美しい日本語といえば?言葉の意味や使い方を知ろう

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2024/05/21

美しい日本語には、自然や四季にまつわる言葉などがあります。日本では古来から、人の心情を美しい景色を表す表現と重ねてきました。
この記事では、四季や四字熟語、自然、感情と様子、色に分けて、響きや表現が美しい日本語を紹介します。また、それぞれの意味や使い方も解説。美しい日本語を知り、日本語の勉強に役立ててください。

目次

  1. 四季に関する美しい日本語
  2. 美しい四字熟語
  3. 雨や雪を表す美しい日本語
  4. 花や植物を表す美しい日本語
  5. 空や月を表す美しい日本語
  6. 感情や様子を表す美しい日本語
  7. 色を表す美しい日本語
  8. まとめ

四季に関する美しい日本語

四季に関する美しい日本語の画像

美しい日本語の中には、季節の情景や自然を表す言葉が多くあります。ここでは、春・夏・秋・冬に関連する美しい日本語を紹介。読み方が独特なものもあるため、どのような響きなのか声に出して読んでみると良いでしょう。

美しい春の日本語

徐々に暖かくなり、花や緑が色づき始める春。美しい春の日本語には、暖かな春の気候や自然を感じる言葉や表現がたくさんあります。

  • 春うらら(はるうらら):春ののどかな様子。空が晴れ、太陽の光が暖かく照っている様を意味する言葉
  • 麗らか(うららか):晴れて日が照っていて気温は暑くも寒くもない穏やかな様子。また「楽しそうな様子」「心地良い」などの意味もある。春の季語
  • 桜吹雪(さくらふぶき):桜の花びらが風に舞い、まるで吹雪のように見える様子。似た言葉で「花吹雪(はなふぶき)」がある
  • 陽炎(かげろう):地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。暖かい空気によって景色がゆらゆらと歪んで見える様子。春や夏に現れることが多い
  • 風光る(かぜひかる):暖かい日の光が差すと、風も光っているように見えること。春の季語として俳句にもよく使われる言葉
  • 春霞(はるがすみ):春の白っぽいぼんやりと霞んだ空を表した様子。春の空を表す象徴的な言葉
  • 山笑う(やまわらう):花が笑っているかのように、山にたくさんの花が咲き誇っている様子を擬人化した言葉。山笑うという春の表現に対し、山眠るという冬の表現もある
  • 朧月(おぼろづき):霧や霞で月がぼんやりかすんで見える様子。春の夜の月のイメージとして使われる言葉
  • 花冷え(はなびえ):桜が咲く時期に寒さが戻ってくること。この花冷えの「花」は桜を意味する。手紙の季語としても使われる
  • 霞の衣(かすみのころも):立ち込めた霧を衣に見立てた言葉。ほかにも、黒染めの衣やねずみ色の衣、喪服という意味もある

春の美しい日本語には、自然を豊かに表現した美しい言葉がたくさんあるのが特徴です。

美しい夏の日本語

美しい夏の日本語の画像

暖かな春が過ぎると、山々の緑は濃くなります。そして、梅雨を迎え、始まる夏。美しい夏の日本語には、自然の情景を思い浮かぶ美しい言葉があります。

  • 朝凪(あさなぎ):晴れた日の朝、陸と海の風が入れ替わる際に風がやむ様子。夕方に同じ現象が起きたときは夕凪という
  • 洒涙雨(さいるいう):七夕に降る雨のこと。一年に一度しか恋人と会うことを許されない、織姫と彦星の涙だと言われている言葉
  • 打ち水(うちみず):暑い日に道や庭などに水を撒くことで暑さを和らげること。江戸時代からお清めや、客を招く際のおもてなしとして行われてきた
  • 薫風(くんぷう):木々の間や水の上を通り過ぎ、その香りを運んでくる初夏の風
  • 忘れ水(わすれみず):野中の茂みなど人目につかない場所に忘れられたように流れる水
  • 蝉時雨(せみしぐれ):セミがいっせいに鳴く様子が、時雨のように聞こえることを表した言葉
  • 星涼し(ほしすずし):夏の夜空に見える鮮やかな星々のこと
  • 夏の宵(なつのよい):夏に陽が暮れたばかりのころで、夜にはならない頃。日が落ちて日中の暑さが収まりくつろげるようになった時間帯
  • 風待月(かぜまちづき):陰暦6月の異称。冷房がなかった時代、風が吹くのが待ち遠しいという意味で使われた言葉
  • 涼風(すずかぜ):夏の終わりに吹く、涼しい風のこと。夏の終わりの季語でもある。「りょうふう」という読み方もある
  • 暑さの中に風や雨など涼しさを表す言葉が多いのが、美しい夏の日本語の特徴です。

