就活中、「リクルーター面談」という言葉を聞き、疑問を持った留学生も多いはず。リクルーターとは何なのか、リクルーター面談と通常の面接は何が違うのか、分からない方もいるでしょう。
このコラムでは、リクルーター面談の概要や、企業の目的を解説。リクルーター面談で好印象を残すことができれば、その後の選考が有利になることもあります。リクルーター面談の準備を進める参考にしてみてください。
目次
リクルーターとは?
リクルーターとは、企業の人事部から採用の補助をするように依頼された社員のことです。就活生に直接コンタクトを取り、企業の魅力を広報係として伝えたり、就活のサポートをしたりします。一般的に、対象の就活生が通う大学の卒業生であることが多く、20~30代の若手社員が務める傾向にあります。
一見、就活生にとってリクルーターは、「頼りになる、身近な社会人の先輩」といえそうです。しかし、企業によってはリクルーターに採用権限を与えているので要注意。気を緩めすぎたり、礼儀を欠いた言動をとったりすると、選考に進めなくなる恐れもあるでしょう。
リクルーター制度を取り入れている業界
リクルーター制度は、金融業界やインフラ業界で積極的に取り入れられている傾向があります。リクルーターが就活生の人柄を見極め、人事部に情報共有しながら選考を進めるケースもあるため、金融業界やインフラ業界を志望している人は心づもりをしておきましょう。
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リクルーター面談とは?
リクルーター面談とは、リクルーターが就活生に対して行う面談のことです。カフェやレストランで飲食をしながら行われることも多く、面接よりもカジュアルな雰囲気で話せるでしょう。
通常の面接との違い
先述のとおり、リクルーター面談は通常の面接よりも打ち解けやすい雰囲気で行われます。また、仕事や企業に関する質問に答えたり、選考のアドバイスをしたりと、就活生に寄り添った内容であることも多いようです。
しかし、通常の面接と同じような質疑応答が行われ、リクルーターが就活生の採用可否をジャッジする場合もあります。「リクルーター面談での失敗が影響し、採用試験に落ちた」という結果にならないよう、気を引き締めて臨みましょう。
リクルーター面談が行われる時期
リクルーター面談が行われる時期は、企業によってさまざまです。説明会やプレエントリーの直後に、就活生を囲い込むために行う企業もあれば、ある程度選考が進んでから、より自社に適した人材を見極めるために行う企業もあります。
いずれにせよ、リクルーターから「気軽にお話ししましょう」「懇親会を行います」といった連絡が来た場合は、カジュアルな雰囲気に油断しすぎず、丁寧に対応することが大切です。
リクルーター面談に失敗しない4つのポイント
ここでは、リクルーター面談に失敗しないための4つのポイントを紹介します。リクルーターから面談の連絡を受けた人は参考にしてみてください。
1.マナーに注意する
先述のとおり、リクルーター面談は選考の場である可能性もあります。マナーには十分注意し、リクルーターに失礼がないよう注意しましょう。
服装はスーツが基本
服装は面接と同様、リクルートスーツやシャツを着用します。私服で来るよう指示があった場合も、スーツで臨むのが無難でしょう。企業や業界によっては、私服から就活生の個性や価値観を判断しようとしますが、それでも「オフィスカジュアル」の範囲でコーディネートするのがおすすめです。
日本のビジネスシーンでは、「カジュアル」といいつつもTシャツやジーンズは好まれません。また、派手な色味の服や、丈が短すぎるボトムスなどは避けます。私服選びに迷う場合は、企業のWebサイトを確認し、社員の写真から「オフィスカジュアル」をイメージすると良いでしょう。
面談がカフェで行われる場合
リクルーター面談がカフェで行われる場合は、注文する飲み物と、会計時の対応に注意しましょう。
多くのリクルーターは、好きな飲み物を注文するよう勧めるはずです。しかし、その言葉を鵜呑みにするのは禁物。就活生は、そのカフェで最も安価なコーヒーや紅茶を注文するのが一般的です。
また、会計時の動作にも気をつけましょう。ほとんどの場合、面談中の飲食代はリクルーターが支払いますが、就活生も財布を出したり、「おいくらですか?」と尋ねたりし、「自分の飲食代は自分で支払う意思」を示します。リクルーターに制されたら「ありがとうございます、ごちそうさまです」とお礼を述べましょう。
日本特有の目上の人に対するマナーは留学生にとって馴染みにくいかもしれませんが、覚えておくことをおすすめします。
2.自己分析や企業研究をしておく
リクルーター面談では、就活生の人柄や志望動機について尋ねられる可能性もあるため、あらかじめ自己分析や企業研究をしておくのがおすすめです。リクルーター面談が、説明会やプレエントリーの直後といった就職活動の序盤で行われる場合に備えて、早めに取り組みましょう。
自己分析や企業研究をしておくことで、リクルーターに「自分の強みと弱みを把握できている人だ」「企業のことを知ろうとする学習意欲が高い」と評価してもらえることもあります。
どうしても自己分析や企業研究が上手くいかない場合は、就職活動の先輩でもあるリクルーターに相談するのも手です。ただし、初めから「何も分からないから教えてほしい」という受け身の姿勢を取るのは避けましょう。「自分ではこう思うのですが、〇〇さんの意見もお伺いしたいです」というように、自分の意見を述べたうえでアドバイスを仰ぐと、意欲が伝わりやすくなります。
3.逆質問を用意しておく
リクルーター面談は、就活生がリクルーターに質問する機会でもあるため、聞きたいことをまとめておきましょう。
就活生が企業側に質問することを、日本の就職活動では「逆質問」と呼んでおり、企業への関心や入社意欲をアピールするチャンスといわれています。Webサイトやパンフレットからでは分からない、企業のリアルな雰囲気を聞き出し、同時にリクルーターにも好印象を与える質問が良いでしょう。
- 〇〇さんは、なぜこの企業で働こうと思ったのですか?
