通訳の仕事内容や種類について解説!通訳者に必要なスキルは?

WeXpats
2023/12/28

通訳は職種も多く、さまざま場面で活躍できる仕事です。通訳者には、ビジネスシーンで円滑にコミュニケーションが取れる高い語学力が求められます。また、各種の通訳に必要な専門的知識や、臨機応変に対応できる語学力以外のスキルも欠かせません。このコラムでは、通訳の仕事内容や種類について解説します。通訳者に必要な知識やおすすめの検定試験についても紹介するので、参考にしてください。

目次

  1. 通訳と翻訳の違いとは?
  2. 通訳の仕事に就くには
  3. 通訳の仕事の手法
  4. 通訳の仕事の種類は多数!
  5. 通訳の仕事の進め方は?
  6. 通訳の仕事に必要なスキル
  7. 通訳の仕事に役立つ資格
  8. まとめ
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通訳と翻訳の違いとは? 

通訳と翻訳の違いとは?の画像

通訳(つうやく)とは、口頭で述べられた言葉をその場で別の言語に訳すことです。また、翻訳(ほんやく)は、文章を別の言語に訳すことを指します。どちらも、最低2ヶ国以上の言語に精通していなければ行えないため、高い語学力が必要です。翻訳は、時間をかけて調べながら行える作業であるのに対し、通訳はその場で別の言語に訳しながら話さなければならないため、さらに高度なスキルが求められます。

通訳と翻訳の仕事について詳しく知りたい方は、「転職におすすめの業界は?外国人に向けて紹介」のコラムを参考にしてください。

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通訳の仕事に就くには

通訳の仕事に就くにはの画像

通訳の仕事に就くためには、ビジネスレベル以上の高い語学力が必要です。また、観光地を案内する「通訳ガイド」のみ、「通訳案内士」や都道府県での通訳ガイドに登録する必要があります。通訳ガイド以外の通訳者は公的な資格は特になく、語学力や経験が評価されて仕事を得るケースがほとんどです。
通訳者としての語学力を高めるために、語学系の大学や養成学校などの教育機関に通ったり、留学してネイティブの会話を聴く機会を増やしたりする人もいます。また、フリーの通訳者として働く人も多く、エージェントに登録して仕事が得られるケースも少なくありません。企業が単独で通訳者を募集することもあるため、求人情報をチェックして自分で探してみるのもおすすめです。

日本で就職する方法については、「外国人留学生が日本で就職する方法とは?採用されるコツを紹介」のコラムを参考にしてください。

通訳の仕事の手法

通訳の仕事の手法の画像

通訳の仕事には主に3つの手法があります。ここでは、通訳の形態や特徴について解説するので、参考にしてください。

逐次通訳

逐次通訳(ちくじつうやく)は、主に講演会やインタビューなどで使われる手法です。話し手の話す内容をまとめたり、きりのよいところまでの通訳を行ったりします。話し手のタイミングを見計らって聞き手に通訳した内容を伝えるため、訳されるまで少し時間がかかるのが特徴です。

同時通訳

同時通訳(どうじつうやく)は、国際会議や会見などの重要な場で用いられることが多い手法です。同時通訳は、話し手と聞き手の両方の言葉を聴きながらその場で通訳が行える、高いスキルや語学力が求められます。また、瞬時に話し手の言語を理解し訳さなければならないため、集中力や正確性が必要です。同時通訳を行う際は、通訳者が待機し通訳を行うための通訳ブースが設けられ、イヤホンなどを通じて通訳を伝える場合もあります。同時通訳には集中力や正確性が必要とされることから、長時間の稼働はせずに交代制で行うのが一般的です。

ウィスパリング

ウィスパリングは基本的には同時通訳と同じ手法で、瞬時に通訳を行います。ウィスパリングは、聞き手の隣で通訳するのが一般的です。また、通訳した内容は聞き手のみに聞こえる声量でささやくように伝える手法であることから、ウィスパリングという名がつきました。ウィスパリングは、双方の会話を邪魔することなく通訳業務を行えるため、商談や交渉などが行われるビジネスシーンなどで多く用いられる手法です。

通訳の仕事の種類は多数! 

通訳の仕事の種類は多数!の画像

通訳の仕事の種類は多数あり、それぞれの仕事で求められるスキルも異なります。ここでは、通訳の仕事の種類について解説するので、参考にしてください。

ビジネス通訳

ビジネス通訳とは、ビジネスシーンで行われる通訳のことです。商談や交渉、ミーティングなど、あらゆるビジネスシーンにおいて、通訳者は重要な役割を担っています。通訳の内容を間違えてしまった場合は、会社の損益にも影響を及ぼす恐れもあるため、責任のある仕事といえるでしょう。