美しい秋の日本語

美しい秋の日本語の画像

暑い夏が過ぎると、心地よい気候を迎える秋。紅葉や花など美しい自然を表現した言葉ばかりです。

  • 秋晴れ(あきばれ):秋の晴天を指す言葉、空気が澄んでいて空が高く感じるという意味。同じ意味の言葉に「秋日和(あきびより)」もある
  • 秋の空(あきのそら):秋、晴れ渡って高く見える空または変わりやすい天気のこと。人の心の変わりやすさをたとえるときに「女心と秋の空」のように使う場合もある
  • 馬肥ゆる(うまこゆる):もともとは、肥えた馬に乗って敵が攻め込んでくることを警戒する意味で使われていた言葉。現代では秋の過ごしやすい季節を表す言葉として、手紙などでは時候の挨拶に使われることも
  • 灯火親しむ(とうかしたしむ):秋は夜が長く、過ごしやすい季節であることから灯火のもとで読書するのに適しているという意味。読書を促す言葉として「灯火親しむべし」ということわざもよく使われている
  • 山粧う(やまよそおう):秋が訪れ、山の木々が紅葉した様子を表す言葉。山が化粧したように美しいという意味
  • 虫時雨の響き(むししぐれのひびき):あちこちで鳴く虫の声が、まるで雨のようにたくさん聞こえてくる様子を表す言葉
  • 野分(のわき):台風や暴風のこと。野の草木を分けて吹き荒れる様子
  • 錦秋(きんしゅう):紅葉した木々が錦織物のように美しい様子
  • 秋高し(あきたかし):秋になると空気が澄み、空が高くなったように感じること。同じ意味の「天高し」が一般的によく使われている
  • 秋入梅(あきついり):梅雨のように降り続く秋の雨のこと。「あきつゆいり」の音が変化したもの

秋の美しい日本語には、鮮やかな色を思い浮かべる言葉がたくさんあり、繊細な季節感を感じられるでしょう。

美しい冬の日本語

美しい冬の日本語の画像

色鮮やかな秋が終わり、日暮れまでの時間が短く、あっという間に長い夜がやってくる冬。美しい冬の日本語には、寒さや雪を表現した言葉があります。

  • 風花(かざばな):「かざはな」とも読む。晴天時に舞うように降る粉雪のこと。雪が風に吹かれて飛んでいく様子を表す言葉
  • 木枯らし(こがらし):秋の終わりから冬のはじめにかけて吹き荒れる冷たい風のこと
  • 小春日和(こはるびより):晩秋から初冬にかけての気温が暖かい日を指す言葉。春の気候を表す言葉ではないので誤用に注意
  • 山眠る(やまねむる):落葉した木々が茂る山が、冬の日差しの中で眠ったように静まり返っている様子
  • 風冴ゆ(かぜさゆ):冷たく身にしみるような風がふくこと
  • 三寒四温(さんかんしおん):寒い日が3日、温かい日が4日ほど続くこと。気温が安定しない様子を表す言葉
  • 東風(こち):冬の寒さが緩んだころ、東から吹く風を指す。春の訪れを感じさせる言葉。東風は読み方が独特なため注意
  • 冬将軍(ふゆしょうぐん):厳しく寒い冬を擬人化した言葉。冬になると天気予報などでも使われる
  • 冬化粧(ふゆげしょう):雪が降り積もり、まるでお化粧をしたかのように地面や山の一面が真っ白になる様子
  • 六花(ろっか):雪の別名。雪の美しい六角形の結晶を花にたとえた言葉。読み方は「りっか」のほかにも「ろっか・むつのはな」とも読む

