さまざまな仕事のなかでも、コンビニのアルバイトは外国人留学生から人気があります。一方で、外国人留学生がアルバイトをする際には資格外活動許可を得る必要があり、ルール違反とならないよう注意が必要です。
このコラムでは、コンビニのアルバイトが人気の理由や注意点を解説します。コンビニで働きたいと考えている外国人留学生は、仕事内容やアルバイトの探し方などを参考にしてください。
目次
- 外国人留学生がコンビニでアルバイトをするには
- 外国人留学生にコンビニのアルバイトが人気の理由
- コンビニ業界は多くの外国人人材を必要としている
- コンビニアルバイトの仕事内容
- 外国人留学生がコンビニでアルバイトする際の注意点
- 外国人留学生がアルバイトでルール違反をした際の罰則
- 外国人留学生がアルバイトを探す方法
- まとめ
外国人留学生がコンビニでアルバイトをするには
外国人留学生がコンビニでアルバイトをする際は、いくつか満たしておかなければならない条件があります。ここでは、応募前に必要な準備や要件について解説するので参考にしてください。
外国人留学生の在留資格について
外国人留学生の在留資格は「留学」で、日本滞在の目的は勉強することです。そのため、「留学」の在留資格のままアルバイトをすることは禁止されています。外国人留学生がアルバイトを行う際には「資格外活動許可」の申請が必要です。在留資格が「留学」の場合、許可の種類は「包括許可」となります。
アルバイトする際は資格外活動許可が必要
外国人留学生がアルバイトを行う際は、出入国在留管理庁で「資格外活動許可」の申請を行いましょう。アルバイト先が決まっていない場合でも資格外活動許可の申請は可能です。申請から受け取りまで2週間から2ヶ月ほどかかります。アルバイトを始める時期を想定し、早めに申請を行いましょう。申請書は出入国在留管理庁のWebサイトからダウンロードできます。申請方法や要件もあわせて確認しておきましょう。
資格外活動許可の詳しい内容や申請方法については、「留学生がアルバイトする際は資格外活動許可が必要!申請の仕方とは」のコラムを参考にしてください。
参照元 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
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外国人留学生にコンビニのアルバイトが人気の理由
コンビニのアルバイトは、外国人留学生からの人気が高い傾向にあります。理由として、日本人と接する機会が多く、接客を通して日本語能力を磨けるという点が挙げられるでしょう。
また、コンビニは新商品の入れ替わりが早いため、日本の流行や人気の食べ物をいち早く知ることができます。コンビニのアルバイトを通して異文化を理解をすることは、就職活動においても役立つでしょう。ここでは、コンビニのアルバイトが人気の理由を詳しく解説します。
日本語の上達に役立つ
コンビ二は多くの人が利用することから、接客を通して実践的な日本語を学べます。敬語を含めた正しい言葉遣いはもちろん、ビジネスマナーの習得も可能です。また、学生や主婦、フリーターなど、多様な立場の同僚とコミュニケーションを取る機会があるのは、大きなメリットといえます。コンビニアルバイトは、立場の異なる相手やさまざまな状況に対応可能な日本語能力を身に付けられる仕事です。
高時給を目指せる
シフトによっては高時給になるのも、コンビニアルバイトが人気の理由です。日本の法律で、午後10時から午前5時まで働く場合は、昼間の時給に+25%の手当を付けるように義務付けられています。ほとんどのコンビニは24時間営業を行っており、深夜から早朝にかけてのシフトに入れば高収入を期待できるでしょう。外国人留学生は学業との両立から、アルバイトできる時間に限りがあります。コンビニの深夜帯勤務のように、学校の時間外で働けたり短時間で高収入を目指せたりするアルバイトは重宝するでしょう。
ライフスタイルに合わせて働ける
