その企業で働きたいと思った理由を志望動機といい、日本企業の採用選考では必ず聞かれます。魅力的な内容を考えられれば、内定を得られる可能性が高まるでしょう。良い志望動機を作成するには、自己分析や企業研究をしっかりするのがコツです。
このコラムでは、外国人向けの志望動機の例文を紹介します。内容を参考にして、内定を勝ち取りましょう。
目次
そもそも志望動機とは?
志望動機とは、応募する企業で働きたい理由のことです。企業の採用担当者は、志望動機から入社意欲や事業への理解度、業務へのマッチ度などをチェックします。そのため、志望動機は非常に重要な項目といえるでしょう。
志望動機の書き方に説得力やまとまりがあると、企業に自分自身を上手くアピールできます。内定を得るためには、魅力的な志望動機が必要不可欠です。
履歴書を書く際や面接時には、志望動機以外にも自分をアピールできる項目があります。「外国人の転職活動における自己PRの書き方とは?例文やポイントを紹介!」や「自己PRに悩む外国人留学生必見!履歴書やESの書き方や例文を紹介」では、自己PRの書き方を紹介しているので、ぜひご覧ください。
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外国人が志望動機を書く前に考えること
魅力的な志望動機を書くために、以下の点について深く考えてみましょう。書き始める前にしっかり情報を整理しておくと、悩む時間を減らせます。
なぜその企業に応募しようと思ったのか
数ある企業のなかから応募先企業を選んだ理由を、掘り下げて考えます。「自分の夢である▲▲に携われるから」「多くの外国人社員が活躍しているから」など、思いつく限り書き出してみてください。なかには、「家から近いから」「給料が高いから」などが動機の人もいるでしょう。しかし、これらは「その会社でなければならない理由」にはならないため、志望動機にすべきではありません。応募企業ならではの魅力に感じた部分を志望動機にするのがポイントです。
今まで身に付けてきた経験やスキルは何か
学生生活や仕事で身に付けてきた経験・スキルは何かを考えてみましょう。自分の持つ経験・スキルを見つめ直すことは、自己PRだけでなく志望動機を書くのにも役立ちます。「自分の培ってきたことを活かせる」といった理由は、立派な志望動機になるからです。
将来のビジョンはあるか
入社したあとにどうなりたいか、ビジョンを明確にするのも重要です。「将来的に●●になりたい」「●●でありたいからこの企業に入社したい」といった志望動機は、非常に説得力があります。将来のビジョンがはっきりしていると入社意欲が強いことが伝わり、好印象を与えられるでしょう。
履歴書の書き方を知りたい留学生には、「外国人留学生の履歴書入門!インターン経験の書き方も」のコラムもおすすめです。
外国人向けの志望動機の例文【新卒】
以下では、新卒採用を受ける外国人向けに志望動機の例文を紹介します。
例文1
私の目標は世界に向けて日本食の奥深さを発信することです。母国で初めて日本人の握った寿司を食べたとき、これほど美味しくて見た目も美しい食べ物が日本にはあるのだと感動しました。貴社はお客様の目を楽しませる料理にこだわっていることに加え、外国人を積極的に募集していると知り、自分も入社して技術を磨きたいと思いました。私は手先がとても器用で繊細な作業が得意です。絵を描くことが趣味で、日頃からさまざま作品を鑑賞しています。これらの強みを活かして芸術作品のような料理を作れる料理人になり、貴社に貢献します。
例文2
私の夢は、エンジニアとしての技術をさらに磨き、会社を代表するようなサービスを作ることです。私は留学中に▲年間、アプリやオンラインサービスの開発について学んできました。昔からパソコンやITへの関心が高く、常に新しいことに興味があります。高校生のころから自分でパソコンを組み立てており、Excelや情報セキュリティについても学んで参りました。
貴社を志望したのは、充実した研修制度のもとで得意分野を活かしながらよりスキルアップを目指せると思ったからです。また、留学生活で培ったコミュニケーション能力もチームで仕事をするうえで活かせると考え、志望いたしました。
例文3
私は、母国の若い子に貴社の化粧品をもっと手にとってもらえるよう、広報に関わる仕事に挑戦したいと考えています。貴社のスキンケア商品は母国ベトナムでとても人気です。しかし、高価なイメージがあるのか、同年代の友人は手に取りにくいと感じているようです。私は美容好きの母の影響で幼いころから貴社の製品を使っており、品質の良さに感銘を受けました。貴社の商品のなかにはリーズナブルかつ品質の良い商品もたくさんあることを、専門学校で培った美容の知識をもとに広めていきたいです。
なお、応募先の企業のことは文面では「貴社」、口頭では「御社」といいます。「面接で使う敬語表現を一覧で紹介!正しい言葉遣いを知って就活に役立てよう」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
外国人向けの志望動機の例文【中途】
以下では、転職用の志望動機の書き方を解説します。「この会社で長く勤めるつもりがあること」「前職の経験をどのように活かしたいか」をしっかり記載しましょう。
例文1