厳しい寒さの中で、春を待ちわびながら、雪や氷などの美しい情景を思い浮かべる言葉が多いのが特徴です。

日本の四季については「日本の季節や気候を解説!行事や伝統色についても」 「日本の四季の特徴や魅力を知ろう!海外との違いも解説」にもまとめています。

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美しい四字熟語

美しい四字熟語の画像

四字熟語とは、4つの漢字で作られた熟語のことです。ここでは、響きや意味が美しい四字熟語と使い方を紹介します。

花鳥風月(かちょうふうげつ)

自然の美しい景色を表す日本語です。
「花鳥は、花を愛し鳥の鳴き声に耳を傾ける」「風月は、自然の風景や風流を楽しむ」という意味があります。使い方は、「春の山は花鳥風月が素晴らしい」「花鳥風月を楽しむためにここに住んでいる」などです。花鳥風月は景色だけでなく、自然を題材にした絵画や詩などを指す場合もあります。

雪月風花(ふうかせつげつ)

四季折々の美しい景色という意味です。
雪は冬、月は秋、風は夏、花は春を表しています。「私は毎週、散歩をしながら雪月風花を楽しんでいる」といった使い方ができるでしょう。また、景色を見ながら詩を詠む様子を、雪月風花と呼ぶ場合もあります。

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)

多種多様な花が美しく咲き乱れているという意味の四字熟語です。
本来の意味から転じて、現在では会社やチームなどに優秀な人が数多くいる様子を「百花繚乱」と呼ぶようになりました。「日本の春は百花繚乱の景色を楽しめる」「今年のチームメンバーは百花繚乱なので、優勝間違いなしだ」などの使い方があります。

桜梅桃李(おうばいとうり)

人はそれぞれ自分自身の個性や特長を持っており、それぞれが違うという意味です。
桜梅桃李は「桜」「梅」「桃」「李」というそれぞれ異なる特性を持つ花々が並ぶ様子から、人々も自分自身の個性を大切にし、他人と比べることなく自分自身を磨くことが大切だと表現しています。使い方の例は「我々はそれぞれの役割を全うし、桜梅桃李の精神でチーム運営を行っています」です。

流星光底(りゅうせいこうてい)

流星のように一瞬だけ光輝く様子を表す言葉です。
もとは、振り下ろされた刀が一瞬輝くことを流星にたとえた四字熟語で、はかなさを表す意味で使われます。「流星光底に敵をなぎ倒す」などの使い方ができるでしょう。また「流星光底長蛇を逸す」ということわざもあり、大敵を取り逃がしてしまうという意味から、またとない機会を逃してしまうという意味で使われます。

山紫水明(さんしすいめい)

自然の風景が清らかで美しいことを表す言葉です。
太陽の光で山は紫にかすみ、川は澄み切って美しい様子を表します。人工物や市街地の景色には使いません。「山の頂上からは山紫水明と呼べる絶景が見渡せる」といった使い方ができるでしょう。

鏡花水月(きょうかすいげつ)

目で見れても手には取れないという意味で、奥深い趣があることを表した言葉です。
「鏡花」は鏡に映った花、「水月」は水に映った月を意味しており、どちらも実体のない物体のたとえとして用いられています。「この作品には鏡花水月のような奥深い趣がある」といった使い方が可能です。

迦陵頻伽(かりょうびんが)

美しい声や声の美しいものをたとえた言葉です。
仏教で極楽にいるとされる鳥を指します。「迦陵頻伽のような歌声」といった使い方ができるでしょう。

天真爛漫(てんしんらんまん)

明るく無邪気な様子をたとえた言葉です。
飾り気がなく素直な振る舞いや性格を表し「子どもの天真爛漫な様子を見ていると元気が出る」など、多くは良い意味や誉め言葉として使われます。一方、無神経や配慮に欠ける様子を皮肉に表す意味で天真爛漫が使われることも。相手や状況に合わせ、正しい使い方をする必要があります。