多くのコンビニは24時間営業で年中無休のため、自分の都合やライフスタイルに合わせて働けるのが魅力です。外国人留学生のなかには、学業のかたわら生活費や学費のためにアルバイトをする人もいます。コンビニによっては、週2回からシフトに入れたり1日3時間だけの短時間勤務ができたりと、日中授業に出ていてもアルバイトが可能です。ほとんどの店舗が閉まっている深夜から早朝もコンビニであればアルバイトできるので、柔軟な働き方ができるでしょう。
外国人留学生の採用率が高い
コンビニは全国各地にあり、求人数も多い傾向にあります。24時間営業という営業時間の長さから人手不足が深刻化しており、日本人だけでなく外国人アルバイトの採用を積極的に行っている状況です。そのため、深夜時間帯に勤務できる外国人留学生はコンビニ業界では重宝されるでしょう。
アルバイトで使う挨拶や接客用語について詳しく知りたい方は、「バイトのあいさつで昼夜問わず「おはようございます」と言うのはなぜ?」のコラムを参考にしてください。
コンビニ業界は多くの外国人人材を必要としている
日本のコンビニ業界は人手不足で、多くの外国人人材を求めています。人手不足の理由は、生産年齢人口とされる15歳以上65歳未満の人口の減少やコンビニの店舗数の急増などです。日本人だけでは労働力の確保が難しくなり、すでに多くのコンビニで外国人がアルバイトとして働いています。
外国人留学生は深夜時間帯に勤務できたり、お盆やお正月など日本の祝日にも勤務可能であったりすることから重宝されています。
また、外国人人材は語学力の高さも魅力です。母国語に加え英語も話せる外国人だと、海外からの来店客が多い店舗で重宝されます。日本の少子高齢化の進行や世界のグローバル化に伴い、今後もコンビニ業界における外国人人材の需要は高まっていくでしょう。
アルバイトの面接でよくある質問や服装については、「アルバイトの面接の流れやよくある質問を紹介!【留学生向け】」のコラムでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
コンビニアルバイトの仕事内容
日本のコンビニは幅広いサービスを提供しているため、業務が多岐にわたります。コンビニでのアルバイトを考えている外国人は、あらかじめ仕事内容を把握しておきましょう。なお、仕事に慣れてくると、レジ打ちや接客、清掃だけでなく、新人教育や商品の発注などの責任ある業務を任される機会もあります。ここでは、コンビニの仕事内容について解説するので参考にしてください。
レジ打ち
レジ打ちはコンビニアルバイトのメイン業務です。レジ業務では商品のバーコードを読み取って会計をするほか、レジ内にある切手やタバコ、ホットスナックなどの販売も行います。ほかにも、公共料金の収納代行や店内端末で発行したチケット類の清算、宅配便の受付などもレジ打ちの仕事の一環です。近年のコンビニは現金以外に電子マネーやバーコード決済、タッチ決済などの支払方法に対応しており、レジ打ちを行う際は臨機応変な対応が求められます。
接客
コンビニでアルバイトをするうえで接客は欠かせません。主に来店客に挨拶したり、売り場やサービスに関する質問に答えたりします。コンビニの接客は高い対応力が必要です。店内の状況に応じてレジ打ちのフォローなど業務がスムーズに進められるように対応します。接客を行う際は、相手の目を見て、敬語を使い明るい声で話すようにしましょう。
商品の補充と期限のチェック
品出しとも呼ばれる商品の補充を行うのも、アルバイトの仕事の一つです。パンやお弁当、おにぎりといったよく売れる食品は、1日の間に数回品出しを実施。ホットスナックや肉まん、おでんなど、品薄になったら調理して補充をします。消費期限や賞味期限をチェックし、廃棄する商品を回収するのもアルバイトの重要な仕事です。店内調理の商品は廃棄までの期限が短いため深夜から早朝にかけては補充しないなど、細かいルールを覚える必要があります。
清掃
