夜勤とは深夜労働のことです。該当する勤務時間は午後10時から翌日の午前5時までと労働基準法により定められており、職種により交代時間等の勤務体制は異なります。求人も幅広く、経歴やスキルに関係なく未経験で応募できるものも。ここでは、夜勤の働き方や勤務時間、仕事内容について解説します。コラムを参考に夜勤のメリットやデメリットを知り、働き方の知識を深めましょう。
目次
夜勤とは?
夜勤とは、深夜に働くことです。24時間営業している職種に就いた場合は、夜に勤務をすることもあるでしょう。「労働基準法」では、一部の業種を除き18歳未満の夜勤は禁止されています。また、「母性保護規定」により妊産婦が夜勤免除を希望した際は、企業側は受け入れる必要があるなどの法律も制定されました。ここでは、夜勤の勤務時間や働き方について解説します。夜勤について正しく理解しましょう。
夜勤の勤務時間
夜勤とは、午後10時から翌日の午前5時までに該当する時間帯に働く深夜労働のことです。職種により勤務時間や交代制の違いはあるものの、労働基準法により深夜労働の該当時間帯に働いた場合は、夜勤とみなされます。夜勤は日をまたぐ深夜の労働になるため、2日勤務と思う人もいるかもしれません。労働基準法では、夜勤で日をまたいで働いた場合でも始業時刻を基準に1日の労働と数えるよう定められています。
夜勤の休憩時間
夜勤時の休憩時間は、日勤時の休憩時間と同様です。労働基準法では、休憩時間について以下のように定められています。
- 1日の勤務時間が8時間以上の場合は、少なくとも1時間以上の休憩時間が必要
- 6時間以上、8時間以下の場合は、少なくとも45分以上の休憩時間が必要
また、1日の勤務時間が6時間未満の場合は、休憩を与えなくても良いとされています。自分の勤務状況に合わせ、正しい休憩時間が取れているか確認しましょう。
夜勤がある仕事の休日について
夜勤を終えた日は、休み扱いとはなりません。そのため、月曜日から火曜日にかけて仕事をした場合に休日が取得できるのは水曜日以降です。夜勤明け当日の勤務については法律上の定めはないものの、従業員の負担が大きく好ましくないとされています。
参照元
厚生労働省「労働に関するQ&A」
このほか、留学生の労働条件やアルバイトの勤務時間について知りたい方は、「外国人留学生のアルバイトの労働時間に制限はある?働く際の注意点を解説」のコラムを参考にしてください。
ピックアップ記事
夜勤のメリットとデメリットは?
夜勤は日勤とは生活リズムが異なるため、合う人もいれば合わない人もいます。勤務時間や給与など、何を重視するかは人によってさまざまです。ここでは、夜勤のメリットとデメリットについて解説します。夜勤の職種に興味がある人は、参考にしてください。
夜勤のメリット
夜勤のメリットは、日勤より給与が高いことです。深夜労働では、通常の賃金より25%以上の割増賃金(深夜手当)が受け取れます。収入アップをめざす人にとっては、魅力的な勤務といえるでしょう。
また、出社時間が遅いため通勤ラッシュや満員電車を避けられるほか、区役所や銀行に行ったり買い物をしたりなど、日中の時間を有効に使えるのもメリットです。
さらに、深夜は電話や来客が少なく、職種によっては比較的静かな環境で集中して仕事に取り組めるのも魅力といえます。
夜勤のデメリット
夜勤の大きなデメリットは、深夜労働による生活リズムの乱れです。夜勤に慣れるまでは「寝付けない」「家族や友人と予定が合わない」など体力面や精神面で、辛いと感じる人もいるようです。遮光カーテンやアイマスクを活用するなどし、睡眠はしっかり確保しましょう。健康維持のため栄養バランスのとれた食生活を心がけることも大切です。
夜勤で働くスタッフは日勤に比べると少ないことから、職種によっては一人にかかる負担が増える可能性もあります。夜間は管理職がいない職場もあるため、仕事に関する質問や不明な点は夜勤前に確認しておきましょう。
夜勤に向いている人
夜勤が辛いと感じる人がいる一方で、夜勤に向いている人もいます。朝起きるのが苦手な夜型の人は、夜中心の生活リズムを維持しながら働けるため夜勤に向いています。また、時間帯に関係なく睡眠がとれる人も、睡眠不足になりにくいため夜勤向きといえるでしょう。そのほか、夜勤は収入アップを目指す人にも人気です。同じ労働時間でも夜勤は通常賃金の25%以上の深夜手当が受け取れるため、日勤より稼ぎやすくなります。
夜勤のある仕事
夜勤のある仕事はさまざまです。昨今では、副業を許可する企業やフレキシブル勤務を導入する企業が増えたことにより、ダブルワーカーも増加傾向にあります。ここでは、夜勤のある仕事と業務内容について紹介。夜勤のある仕事を知り、自分に合った仕事を見つけるうえでの参考にしてください。
ホテル従業員