夢幻泡影(むげんほうよう)

人生の儚いことをたとえた言葉です。
夢や幻のように実体がなく消えやすいものと同じように、人の世は儚いという意味です。「人生は夢幻泡影、前を向いて進もう」「一緒に過ごした時間は夢幻泡影だった」などと使えます。

雲心月性(うんしんげっせい)

名誉や利益を求めようとしない、無欲で清らかな心や人を意味します。
いつも清らかで澄み切っている雲や月の印象や美しさに、人間の心や性質を重ねて出来た言葉です。「彼女はお金や地位に興味がない。まさに雲心月性だ」のように使います。

黄花晩節(こうかばんせつ)

年老いても心身ともに健康なことや気高く立派な信念を守り続けることです。
長寿を祝う言葉として使われます。「黄花」とは菊の花のことです。「黄花晩節とは、まさに彼のような人のことだ」などといった使い方ができるでしょう。

徹頭徹尾(てっとうてつび)

最初から最後まで1つのことを貫くことを指す言葉です。
ゆるぎない強い意志や信念、主張を表すため、経営理念やスローガンにも使われます。使い方は「目標達成にむけて、徹頭徹尾、努力を続けていく」などです。同じような意味を持つ四字熟語として「終始一貫」があります。

清風明月(せいふうめいげつ)

明るく澄んだ月とすがすがしい風が心地よい静かな夜の様子を表した四字熟語です。
ほかにも、風雅な遊びや自然を堪能することを意味します。「清風」はすがすがしい風、「明月」は明るく澄んだ月のことです。「清風明月を感じたくて、夜に散歩する」などと使います。

重見天日(ちょうけんてんじつ)

暗く苦しい状況から抜け出して、良い方向に向かうことです。
「重見」は再び見ること、「天日」は太陽を表します。苦しい状態が続いていたが、やっと明るい兆しが見え始めたり、完全に脱出したりして現在は良い状態という意味です。「経営が大変だったが、ようやく重見天日の気配が感じられる」といった使い方をします。

四字熟語以外にも面白い意味やかっこいい響きを持つことわざについては「人生にまつわることわざ一覧!意味を知って先人からの教訓を学ぼう」 「かっこいいことわざを紹介!読み方や意味を覚えて今すぐ使おう」で紹介しています。

雨や雪を表す美しい日本語

雨や雪を表す美しい日本語の画像

自然を表現する言葉が多いのが美しい日本語の特徴です。ここでは、雨や雪を表す美しい日本語を紹介します。読み方が独特な言葉も多いため、声に出し言葉の響きを確かめながら読んでみるのも良いでしょう。

時雨(しぐれ)

秋から冬にかけて降る少量の雨を指す日本語です。空は曇り冷たい風が吹いて、雨がぱらぱらと降ってくる様子を表しています。

淡雪(あわゆき)

春先に降り、地面に落ちたあとすぐに消えてしまう軽い雪を指す言葉です。降ったあとはすぐに消えてしまうことから、はかなさの象徴として使われます。

天泣(てんきゅう)

晴れているのに雨が降る現象です。「狐の嫁入り」ともいいます。雨が落ちる間に雲が移動したり、雨が風で運ばれたりして起こる現象です。

翡雨(すいう)

草木の青葉に降る雨のことを意味します。新緑のころの、美しい雨の景色を想像させる言葉です。

風花(かざはな)

晴天に風に舞うように降る小雪。初冬のころ、風がさっと吹いて雪や雨がちらつくことを意味します。

花や植物を表す美しい日本語

花や植物を表す美しい日本語の画像

古来から、日本では人の心情や佇まいを花や植物にたとえてきました。そのため、花や植物を表す美しい日本語がたくさんあります。

花笑み(はなえみ)

花が咲いたり、蕾(つぼみ)がほころんだりする意味です。ほかにも、咲いた花のように、華やかな笑顔や人が微笑んでいる様子を咲いている花にたとえて使います。

花筏(はないかだ)