- 〇〇さんの職場の雰囲気を教えてください。
- 〇〇さんが、今まで一番大変だった仕事は何ですか?
- 〇〇さんはどんな時に仕事のやりがいを感じますか?
- 御社で活躍している人には、どんな共通点がありますか?
一方、企業の規模や事業内容など、調べれば分かることを質問するのは逆効果。企業研究が足りないと見なされてしまうでしょう。給料や残業など、労働条件に関することを聞くのも望ましくありません。
逆質問については「日本の就活でよく聞く逆質問ってなに?外国人留学生向けに分かりやすく解説」や「外国人の面接対策!企業に対する質問では何を聞くべき?」でも詳しく解説しているので、ご覧ください。
4.マナーは守りつつ仲良くなる
リクルーターは、企業の採用担当の一員です。カジュアルな雰囲気で接してもらえるからといって、こちらまでくだけすぎた言動をとるのは避けましょう。
ただし、マナーは守りつつ、仲を深めることも大切です。過剰に硬くなると「コミュニケーションが取りにくい」と思われてしまう可能性も。リクルーターの人柄に合わせ、適度に距離を縮めていくのがベターです。
就活の面接での質問・解答例やマナーについては「外国人が就活でよく聞かれる質問と回答例を紹介!面接時のマナーも解説!」もぜひご覧ください。
リクルーター面談に関するメールの送り方
リクルーター面談の日程は、メールで送られてくることが多いようです。そのため、メールのマナーをきちんと把握し、失礼のない返信を心掛けましょう。
また、面談後や内定後は、リクルーターにお礼のメールを送るのも大切です。感謝の気持ちを伝えるとともに、ビジネスマナーが身についていることをアピールできます。以下の例文を参考に、好印象を与えるメールを送りましょう。
日程調整
リクルーター面談の実施日時が送られてきたら、スケジュールを確認し早急に返信するのがベターです。面談の日時は目立つように書き、お互いに食い違いがないか確認しましょう。
- 例文
お世話になっております、◯◯大学〇〇学部の〇〇です。
面接日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご連絡頂きました日程の中から、下記日程でお伺いさせて頂きたく存じます。
◯月◯日(◯)◯時~
お忙しい中、貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。
当日は、何卒よろしくお願いいたします。
リクルーターに指定された面談日時の都合が悪い場合は謝罪し、別の日程に変更してもらえるか確認しましょう。こちらから変更を希望する候補日を複数提示するのがマナーです。
面談のお礼
面談終了後は、当日中かつ企業の営業時間内にお礼のメールを送りましょう。
- 例文
お世話になっております、◯◯大学〇〇学部の〇〇です。
先ほどはお忙しい中、面談の機会を設けていただきありがとうございました。
◯◯様のお話を伺い、さらに貴社の魅力を知ることができ、
ますます入社意欲が高まりました。
本日の面談を踏まえ、業界研究を進めて参ります。
また、就職活動についてご相談させていただくこともあるかと思いますが、
その際は、ご指導・ご鞭撻をいただけますと幸いです。
本日は貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました。
貴重な時間を割いてもらったことに対する感謝を伝えます。また、具体的な感想や入社への前向きな気持ちを添えられるとベターです。
内定の報告
内定が出たら、リクルーターにも報告すると良いでしょう。就活のアドバイスや企業の情報をくれたことへのお礼を添えると、リクルーターも嬉しい気持ちになるはずです。
- 例文
お世話になっております、◯◯大学〇〇学部の〇〇です。
本日、貴社の人事部の方から内定の連絡をいただきました。
リクルーター面談にて、〇〇様からアドバイスをいただいたお陰だと感じ、
ご報告させていただきました。本当にありがとうございました。
入社後は、〇〇様から学んだことを活かし、精一杯頑張っていく所存です。
丁寧にご指導いただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
もし入社すれば、リクルーターが先輩や上司になる可能性もあります。今後のより良い関係構築のためにも、メールを送って損することはないでしょう。
まとめ
身近な社会人の先輩でありながら、採用担当者の顔を持つリクルーターとの面談に、戸惑う方もいるはず。しかし、堅苦しくなりすぎず、前向きに入社意欲を示せば、好印象を持ってもらえるはずです。しっかり準備をし、自信を持ってリクルーター面談に臨みましょう。