ホテル従業員の夜勤の仕事内容は、主にフロントや客室対応です。深夜の時間帯は、チェックインやチェックアウトなどでフロントに来るお客さんも少ないため、基本的には待機し要請があったときのみ対応します。ホテルによっては、従業員用のトイレの清掃や自販機の補充、アメニティの補充などが業務に含まれるところも。夜勤専従の働き方は少なく、日勤と夜勤の交代シフト制となっているホテルがほとんどです。
看護師
多くの看護師は日勤と夜勤の交代制のシフトで働いています。夜勤ではナースコールの対応や患者さんの体位交換、バイタルチェックなどの業務が行われ、日勤の業務内容とは変わりません。なかには、夜勤専従で働く看護師もいます。夜勤専従看護師は収入アップが見込めるため、夜勤のみで働きたいという方には良いでしょう。
介護職
介護職の夜勤の業務内容はトイレの補助や体位交換、巡回などです。日勤と業務内容はさほど変わりませんが、急変時に緊急対応が求められることがあります。
高齢化に伴って施設数が増加していることもあり、介護職はニーズの高い職種です。夜勤専従の介護職も重宝されています。
病院の夜間受付
急患を受け入れる病院は夜間も開いています。夜間受付の業務内容は、来院した患者さんの対応や電話応対などです。日中に比べると患者数は少ないものの、急を要する患者さんも来院することから、的確な受付業務が求められることも。そのため、病院の夜間受付は臨機応変かつ冷静に対応できる人に向いています。
清掃員
清掃員はオフィスビル内や交通施設、商業施設などの清掃を行います。清掃員の求人は、経験や資格がなくても応募可能なことがほとんどです。夜間は多くの人が利用する日中の時間帯では難しい清掃作業を行います。ほかの職種に比べると作業時間が短いため、夜に少しだけ働きたい人に向いている仕事です。
ドライバー
タクシー運転手やトラック運転手の一部も深夜に働いています。タクシーの場合、公共交通機関が動いていない深夜は長距離乗る人も多いうえ割増料金になるので、日中より稼げる場合も。そのため、主に深夜帯に働くタクシー運転手もいます。また、夜間は交通量が少なく渋滞がほぼないのも、深夜帯に働くメリットです。特にトラック運転手はストレスなく働けるでしょう。
コールセンター
コールセンターでは、夜間にクレジットカードの盗難紛失に関する問い合わせ対応やテレビ通販の注文受付、いじめ相談の電話カウンセリングなどを行っています。緊急性の高い入電もあることから、冷静かつ臨機応変に対応する力が必要です。資格やスキルの有無は、業務内容によって異なるため求人情報を確認しましょう。
コンビニエンスストア店員
コンビニの夜勤は、時給が良く学生に人気です。昼間は大学や専門学校などで授業を受け、夜はコンビニで働くという学生も少なくありません。夜間のコンビニエンスストアはお客さんの数も少ないため、商品管理が主な業務です。接客が苦手な人や、商品の補充や陳列などを中心とした仕事をしたい人におすすめといえます。
IT系監視員
IT系監視員は、インフラエンジニアとして企業のシステムの監視をしたり、SNS上での不適切投稿をチェックしたりする仕事です。接客応対や職場でのコミュニケーションもそれほど必要ない職種であるため、パソコンに向かって黙々と作業をしたい人に向いています。
工場スタッフ
工場スタッフの業務内容は、主に食品加工やライン作業、ピッキング作業などがあります。単純作業が多く、未経験でも応募可能な求人募集も多いことから人気の仕事です。業務内容や給与は勤務先の工場により異なります。また、短期・長期などの勤務期間や日払い・週払いなどの給与の受け取り方法を選びやすいのも魅力です。
警備員
警備員はオフィスビルや病院の見回りのほか、周辺の交通誘導などを行います。施設警備では深夜の来客対応のほか、モニターチェックを行います。交通誘導では、車両や通行人の誘導を行うことが主な業務内容です。夜間は人出が少なく交通量が減るため、警備業務を行いやすい時間帯といえるでしょう。また、ノルマや時間制限がないため働きやすいと感じる人も。経験に関わらず募集している求人が多く、高齢の方や未経験の方も応募しやすい職種といえるでしょう。
日本の会社の職種や業種について知りたい方は、「日本の会社と職種は?外国人留学生に向けて紹介」のコラムを参考にしてください。
まとめ
夜勤は大変というイメージがありますが、深夜手当によって収入アップを目指せたり、通勤ラッシュを避けられたりとメリットも多い働き方です。看護師や介護職などには夜勤専従という働き方もあり、重宝されています。授業などで日中に働けない学生にとっても、夜勤は働き方の選択肢の一つといえるでしょう。夜勤のある職種は多数あるので、興味のある方は応募条件や労働環境、仕事内容などを確認してみてください。