桜の花びらが散って、それが帯状になって水に浮かんで流れて行く様子を筏(いかだ)に見立てた言葉です。美しい情景を思い浮かべられます。

雨降り花(あめふりばな)

摘み取ると雨が降ると言われている花のことです。地域によって違いますが、主に「ホタルブクロ」や「シロツメクサ」を指します。

秋桜(こすもす)

秋桜は、日本の秋に咲く花です。花弁の形が桜に似ているところから「秋桜」と名づけられたとされています。

忘れ花(わすればな)

遅れて咲く花のことです。咲くはずのない季節に花開くことを意味します。別名は「返り花」です。

空や月を表す美しい日本語

空や月を表す美しい日本語の画像

美しい日本語の中には、空や月を表す言葉があります。日本の季節行事は、天文学と深い関わりがあるため、季節の移ろいを感じる美しい言葉が多いのです。

初明り(はつあかり)

新年の始まりである元旦(1月1日)の夜明けを表す美しい言葉です。俳句では新年の季語として使われます。

銀湾(ぎんわん)

天の川のことです。澄みきった秋の夜空に輝く無数の星の帯が、まるで川や湾のように見えたことが語源とされています。

星合の空(ほしあいのそら)

七夕の夜空のことです。陰暦の7月7日、牽牛と織姫の二つの星が、天の川を渡ってあうことという、中国の七夕伝説が由来とされています。秋の季語です。

花あかり(はなあかり)

暗い夜でも満開の桜によって明るく見える様子を表しています。言葉の響きも美しく、ホテルや旅館の名前にも多く使われている言葉です。

朧月夜(おぼろづきよ)

春の夜に霧(きり)や靄(もや)などでかすんで見える月のことをいいます。朧(おぼろ)には、あいまいではっきりしない、不確かな様子という意味があり「おぼろげな記憶」という表現でも使われる言葉です。

感情や様子を表す美しい日本語

感情や様子を表す美しい日本語の画像

美しい日本語の中には、人の感情や様子を表す言葉もあります。ここでは、日本語ならではの奥ゆかしい表現を紹介します。

破天荒(はてんこう)

今まで誰もできなかったことを成し遂げることです。とても立派な様子を表します。「常識がない」「豪快」という意味ではありません。

面映ゆい(おもはゆい)

顔を合わせるのが照れくさい、きまりが悪いという気持ちを表す言葉です。顔を表す「面」と、まばゆいという意味の「映ゆし」が合わさった言葉で「顔を合わせるのがまぶしく感じられる」という状況を表しています。「照れくさい」や「恥ずかしい」と似たような使い方ができるでしょう。

恋衣(こいごろも)

常に相手を思う強い恋心を表す言葉です。恋心を身につける衣にたとえ、心から離れない強い気持ちを表現しています。『万葉集』や詩歌にもよく用いられた言葉です。

忍涙(しのびなみだ)

人に知られないようにひっそりと泣く様子を表しています。忍(しのぶ)は人目を避け、目立たないようにするという意味です。

逆鱗(げきりん)

目上の人を怒らせる、あるいは相手を怒らせることを意味します。竜のあごの下にある一枚だけ逆さに生えた鱗に触れると普段はおとなしい竜が怒り狂うことから「逆鱗」という言葉が生まれました。逆鱗は触れてはいけない部位とされ、帝や主君の怒りを買う行為と表現する言葉として使われています。

心化粧(こころげそう)

相手によく思われようと改まった気持ちになることです。言葉や行動に気を配り、良い印象を持ってもらうために気持ちを整えることを、化粧しているようにたとえていいます。

涙雲(なみだぐも)

涙ぐんで視界がぼやける状態を表す言葉です。泣きそうな気持ちを雨の様子を表しています。使い方は「彼女は映画を見て感動し、目に涙雲を浮かべていた」などです。

愛嬌(あいきょう)

