成人の日はどのような祝日?成人式についても解説

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2023/11/30

成人の日は、成人である18歳に達した若者を祝福する日のことをいいます。1月の第2月曜日に制定されており、日本政府が定めた祝日です。また、成人を祝福するイベントは成人式といい、各自治体によって開催されます。
このコラムでは、成人の日・成人式の概要、由来を解説。「振袖や袴を着る」「記念写真を撮る」「中学校や高校の同級生と会う」といった成人式の楽しみも紹介します。

目次

  1. 成人の日とは?
  2. 成人式とはどのようなイベント?
  3. 成人式の楽しみ
  4. 2022年に成人年齢は18歳に引き下げられた
  5. 成人年齢が18歳になった影響で成人式も変化する?
  6. まとめ

成人の日とは?

成人の日とは?の画像

成人の日が初めて制定されたのは1948年です。ここでは、成人の日の概要や由来を解説します。

成人の日の概要

成人の日は成人である18歳に達した青年を祝福する日のことで、1月の第2月曜日に定められています。英語での表記は「Coming of Age Day」です。

内閣府のWebサイトによると、成人の日は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日と制定されています。成人するとさまざまな権利が得られますが、同時に義務が発生するので子どものときのように無責任ではいられません。成人の日は、大人になった自覚を持つための区切りとなる日です。

成人の日の由来

成人の日の由来の画像

成人の日の由来は、日本の古い儀式である元服(げんぷく)や裳着(もぎ)です。
元服とは奈良時代以降に始まった男児の成人を示す儀式で、11歳から20歳ごろまでに行なわれていました。髪型を子ども用から大人用に変えて、成人した男性向けの着物や帽子を身に付ける儀式です。
裳着は平安時代以降から始まった女児の成人を示す儀式で、12歳から16歳ごろが対象とされていました。裳といわれる腰から下を覆う衣装を身に付けて、垂らしていた髪を結い上げるのが習わしです。これらの由緒ある儀式が、成人の日の基礎といわれています。

成人の日の日にちの変化

成人の日は、1948年から1999年までは1月15日と決められていました。1月15日に決められた理由は、成人の日の由来となった元服が正月によく行われていたためです。多くの場合、貴族は1月5日までに、武士は1月11日に元服を祝っていました。国民の祝日である成人の日を定める際に、貴族や武士が元服を行った日を避けて、正月最後の日である1月15日にしたとされています。

2000年になり、ハッピーマンデー制度によって成人の日は1月の第2月曜日に変更されました。ハッピーマンデー制度の正式名称は「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」です。月曜日を祝日にして3連休を増やし、観光や移動する人を増やすのが目的とされています。

さらに日本の祝日について知りたい方には、「日本の年中行事や伝統行事を一覧で解説!特別な日の風習や行事食とは?」や「日本の行事やイベントを英語で紹介!季節のお祝いや祭りについて理解しよう」のコラムがおすすめです。

参照元
内閣府「「国民の祝日」について」
内閣府「各「国民の祝日」について

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成人式とはどのようなイベント?

成人式とはどのようなイベント?の画像

日本には、成人を迎えた青年をお祝いする成人式といわれるイベントがあります。ここでは、成人式の概要や日にちについて解説するので、出席する予定がある方はぜひチェックしてみてください。

成人式の概要

成人式は、日本の各自治体が成人を迎える青年を祝うために開催するイベントです。開催年度内に成人となる青年を招いて、市長のスピーチや有名人の講演会、記念品の贈呈などが催されます。開催場所は、大人数を収容できるホールやスタジアム、市民会館などです。

成人式は、1946年11月22日に埼玉県の旧蕨町(わらびまち。1959年に蕨市に変更)で開催された「青年祭」が由来です。青年祭は、次の世代の中心となる若者に希望を持ってほしいとの願いが込められて開催されました。その後、日本政府が成人の日を1月15日に制定し、各地で成人式が開催されるようになったのです。

なお、日本では、2022年4月1日に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。成人式の対象となる年齢は自治体によって判断が異なります。ただし、多くの地域では20歳の青年を対象に成人のイベントが開催されています。

成人式の日にちは自治体によって異なる

成人式の日にちは全国で統一されておらず、自治体によって異なります。成人の日当日や直前の土曜日・日曜日に開催されるのが一般的です。
なかには、お正月に地元に帰省した人が参加しやすいように、1月3〜5日に開催される自治体もあります。北海道や東北地方には、雪が降る冬を避けて3月の春休みや4月末から5月初めの大型連休、夏のお盆の時期に開催する自治体も。成人式の日にちは、より多くの人が参加しやすい日を考慮して決められています。

成人式の楽しみ

成人式の楽しみの画像

大人になった青年を祝う成人式には、特別な楽しみがあります。ここで紹介するのは、「振袖や袴を着る」「記念写真を撮る」「中学校や高校の同級生と会う」という3つの楽しみです。

