和風月名の一覧を外国人向けに紹介! 意味や由来と併せてチェック!

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2023/01/18

和風月名について知りたい人に向け、意味や由来も併せて各月の名称を紹介します。和風月名は、旧暦における各月の和風の呼び名です。季節感や日本人の感性が反映された名称が多いのが特徴で、新暦になった現在も好んで使われることがあります。このコラムで和風月名について知って、昔の日本人の季節に対する豊かな感性について思いを馳せてみましょう。

目次

  1. 和風月名(わふうげつめい)とは
  2. 和風月名の一覧
  3. 和風月名の意味や由来
  4. まとめ

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和風月名(わふうげつめい)とは

和風月名(わふうげつめい)とはの画像

和風月名は、日本の旧暦で使用されていた和風の月の呼び名です。1月は「睦月」、2月は「如月」のように、旧暦の各月を日本独自の名前で呼んでいました。和風月名は、四季折々の季節感を織り込んだ風情ある名称が多く、新暦になった現在も月の異称として用いられることがあります。ただし、和風月名は旧暦の月の名称なので、現在の季節感とは1ヶ月ほどのずれが生じることがあるので注意してください。

旧暦と新暦がずれるのはなぜ?

日本は現在、太陽暦のグレゴリオ暦を採用しています。太陽暦は、地球が太陽の周りを回る周期をベースに作られた暦です。実際の公転周期(約365.2422日)に近くなるよう、1年を365日に設定し、細かい差を4年に1回閏年を設定することで調整しています。
一方、旧暦の太陽太陰暦は、月の満ち欠けをベースにした暦です。月の朔望(29日~30日間)を1ヶ月とし、1年を354日に設定しています。ただ、これでは実際の公転周期と差があり、季節がずれていってしまうため、太陽の動きも参考にして「閏月」を追加し、調整していました。

旧暦と新暦にはずれが生じます。たとえば、旧暦の1月は、現在の2月ごろになることがほとんどです。そのため、和風月名は現在の季節感とはずれが生じることもあります。

和風月名の一覧

和風月名の一覧の画像

旧暦の各月に対応した和風月名の一覧を紹介します。

1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき・みなつき)
7月:文月(ふみづき・ふづき)
8月:葉月(はづき・はつき)
9月:長月(ながつき・ながづき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもつき)
12月:師走(しわす)

どれも季節感を感じさせる風情がある名前なので、ぜひ覚えてみましょう。

和風月名の意味や由来

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和風月名の由来については諸説ありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
なお、旧暦は1~3月が春、4~6月が夏、7~9月が秋、10月~12月が冬です。現在の季節感との違いも含めてチェックしてみましょう。

1月:睦月(むつき)

睦月(むつき)は、正月に家族や親戚で集まり、新年を祝って親しみ合う様子に由来するとされています。「睦」は、「親しくて仲が良い、睦まじい」という意味をもつ字です。

1月の異名は、ほかにも「初春月(はつはるづき)」「新春(しんしゅん)」「孟春(もうしゅん)」「早緑月(さみどりづき)」「元月(がんげつ)」「初空月(はつそらづき)」「太郎月(たろうづき)」「月正(げっせい)」などがあります。

2月:如月(きさらぎ)

如月(きさらぎ)は、「衣更着(きさらぎ)」ともいい、衣を重ね着することに由来するとされています。まだ寒さが残る月であることが分かる名前です。

2月の異名は、ほかにも「令月(れいげつ)」「仲春(ちゅうしゅん)」「梅見月(うめみづき)」「雪消月(ゆきぎえづき)」「木芽月(このめづき)」「雁帰月(かりかえりづき)」「恵風(けいふう)」「星鳥(せいちょう)」などがあります。

3月:弥生(やよい)

弥生(やよい)は、草木が生い茂るという意味の「木草弥生い茂る(きくさいやおいしげる)」に由来するとされています。旧暦の3月は春最後の月です。弥生は、暖かな陽気に草木が生い茂る様子を表しています。

3月の異名は、ほかにも「花月(かげつ)」「桜月(さくらづき)」「早花咲月(さはなさづき)」「花見月(はなみつき)」「雛月(ひいなつき)」「蚕月(さんげつ)」「竹秋(ちくしゅう)」「春惜月(はるおしみづき)」などがあります。

4月:卯月(うづき)

卯月(うづき)は、卯の花が咲く季節であることに由来するとされています。卯の花は、ウツギの花もしくはウツギのことです。ウツギは、幹が中空であるという意味の「空木(ウツギ)」に由来する木で、今の暦で5月ごろ、白くて気品のある花を咲かせます。

4月の異名は、ほかにも「卯花月(うのはなづき)」「種月(うづき)」「植月(うえつき)」「麦秋(ばくしゅう)」「木葉採月(このはとりつき)」「花残月(はなのこりづき)」「乾月(けんげつ)」などがあります。

5月:皐月(さつき)

皐月(さつき)は、早苗を植える月という意味の「早苗月(さなえづき)」に由来するとされています。「早苗(さなえ)」は、稲の苗床である苗代(なわしろ)から田んぼに移し替える苗のことです。早苗を植える月である早苗月が略され「さつき」になったといわれています。

また、そもそも早苗の「さ」には「田植え」の意味があることから、田植えをする月ということで「さつき」になったという説もあります。「皐月」という漢字については、「さつき」の「さ」を「神に捧げる稲」という意味がある「皐」に置き換えたという説が一般的です。