会議通訳

会議通訳は、サミットや国際会議、政府間協議などの場で行われます。会議通訳は、国際的な場で通訳するため各国トップレベルの通訳者が行うことが多く、重要なポジションです。また、同時通訳の手法で専門的な知識を正しく訳す必要があるため、ビジネス通訳以上に高い語学力と専門的知識が求められます。

放送通訳

放送通訳は、海外や日本のニュースを通訳する仕事です。通訳を行う際は、あらかじめ海外のニュースを通訳者が事前に見て行う時差通訳と、瞬時に行う同時通訳の手法が用いられます。ニュースの内容を正しく通訳するためには、海外の国の文化や歴史などの幅広い知識が必要です。また、日本の視聴者に向けて情報を発信する際は、正しい日本語を話すスキルも求められるでしょう。

エンターテイメント通訳

エンターテイメント通訳は、来日した俳優やミュージシャンなどの著名人に同行して同時通訳を行います。エンターテイメント通訳は別名エスコート通訳とも呼ばれ、インタビューや記者会見の際に隣で同時通訳または、ウィスパリングを行うのが一般的なスタイルです。エンターテイメント通訳を行う際は、著名人に対するマナーやコミュニケーションスキルなども求められます。そのため、通訳を行う著名人の個人情報や作品情報を調べておくなど、事前準備も必要です。

イベント通訳

イベント通訳の仕事内容は、さまざまな展示会やショーなど、企業が開催するイベントでの通訳です。会場の設営や商品説明、受付などのやりとりを全面的に通訳でサポートします。イベント通訳は日本国内だけでなく、海外で開催されるイベントでも活躍できるでしょう。

通訳ガイド

通訳ガイドとは、海外から来日した観光客に日本の観光地などで案内を行う通訳者のことです。そのため、通訳ガイドには、観光名所について正しく伝えるための知識が求められます。通訳ガイドになるためには、国家資格である「通訳案内士」の取得が必要です。また、通訳ガイドとして各都道府県への登録も必要なため、忘れずに行いましょう。通訳ガイドには、観光客に対して分かりやすく説明できる、高い語学力や質問に応答できる知識、コミュニケーション能力なども求められます。

ボランティア通訳

ボランティア通訳とは、通訳者が足りなくなった際などに一時的に募集される仕事のことです。ボランティアとして通訳を行うため、給与などの報酬が得られるわけではありません。通訳の仕事に挑戦してみたいと思っている未経験の人や、通訳者として少しでも多くの経験を積みたいと考えている人には、よい機会となるでしょう。

コミュニティ通訳

コミュニティ通訳とは、日本語が話せない在日外国籍の人を対象に、さまざまな場面で通訳を行い、支援する仕事です。コミュニティ通訳は、行う場所によって以下の4種類に分けられます。

学校通訳

学校通訳は、外国籍の保護者と子どもが学校などの教育機関と意見交換をしたり、コミュニケーションをとったりする際に通訳を行います。入学の手続きや面談など、通訳が必要な場面で適切なサポートを行うのが仕事です。

医療通訳

医療通訳は、病院や薬局などの医療機関において通訳を行います。通訳を行う際は、医療関係者の言葉を正しく伝えるために、医療に関する専門的な知識も必要です。ときには、手術などの場に立ち会うこともあるため、医療に精通した人が活躍できる仕事といえるでしょう。

行政通訳

行政通訳は、市役所などで各種の手続きをするにあたって不明な点を通訳する仕事です。日本語の読み書きが出来ない人にとって公的機関での手続きは難しいため、サポートを必要とする人が多くいます。通訳を行うことで、行政に関する手続きをスムーズに進められるでしょう。

司法通訳

司法通訳には、「警察通訳」と「法廷通訳」の2種類があります。どちらも法律に関わる知識が必要です。取り調べや法廷で通訳を行う際は、言葉選びや伝え方など高いコミュニケーションスキルが求められます。

日本で正社員としての採用を目指している方やビザについて知りたい方は、「外国人が正社員になるには就労できるビザが必要!取得方法とは」のコラムを参考にしてください。

通訳の仕事の進め方は? 

通訳の仕事の進め方は?の画像

通訳の仕事は種類も多く、フリーランスなど働き方も多様化しています。そのため、通訳者の仕事の進め方もさまざまです。ここでは、一般的な通訳の仕事の進め方について紹介します。

事前準備

通訳の仕事内容に応じて、必要となる準備や下調べを行います。通訳の仕事は言葉を知っているだけでは務まらず、ときに専門的な知識も求められるため事前準備は大切です。事前準備をしっかりしておくことで、打ち合わせもスムーズに行えるでしょう。