にこやかで可愛らしい雰囲気を持ち、相手に対して好意的な振る舞いができる様子を意味します。よく似ている「愛想」は「人に接するときの態度、人当たりのいい態度」という意味となり、愛嬌とは異なる意味です。

たおやか

姿や形、動作がしなやかで優しく、性質がしとやかで上品な様子を表します。美しさを表す言葉です。

美しい景色を「風情を感じる」と表現することもあります。風情の意味や使い方について知りたい方は「風情の意味や読み方を解説!例文を参考に使い方を理解し会話で使ってみよう」にまとめています。

色を表す美しい日本語

色を表す美しい日本語の画像

日本には伝統色と呼ばれる、古来から伝わる色があります。そして、その色を繊細で優しい雰囲気の名前で呼び、日本語の美しさが表れてるのが特徴です。ここでは、日本で親しまれてきた美しい響きの色名を紹介します。

紅(べに)

紅色は、「くれない色」や「こうしょく」とも読む色です。鮮やかな赤色を意味し、紅花(べにばな)という花から抽出された色素を使います。紅色は人気のある色であったものの、高貴な身分の人しか身に付けられない色といわれていました。

曙(あけぼの)

夜明けの空の色を思わせる朝焼けのような淡い黄赤色です。曙は「夜明け」を意味します。江戸時代前期には、裾を白くし、上部を紅や紫などでぼかしていく「曙染」が流行しました。

猫柳(ねこやなぎ)

猫柳という花穂の色です。ややくすみのある渋い薄黄緑色をしています。猫柳は、3~4月に銀白色の花穂をつける植物です。 花穂がネコの尾に似て、ヤナギの仲間であることが名前の由来とされています。

撫子(なでしこ)

少し紫みのある薄い赤色のことです。撫子というピンク色の花が語源となり付けられた色名といわれています。日本人女性の美称に「大和撫子(やまとなでしこ)」という言葉もあり、日本人には馴染み深い言葉です。

桃(もも)

桃の花のような淡く薄く明るい赤色のことです。現代ではピンク色と呼ばれています。『万葉集』にも「桃花褐(つきそめ)」という記述もあり、古くから日本人に親しまれてきた色です。

亜麻(あま)

黄色がかった薄い茶色のことです。亜麻色の語源となった亜麻という植物は人類最古の繊維とも呼ばれ、糸やリネン、織物が作られてきました。日本で亜麻色という色名が使われるようになったのは、明治時代以降といわれています。同じ読みの色に「天色」(あまいろ)という色がありますが、こちらは鮮やかな青色です。

瑠璃(るり)

紫みの強い鮮やかな青色のことをいいます。一般的には濃い青色(紺色)として表現される色です。瑠璃は仏教の七宝のひとつであり、珍しい宝石として古来より重宝されてきたことから、瑠璃色も至上の色として平安時代より貴族に愛されてきました。

熨斗目(のしめ)

やや灰みの濃い鈍い青色のことです。熨斗目とは、江戸時代に士分以上の者が礼服として着た小袖の織模様を指します。その熨斗目に使われていた色が熨斗目色です。

翡翠(ひすい)

青緑から黄緑にわたる幅広い緑色です。カワセミの羽色のような鮮やかな緑のことをいいます。室町時代から使われていた色の名前です。語源となった翡翠は宝石の名前であり、半透明の緑色が美しく不老長寿のシンボルとして東洋人から愛されています。

黄金(こがね)

赤みを帯びた黄色のことで、金色や山吹色に近い色です。「おうごんいろ」とも読みます。「黄金色の絨毯(じゅうたん)」とは、朝日や夕日を浴びて輝く稲穂の田んぼを指す言葉です。

日本の伝統色については「日本の伝統色は季節・動植物にルーツがある!意味や歴史について」 「季節ごとの日本の伝統色とは?襲の色目についても解説!」にも紹介しています。

まとめ

まとめの画像

美しい日本語には、人の心情を自然や四季に重ねて表した言葉がたくさんあります。繊細で自然豊かな情景を短い言葉で想像できるのが特徴です。美しい日本語の意味や使い方を理解し、言葉の奥深さに触れてみてください。

ライター

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