、特に日本の住宅のデザインに力を入れました。代表作品は公団住宅の台所です。これまで日当たりの悪い場所に設置されていた台所を、家族中心の場所に移動させました。ダイニング・キッチンの生みの親と呼ばれる建築家です。
日本の建築家がデザインした国内の建築物
日本には、著名な建築家がデザインした建築物が至る所に存在しています。
ここでは、日本の建築家がデザインした国内の建築物を「駅」「美術館・博物館」「図書館」のジャンルごとに紹介します。
駅
日本国内には有名な建築家がデザインした駅が多くあります。駅舎を見るために訪れてみるのも良いでしょう。
京王高尾山口駅(東京)
引用:隈研吾建設都市設計事務所
東京八王子市にある京王高尾山口駅の駅舎は、建築家の隈研吾が設計しました。木材を使用したインパクトのある大きな屋根が特徴です。建築家の隈研吾が設計しました。東京都の指定天然記念物である「高尾山のスギ並木」にちなんで、内外装に多くの杉材を使用しています。
金沢駅(石川)
引用:白江建築研究所
建築家の白江龍三が設計した金沢駅は、2011年アメリカの旅行雑誌で「世界で最も美しい14駅」に選ばれました。アルミとガラスで構成された「もてなしドーム」と木製の「鼓門(つづみもん)」が美しいデザインの駅です。
由布院駅(大分)
大分県由布市にある由布院駅は、建築家の磯崎新が設計しました。木造で黒塗りの外観をしている駅舎は、礼拝堂をイメージしています。特徴は駅舎の中央にある高さ12mの吹き抜けのあるコンコースです。駅舎の中を自然光が降り注ぐデザインとなっています。
日向市駅(宮崎)
建築家の内藤廣などが設計した日向市駅は、地元の杉を材料にして作られた駅舎です。高架駅には珍しい木造で、駅の外装だけでなく梁や天井、ベンチなど至るところに杉が使われています。その美しいデザイン性から、国内外を問わず数々の賞を受賞している駅です。
日向市駅は九州の宮崎県にある駅です。九州には多くの観光スポットがあります。「九州の魅力を紹介!一度は行きたい温泉や観光スポットガイド」にはそれぞれの都道府県の魅力やグルメを紹介しています。
美術館・博物館
全国には有名建築家が手がけた美術館・博物館がたくさんあります。訪れた際は、展示物だけでなく建物にもぜひ着目してみてください。
東京国立近代美術館(東京)
引用:東京国立近代美術館
東京国立近代美術館は、日本初の国立美術館です。建築家の谷口吉郎が設計しました。ピロティ構造を支える太い柱と凹凸に並んだ梁が特徴的です。美術館には彫刻家として有名なイサム・ノグチの彫刻や、皇居を眺められるレストランが併設されています。
江戸東京博物館(東京)
建築家の菊竹清訓が設計した江戸東京博物館は、東京都墨田区にある博物館です。4本の柱で建物を支えているような高床式の独特なデザインをした外観が特徴的で、江戸城の天守閣と同じ高さをしています。現在は施設の改修工事のため、2025年まで休館中です。
金沢21世紀美術館(石川)
引用:金沢21世紀美術館
石川県金沢市にある金沢21世紀美術館は、現代アートを中心に工芸品や金沢にゆかりのある作家の作品を展示しています。設計者は妹島和世と西沢立衛による建築家ユニットのSANAAです。全面ガラス張りで円形になっているのが特徴で、その中に直方体の展示室が散在しています。
海の博物館(三重)
建築家の内藤廣が設計した海の博物館は、日本建築学会賞や日本文化デザイン賞を受賞しています。展示棟は木造で、自然風景を取り入れたあたたかみのある空間が特徴です。漁船や海女、海の祭など、海に関する民俗資料を所蔵・展示しています。
豊島美術館(香川)
瀬戸内海にある豊島(てしま)にある豊島美術館は、西沢立衛の設計で作られました。水滴のような形をしているのが特徴です。柱が全くないコンクリート・シェル構造で、天井にある2ヶ所の開口部から周囲の風や音、光を取り込んでいます。
香川県の瀬戸内海の島々は、アートが有名な人気の観光地です。「四国地方の情報まとめ!グルメや観光スポットを知って旅を楽しもう」には香川県をはじめ、四国の観光スポットやグルメについてまとめています。
図書館
建築物や空間自体が見どころになっている図書館も少なくありません。ここでは、有名な建築家が設計した図書館をまとめています。
福井県立図書館(福井)
引用:福井県立図書館
建物の中心にある赤色のテラコッタタイルが目立つ福井県立図書館は、槇文彦が設計しました。福井市郊外の田園風景と調和する「緑の中の庭園図書館」がコンセプトになっています。建物の周囲には広大な庭園が広がっていて、読書だけでなく散策も楽しめる図書館です。
神奈川県立図書館(神奈川)
引用:神奈川県公式ホームページ 神奈川県立図書館前川國男館写真集
建築家の前川國男が設計した神奈川県立図書館(前川國男館)は、2021年に神奈川県指定重要文化財建造物に指定されました。館内には大きな吹き抜けがあり、自然光が差し込む明るい空間です。中央に書庫を配置した「中央書庫式」で、デザイン性だけでなく効率性も考慮しています。
岐阜市立中央図書館(岐阜)
引用:伊東豊雄建築設計事務所
岐阜市立中央図書館は、伊東豊雄が設計した「みんなの森 ぎふメディアコスモス」内にあります。地元岐阜県産のヒノキを使った木造の格子屋根の天井が特徴で、木材・銅板・ガラスを組み合わせた美しい外観をしています。
ゆすはら雲の上の図書館(高知)
引用:隈研吾建設都市設計事務所
ゆすはら雲の上の図書館を設計した建築家は隈研吾です。外壁や内装に地元の杉を使用し、木の温もりや香りが感じられることをコンセプトにしています。同図書館がある梼原町は、福祉施設や庁舎、ギャラリー、ホテルなど隈研吾が設計した建築物を多く見ることができる場所です。
まとめ
日本の建築は、襖や畳、障子などを使用しているのが特徴です。神社仏閣や城のほかに、古民家をリノベーションしたホテルやカフェなども見られます。
また、美術館や博物館、図書館など、日本の有名な建築家が設計した建物は日本各地にあります。日本を訪れた際は、ぜひ有名な建築物を見学してみてください。