振袖や袴を着る

振袖や袴を着るの画像

成人式の楽しみの一つは、振袖や袴などのフォーマルな衣装を着ることです。振袖は袖が長い着物のことで、未婚の女性が着る和装のなかで一番格式が高いとされています。健康や長寿などの縁起の良い意味のある柄や鮮やかな色彩が施されており、お祝いにふさわしい衣装です。
袴は和服の一種で、着物の裾をたくし上げてから腰から下に身に付けます。成人式で着るのは、主に男性です。

なお、成人式に出席する際の服装には指定がなく、スーツやドレスなども一般的です。

記念写真を撮る

記念写真を撮るの画像

成人式の楽しみといえば、記念写真の撮影です。普段とは異なる衣装を身に付けて撮った写真は、記念に残ります。成人した本人だけでなく、家族と一緒に撮る人も少なくありません。何枚も写真を撮ってアルバムを作る人もいます。

成人式の写真は「前撮り」する人も多くいます。前撮りとは、イベントの開催日以前に撮影のために衣装を身に付けてフォトスタジオで写真を撮ることです。ゆっくり時間を掛けられるため、落ち着いて撮影できるのがメリットといえます。

中学校や高校の同級生と会う

中学校や高校の同級生と会うの画像

成人式では、中学校や高校の同級生と会うのも楽しみといえます。ほとんどの地域では、成人式が開催されるのは中学校や高校を卒業してから数年後です。そのため、成人式はしばらく顔を見ていない同級生に会う絶好の機会となるでしょう。

成人式後に中学校や高校の同窓会が開催されて、飲食をともにしながらゆっくり話せる場合もあります。成人式で会ったのをきっかけに、途絶えていた交流が復活するのも珍しくありません。

中学校や高校といった日本の教育過程について知りたい方には、「日本と諸外国の学校教育の違いとは?おかしいといわれる点も紹介」や「日本の高等教育の概要と進学率を解説!良い点や問題点も紹介!」のコラムがおすすめです。

2022年に成人年齢は18歳に引き下げられた

2022年に成人年齢は18歳に引き下げられたの画像

前述したとおり、日本では成人の年齢が2022年4月1日に20歳から18歳に引き下げられました。成人年齢の引き下げによって、18歳になったら親の同意がなくても自分の意思でさまざま契約ができるようになったのです。なお、成人年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙が開始できるのは20歳とされています。18歳の青年に認められていることと認められていないことは以下のとおりです。

【認められていること】

  • 親の同意を得ずに携帯電話や賃貸の契約する
  • クレジットカードの申し込みをする
  • 10年間有効なパスポートを取得する
  • 公認会計士や司法書士などの国家資格試験を受験する
  • 親の許可をとらずに結婚する

【認められていないこと】

  • アルコール飲料を飲む
  • 煙草を吸う
  • 競馬・競輪・競艇などのギャンブルを行う
  • 養子縁組をする
  • 大型・中型自動車運転免許を取得する

普通自動車免許の取得は、2022年4月1日以前と同様に18歳以上で取得可能です。しかし、大型・中型自動車運転免許は、20歳になってからでないと取得できません。

参照元
政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。

成人年齢が18歳になった影響で成人式も変化する?

成人年齢が18歳になった影響で成人式も変化する?の画像

ここでは、成人式における成人年齢の引き下げの影響を解説します。

成人式の対象となる年齢は?

成人式の対象年齢は各自治体が定めています。成人年齢の引き下げはありましたが、ほとんどの自治体で成人式の対象は20歳の青年のままです。成人年齢でない人が対象となるため、自治体によっては名称を「二十歳を祝う会」「20歳のつどい」「成人の日記念行事」などに変更しました。

2023年は3学年を対象とした成人式を開催した自治体もあります。三重県伊賀市では、18歳・19歳・20歳の各年齢を対象とした成人式が日時をずらして開催されました。

18〜20歳で成人式に出席したいと考えている方は、自身が居住する地域の成人式の対象年齢をWebサイトや地域紙などで確認しましょう。

記念写真は何歳で撮る?

成人年齢が変更された2023年でも、記念写真は20歳で撮る人のが一般的です。「二十歳を祝う会」「20歳のつどい」などのイベントや前撮りで写真を撮る人が多いといえます。

ただし、18歳のときに写真を撮る人もいます。この場合、成人というより高校の卒業記念に撮影する人のほうが多いといえるでしょう。家族写真を撮る人もおり、就職や進学で実家と離れる人にとって大切な記念となります。

まとめ

成人の日はどのような祝日?成人式についても解説のまとめの画像

成人の日とは成人に達した青年を祝う日のことで、1月の第2月曜日に制定されています。成人を祝うイベントを成人式といい、一般的な開催日は成人の日当日や直前の土曜日、日曜日です。
なお、2022年に成人年齢が引き下げられましたが、多くの自治体は成人式の対象年齢を引き続き20歳としています。対象年齢は自治体によって異なるため、自身が18〜20歳で成人式に出席したい場合は、Webサイトや地域紙などで確認しましょう。

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