さまざまな国と取引がある貴社で、グローバルビジネスの最前線に立って働きたいと思い志望いたしました。現職の食品メーカーには5年勤めており、主な業務内容は輸入に関わる書類作成や納品管理、顧客対応などです。中国とのやり取りがメインの業務をするうちに、より多くの国を相手としたビジネスに関わりたいと思うようになりました。私は両親の仕事の関係でさまざまな国に居住した経験があり、母国語の中国語のほか、日本語と英語、ロシア語に対応できます。貴社に入社し、ビジネスの幅を広げていくことに貢献したいです。
例文2
海外から日本に来る人に、貴社の素晴らしいホスピタリティを体験してもらう架け橋になりたいと思い志望しました。前職では全国展開のビジネスホテルでフロント業務を4年間行っており、外国人従業員の指導担当を勤めた経験もあります。
勉強と休暇を兼ねてさまざまな宿泊施設に滞在していたところ、貴社の▲▲ホテルに泊まる機会がありました。その際に想像を超えるホスピタリティに感動し、自分も貴社で働いてさらに高みを目指したいと考えるようになったのが志望のきっかけです。海外からやってくるお客様にもっと貴社のホテルを利用してもらえるよう、自分の語学力やコミュニケーション力を活かして貢献したいと考えています。
例文3
私は、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングの分野で活躍し、貴社の商品をより世界に広めたいと思います。現在勤めている▲▲株式会社では、自社のアパレルブランドの海外展開にスタートから携わり、マーケティングを3年担当しました。現在では、進出国に実店舗を6店舗展開するまで拡大できました。
次のステップとして、さまざまな年代の人に手に取ってもらえる商品を海外に広める仕事をしてみたいと思っています。そのなかで、貴社の健康食品部門が海外進出をすると伺ったのが志望したきっかけです。自身も日頃からヘルスケアに興味があり、今までの経験を存分に活かしつつ、より多くの人に商品を届ける仕事ができるのではないかと思い志望しました。
外国人の志望動機のNG例
志望動機の書き方のNG例として、「短すぎる」「今後のビジョンが書かれていない」「内容がネガティブ」などが挙げられます。企業側が魅力的に感じるような、前向きで向上心のある内容にしましょう。
志望動機が短く中身がない
短すぎて中身のない志望動機も、印象が良くないので避けましょう。志望動機が短すぎると「企業に入社したいという強い思いがない」と捉えられる可能性があります。とはいえ、長すぎるのも話をまとめられないと判断されてしまうので、丁度良い長さに収める工夫が必要です。一般的に、口に出して伝える長さは1分程度、文章にすると300文字程度が良いといわれています。なお、多少オーバーしてしまっても、うまく内容をまとめて聞き手に分かりやすく伝えられれば問題ないでしょう。
将来のビジョンが明確でない
「入社してどうなりたいか」が明確でない志望動機もNGです。その会社に入ることをゴールにしているような志望動機では、採用したいという気持ちにさせられません。「▲▲を実現したいからこの会社に入りたい」「入社して×年後には●●になりたい」といった具体的な目標を書きましょう。
内容がネガティブ
志望動機にネガティブなニュアンスがあると、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。志望動機はその会社へ入社したい理由を伝える項目です。できる限り前向きで希望のある表現を考えましょう。また、前職を下げる表現も良くありません。不満を持ちやすく、自社をすぐ退職するのではと判断される可能性があります。
「面接NGワードとは?避けた方が良い回答例をご紹介」のコラムでは、面接で避けるべき言葉を解説しているので、あわせてぜひご覧ください。
良い志望動機を書くコツ
良い志望動機を書くコツは、自己分析や企業研究をしっかりすることです。また、自己PRとの区別もしっかりつけましょう。
自己分析をする
自分の長所や短所、適性などについて深く考えることが自己分析です。自分をよく知れば、その企業に入りたいと感じた根本的な理由が分かってきます。また、自分の魅力を上手に盛り込んだ志望動機を作成可能です。
企業研究をする
企業研究とは、採用選考を受ける企業のビジネスの方向性や業界内の立ち位置、企業理念などを理解することです。企業研究がおろそかだと「自社に興味をもっていないのでは」と判断されます。また、志望動機と企業が求める人物像がズレてしまう可能性も。企業研究をしっかりすることでどのような人材を欲しているかが理解でき、志望動機が書きやすくなります。
自己PRとの区別をしっかりつける
志望動機を書く際は、自己PRの内容ばかりにならないように注意しましょう。志望動機は自分の強みを活かして企業でどのような仕事をしたいかを書くのであって、自分の良いところをアピールする項目ではありません。強みを書く際はボリュームに気を付けて内容を考えましょう。
まとめ
志望動機では、入社の熱意をうまくアピールすることが重要です。同時に、企業にどれだけ自分がマッチしているかも分かりやすく盛り込めると良いでしょう。
志望動機は、履歴書や採用面接の質問のなかでも特に重要な項目です。しっかり時間を取って考えるようにしましょう。
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