打ち合わせ

通訳を行う際は、事前に関係者との打ち合わせを行います。交渉や商談の通訳を行う際は、方向性や戦略なども聞いておくと良いでしょう。

現場での通訳業務

事前準備や打ち合わせで得た情報をもとに、現場で通訳業務を行います。現場では、さまざまなシチュエーションに適切に対応しながら通訳業務を遂行することが必要です。

日本語の敬語について知りたい方は、「日本語の敬語5種類の一覧!使い分け方もわかりやすく解説」のコラムを参考にしてください。

通訳の仕事に必要なスキル

通訳の仕事に必要なスキルの画像

通訳者には、高い語学力のほかにも、通訳を行う仕事の種類に応じてさまざまなスキルが求められます。ここでは、通訳の仕事に必要なスキルについて解説するので、参考にしてください。

コミュニケーション能力

通訳者は多くの場合、話し手と聞き手の間に立ち、双方とコミュニケーションを取りながら仕事を行います。そのため、円滑に会話を進めるうえでコミュニケーション能力は欠かせません。通訳者は機械的にただ訳すのではなく、双方の発言を尊重したり表情を確認したりしながら、状況を見て行う必要があります。また、日本語に通訳する場合は、敬語表現も適切に使う必要があるため、正しい言葉遣いやビジネスマナーも求められるでしょう。

担当分野に関する知識

通訳者には、単純に言葉を訳すだけではなく、正確に伝える能力が求められます。特に、同時通訳を行う場合は時間に余裕がないため、専門用語などをすぐに正しく訳す知識が必要です。事前準備や打ち合わせをしっかり行い、通訳をスムーズに行えるようにしましょう。

臨機応変に対応できる柔軟性と冷静さ

現場での通訳業務は、実際に通訳が始まるまで、話がどのように進んでいくか分からない部分もあります。そのため、通訳者は話の内容や進み具合に即時対応できる、臨機応変さが求められるでしょう。また、予期しない方向へ話が進んだ際も、落ち着いて話せる冷静さや、柔軟性も大切です。

経験

重要な会議などになればなるほど、通訳者の経験値が問われます。通訳経験が多いほど、信頼して仕事を任せてもらえるようになるため、さまざまな場で実績を積むことが大切です。また、言語だけでなく、文化や習慣、マナーなどを理解しておくことは、通訳を行ううえで大きな強みになるでしょう。ほかにも、海外での留学経験や在住経験なども、通訳者の経歴として評価される傾向があります。未経験の人は、ボランティア通訳などに挑戦し、経験を積むのもおすすめです。

日本のビジネスマナーについて知りたい方は、「日本のビジネスマナーを解説!服装から人への接し方まで紹介!」のコラムを参考にしてください。

通訳の仕事に役立つ資格

通訳の仕事に役立つ資格の画像

通訳の仕事に必須といわれる資格は、多くありません。通訳ガイドのみ「通訳案内士」が必須であるものの、そのほかの職種については、必要な資格や条件が仕事内容によって異なります。ここでは、履歴書に記載できる通訳者に役立つ資格を紹介するので、参考にしてください。

語学力を示すための検定試験合格

通訳者には、高い語学力が求められます。そのため、通訳の対象となる言語の語学力を証明する検定試験の合格証は、高い評価に繋がるでしょう。日本で有名な英語の検定試験は、英検やTOEICです。しかし、国際基準で評価される主な英語の検定試験は、TOEFLやIELTSです。TOEFLとIELTSは、知識だけでなく英語のスピーキング力も試されます。英語以外の言語で通訳者を目指す人は、中国語や韓国語、スペイン語など対象となる各言語の検定試験に挑戦すると良いでしょう。日本語の語学力を証明したい人は、日本語能力試験(JLPT)の受験がおすすめです。

TOBIS

TOBIS(ビジネス通訳検定)は、企業や団体で通訳者として働く人の通訳スキルを判定するための試験で、通訳の対象となる言語は、日本語と英語です。TOBISは、「逐次通訳試験」と「同時通訳試験」の2つの試験で構成されています。「逐次通訳試験」は、4級~2級まであり、日常会話からビジネスシーンでの会話を想定した試験内容です。「同時通訳試験」1級は、逐次通訳試験2級合格後、2年以内であれば受験できます。「同時通訳試験」は、ビジネスシーンでのスピーチが想定された内容で、試験時間は30分です。試験結果は、判定基準とともにフィードバックされ、4級以上を取得した人には認定証明が発行されます。TOBISの取得結果は履歴書にも記載できるため、語学力だけでなく通訳スキルのアピールにも繋がるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)について知りたい方は、「JLPT(日本語能力試験)の申し込み方法とは?期限や受験場所も解説」のコラムを参考にしてください。

参照元
TOBIS(ビジネス通訳検定)「TOBISについて

まとめ

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通訳者はただ通訳を行うだけでなく、双方と上手くコミュニケーションを取ったり、話の流れや内容に応じて臨機応変に対応したりすることも求められます。語学力以外のスキルを身につけるには、通訳の実績を積みながら、TOBISなどの検定試験を受験するとよいでしょう。通訳の仕事の種類や必要とされる知識はさまざまです。未経験の人は、ボランティア通訳などに積極的に参加し、自分に合う職種を見つけましょう。

ライター

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