来店客に気持ちよく利用してもらうため、コンビニ内や店の前の清掃も行います。レジ周りや陳列棚を拭いたり床掃除を行ったりするほか、駐車場がある店舗では掃き掃除も必須です。来店客が少ない深夜帯のシフトでは、使用しないフライヤーやコーヒーメーカーの洗浄を行うこともあります。清掃を行わないと、商品棚や冷蔵庫のふたにほこりが溜まり不衛生です。店内が不衛生だと客足に影響を及ぼす可能性があるため、清掃もコンビニでのアルバイトの重要な仕事といえます。
外国人留学生がコンビニでアルバイトする際の注意点
外国人留学生がコンビニでアルバイトする際には、言葉や文化の違いに気を付けましょう。なお、資格外活動許可を得てアルバイトする外国人留学生は、入管法で定められた決まりの遵守が求められます。ここでは、外国人留学生がコンビニでアルバイトをする際の注意点について解説するので、参考にしてください。
アルバイトできる時間には制限がある
外国人留学生がアルバイトを行える時間には限りがあります。資格外活動許可を得ても日本人の学生と同じ労働時間で勤務できるわけではありません。労働時間の制限を守らなかった場合は罰則が科され、滞在にも大きな影響を与えるため気を付けましょう。
アルバイトできるのは週28時間まで
資格外活動許可を受けた外国人がアルバイトできるのは、週28時間までです。アルバイトを複数掛け持ちしている場合は、合計就労時間が週28時間以内でなければなりません。また、どの曜日から数えても週28時間に収まるように調整が必要なので、シフトを提出する際は注意が必要です。オーバーワークになると本人だけでなく、雇用主も不法就労を助長したとして罰則を受けます。必ずルールを守ってアルバイトをしましょう。
長期休暇中は週40時間まで
外国人留学生が在籍する教育機関の長期休暇中は、1日8時間以内、週40時間を上限に働くことができます。アルバイトを掛け持ちしている場合は、雇用者側が週の合計勤務時間を把握しにくいため、シフトの時間調整は必ず確認して行うようにしましょう。上限時間である40時間には、残業時間も含まれます。すべての労働時間を合計した時間であることを覚えておきましょう。
長期休暇とは、在籍する学校で定められた夏季休暇や冬期休暇などのことです。学校の休講が続き、連続した休みになっている場合は長期休暇とはみなされません。また、休学中の労働もできないため注意しましょう。
長期休暇中のアルバイトについて詳しく知りたい方は、「留学生のアルバイトは夏休み中「週40時間」まで可能!必要な許可も解説」のコラムを参考にしてください。
日本語能力が低いと業務に支障がある
コンビニでアルバイトする際は、ある程度の日本語能力が必要です。日本語能力が低いと相手の言葉を聞き取れなかったり、自分の言った内容が伝わらなかったりして、スムーズな対応ができません。なお、日本の接客業では基本的な日本語に加えて、敬語で話せる能力も求められます。アルバイトを通して、日本語能力やコミュニケーション能力を高める努力をしましょう。
文化やマナーの違いを理解する
母国と日本の価値観の違いを理解し、来店客に対応することも重要です。たとえば、温かいお弁当と冷たい飲み物は違う袋に入れる、購入された食べ物によって付ける食器類を判断するなどの対応が求められます。仕事中はビジネスマナーも守らなければなりません。接客業では清潔感が重視されるので、露出の多い服装や派手なメイク、ネイルは避けましょう。ほかにも、長い髪は結んだりアクセサリーは規定に合った種類にしたりする必要があります。文化の違いやマナーに気を付け、来店客に気持ちよく利用してもらえるように心がけましょう。
外国人留学生がアルバイトでルール違反をした際の罰則
外国人留学生がアルバイトを行うにあたって、いくつかのルールが定められています。外国人留学生は、パチンコ店やゲームセンター、スナック、バーでアルバイトを行うことはできません。また、風俗営業に直接関わらない調理や清掃、皿洗いといった裏方の仕事でも風俗店での労働は禁止されています。ここでは、外国人留学生がアルバイトのルールを守らなかった際の罰則について解説するので、参考にしてください。