なお、サツキの花は、皐月の時期に咲くことから名付けられた名前なので、月の名前の由来ではありません。

5月の異名は、ほかにも「早苗月(さなえづき)」「多草月(たくさづき)」「橘月(たちばなづき)」「雨月(うげつ)」「五月雨月(さみだれづき)」「月不見月(つきみずづき)」「菖蒲月(あやめつき)」などがあります。旧暦5月は、現在の6月ごろにあたるため、初夏や梅雨に関係する名前が多いのが特徴です。

6月:水無月(みなづき・みなつき)

水無月(みなづき・みなつき)は、田んぼに水を引く「水の月・水な月」に由来するとされています。「な」と発語するところに「無」の字をあてはめて、「水無月」となったという説が一般的です。

6月の異名は、ほかにも「水月(みなづき・すいげつ)」「水張月(みずはりづき)」「風待月(かぜまちづき)」「常夏月(とこなつづき)」「炎陽(えんよう)」「弥涼暮月(いすずくれづき)」「涼暮月(すずくれづき)」「蝉羽月(せみのはつき)」「鳴神月(なるかみづき)」などがあります。

7月:文月(ふみづき・ふづき)

文月(ふみづき・ふづき)は、稲の穂が膨らんでくる月「穂含月(ほふみづき)」、また保が膨らむのを見る「穂見月(ほみづき)」に由来するとされています。ほかにも、短冊に字を書く七夕の行事から「文披月(ふみひらきづき)」になったという説もあります。

7月の異名は、ほかにも「七夕月(たなばたづき)」「愛逢月(めであいづき)」「親月(おやづき、しんげつ)」「涼月(りょうげつ)」「秋初月(あきはづき・あきそめつき)」「蘭月(らんげつ)」「女郎花月(おみなえしづき)」などがあります。

8月:葉月(はづき・はつき)

葉月(はづき・はつき)は、木々の葉が落ちる月「葉落ち月」が変化したものだとされています。現代の季節の感覚では、8月といえば夏真っ盛りで草木が生い茂るイメージがありますが、旧暦は7月から秋なので8月は秋本番です。

8月の異名は、ほかにも「穂張り月(ほはりづき)」「初来月(はつきづき)」「月見月(つきみづき)」「木染月(こそめづき)」「秋風月(あきかぜつき)」「紅染月(べにぞめづき)」「雁来月(かりきづき)」「燕去月(つばめさりづき)」「観月(かんげつ)」などがあります。

9月:長月(ながつき・ながづき)

長月(ながつき・ながづき)は、秋が深まり夜の時間が長くなる「夜長月(よながづき)」に由来するとされています。そのほか、秋の長雨による「長雨月(ながめづき)」が変化したという説や、「「穂長月(ほながづき)」に由来するという説、「稲刈月(いねかりづき・いながりづき)」が略されたという説も一般的です。

9月の異名は、ほかにも「紅葉月(もみじつき)」「菊月(きくづき)」「菊開月・菊咲月(きくさきづき)」「彩月(いろどりづき)」「梢の秋(こずえのあき)」「寝覚月(ねざめづき)」「玄月(げんげつ)」などがあります。紅葉で色づく秋の情景が思い浮かぶような名前が多いのが特徴です。

10月:神無月(かんなづき)

神無月(かんなづき)は、「神の月・神な月」に由来するとされています。「な」と発語するところに「無」の字をあてはめて、「神無月」となったという説が有力です。

また、「各地の神々が留守になる月」が由来になったという話も有名です。陰暦の10月には、日本中の神々が出雲大社に集まり、「神議り(かみはかり)」という会議を開くという伝承が古くからありました。各地の神々が留守になることから「神無月」と呼ばれるようになったとされています。そのため、現在も島根県の出雲地方でだけは、「神在月(かみありづき)」と呼んでいます。

10月の異名は、ほかにも「雷無月(かみなかりづき・かみなしづき)」「醸成月(かみなしづき)」「時雨月(しぐれづき)」「初霜月(はつしもづき)」「鎮祭月(ちんさいづき)」「小春(こはる)」などがあります。

11月:霜月(しもつき)

霜月(しもつき)は、霜が降りる月という意味の「霜降月(しもふりつき)」が由来とされています。

11月の異名は、ほかにも「神楽月(かぐらづき)」「神帰月(かみきづき)」「神帰月(かみかえりづき)」「霜見月(しもみづき)」「雪待月(ゆきまちづき)」「雪見月(ゆきみづき)」「復月(ふくげつ)」などがあります。10月の神無月に対して、11月は神々が神社に戻ってくるという意味の名前が多いのが特徴です。また、雪や霜など、冬のおもむきを感じる名称も多くなります。

12月:師走(しわす)

師走(しわす)の由来についてはさまざまな説があります。なかでも、師僧がお経をあげるために忙しく走り回るという意味の、「師馳す」が転じて「師走」になったというのが有名です。

12月の異名は、ほかにも「極月(ごくげつ)」「暮古月(くれこづき)」「春待月(はるまちづき)」「除月(じょげつ)」「暮歳(ぼさい)」「限りの月(かぎりのつき)」「年満月(としみつづき)」などがあります。

まとめ

まとめの画像

日本人は昔から四季の変化を繊細に感じ取り、その季節感を詩や絵画で情緒豊かに表現してきました。和風月名にも、その豊かな感性が現れています。和風月名の意味と由来を覚えて、昔の日本人の季節感に思いを馳せるのも良いでしょう。
 

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