在留資格に影響
資格外活動許可に定められている就労時間を超えてアルバイトを行ったり、就労条件を守れなかったりした場合は、在留資格の更新や変更が認められません。在籍している教育機関も退学することになり、留学生活に大きな影響を及ぼすでしょう。日本の法律を知らなかった、ルールを理解できていなかったという理由ではすまされないため、注意してください。
入管法における罰則
ルール違反をした場合、雇用者と外国人留学生両方に罰則が科せられます。外国人留学生は不法就労により強制送還後、5年間は日本に再入国できません。また、雇用者側は不法就労助長罪の適用により、3年以下の懲役や300万円以下の罰金が処せられます。ルール違反をした場合は、本来の目的である日本での学業が続けられなくなるので注意しましょう。
ペナルティによる強制送還は、卒業後に日本で就職したいと考えている外国人留学生に大きな影響を与えます。ルール違反をしないためにも、勤務時間や仕事内容はしっかり確認しておきましょう。
外国人留学生のアルバイトにおいて注意すべき罰則は、「外国人がアルバイトする際の時間や業種の制限とは?罰則や注意点も知ろう」のコラムにもまとめてあるので参考にしてください。
外国人留学生がアルバイトを探す方法
外国人留学生が日本でアルバイトを探す方法はいくつかあります。ここでは、アルバイトを探す方法を紹介するので参考にしてください。
Webサイトで探す
インターネット環境がある人は、携帯電話やパソコンからアルバイト情報サイトをチェックしましょう。アルバイト情報サイトは、自分の条件に合わせて検索することが可能です。また、情報の更新頻度も高く、最新の情報が確認できます。Webサイトからアルバイトに応募することもできるため、便利です。
フリーペーパーで探す
無料で貰えるフリーペーパーは、近所のスーパーやデパート、公共施設などで入手できます。フリーペーパーは、住んでいる地域に特化した情報を得ることができる便利な情報紙です。自宅近くでアルバイトを探す際は、フリーペーパーをチェックしてみましょう。
学校の掲示板や店頭の求人ポスターを見る
学校の掲示板にある求人は、学生が対象であるため採用される可能性が高いといえます。在籍する学校の掲示板を確認したり、就職課に学生向けのアルバイト求人がないか尋ねてみたりすると良いでしょう。また、コンビニや飲食店などでは、店舗の入口に求人募集のポスターが貼られていることもあります。近所の店舗に足を運び、求人募集がないかチェックしてみましょう。
友人に紹介してもらう
すでにアルバイトをしている友人に紹介してもらうのもおすすめです。同じ国の出身であれば業務内容を母国語で教えてもらえるため、日本語能力に自信がない人でも理解しやすく、すぐに仕事を覚えられます。友人を通して職場の雰囲気も応募前に知ることができるため、疑問や不安が少なく環境に慣れる期間も短くなるでしょう。また、すでに外国人留学生を採用している職場であれば、外国人の就業規則について雇用者側も理解できている場合が多いため、安心して働けます。
外国人に人気のアルバイトについて詳しく知りたい方は、「【外国人向け】アルバイトの探し方とは?おすすめの職種から注意点まで紹介」のコラムを参考にしてください。
まとめ
コンビニのアルバイトは、ライフスタイルに合わせた働き方が選べたり日本語の上達に役立ったりするため外国人留学生に人気です。業務はレジ打ちや接客、商品の補充など多岐にわたるため、覚えることは多い業種といえます。敬語を含めた言葉遣いや基本的なビジネスマナーも知っておく必要があるので、よく使う敬語はアルバイトの応募前に覚えておきましょう。
人手不足が続くコンビニ業界では、今後も外国人人材の需要が増加すると考えられます。コンビニのアルバイトに興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
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